テクノロジー解説

Cisco Application Networking Services(ANS)

データセンターの統合化・仮想化を実現するサービスモジュール
Cisco Application Control Engine(ACE)モジュール

Cisco Application Control Engine(ACE)モジュール

 企業では、多くのネットワーク化された業務アプリケーションが利用されるようになっています。1台のパソコンで動作していた経理や総務のアプリケーションはサーバで動作する安定したデータベースを利用したものに変わりました。さらに、これらのアプリケーションが受注・発注管理、精算、勤怠管理なども結びつくようになり、多くの従業員が共通して使用するツールとしてのアプリケーションも増えています。

Web アプリケーション導入によるデータセンターの統合化

 ユーザ数の増加に伴い、多くのアプリケーションが Web ベースへと移行しました。すべてのアプリケーションに共通するインターフェイスとして Web ブラウザを使用することができるので、個々の PC にアプリケーションをインストールする必要がなくなり、管理が簡素化されて、様々なアプリケーションに柔軟に対応できるからです。そのため、フロントエンドを提供する Web サーバ、個々のアプリケーションの処理を実施するアプリケーション サーバ、そのバックエンドでデータを蓄積するデータベース サーバという三層構造が、企業アプリケーションの一般的なアーキテクチャとして提唱されるようになりました。

 これらのサーバには、多くのユーザ(全従業員!)から集中してアクセスがあるため、処理能力の向上、そしてシステムの信頼性向上のために、サーバを複数台設置したうえで、これらのサーバに処理を分散させるロードバランサが導入されます。また、Web サーバにはセキュリティのための SSL(Secure Socket Layer)処理を高速化する SSL アクセラレータが必要な場合もあります。重要なデータが集まるアプリケーション サーバやデータベース サーバについては、それぞれの機能に特化したファイアウォールが配備されます。

仮想ネットワークによってスイッチを統合 − Cisco Catalyst 6500 シリーズ

 フロントエンド サーバ、アプリケーション サーバ、データベース サーバという三層構造で構成されるデータセンター ネットワークには、各階層ごとに LAN を構成し、相互に接続する必要があります。これらのネットワークを仮想的な LAN、すなわち VLAN に置き換えれば、管理がしやすく、柔軟性にも優れたソリューションとなります。

 Cisco Catalyst 6500 シリーズは、大規模・中規模の企業ネットワーク向けに設計されたシスコの代表的な LAN スイッチ プラットフォームです。業界最高レベルのアベイラビリティを備え、統合アプリケーションを強力にサポートします。各階層ごとに必要とされていた LAN スイッチは、Cisco Catalyst 6500 シリーズ 1 台に置き換わり、複数のスイッチを導入するよりも拡張性が高く柔軟なシステムを構築することができます。

「仮想化」により 1 つのモジュールが複数のロードバランサとして機能 − Cisco ACE モジュール

 サーバの負荷分散(ロードバランス)機能は、多くの場合、システムや役割ごとに個別のアプライアンスを導入されます。しかし、このような場合、システムの変更や増強時に新規アプライアンスを追加したり、構成の変更が伴うため、柔軟な構成変更が困難になります。シスコには、1 つのモジュールを「仮想化機能」により、複数台数のロードバランサーの役割を果たすソリューションがあります。ルータやスイッチにモジュールを組み込むだけで、最大 250 台分の機能を提供。それが Cisco Application Control Engine(ACE)サービスモジュールです。

 Cisco ACE モジュールは、Cisco Catalyst 6500 シリーズ(または Cisco 7600 シリーズ)に搭載するサービスモジュールです。業界最高性能の最大 16Gbps スループットの処理能力を備え、ロードバランサとしては 345K トランザクション/秒、 4M 同時コネクション、4,096 仮想サーバをサポートします。サービス モジュールとしてシャーシに組み込まれるため、Cisco Catalyst 6500 の高い可用性や信頼性をそのまま活用できるという特長もあります。さらに、アプリケーション ファイアウォール機能や、SSL アクセラレータの機能もサポートしており、様々なネットワーク機器の機能が統合化され、機器の台数を減らすこともできます。

 Cisco ACE モジュールの最大の特長は「仮想化」です。Cisco ACE モジュールの業界最高性能を最大 250 の仮想パーティションに分割し、それぞれを独立して管理することができます。つまり、1 つの Cisco ACE モジュールが、最大 250 台のロードバランサがあるかのように動作します。この機能により、サービス全体を停止させることなくリアルタイムにサーバ ファームの追加やリソースの割り当てを行うことができ、ネットワークの統合の推進、およびリソースの柔軟な活用が可能になります。

 たとえば、アプリケーションごと、システムごと、階層ごとに個別のロードバランサを設置している構成になっている環境では、ネットワーク機器の管理が複雑化し、サーバ ファームの拡張にも機器の新規導入が必要となります。これらを Cisco ACE モジュール上に統合すれば、個別の仮想パーティションを設定することで、1 台の Cisco ACE モジュールだけで同じ機能を提供することができるのです。

 「仮想化」により、1 つのモジュールで最大 250 台分のロードバランサーとして機能する Cisco ACE モジュールは、ネットワーク機器の台数削減だけでなく、配線を簡素化し、省スペース・省エネルギーを可能にして、運用・管理コストを削減することのできる本当の「Green データセンター」を実現します。

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