場所を選ぶことのないコミュニケーションを実現

モビリティソリューションがチームワークを強化する

場所を選ぶことのないコミュニケーションを実現 モビリティソリューションがチームワークを強化する

 ビジネスにおけるモビリティを考えてみましょう。外出の多い営業担当者にとっての代表的なモバイルツールは携帯電話になるでしょう。外回りの途中の公園や駅で、携帯電話は営業に必須のアイテムです。さらにオフィスのなかのモビリティを考えると、ワイヤレス LAN を利用したソリューションが思い浮かびます。これに加えて、拠点間のネットワーク接続のほか、自宅やホテルから社内ネットワークへのアクセスも重要なモビリティ ソリューションなのです。

 ネットワークの普及は、働き方を大きく変化させました。効率的な作業環境、フレックスタイムの導入、出張先でも自宅でも会社にいるのと同じように仕事ができる環境は、従業員のモチベーションを高め、生産性を向上させます。しかし、その一方で、連絡を取り合うことが困難になるという弊害も発生しています。コミュニケーション端末やアプリケーションが増えているために、使い方を覚えるのに時間がかかったり、管理に手間がかかったりすることがあります。また、行き違いからミスコミュニケーションが多発し、「会って話せば早いのに」と思うことさえあります。

図1

 ビジネスのスピードはますます加速しており、より速い意思決定を必要とする場面が増えています。ワークフローとその決定において、特定の人に連絡がつかないために判断が遅れて、ビジネスチャンスを逃してしまうことさえあります。柔軟性と自由度が高いワークスタイルを目指すなら、チームワークの強化によって作業範囲の境界をなくし、特定の人に依存することなく適格な意思決定ができる組織を作らなければなりません。そのためには、物理的にはどこにいようとも、直接会っているのと同じようなコミュニケーションおよびコラボレーションを可能にするモビリティ ソリューションこそが必要となります。

離れたオフィスのコラボレーションを支援するモビリティ ソリューション

 ビジネスのグローバル化により、離れたオフィスに勤務する従業員が同じプロジェクトに携わることが多くなっています。また、営業担当者とサポート サービスの担当者では、必要とするオフィス環境が異なるため、別々の場所にあるオフィスに勤務していることがよくあります。

 同じオフィスに勤務していれば、ミーティングはもちろん、在席しているかどうかさえも簡単にわかりますが、遠く離れたオフィス間では在席状況を確認できず、連絡を取りたいときに互いにボイスメッセージを残しあってしまうようなことも発生します。

 Cisco Unified Personal Communicator は、連絡を取りたい相手の在席状況だけでなく、その人がどのような連絡手段(電子メール、チャット、電話など)を望んでいるかを確認できるアプリケーションです。Cisco Unified Personal Communicator を使えば、知りたい情報を持っている人のなかから連絡可能な人を探し出すことができるので、すばやく正確に情報を取得することができます。

 さらにシスコでは、ネットワークを活用したコラボレーティブ環境も提供します。Web会議や音声会議は、Cisco Unified MeetingPlace あるいは Cisco Unified MeetingPlace Express が提供します。さらに Cisco Unified Videconferencing により、Web カメラであるCisco Unified Video Advantage を使ったビデオ会議も可能です。

営業担当者の必須アイテム「携帯電話」が進化したデュアルモード IP フォン

 無線 LAN 環境で利用するワイヤレス IP フォンを携帯電話網でも利用可能にしたデュアルモード IP フォンが、ビジネスのモビリティを向上させるツールとして注目されています。シスコでも、携帯端末会社と共同でデュアルモード IP フォンを開発し、NTTドコモから FOMA N902iL、ノキア・ジャパンから NOKIA E61、ソフトバンクモバイルから SoftBank X01NK がそれぞれ発売されています。これらのデュアルモード IP フォンはシスコのモビリティ ソリューションを実装しており、Cisco Unified Communications Manager との連携やモバイル アプリケーションに対応しています。



 さらに、Cisco Unified Communications Manager には、IP フォンと携帯電話の同時着信をサポートする Cisco Unified Mobility 機能をオプションで搭載することができます。

テレワーカーを支援するモビリティ ソリューション

 「テレワーカー」という言葉をご存知でしょうか。「テレ」は「離れた」あるいは「遠く」を意味します。つまりテレワーカーは、「離れた場所で仕事する人」という意味になります。テレワーカーは、いくつかの種類に分けることができます。ここでは、次の 3 つに分類してみました。

外勤型テレワーカー
オフィスにとどまって仕事をするよりも、顧客先などを訪問することが仕事の中心となる従業員のことです。一般に「モバイルワーカー」と呼ばれ、外出や出張の多い営業担当者やフィールド サービス担当者がこれにあたります。 内勤型テレワーカー
固定の席を持たず、最適な場所と時間を選んで仕事を行う従業員です。社内におけるネットワークの普及と利便性に伴い、従来の固定的なオフィスを離れて遂行できる仕事の割合が増えています。このような自由席を採用することで、従業員分の席を確保する必要がなくなり、オフィスをコンパクトにしている企業が増えています。 通勤困難型テレワーカー
オフィスに出社せず、リモートから社内ネットワークにアクセスして仕事をする従業員です。身体障害や、妊娠・出産・育児・介護などの理由で通勤が困難であっても、自宅にインターネットへのブロードバンド接続環境さえあれば、リモート アクセスを利用して、会社にいるのと同じような作業環境を自宅に作ることができます。

 最後の「通勤困難型テレワーカー」は、日本語にすると「在宅勤務」ということになるでしょう。最近では、ブロードバンド接続を備えているホテルも増えていますので、出張中のホテルでも、同じような環境で仕事をすることができます。

 シスコのリモート アクセス VPN は、公衆ネットワークであるインターネットを経由して、セキュアな社内ネットワークへのアクセスを可能にするソリューションです。リモート アクセス VPN を使って社内ネットワークにアクセスすることによって、コラボレーション ツールである Cisco Unified MeetingPlace を利用できるほか、IP フォンの代わりにソフトフォンである Cisco IP Communicator を使ったコミュニケーションが可能になります。

 シスコは、ネットワークを活用することで、場所を選ぶことのないコミュニケーションとコラボレーションを実現します。企業は、これらの機能を利用して作業効率のよいワーキングスタイルを従業員に提供するだけでなく、従業員のモチベーションがあがり、チームワークをさらに強化することができるのです。