プッシュ通知の概要
クラスタでプッシュ通知が有効になっている場合、 および IM and Presence Service は、一時停止モード(バックグラウンドモードとも呼ばれます)で動作している Android および iOS 用 Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントに音声通話、ビデオ通話、インスタントメッセージの通知をプッシュするために、Google と Apple のクラウドベースのプッシュ通知サービスを使用します。プッシュ通知によって、システムは Cisco Jabber または Cisco Webex と永続的な通信を維持できます。プッシュ通知は、エンタープライズネットワーク内から接続する Android および iOS 用 Cisco Jabber および Cisco Webex クライアントと、Expressway のモバイルおよびリモートアクセス機能を通じてオンプレミス展開に登録するクライアントの両方で必要となります。
プッシュ通知の動作
Android および iOS プラットフォームデバイスにインストールされているクライアントは、起動時に 、IM and Presence Service、および Google と Apple のクラウドに登録します。モバイルおよびリモートアクセス展開では、クライアントは Expressway 経由でオンプレミスサーバに登録します。Cisco Jabber および Cisco Webex クライアントがフォアグラウンドモードになっている限り、 および IM and Presence Service は、コールとインスタントメッセージをクライアントに直接送信することができます。
ただし、Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントが(たとえばバッテリ寿命を長持ちさせるために)サスペンドモードに移行すると、標準の通信チャネルは使用不可となり、 および IM and Presence Service がクライアントと直接通信することはできなくなります。プッシュ通知は、パートナークラウドを介してクライアントに到達するための別のチャネルを提供します。
(注) |
次の条件のいずれかに当てはまる場合、Cisco Jabber と Cisco Webex はサスペンドモードで動作していると見なされます。
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上の図は、Android および iOS 用 Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントが、バックグラウンドで動作している場合と停止している場合の動作を示したものです。この図では、(1) クライアントが Expressway 経由でオンプレミスの Cisco Unified Communications Manager および IM and Presence Service 展開に接続するモバイルおよびリモートアクセス展開と、(2) エンタープライズネットワーク内からオンプレミス展開に直接接続する Android および iOS 用 Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントを示しています。
(注) |
iOS13 の Apple クライアントおよびサポートされている Android クライアントでは、音声通話とメッセージは別々のプッシュ通知チャネル(「VoIP」と「Message」)を使用して、バックグラウンドモードで動作しているクライアントに到達します。ただし、全般的なフローはどちらのチャネルでも同じです。iOS 12 では、音声通話とメッセージは同じチャネルを使用して配信されます。 |
Cisco Jabber および Cisco Webex のプッシュ通知の動作
次の表は、 および IM and Presence Service に登録された iOS 用 Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントの iOS 12 および iOS 13 での動作を説明したものです。
Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントの動作モード |
Cisco Jabber が iOS12 デバイスで実行されている場合 |
Cisco Jabber が iOS13 デバイスまたは Android デバイスで実行されている場合 |
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フォアグラウンドモード |
音声/ビデオ通話 は、標準の SIP 通信チャネルを使用して、音声通話とビデオ通話を Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントに直接送信します。 通話の場合、 はプッシュ通知もフォアグラウンドモードの Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントに送信します。ただし、通話の確立には、プッシュ通知チャネルではなく標準の SIP チャネルが使用されます。 メッセージ IM and Presence Service は、標準の SIP 通信チャネルを使用してメッセージをクライアントに直接送信します。メッセージの場合、フォアグラウンドモードのクライアントにプッシュ通知は送信されません。 |
動作は iOS12 の場合と同じです。 |
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サスペンドモード(バックグラウンドモード) |
ビデオまたはビデオ コール 標準の通信チャネルは使用できません。Unified CM はプッシュ通知チャネルを使用します。 通知を受信すると、Cisco Jabber または Cisco Webex クライアントは自動的にフォアグラウンドモードに戻り、クライアントが呼出音を鳴らします。 メッセージ 標準の通信チャネルは使用できません。IM and Presence サービスは、プッシュ通知チャネルを使用して、次のように IM 通知を送信します。
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iOS13 では、コールトラフィックとメッセージトラフィックは別々のプッシュ通知チャネルに分けられます。コールには「VoIP」チャネル、メッセージングには「Message」チャネルが使用されます。 ビデオまたはビデオ コール 標準の通信チャネルは使用できません。Unified CM は「VoIP」プッシュ通知チャネルを使用します。 VoIP 通知を受け取ると、Jabber は発信者 ID を使用して CallKit を起動します。 この動作は、Cisco Jabber または Cisco Webex iOS クライアントに適用されます。 メッセージ 標準の通信チャネルは使用できません。IM and Presence Service は、「Message」プッシュ通知チャネルを使用します。
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プッシュ通知がサポートされるクライアント
クライアント |
OS |
プラットフォームクラウド |
クラウドサービス |
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iPhone および iPad の Cisco Jabber |
iOS |
Apple |
Apple プッシュ通知サービス(APNS) |
Android の Cisco Jabber |
Android |
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Android PNS サービス |
iOS での Webex |
iOS |
Apple |
Apple プッシュ通知サービス(APNS) |
Android での Webex |
Android |
|
Android PNS サービス |
iOS13 でのプッシュ通知の動作
iOS13 では、サスペンド状態のアプリに対するタイプ VoIP のプッシュ通知は、Apple によって iOS12 とは異なる方法で処理されます。2020 年 7 月以降、すべての新しいアプリおよびアプリの更新は iOS 13 SDK でビルドされています。
Cisco Unified Communications Manager および IM and Presence Service は、音声と IM メッセージの両方のプッシュに VOIP 通知チャネルを使用します。
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すべてのオーディオ/ビデオ通話に対しては、CUCM サーバがタイプ「VoIP」のプッシュ通知を送信します。
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すべてのメッセージに対しては、IM&P サーバがタイプ「message」のプッシュ通知を送信します。
CUCM は、VoIP プッシュ通知を優先順位の高い通知と見なし、遅延なしで配信します。
次の図は、iOS12 と iOS13 での Apple によるプッシュ通知の処理を示しています。
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各ユースケースでの動作とバージョン間の相違点の詳細については、次の表を参照してください。