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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco UCS は、Quality Of Service を実装するために、次の方法を提供しています。
システム全体にわたって、特定のタイプのトラフィックに対するグローバル設定を指定するためのシステム クラス
個々の vNIC にシステム クラスを割り当てる QoS ポリシー
アップリンク イーサネット ポートによるポーズ フレームの扱い方法を決定するフロー制御ポリシー
QoS システム クラスに加えられたグローバル QoS の変更によって、すべてのトラフィックにデータプレーンでの中断が短時間発生する可能性があります。このような変更の例を次に示します。
Cisco UCS 6300 シリーズ Fabric Interconnect はすべてのシステム クラスに共有バッファを使用します。
マルチキャスト最適化はサポートされません。
QoS システム クラスのステータス |
Condition |
FI の再起動ステータス |
---|---|---|
イネーブル |
ドロップとドロップなしを切り替えた場合 |
Yes |
ドロップなし |
イネーブルとディセーブルを切り替えた場合 |
Yes |
イネーブルかつドロップなし |
MTU サイズを変更した場合 |
Yes |
QoS システム クラスでの変更により、最初に下位 FI の再起動が行われ、その後プライマリ FI の再起動が行われます。
(注) | システム ポリシーが変更されると、Cisco UCS Manager はファブリック インターコネクトの再起動を求めるプロンプトを表示します。 |
Cisco UCS Mini はすべてのシステム クラスに共有バッファを使用します。
Bronze クラスは SPAN とバッファを共有します。SPAN または Bronze クラスを使用することを推奨します。
マルチキャスト最適化はサポートされません。
あるクラスの QoS パラメータを変更すると、すべてのクラスのトラフィックが中断されます。
イーサネット トラフィックと FC または FCoE トラフィックが混在している場合は、帯域が均等に配分されません。
同じクラスからの複数のトラフィック ストリームが均等に分配されないことがあります。
FC または FCoE のパフォーマンス問題を回避するために、すべての破棄なしポリシーに同じ CoS 値を使用してください。
Platinum クラスと Gold クラスのみが破棄なしポリシーをサポートしています。
システム クラスの設定
Cisco UCS はデータセンター イーサネット(DCE)を使用して Cisco UCS ドメイン内のすべてのトラフィックを処理します。イーサネットに対するこの業界標準の機能拡張では、イーサネット パイプの帯域幅が 8 つの仮想レーンに分割されています。内部システムと管理トラフィック用に 2 つの仮想レーンが予約されています。それ以外の 6 つの仮想レーンの Quality of Service(QoS)を設定できます。Cisco UCS ドメイン全体にわたり、これら 6 つの仮想レーンで DCE 帯域幅がどのように割り当てられるかは、システム クラスによって決定されます。
各システム クラスは特定のタイプのトラフィック用に帯域幅の特定のセグメントを予約します。これにより、過度に使用されるシステムでも、ある程度のトラフィック管理が提供されます。たとえば、[Fibre Channel Priority] システム クラスを設定して、FCoE トラフィックに割り当てる DCE 帯域幅の割合を決定することができます。
次の表は、設定可能なシステム クラスをまとめたものです。
システム クラス |
説明 |
||
---|---|---|---|
Platinum Gold Silver Bronze |
サービスプロファイルの QoS ポリシーに含めることができる設定可能なシステム クラスのセット。各システム クラスはトラフィック レーンを 1 つ管理します。 これらのシステム クラスのプロパティはすべて、カスタム 設定やポリシーを割り当てるために使用できます。 Cisco UCS Mini の場合、パケットの破棄は Platinum クラスと Gold クラスでのみ無効にできます。1 つの Platinum クラスと 1 つの Gold クラスのみを no-drop クラスとして同時に設定できます。 |
||
ベスト エフォート |
ベーシック イーサネット トラフィックのために予約されたレーンに対する QoS を設定するシステム クラス。 このシステム クラスのプロパティの中にはあらかじめ設定されていて、変更できないものもあります。たとえば、このクラスには、必要に応じて、データ パケットのドロップを許可するドロップ ポリシーがあります。このシステム クラスをディセーブルにはできません。 |
||
ファイバ チャネル |
Fibre Channel over Ethernet トラフィックのために予約されたレーンに対する Quality Of Service を設定するシステム クラス。 このシステム クラスのプロパティの中にはあらかじめ設定されていて、変更できないものもあります。たとえば、このクラスには、データ パケットが絶対にドロップされないことを保証するドロップなしポリシーがあります。このシステム クラスをディセーブルにはできません。
|
サーバ内のアダプタのタイプによっては、サポートされる MTU の最大値が制限される場合があります。 たとえば、ネットワーク MTU が最大値を超えた場合、次のアダプタでパケットがドロップする可能性があります。
次の例は、プラチナ システム クラスをイネーブルにして、チャネルによるパケットのドロップを許可し、サービス クラスを 6 に設定して、MTU を normal に設定し、相対重みを 5 に設定して、トランザクションをコミットする方法を示しています。
UCS-A# scope eth-server UCS-A /eth-server # scope qos UCS-A /eth-server/qos # scope eth-classified platinum UCS-A /eth-server/qos/eth-classified # enable UCS-A /eth-server/qos/eth-classified* # set drop drop Warning: The operation will cause momentary disruption to traffic forwarding UCS-A /eth-server/qos/eth-classified* # set cos 6 UCS-A /eth-server/qos/eth-classified* # set mtu normal Warning: The operation will cause momentary disruption to traffic forwarding UCS-A /eth-server/qos/eth-classified* # set weight 5 UCS-A /eth-server/qos/eth-classified* # commit-buffer UCS-A /eth-server/qos/eth-classified #
QoS ポリシーで使用されるシステム クラスを無効にすると、Cisco UCS Manager は QoS ポリシーが設定されているサーバのトラフィックに対して CoS 0 のシステム クラスを設定します。 CoS 0 に設定されているシステム クラスがない場合、ベスト エフォート システム クラスが使用されます。 ベスト エフォート システム クラスやファイバ チャネル システム クラスは無効にできません。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | UCS-A# scope eth-server |
イーサネット サーバ モードを開始します。 |
ステップ 2 | UCS-A /eth-server # scope qos |
イーサネット サーバ QoS モードを開始します。 |
ステップ 3 | UCS-A /eth-server/qos # scope eth-classified {bronze | gold | platinum | silver} |
指定されたシステム クラスに対し、イーサネット サーバ QoS イーサネット機密モードを開始します。 |
ステップ 4 | UCS-A /eth-server/qos/eth-classified # disable |
指定したシステム クラスをディセーブルにします。 |
ステップ 5 | UCS-A /eth-server/qos/eth-classified # commit-buffer |
トランザクションをシステムの設定にコミットします。 |
次に、platinum システム クラスをディセーブルにし、トランザクションをコミットする例を示します。
UCS-A# scope eth-server UCS-A /eth-server # scope qos UCS-A /eth-server/qos # scope eth-classified platinum UCS-A /eth-server/qos/eth-classified # disable UCS-A /eth-server/qos/eth-classified* # commit-buffer UCS-A /eth-server/qos/eth-classified #
Quality of Service ポリシーの設定
Quality Of Service(QoS)ポリシーは、vNIC または vHBA に向けた発信トラフィックにシステム クラスを割り当てます。このシステム クラスにより、このトラフィックに対する Quality Of Service が決定されます。一部のアダプタでは、発信トラフィックでバーストやレートなど追加の制御を指定することもできます。
vNIC ポリシー、または vHBA ポリシーに QoS ポリシーをインクルードし、その後、このポリシーをサービス プロファイルにインクルードして、vNIC または vHBA を設定する必要があります。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | Switch-A# scope orgorg-name |
指定した組織で組織モードを開始します。デフォルトの組織モードを開始するには、org-name として / を入力します。 |
ステップ 2 | Switch-A /org # create qos-policypolicy-name |
指定した QoS ポリシーを作成し、組織 QoS ポリシー モードを開始します。 |
ステップ 3 | Switch-A /org/qos-policy # create egress-policy |
QoS ポリシーが使用する出力ポリシー(vNIC および vHBA の両方)を作成し、組織 QoS ポリシーの出力ポリシー モードを開始します。 |
ステップ 4 | Switch-A /org/qos-policy/egress-policy # set host-cos-control {full | none} |
(任意)ホストまたは Cisco UCS Manager のどちらが vNIC のサービス クラス(CoS)を制御するかを指定します。この設定は、vHBA には影響しません。 ホストに CoS を制御させるには、full キーワードを使用します。パケットに有効な CoS 値がある場合、ホストはその値を使用します。それ以外の場合、指定されたクラス プライオリティに関連付けられた CoS 値を使用します。指定したプライオリティに関連付けられている CoS 値を Cisco UCS Manager に使用させるには、none キーワードを使用します。 |
ステップ 5 | Switch-A /org/qos-policy/egress-policy # set priosys-class-name |
出力ポリシーで使用されるシステム クラスを指定します。sys-class-name 引数には、次のいずれかのクラス キーワードを指定できます。
|
ステップ 6 | Switch-A /org/qos-policy/egress-policy # set rate {line-rate | kbps} burstbytes |
トラフィックの予想平均レートを指定します。このレートを下回るトラフィックは、常に準拠です。デフォルトは line-rate です(値 10,000,000 に相当)。最小値は 8 で、最大値は 40,000,000 です。 レート制限は、Cisco UCS VIC-1240 仮想インターフェイス カードおよび Cisco UCS VIC-1280 仮想インターフェイス カード 上の vNIC でのみサポートされます。Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カード は、vNIC と vHBA の両方でレート制限をサポートしています。 |
ステップ 7 | Switch-A /org/qos-policy/egress-policy # commit-buffer |
トランザクションをシステムの設定にコミットします。 |
次の例は、vNIC トラフィックの QoS ポリシーを作成し、プラチナ システム クラスを割り当てて出力ポリシーのレート制限(トラフィック レートとバースト サイズ)を設定し、トランザクションをコミットします。
Switch-A# scope org / Switch-A /org # create qos-policy VnicPolicy34 Switch-A /org/qos-policy* # create egress-policy Switch-A /org/qos-policy/egress-policy* # set prio platinum Switch-A /org/qos-policy/egress-policy* # set rate 5000000 burst 65000 Switch-A /org/qos-policy/egress-policy* # commit-buffer Switch-A /org/qos-policy/egress-policy #
次の例は、vHBA トラフィックの QoS ポリシーを作成し、fc(ファイバ チャネル)システム クラスを割り当てて出力ポリシーのレート制限(トラフィック レートとバースト サイズ)を設定し、トランザクションをコミットします。
Switch-A# scope org / Switch-A /org # create qos-policy VhbaPolicy12 Switch-A /org/qos-policy* # create egress-policy Switch-A /org/qos-policy/egress-policy* # set prio fc Switch-A /org/qos-policy/egress-policy* # set rate 5000000 burst 65000 Switch-A /org/qos-policy/egress-policy* # commit-buffer Switch-A /org/qos-policy/egress-policy #
QoS ポリシーを vNIC または vHBA テンプレートに含めます。
使用中の QoS ポリシーを削除した場合、または QoS ポリシーで使用されているシステム クラスを無効にした場合、この QoS ポリシーを使用している vNIC と vHBA はすべて、ベスト エフォート システム クラスまたは CoS が 0 のシステム クラスに割り当てられます。 マルチテナント機能を実装しているシステムでは、Cisco UCS Manager はまず、組織階層から一致する QoS ポリシーを見つけようとします。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次の例は、QosPolicy34 という名前の QoS ポリシーを削除し、トランザクションをコミットします。
UCS-A# scope org / UCS-A /org # delete qos-policy QosPolicy34 UCS-A /org* # commit-buffer UCS-A /org #
フロー制御ポリシーの設定
フロー制御ポリシーは、ポートの受信バッファがいっぱいになったときに、Cisco UCS ドメインのアップリンク イーサネット ポートが IEEE 802.3x ポーズ フレームを送信および受信するかどうかを決定します。これらのポーズ フレームは、バッファがクリアされるまでの数ミリ秒間、送信側ポートからのデータの送信を停止するように要求します。
LAN ポートとアップリンク イーサネット ポートの間でフロー制御が行われるようにするには、両方のポートで、対応する受信および送信フロー制御パラメータをイネーブルにする必要があります。Cisco UCSでは、これらのパラメータはフロー制御ポリシーにより設定されます。
送信機能をイネーブルにした場合、受信パケット レートが高くなりすぎたときに、アップリンク イーサネット ポートはネットワーク ポートにポーズ要求を送信します。ポーズは数ミリ秒有効になった後、通常のレベルにリセットされます。受信機能をイネーブルにした場合、アップリンク イーサネット ポートは、ネットワーク ポートからのポーズ要求すべてに従います。ネットワーク ポートがポーズ要求をキャンセルするまで、すべてのトラフィックはこのアップリンク ポートで停止します。
ポートにフロー制御ポリシーを割り当てているため、このポリシーを変更すると同時に、ポーズ フレームやいっぱいになっている受信バッファに対するポートの反応も変わります。
必要なフロー制御に対応する設定を使用して、ネットワーク ポートを設定します。 たとえば、ポリシーのフロー制御ポーズ フレームに対する送信設定を有効にした場合は、必ず、ネットワーク ポートの受信パラメータを on または desired に設定します。 Cisco UCS ポートでフロー制御フレームを受信する場合は、ネットワーク ポートの送信パラメータが on または desired に設定されていることを確認します。 フロー制御を使用する必要がない場合は、ネットワーク ポートの受信パラメータと送信パラメータを off に設定できます。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | UCS-A# scope eth-uplink |
イーサネット アップリンク モードを開始します。 |
ステップ 2 | UCS-A /eth-uplink # scope flow-control |
イーサネット アップリンク フロー制御モードを開始します。 |
ステップ 3 | UCS-A /eth-uplink/flow-control # create policypolicy-name |
指定されたフロー制御ポリシーを作成します。 |
ステップ 4 | UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy # set prio prio-option |
次のフロー制御プライオリティ オプションのいずれかを指定します。 |
ステップ 5 | UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy # set receive receive-option |
次のフロー制御受信オプションのいずれかを指定します。 |
ステップ 6 | UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy # set send send-option |
次のフロー制御送信オプションのいずれかを指定します。 |
ステップ 7 | UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy # commit-buffer |
トランザクションをシステムの設定にコミットします。 |
次の例は、フロー制御ポリシーを設定し、トランザクションをコミットします。
UCS-A# scope eth-uplink UCS-A /eth-uplink # scope flow-control UCS-A /eth-uplink/flow-control # create policy FlowControlPolicy23 UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy* # set prio auto UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy* # set receive on UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy* # set send on UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy* # commit-buffer UCS-A /eth-uplink/flow-control/policy #
フロー制御ポリシーと、アップリンク イーサネット ポート、またはポート チャネルを関連付けます。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次の例は、FlowControlPolicy23 という名前のフロー制御ポリシーを削除し、トランザクションをコミットします。
UCS-A# scope eth-uplink UCS-A /eth-uplink # scope flow-control UCS-A /eth-uplink/flow-control # delete policy FlowControlPolicy23 UCS-A /eth-uplink/flow-control* # commit-buffer UCS-A /eth-uplink/flow-control #