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この章の内容は、次のとおりです。
Cisco Nexus デバイスでは、FCoE 機能は Storage Protocol Services ライセンスに含まれます。
FCoE 機能を使用する前に、次の事柄を確認してください。
FCoE のトポロジ
Cisco Nexus デバイスは、次の図のようにファイバ チャネル フォワーダ(FCF)として配置できます。
FCF が FCoE ノード(ENode)と他の FCF との間の中継に使用されないようにするため、FIP フレームは次のルールに従って処理されます。この処理により、異なるファブリック内の ENode と FCF との間のログイン セッションも回避されます。
CNA から受信された FIP の送信要求フレームおよびログイン フレームは FCF により処理され、転送されません。
FCF が他の FCF からインターフェイスを介して送信要求およびアドバタイズメントを受信すると、次のような処理が実行されます。
中継用の Cisco Nexus FCF を経由した場合に限って到達可能な FCF については、CNA から検出することもログインすることもできません。ハードウェアの制約上、Cisco Nexus デバイスでは、CNA と他の FCF との間の FCoE 中継機能は実行できません。
Cisco Nexus FCF では FCoE 中継機能が実行できないため、FCoE VLAN のアクティブな Spanning Tree Protocol(STP)パスが必ず CNA と FCF の間の直接接続されたリンクを経由するようにネットワーク トポロジを設計する必要があります。FCoE VLAN は、直接接続されたリンクに対してだけ設定するようにしてください。
Cisco Nexus デバイスは、次の図のようにリモート接続された CNA に対する FCF としては配置できますが、FIP スヌーピング ブリッジとしては配置できません。
FCF が ENode と他の FCF との間の中継に使用されないようにするため、FIP フレームは次のルールに従って処理されます。この処理により、異なるファブリック内の ENode と FCF との間のログイン セッションも回避されます。
CNA から受信された FIP の送信要求フレームおよびログイン フレームは FCF により処理され、転送されません。
FCF が他の FCF からインターフェイスを介して送信要求およびアドバタイズメントを受信すると、次のような処理が実行されます。
Cisco Nexus FCF では FCoE 中継機能が実行できないため、FCoE VLAN のアクティブな STP パスが必ず CNA と FCF の間の直接接続されたリンクを経由するようにネットワーク トポロジを設計する必要があります。FCoE VLAN は、直接接続されたリンクに対してだけ設定するようにしてください。
FCoE のベスト プラクティス
次の図は、直接接続された CNA と Cisco Nexus デバイスを使用したアクセス ネットワークのベスト プラクティス トポロジを示したものです。
上図の配置トポロジに対する設定のベスト プラクティスは次のとおりです。
SAN 内の仮想ファブリック(VSAN)ごとにトラフィックを伝送できるよう、それぞれの統合アクセス スイッチに一意の専用 VLAN を設定する必要があります(VSAN 1 用に VLAN 1002、VSAN 2 用に VLAN 1003 など)。マルチ スパニングツリー(MST)を有効にした場合は、FCoE VLAN に対して別個の MST インスタンスを使用する必要があります。
ユニファイド ファブリック(UF)リンクをトランク ポートとして設定する必要があります。ネイティブ VLAN として FCoE VLAN を設定しないでください。仮想ファイバ チャネル インターフェイスの VF_Port トランキングおよび VSAN 管理を拡張できるよう、すべての FCoE VLAN を UF リンクのメンバとして設定する必要があります。
(注) | イーサネット トラフィックおよび FCoE トラフィックはどちらも、統合ワイヤにより伝送されます。 |
UF リンクをスパニングツリー エッジ ポートとして設定する必要があります。
FCoE トラフィックの伝送用として指定されていないイーサネット リンクのメンバとして FCoE VLAN を設定しないでください。これは、FCoE VLAN に使用する STP のスコープを UF リンクに限定する必要があるためです。
LAN の代替パス用に(同一または別の SAN ファブリックにある)統合アクセス スイッチをイーサネット リンク経由で相互に接続する必要がある場合は、すべての FCoE VLAN をメンバーシップから除外することを、これらのリンクに対して明示的に設定する必要があります。この設定により、FCoE VLAN に使用する STP のスコープが UF リンクに限定されます。
SAN-A および SAN-B の FCoE に対してはそれぞれ別々の FCoE VLAN を使用する必要があります。
(注) | 直接接続されたトポロジでは、すべての Gen-1(pre-FIP)CNA および Gen-2(FIP)CNA がサポートされています。 |
次の図は、リモート接続された CNA と Cisco Nexus デバイスを使用したアクセス ネットワークのベスト プラクティス トポロジを示したものです。
上図の配置トポロジに対する設定のベスト プラクティスは次のとおりです。
SAN 内の仮想ファブリック(VSAN)ごとにトラフィックを伝送できるよう、それぞれの統合アクセス スイッチに一意の専用 VLAN を設定する必要があります(VSAN 1 用に VLAN 1002、VSAN 2 用に VLAN 1003 など)。MST を有効にした場合は、FCoE VLAN に対して別個の MST インスタンスを使用する必要があります。
ユニファイド ファブリック(UF)リンクをトランク ポートとして設定する必要があります。ネイティブ VLAN として FCoE VLAN を設定しないでください。仮想ファイバ チャネル インターフェイスの VF_Port トランキングおよび VSAN 管理を拡張できるよう、すべての FCoE VLAN を UF リンクのメンバとして設定する必要があります。
(注) | イーサネット トラフィックおよび FCoE トラフィックはどちらも、ユニファイド ファブリック リンクにより伝送されます。 |
CNA およびブレード スイッチを、スパニングツリー エッジ ポートとして設定する必要があります。
新しいリンクやブレード スイッチのプロビジョニングなど、さまざまなイベントに伴って実行される STP の再コンバージェンスの際に障害が発生しないよう、各ブレード スイッチは、(できれば EtherChannel を介して)ただ 1 つの Cisco Nexus デバイス統合アクセス スイッチに接続される必要があります。
Cisco Nexus デバイス統合アクセス スイッチには、それに接続されているブレード スイッチよりも高い STP プライオリティを設定する必要があります。そうすることで、統合アクセス スイッチがスパニングツリーのルートであり、かつそれに接続されているすべてのブレード スイッチがダウンストリーム ノードとなるような FCoE VLAN のアイランドを作成できます。
FCoE トラフィックの伝送用として指定されていないイーサネット リンクのメンバとして FCoE VLAN を設定しないでください。これは、FCoE VLAN に使用する STP のスコープを UF リンクに限定する必要があるためです。
LAN の代替パス用に、統合アクセス スイッチやブレード スイッチをイーサネット リンク経由で相互に接続する必要がある場合は、すべての FCoE VLAN をメンバーシップから除外することを、これらのリンクに対して明示的に設定する必要があります。この設定により、FCoE VLAN に使用する STP のスコープが UF リンクに限定されます。
SAN-A および SAN-B の FCoE に対してはそれぞれ別々の FCoE VLAN を使用する必要があります。
(注) | リモート接続されたトポロジは、Gen-2(FIP)CNA に限ってサポートされます。 |
FCoE には、次の注意事項と制限事項があります。
Cisco Nexus デバイスの FCoE は、Gen-1(pre-FIP)CNA および Gen-2(FIP)CNA 2 をサポートします。Cisco Nexus 2232PP ファブリック エクステンダの FCoE では、Gen-2 CNA に限りサポートされています。
VLAN 1 では FCoE をイネーブルにできません。
同一の FEX に対して、ストレート型とアクティブ-アクティブを組み合わせたトポロジはサポートされていません。
Cisco Nexus デバイスのポート チャネル、および複数のインターフェイスが設定された FEX のインターフェイス上では、直接接続 FCoE(つまりバインド インターフェイスを介して CNA に直接接続された FCoE)はサポートされていません。単一リンクを持つポート チャネル上では、直接接続 FCoE がサポートされています。これにより、1 つの 10 GB リンクを持つ Virtual Port Channels(vPC:仮想ポート チャネル)を介して各アップストリーム スイッチ/FEX に接続された CNA からの FCoE を実現できます。
(注) | FCoE のデフォルトの Quality of Service(QoS)ポリシーの説明については、ご使用のデバイスの Quality of Service についてのガイドを参照してください。(ご使用の Nexus ソフトウェア リリース版)を参照してください。このマニュアルの入手可能なバージョンは、次のサイト(http://www.cisco.com/en/US/products/ps9670/products_installation_and_configuration_guides_list.html)から取得できます。。 |
FCoE の設定
QoS を設定するには、システム サービス ポリシーを割り当てる必要があります。service-policy コマンドは、システムのサービス ポリシーとしてシステム クラス ポリシー マップを指定します。
スイッチで FCoE をイネーブルにできますが、VLAN 1 で FCoE をイネーブルにすることはできません。
(注) | Cisco Nexus デバイスのファイバ チャネル機能はすべて、FC プラグインにパッケージ化されています。FCoE を有効にすると、スイッチ ソフトウェアにより FC_FEATURES_PKG ライセンスのチェックが行われます。ライセンスが検出されると、ソフトウェアによりプラグインがロードされます。ライセンスが検出されない場合は、180 日の猶予期間が設定されたプラグインがロードされます。 FC プラグインのロード後は、次の 2 つが使用可能となります。 180 日が経過すると、有効なライセンスが消失し、FC プラグインは無効となります。スイッチの次回リブート時に、すべての FCoE コマンドが CLI から削除され、FCoE 設定が消去されます。 |
FC_FEATURES_PKG(N5010SS または N5020SS)ライセンスがインストールされている必要があります。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次に、スイッチの FCoE をイネーブルにする例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# feature fcoe
FCoE を無効にすると、すべての FCoE コマンドが CLI から削除され、FCoE 設定が消去されます。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次の例は、スイッチの FCoE を無効にする方法を示したものです。
switch# configure terminal
switch(config)# no feature fcoe
FCoE リンクの LAN トラフィックを無効にできます。
DCBX を使用すると、スイッチから、直接接続された CNA へ LAN Logical Link Status(LLS:論理リンク ステータス)メッセージを送信できます。CNA へ LLS ダウン メッセージを送信する場合は、shutdown lan コマンドを入力します。このコマンドにより、インターフェイスの VLAN のうち、FCoE に対応していないすべての VLAN をダウンできます。インターフェイスの VLAN のうち FCoE に対応している VLAN では、中断されることなくそのまま SAN トラフィックを伝送できます。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | switch(config)# interfaceethernetslot/port |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | switch(config-if)# shutdown lan |
インターフェイス上のイーサネット トラフィックをシャットダウンします。インターフェイスが FCoE VLAN の一部である場合は、シャットダウンを実行しても、その FCoE トラフィックに影響はありません。 |
ステップ 4 | switch(config-if)# no shutdown lan | (任意)
インターフェイス上のイーサネット トラフィックを再び有効にします。 |
対象となる Cisco Nexus デバイスのファイバ チャネル ファブリックを識別するための FC-Map を設定することにより、ファブリック間の通信に伴うデータの破損を防ぐことができます。FC-Map が設定されると、現在のファブリックの一部ではない MAC アドレスがスイッチによって廃棄されます。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次に示すのは、グローバル FC-Map の設定例です。
switch# configure terminal
switch(config)# fcoe fcmap 0x0efc2a
Cisco Nexus デバイスはプライオリティをアドバタイズします。ファブリック内の CNA では、このプライオリティを基に、接続先として最適なスイッチが決定されます。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次に示すのは、グローバル ファブリック プライオリティの設定例です。
switch# configure terminal
switch(config)# fcoe fcf-priority 42
次の例は、ジャンボ MTU をサポートするようにデフォルトのイーサネット システム クラスを設定する方法を示しています。
switch(config)# policy-map type network-qos jumbo switch(config-pmap-nq)# class type network-qos class-fcoe switch(config-pmap-c-nq)# pause no-drop switch(config-pmap-c-nq)# mtu 2158 switch(config-pmap-nq)# class type network-qos class-default switch(config-pmap-c-nq)# mtu 9216 switch(config-pmap-c-nq)# exit switch(config-pmap-nq)# exit switch(config)# system qos switch(config-sys-qos)# service-policy type qos input fcoe-default-in-policy switch(config-sys-qos)# service-policy type queuing input fcoe-default-in-policy switch(config-sys-qos)# service-policy type queuing output fcoe-default-out-policy switch(config-sys-qos)# service-policy type network-qos jumbo
スイッチ上で、ファイバ チャネル ファブリックのアドバタイズメント間隔を設定できます。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次の例は、ファブリックのアドバタイズメント間隔を設定する方法を示したものです。
switch# configure terminal
switch(config)# fcoe fka-adv-period 42
FCoE の設定情報を確認するには、次のうちいずれかの作業を行います。
コマンド |
目的 |
---|---|
switch# show fcoe |
FCoE がスイッチでイネーブルになっているかどうかを表示します。 |
switch# show fcoe database |
FCoE データベースの内容を表示します。 |
switch# show interface [interfacenumber] fcoe |
個々のインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに関する FCoE 設定を表示します。 |
switch# show queuing interface[interface slot/port] |
キューの設定および統計情報を表示します。 |
switch# show policy-map interface[interface number] |
1 つまたはすべてのインターフェイスのポリシー マップ設定を表示します。 |
次の例は、FCoE 機能が有効になっているかどうかを確認する方法を示したものです。
switch# show fcoe
Global FCF details
FCF-MAC is 00:0d:ec:6d:95:00
FC-MAP is 0e:fc:00
FCF Priority is 128
FKA Advertisement period for FCF is 8 seconds
次に、FCoE データベースを表示する例を示します。
switch# show fcoe database
-------------------------------------------------------------------------------
INTERFACE FCID PORT NAME MAC ADDRESS
-------------------------------------------------------------------------------
vfc3 0x490100 21:00:00:1b:32:0a:e7:b8 00:c0:dd:0e:5f:76
次の例は、あるインターフェイスの FCoE 設定を表示する方法を示したものです。
switch# show interface ethernet 1/37 fcoe
Ethernet1/37 is FCoE UP
vfc3 is Up
FCID is 0x490100
PWWN is 21:00:00:1b:32:0a:e7:b8
MAC addr is 00:c0:dd:0e:5f:76