fast hello パケットに対する OSPF のサポート
fast hello パケットに対する OSPF のサポートには、1 秒未満のインターバルで hello パケットの送信を設定する方法が用意されています。このような設定により、Open Shortest Path First(OSPF)ネットワークでの統合がより迅速になります。
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プラットフォームのサポートおよび Cisco IOS および Catalyst OS ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスしてください。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
fast hello パケットに対する OSPF のサポートの前提条件
OSPF がネットワークですでに設定されているか、fast hello パケットに対する OSPF のサポートと同時に設定される必要があります。
fast hello パケットに対する OSPF のサポートについて
ここでは、fast hello パケットに対する OSPF のサポートに関連する概念について説明します。
• 「OSPF hello インターバルおよびデッド インターバル」
• 「OSPF fast hello パケット」
• 「OSPF fast hello パケットの利点」
OSPF hello インターバルおよびデッド インターバル
OSPF hello パケットとは、OSPF プロセスがネイバーとの接続を維持するために OSPF ネイバーに送信するパケットです。hello パケットは、設定可能なインターバル(秒単位)で送信されます。デフォルトのインターバルは、イーサネット リンクの場合 10 秒、ブロードキャスト以外のリンクの場合 30 秒です。hello パケットには、 デッド インターバル 中に受信したすべてのネイバーのリストが含まれます。デッド インターバルも設定可能なインターバル(秒単位)で送信されます。デフォルトは hello インターバルの値の 4 倍です。hello インターバルの値は、ネットワーク内ですべて同一にする必要があります。デッド インターバルの値も、ネットワーク内ですべて同一にする必要があります。
この 2 つのインターバルは、リンクが動作していることを示すことにより、接続を維持するために連携して機能します。ルータがデッド インターバル内にネイバーから hello パケットを受信しない場合、ルータはこのネイバーがダウンしていると判定します。
OSPF fast hello パケット
OSPF fast hello パケットとは、1 秒よりも短いインターバルで送信される hello パケットのことです。fast hello パケットを理解するには、OSPF hello パケット インターバルとデッド インターバルとの関係についてあらかじめ理解しておく必要があります。「OSPF hello インターバルおよびデッド インターバル」を参照してください。
OSPF fast hello パケットは、 ip ospf dead-interval コマンドで設定されます。デッド インターバルは 1 秒に設定され、hello-multiplier の値は、その 1 秒間に送信する hello パケット数に設定されるため、1 秒未満の「fast」hello パケットになります。
インターフェイスで fast hello パケットが設定されている場合、このインターフェイスから送出される hello パケットでアドバタイズされる hello 間隔は 0 に設定されます。このインターフェイス経由で受信した hello パケットの hello 間隔は無視されます。
デッド インターバルは、1 つのセグメント上で一貫している必要があり、1 秒に設定するか(fast hello パケットの場合)、他の任意の値を設定します。デッド インターバル内に少なくとも 1 つの hello パケットが送信される限り、hello multiplier がセグメント全体で同じである必要はありません。
OSPF fast hello パケットの利点
OSPF fast hello パケット機能を利用すると、ネットワークがこの機能を使用しない場合よりも、短い時間で統合されます。この機能によって、失われたネイバーを 1 秒以内に検出できるようになります。この機能は、ネイバーの損失が Open System Interconnection(OSI)物理層またはデータ リンク層で検出されないことがあっても、特に LAN セグメントで有効です。
OSPF fast hello パケットの設定方法
ここでは、OSPF fast hello パケットをイネーブルにする方法について説明します。
• 「OSPF fast hello パケットの設定」
OSPF fast hello パケットの設定
ここでは、OSPF fast hello パケットを設定する方法について説明します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ip ospf dead-interval minimal hello-multiplier multiplier
5. end
6. show ip ospf interface [ interface-type interface-number ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードなど、高位の権限レベルをイネーブルにします。 プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface ethernet 0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
ip ospf dead-interval minimal hello-multiplier multiplier
Router(config-if)# ip ospf dead-interval minimal hello-multiplier 5 |
少なくとも 1 個の hello パケットの受信が必要なインターバルを設定します。受信されなければ、ネイバーがダウンしていると判断されます。 • ここでは、 minimal キーワードおよび hello-multiplier キーワードと値を指定することにより、fast hello パケットに対する OSPF のサポートがイネーブルになっています。multiplier キーワードが 5 に設定されているため、hello パケットが毎秒 5 回送信されます。 |
ステップ 5 |
end
Router(config-if)# end |
(任意)コンフィギュレーション コマンドを実行中の設定ファイルに保存し、コンフィギュレーション モードを終了して特権 EXEC モードに戻ります。 • コンフィギュレーション モードの終了と、設定ファイルへの設定内容の保存の用意ができたらこのコマンドを使用してください。 |
ステップ 6 |
show ip ospf interface [ interface-type interface-number ]
Router# show ip ospf interface ethernet 1/3 |
(任意)OSPF 関連のインターフェイス情報を表示します。 • OSPF fast hello パケットを確認する関連フィールドについては、次の表の出力例を参照してください。 |
例
この出力例では、fast hello パケットに対する OSPF のサポートが設定されているかを確認できます。「Timer intervals configured」で始まる行では、hello インターバルは 200 ミリ秒、デッド インターバルは 1 秒で、次の hello パケットの発生期限は 76 ミリ秒です。
Router# show ip ospf interface ethernet 1/3
Ethernet1/3 is up, line protocol is up
Internet Address 172.16.1.2/24, Area 0
Process ID 1, Router ID 172.17.0.2, Network Type BROADCAST, Cost:1
Transmit Delay is 1 sec, State DR, Priority 1
Designated Router (ID) 172.17.0.2, Interface address 172.16.1.2
Backup Designated router (ID) 172.16.0.1, Interface address 172.16.1.1
Timer intervals configured, Hello 200 msec, Dead 1, Wait 1, Retransmit 5
Index 2/2, flood queue length 0
Last flood scan length is 2, maximum is 3
Last flood scan time is 0 msec, maximum is 0 msec
Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1
Adjacent with neighbor 172.16.0.1 (Backup Designated Router)
Suppress hello for 0 neighbor(s)
fast hello パケットに対する OSPF のサポートの設定例
ここでは設定例について説明します。
• 「OSPF fast hello パケット:例」
OSPF fast hello パケット:例
この例では、デッド インターバルが 1 秒で、この間 5 回の hello パケットが送信される OSPF fast hello パケットを設定します。
ip ospf dead-interval minimal hello-multiplier 5
その他の参考資料
ここでは、fast hello パケットに対する OSPF のサポートに関する参考資料を紹介します。
規格
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この機能によってサポートされる新しい規格または変更された規格はありません。またこの機能による既存規格のサポートに変更はありません。 |
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シスコのテクニカル サポート
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シスコのテクニカル サポート Web サイトには、数千ページに及ぶ検索可能な技術情報があります。製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およびツールへのリンクもあります。Cisco.com に登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアクセスできます。 |
http://www.cisco.com/techsupport |
fast hello パケットに対する OSPF のサポートの機能情報
表 1 に、この機能のリリース履歴を示します。
表 1 に、この章で説明した機能をリストし、特定の設定情報へのリンクを示します。この表には、Cisco IOS Release 12.2(18)S、あるいは 12.2(15)T または 12.0(23)S 以降のリリースで導入または変更された機能だけが示されています。
ご使用の Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、コマンドの中に一部使用できないものがあります。特定のコマンドに関するリリース情報については、コマンド リファレンス マニュアルを参照してください。
プラットフォームのサポートおよびソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator を使用すると、特定のソフトウェア リリース、フィーチャ セット、またはプラットフォームをサポートする Cisco IOS および Catalyst OS のソフトウェア イメージを判別できます。Cisco Feature Navigator には、 http://www.cisco.com/go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
(注) 表 1 に、特定の Cisco IOS ソフトウェア リリース群で特定の機能をサポートする Cisco IOS ソフトウェア リリースだけを示します。特に明記されていない限り、Cisco IOS ソフトウェア リリース群の後続のリリースでもこの機能をサポートします。
表 1 fast hello パケットに対する OSPF のサポートの機能情報
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fast hello パケットに対する OSPF のサポート |
12.0(23)S 12.2(18)S 12.2(27)SBC 12.2(15)T |
fast hello パケットに対する OSPF のサポートには、1 秒未満のインターバルで hello パケットの送信を設定する方法が用意されています。このような設定により、Open Shortest Path First(OSPF)ネットワークでの統合がより迅速になります。 次のコマンドが導入されました。 ip ospf dead-interval |
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