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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章の内容は、次のとおりです。
システム クラスの概要
システム qos は一種の MQC ターゲットです。service-policy を使用して、ポリシー マップをシステム qos ターゲットに関連付けます。特定のインターフェイスでサービス ポリシー設定を上書きしない限り、システム qos ポリシーはスイッチのインターフェイス全体に適用されます。システム qos ポリシーは、システム クラスやスイッチ全体のトラフィック クラスのほか、それらの属性を定義するために使用します。QoS 一貫性の確保(および設定の利便性)の目的で、デバイスは、Data Center Bridging Exchange(DCBX)プロトコルを使用して、システム クラス パラメータ値を接続されたすべてのネットワーク アダプタに配布します。
サービス ポリシーがインターフェイス レベルで設定されている場合、インターフェイス レベルのポリシーは常にシステム クラス設定またはデフォルト値よりも優先されます。
Cisco Nexus デバイスでは、システム クラスは qos-group 値によって一意に識別されます。全体で 6 つのシステム クラスがサポートされています。6 つのシステム クラスのうち 2 つはデフォルトで、必ずデバイスに存在します。最大 4 つの追加システム クラスを管理者が作成できます。
デバイスは、次のシステム クラスを提供します。
ドロップ システム クラス
デフォルトでは、すべてのユニキャストおよびマルチキャスト イーサネット トラフィックは、デフォルトのドロップ システム クラスに分類されます。このクラスは qos-group 0 で識別されます。
システムの起動時にこのクラスは自動的に作成されます(クラス名は CLI で class-default です)。このクラスは削除できません。このデフォルト クラスに関連付けられた一致基準も変更できません。
(注) | データ トラフィック(class-default)と FCoE トラフィック(class-fcoe)が同時にフローしているときに輻輳が発生した場合、キューイングのパーセンテージ設定が開始されます。 FCoE トラフィックは no-drop クラスであり、キューイング クラスによって割り当てられた帯域幅にポリシングされません。FCoE トラフィックはロスレス メディアを想定しているため、ドロップすることはできません。輻輳が発生すると、PFC フレームが FCoE の入力インターフェイスで生成されます。また、データ トラフィックが割り当てられた帯域幅を下回っていても、ドロップはデータ トラフィックでのみ行われます。 スループットを最適化するために、より長い期間、データ トラフィックの負荷を分散することができます。 |
FCoE システム クラス(Cisco Nexus 5500 シリーズ デバイスの場合)
Cisco Nexus 5500 シリーズのデバイスの場合、class-fcoe は自動作成されません。Cisco NX-OS Release 5.0(2)N1(1) を実行している Cisco Nexus 5500 シリーズ デバイスで FCoE をイネーブルにする前に、次に示す 3 つのタイプの qos ポリシーにおいて、class-fcoe をイネーブルにする必要があります。
type qos ポリシー マップ
type network-qos ポリシー マップ(システム qos に結合)
type queuing ポリシー マップ(class-fcoe は入力キューイング ポリシー マップの非ゼロの帯域幅パーセンテージで設定することが必要)。
class-fcoe が qos ポリシーに含まれていない場合、vFC インターフェイスはアップにならず、ドロップの増加が発生します。
(注) | Cisco Nexus 5500 シリーズ デバイスは、5 つのユーザ定義クラスと 1 つのデフォルトのドロップ システム クラスをサポートします。 |
Cisco Nexus デバイスはレイヤ 2 スイッチで、パケット フラグメンテーションをサポートしません。入力インターフェイスと出力インターフェイスの間で最大伝送単位(MTU)の設定が一致していない場合、パケットが切り捨てられることがあります。
MTU を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。
MTU はシステム クラス単位で指定されます。システム クラスではトラフィック クラスごとに異なる MTU を指定できますが、スイッチ全体のすべてのポートで矛盾しないようにする必要があります。インターフェイスでは MTU を設定できません。
ファイバ チャネルおよび FCoE ペイロード MTU は、スイッチで 2158 バイトです。その結果、ファイバ チャネル インターフェイスの rxbufsize は 2158 バイトに固定されます。Cisco Nexus デバイスが 2158 バイトではない rxbufsize をピアから受信すると、Exchange Link Parameter(ELP)ネゴシエーションに失敗し、リンクはアップ状態になりません。
system jumbomtu コマンドを入力すると、システム内の MTU の上限が定義されます。システム ジャンボ MTU のデフォルト値は 9216 バイトです。最小 MTU は 2158 バイトで、最大 MTU は 9216 バイトです。
システム クラス MTU はクラス内のすべてのパケットの MTU を設定します。システム クラス MTU を、グローバル ジャンボ MTU よりも大きく設定できません。
FCoE システム クラス(ファイバ チャネルおよび FCoE トラフィックの場合)のデフォルト MTU は 2158 バイトです。この値は変更できません。
スイッチは、DCBX をサポートするネットワーク アダプタに MTU 設定を送信します。
(注) | MTU は DCBX の Converged Enhanced Ethernet(CEE)モードではサポートされません。 |
システム QoS の設定
service-policy コマンドは、システムのサービス ポリシーとしてシステム クラス ポリシー マップを指定します。
次の例は、no-drop イーサネット ポリシー マップをシステム クラスとして設定する方法を示しています。
switch(config)# class-map type network-qos ethCoS4 switch(config-cmap-nq)# match qos-group switch(config-cmap-nq)# exit switch(config)# policy-map type network-qos ethNoDrop switch(config-pmap-nq)# class type network-qos ethCoS4 switch(config-pmap-c-nq)# pause no-drop switch(config-pmap-c-nq)# exit switch(config-pmap-nq)# exit switch(config)# system qos switch(config-sys-qos)# service-policy type network-qos ethNoDrop
新しいポリシーを作成して、それをシステム QoS コンフィギュレーションに追加した場合、コマンドの no フォームを入力して、デフォルト ポリシーを再適用します。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | switch(config)# system qos |
システム クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | switch(config-sys-qos)# no service-policy type qos input policy-map name |
分類モードのポリシー マップをリセットします。このポリシー マップ設定はシステム qos 入力またはインターフェイス入力のみに使用します。 |
ステップ 4 | switch(config-sys-qos)# no service-policy type network-qos policy-map name |
ネットワーク全体のポリシー マップをリセットします。 |
ステップ 5 | switch(config-sys-qos)# no service-policy type queuing output policy-map name |
出力キューイング モードの ポリシー マップをリセットします。 |
ステップ 6 | switch(config-sys-qos)# no service-policy type queuing input policy-map name |
入力キューイングモードのポリシー マップをリセットします。 |
次に、システム QoS 設定をリセットする方法の例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# system qos switch(config-sys-qos)# no service-policy type qos input my-in-policy switch(config-sys-qos)# no service-policy type network-qos my-nq-policy switch(config-sys-qos)# no service-policy type queuing output my-out-policy switch(config-sys-qos)# no service-policy type queuing input my-in-policy
ファブリック エクステンダ コンフィギュレーション レベルで、出方向(ネットワークからホストへ)の指定ファブリック エクステンダのキュー制限を制御できます。ファブリック エクステンダに低いキュー制限値を使用することにより、1 つのブロックされたレシーバが他の非輻輳レシーバに送信されるトラフィックに影響を与えること(「行頭ブロッキング」)を防止できます。より高いキュー制限値では、バースト吸収が改善され、行頭ブロッキング保護が少なくなります。ファブリック エクステンダがすべての使用可能なハードウェア領域を使用できるようにするには、このコマンドの no 形式を使用します。
(注) | システム レベルで、fex queue-limit コマンドを使用してファブリック エクステンダのキュー制限を設定できます。ただし、特定のファブリック エクステンダのキュー制限を設定すると、そのファブリック エクステンダのシステム レベルで設定されたキュー制限設定が上書きされます。 |
次のファブリック エクステンダのキュー制限を指定できます。
Cisco Nexus 2148T ファブリック エクステンダ(48x1G 4x10G SFP+ モジュール)
Cisco Nexus 2224TP ファブリック エクステンダ(24x1G 2x10G SFP+ モジュール)
Cisco Nexus 2232P ファブリック エクステンダ(32x10G SFP+ 8x10G SFP+ モジュール)
Cisco Nexus 2248T ファブリック エクステンダ(48x1G 4x10G SFP+ モジュール)
Cisco Nexus N2248TP-E ファブリック エクステンダ(48x1G 4x10G モジュール)
Cisco Nexus N2348UPQ ファブリック エクステンダ(48x10G SFP+ 6x40G QSFP モジュール)
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | switch(config)# fex fex-id |
ファブリック エクステンダを指定し、ファブリック エクステンダ モードを開始します。 |
ステップ 3 | switch(config-fex)# hardware fex_card_typequeue-limit queue-limit |
指定ファブリック エクステンダのキュー制限を設定します。キュー制限はバイト単位で指定します。有効な範囲は、Cisco Nexus 2148T ファブリック エクステンダの場合は 81920 ~ 652800、その他すべてのサポート対象のファブリック エクステンダの場合は 2560 ~ 652800 です。 |
次に、Cisco Nexus 2248T ファブリック エクステンダのデフォルト キュー制限を復元する例を示します。
switch# configure terminal switch(config-if)# fex 101 switch(config-fex)# hardware N2248T queue-limit 327680
次に、Cisco Nexus 2248T ファブリック エクステンダ上でデフォルトで設定されているキュー制限を削除する例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# fex 101 switch(config-fex)# no hardware N2248T queue-limit 327680
スイッチ全体のジャンボ最大伝送単位(MTU)は、デフォルトのイーサネット システム クラス(class-default)のポリシー マップで MTU を最大サイズ(9216 バイト)に設定することによって、イネーブルにできます。
ポート チャネル サブインターフェイスでジャンボ MTUを設定する場合は、最初に基本インターフェイスで MTU 9216 を有効にしてから、サブインターフェイスでそれを再設定する必要があります。ジャンボ MTU を基本インターフェイスで有効にする前にサブインターフェイスで有効にすると、次のエラー メッセージがコンソールに表示されます。
switch(config)# int po 502.4 switch(config-subif)# mtu 9216 ERROR: Incompatible MTU values
Cisco Nexus デバイスのレイヤ 3 ルーティングでは、下のグローバルな QoS 設定に加えて、レイヤ 3 インターフェイス(IP アドレスを持つ SVI および物理インターフェイス)の MTU を設定する必要があります。
スイッチで FCoE を使用するには、カスタム network-qos ポリシーに class-fcoe を追加します。すでに FCoE を使用している場合は、ジャンボ QoS ポリシーを有効にした後にスイッチで FCoE がダウンしないように、設定に以下の行が追加されていることを確認します。
switch# conf t switch(config)# policy-map type network-qos jumbo switch(config-pmap-nq)# class type network-qos class-fcoe switch(config-pmap-nq-c)# end
次に、QoS を変更してジャンボ MTUをイネーブルにする例を示します。
switch# conf t switch(config)# policy-map type network-qos jumbo switch(config-pmap-nq)# class type network-qos class-default switch(config-pmap-c-nq)# mtu 9216
(注) | system jumbomtu コマンドは、スイッチの最大 MTU サイズを定義します。ただし、ジャンボ MTU は MTU が設定されたシステム クラスだけにサポートされます。 |
Cisco Nexus デバイスでは、トラフィックは 8 つの QoS グループのいずれか 1 つに分類されます。MTU は、QoS グループ レベルで設定されます。デフォルトでは、すべてのイーサネット トラフィックは、QoS グループ 0 にあります。イーサネット トラフィックに対するジャンボ MTU を確認するには、show queueing interface ethernet slot/chassis_number コマンドを使用し、コマンド出力の「HW MTU」で QoS グループ 0 の MTU を確認します。値は 9216 である必要があります。
show interface コマンドは、MTU サイズとして 1500 を常に表示します。Cisco Nexus デバイスでは、異なる QoS グループで異なる MTU をサポートしているため、インターフェイス レベルで MTU を 1 つの値で表すことはできません。
(注) |
|
switch# show queuing interface ethernet1/19 Ethernet1/19 queuing information: TX Queuing qos-group sched-type oper-bandwidth 0 WRR 50 1 WRR 50 RX Queuing qos-group 0 q-size: 243200, HW MTU: 9280 (9216 configured) drop-type: drop, xon: 0, xoff: 1520 Statistics: Pkts received over the port : 2119963420 Ucast pkts sent to the cross-bar : 2115648336 Mcast pkts sent to the cross-bar : 4315084 Ucast pkts received from the cross-bar : 2592447431 Pkts sent to the port : 2672878113 Pkts discarded on ingress : 0 Per-priority-pause status : Rx (Inactive), Tx (Inactive) qos-group 1 q-size: 76800, HW MTU: 2240 (2158 configured) drop-type: no-drop, xon: 128, xoff: 240 Statistics: Pkts received over the port : 0 Ucast pkts sent to the cross-bar : 0 Mcast pkts sent to the cross-bar : 0 Ucast pkts received from the cross-bar : 0 Pkts sent to the port : 0 Pkts discarded on ingress : 0 Per-priority-pause status : Rx (Inactive), Tx (Inactive) Total Multicast crossbar statistics: Mcast pkts received from the cross-bar : 80430744
次のいずれかのコマンドを使用して、設定を確認します。
コマンド |
目的 |
---|---|
show policy-map system |
システム QoS に結合されたポリシー マップ設定を表示します。 |
show policy-map [name] |
スイッチで定義されたポリシー マップを表示します。指定したポリシーだけを表示することもできます。 |
show class-map |
スイッチで定義されたクラス マップを表示します。 |
running-config ipqos |
QoS の実行コンフィギュレーションに関する情報を表示します。 |
startup-config ipqos |
QoS のスタートアップ コンフィギュレーションに関する情報を表示します。 |