イーサネットの機能
Catalyst 6500シリーズ スイッチは、イーサネット セグメント間での同時並列接続をサポートします。イーサネット セグメント間のスイッチド コネクションが維持されるのは、パケットの送信中だけです。次のパケットでは、別のセグメント間で新しい接続を行うことができます。
Catalyst 6500シリーズ スイッチは、装置(サーバなど)ごとに専用の10、100、1000、または10000 Mbpsセグメントを割り当てることにより、広帯域幅装置および大量ユーザに起因する輻輳問題を解消します。スイッチのイーサネット ポートごとに、別々のイーサネット セグメントとなるので、適切に設定されたスイッチング環境のサーバは、帯域へのフルアクセスが可能です。
イーサネット ネットワークでは、コリジョンが主な障害の原因なため、効果的な解決方法は全二重通信です。Catalyst 6500シリーズ スイッチの10 Mbpsポートまたは100 Mbpsポートでは、全二重モードがオプションとして提供されています(ギガビット イーサネットおよび10ギガビット イーサネット ポートは常に全二重で動作します)。通常、イーサネットは半二重モードで動作しますが、これは各ステーションが送信または受信のどちらか一方しかできないことを意味します。全二重モードでは、2つのステーション間で同時に送受信を行うことができます。パケットを同時に双方向に伝送することができるので、有効イーサネット帯域幅は、10 Mbpsポートで20 Mbps、ファスト イーサネット ポートで200 Mbpsと、2倍になります。Catalyst 6500シリーズ スイッチのギガビット イーサネットおよび10ギガビット イーサネット ポートは、全二重通信専用です(有効帯域幅はそれぞれ2 Gbpsおよび20 Gbps)。
ここでは、イーサネットについて説明します。
• 「セグメント間のフレーム スイッチング」
• 「アドレス テーブルの作成」
• 「ポート ネゴシエーションの概要」
セグメント間のフレーム スイッチング
Catalyst 6500シリーズ スイッチ上の各イーサネット ポートは、1台のワークステーションまたはサーバに接続することも、ハブに接続してそこからネットワークに接続する複数のワークステーションまたはサーバに接続することもできます。
一般的なイーサネット ハブのポートはすべて、ハブ内の共通バックプレーンに接続され、ハブに接続された全装置間でネットワーク帯域が共有されます。2つのステーション間で、相当量の帯域を使用するセッションを確立した場合には、そのハブに接続された他のすべてのステーションで、ネットワーク パフォーマンスが低下します。
このようなパフォーマンスの低下を軽減するために、スイッチは各ポートをそれぞれ独立したセグメントとして扱います。別のポート上のステーションで通信が必要になった場合、スイッチはワイヤ スピードで、あるポートから別のポートへフレームを転送するので、各セッションに確実にフル帯域を与えることができます。
ポート間のフレーム スイッチングを効率的に行うために、スイッチはアドレス テーブルを維持します。フレームがスイッチに入ると、スイッチによって、送信側ステーションのMACアドレスとフレームを受信したポートが対応づけられます。
アドレス テーブルの作成
Catalyst 6500シリーズ スイッチは、受信したフレームの送信元アドレスを使用してアドレス テーブルを作成します。アドレス テーブルに宛先アドレスが登録されていないフレームをスイッチが受信した場合、そのフレームを受信したポート以外の同一VLAN(仮想LAN)の全ポートに、フレームがフラッディングされます。宛先ステーションから応答があると、スイッチが適切な送信元アドレスおよびポートIDをアドレス テーブルに追加します。スイッチは以後、1つのポートだけに後続フレームを転送します。すべてのポートにフラッディングすることはありません。
アドレス テーブルには、エントリのフラッディングを伴わずに32K以上のアドレス エントリを保管できます。スイッチは設定可能なエージング タイマーによって定められたエージング メカニズムを使用するので、アドレスが指定された秒数だけ非アクティブ状態になると、アドレス テーブルから削除されます。
ポート ネゴシエーションの概要
(注) set port negotiationコマンドをサポートしているのはギガビット イーサネット ポートだけです。WS-X6316-GE-TXモジュールおよびWS-X6516-GE-TXモジュールはこのコマンドをサポートしていません。ポートがこのコマンドをサポートしていない場合、[Feature not supported on Port N/N]というメッセージが表示されます。N/Nはモジュールとポート番号を示しています。
(注) このリリースでは、1000BASE-TX(銅線)ギガビット イーサネット ポートにポート ネゴシエーションを設定することはできません。ネゴシエーションがディセーブルに設定されているポートに1000BASE-TX GBICを搭載すると、ディセーブルの設定は無視され、そのポートはネゴシエーション イネーブル モードで動作します。
(注) ポート ネゴシエーションには、ネゴシエーションを行うポートの速度は関係しません。set port speedコマンドを使用してポート ネゴシエーションをディセーブルに設定することはできません。
ポート ネゴシエーションでは、フロー制御パラメータ、リモート障害情報、およびデュプレックス情報が交換されます。ポート ネゴシエーションの設定は、 set port negotiation コマンドを使用して行います。ポート ネゴシエーションはデフォルトではイネーブルに設定されています。
(注) 16ポート10/100/1000BASE-Tイーサネット モジュールでポート ネゴシエーションをイネーブルにした場合、システムはフロー制御のみについて自動ネゴシエーションを実行します。
リンクの両側のポートは、同じ設定でなければなりません。リンクの両側でポートの設定が一致していないと(一方のポートでポート ネゴシエーションがイネーブルで、他方のポートでディセーブルに設定されている場合など)、リンクが確立されません。
表 4-1 に、使用できる4種類のポート ネゴシエーション設定および各設定に対応するリンク ステータスを示します。
表 4-1 ポート ネゴシエーションの設定およびリンク ステータス
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オフ |
オフ |
アクティブ |
アクティブ |
オン |
オン |
アクティブ |
アクティブ |
オフ |
オン |
アクティブ |
ダウン |
オン |
オフ |
ダウン |
アクティブ |
ポート コンフィギュレーションの設定
ここでは、Catalyst 6500シリーズ スイッチにイーサネット、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および10ギガビット イーサネット スイッチングを設定する手順について説明します。
• 「ポート名の設定」
• 「ポート速度の設定」
• 「ポートのデュプレックス モードの設定」
• 「IEEE 802.3zフロー制御の設定」
• 「ポート ネゴシエーションのイネーブル化およびディセーブル化」
• 「デフォルトのポート イネーブル ステートの変更」
• 「ポート デバウンス タイマーの設定」
• 「ポート デバウンス タイマーの設定変更」
• 「ポートのerrdisableステートにおけるタイムアウト設定」
• 「ジャンボ フレーム機能の設定」
• 「接続の確認」
ポート名の設定
イーサネット、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および10ギガビット イーサネット スイッチング モジュール上のポート名を設定し、スイッチ管理を容易にすることができます。
ポート名を設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート名を設定します。 |
set port name mod/port [ name_string ] |
ステップ 2 |
ポート名の設定を確認します。 |
show port [ mod [ /port ]] |
ポート1/1および1/2に名前を設定し、それらのポート名が正しく設定されているかどうかを確認する例を示します。
Console> (enable) set port name 1/1 Router Connection
Console> (enable) set port name 1/2 Server Link
Console> (enable) show port 1
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
----- ------------------ ---------- ---------- ------ ----- ------------
1/1 Router Connection connected trunk full 1000 1000BaseSX
1/2 Server Link connected trunk full 1000 1000BaseSX
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Wed Jun 16 1999, 16:25:57
ポート速度の設定
10/100 Mbpsイーサネット スイッチング モジュール上でポート速度を設定できます。近接ポートとの間で、ポート速度とデュプレックス モードの自動ネゴシエーションが行われるようにするには、 auto キーワードを使用します。
(注) 10/100 Mbpsイーサネット ポート上でポート速度をautoに設定すると、速度とデュプレックスの両方について、自動ネゴシエーションが行われます。
10/100 Mbpsポートの速度を設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
10/100 Mbpsファスト イーサネット ポートの速度を設定します。 |
set port speed mod/port { 10 | 100 | auto } |
ステップ 2 |
ポートの速度が正しく設定されていることを確認します。 |
show port [ mod [ /port ]] |
ポート2/2のポート速度を100 Mbpsに設定する例を示します。
Console> (enable) set port speed 2/2 100
Port 2/2 speed set to 100 Mbps.
次に、ポート2/1と近接ポートとの間で速度およびデュプレックスの自動ネゴシエーションが行われるようにする例を示します。
Console> (enable) set port speed 2/1 auto
Port 2/1 speed set to auto-sensing mode.
ポートのデュプレックス モードの設定
イーサネットおよびファスト イーサネット ポートのデュプレックス モードを全二重または半二重に設定できます。
(注) ギガビット イーサネットおよび10ギガビット イーサネットは全二重通信専用です。ギガビット イーサネットおよび10ギガビット イーサネット ポートのデュプレックス モードを変更することはできません。
(注) 10/100 Mbpsイーサネット ポート上でポート速度をautoに設定すると、速度とデュプレックスの両方において、自動ネゴシエーションが行われます。自動ネゴシエーション ポートのデュプレックス モードは変更できません。
ポートのデュプレックス モードを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポートのデュプレックス モードを設定します。 |
set port duplex mod/port { full | half } |
ステップ 2 |
ポートのデュプレックス モードが正しく設定されていることを確認します。 |
show port [ mod [ /port ]] |
ポート2/1のデュプレックス モードを半二重に設定する例を示します。
Console> (enable) set port duplex 2/1 half
Port 2/1 set to half-duplex.
IEEE 802.3zフロー制御の設定
Catalyst 6500シリーズ スイッチ上のギガビット イーサネットおよび10ギガビット イーサネット ポートは、ポートへのパケット転送を一定時間禁止するために、フロー制御を使用します。その他のイーサネット ポートは、フロー制御を使用してフロー制御要求に応答します。
ギガビット イーサネットまたは10ギガビット イーサネット ポートの受信バッファが満杯になると、ポートは「休止(pause)」パケットを送信し、一定時間、そのポートへの後続パケットの送信を遅らせるようにリモート ポートに指示します。すべてのイーサネット ポート(10000 Mbps、1000 Mbps、100 Mbps、および10 Mbps)は、他の装置から「休止」パケットを受信し、これに対応できます。
ポートにフロー制御を設定するには、 set port flow control コマンドを入力します。 表 4-3 に、
set port flowcontrol コマンドのキーワードとその機能を示します。
表 4-3 イーサネット フロー制御キーワードの機能
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receive on |
ポートは、近接ポートが指示したフロー制御を使用します。 |
receive desired |
ポートは、近接ポートがフロー制御を使用しているときはフロー制御を使用し、近接ポートが使用していないときは使用しません。 |
receive off |
ポートは、近接ポートがフロー制御を要求するかどうかに関係なく、フロー制御を使用しません。 |
send on |
ポートは、近接ポートにフロー制御フレームを送信します。 |
send desired 2 |
ポートは、近接ポートからフロー制御の使用を要求された場合に、近接ポートにフロー制御フレームを送信します。 |
send off 2 |
ポートは、近接ポートにフロー制御フレームを送信しません。 |
フロー制御を設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
フロー制御パラメータを設定します。 |
set port flowcontrol mod/port { receive | send } { off | on | desired } |
ステップ 2 |
フロー制御の設定を確認します。 |
show port flowcontrol |
次の例で、送受信のフロー制御をオンにし、フロー制御の設定を確認する方法を示します。
Console> (enable) set port flowcontrol 3/1 send on
Port 3/1 will send flowcontrol to far end.
Console> (enable) set port flowcontrol 3/1 receive on
Port 3/1 will require far end to send flow control
Console> (enable) show port flowcontrol
Port Send-Flowcontrol Receive-Flowcntl RxPause TxPause
----- ---------------- ---------------- ------- -------
3/1 on disagree on disagree 0 0
3/3 desired on desired off 10 10
ポート ネゴシエーションのイネーブル化およびディセーブル化
ポート ネゴシエーションをイネーブルに設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート ネゴシエーションをイネーブルにします。 |
set port negotiation mod / port enable |
ステップ 2 |
ポート ネゴシエーションの設定を確認します。 |
show port negotiation [ mod / port ] |
ポート ネゴシエーションをイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set port negotiation 2/1 enable
Port 2/1 negotiation enabled
Console> (enable) show port negotiation 2/1
ポート ネゴシエーションをディセーブルに設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート ネゴシエーションをディセーブルにします。 |
set port negotiation mod / port disable |
ステップ 2 |
ポート ネゴシエーションの設定を確認します。 |
show port negotiation [ mod / port ] |
ポート ネゴシエーションをディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set port negotiation 2/1 disable
Port 2/1 negotiation disabled
Console> (enable) show port negotiation 2/1
デフォルトのポート イネーブル ステートの変更
(注) デフォルトのポート イネーブル ステートを変更すると、イーサネットだけでなく、すべてのポート タイプに適用されます。
clear config allコマンドを入力したり、設定情報が消失したりすると、すべてのポートがVLAN 1にまとめられます。これにより、セキュリティ上の問題やネットワークの不安定性の問題が生じることがあります。set default portstatusコマンドを入力すると、ポートがすべてディセーブル ステートになり、設定が消失している間のトラフィック フローがブロックされます。その場合は、手動で設定をイネーブル ステートに戻すことができます。
デフォルトのポート ステータス設定はシャーシに保管されています。この設定は、スーパバイザ エンジンではなく、シャーシに対応づけられています。clear config allコマンドは、この設定を使用して、デフォルト設定に戻ったときにポートがイネーブルまたはディセーブルかを判断します。clear config allコマンドは、シャーシ上のデフォルトのポート ステータス設定を変更しません。show configコマンドの出力には、その時点でのデフォルト ポート ステータス設定が表示されます。
ポートのイネーブル ステートを変更するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポートのイネーブル ステートを変更します。 |
set default portstatus { enable | disable } |
ステップ 2 |
ポートのイネーブル ステートを表示します。 |
show default |
デフォルトのポート イネーブル ステートをイネーブルからディセーブルに変更する例を示します。
Console> (enable)
set default portstatus disable
Default port status set to disable.
次に、ポートのイネーブル ステートを表示する例を示します。
Console> (enable)
show default
ポート デバウンス タイマーの設定
イーサネット、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、および10ギガビット イーサネットの各ポートに対してポート単位でポート デバウンス タイマーを設定できます。ポート デバウンス タイマーが設定されると、スイッチはメイン プロセッサへのリンク変更の通知を遅延します。このリンク変更により、ネットワークの再設定によるトラフィック損失を軽減することができます。
注意 ポート デバウンス タイマーをイネーブルにすると、リンクのアップ/ダウンの検出が遅れ、デバウンス期間の間、データ トラフィックの損失が発生します。この状況により、レイヤ2およびレイヤ3の各種プロトコルのコンバージェンス/再コンバージェンスに影響が及ぶことがあります。
表 4-4 に、デバウンス タイマーをイネーブルにする前と後で、スイッチがメイン プロセッサにリンク変更を通知するまでに発生する遅延時間を表示します。
表 4-4 ポート デバウンス タイマーの遅延時間
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10BASE-FLポート |
300ミリ秒 |
3100ミリ秒 |
10/100BASE-TXポート |
300ミリ秒 |
3100ミリ秒 |
100BASE-FXポート |
300ミリ秒 |
3100ミリ秒 |
10/100/1000BASE-TXポート |
300ミリ秒 |
3100ミリ秒 |
1000BASE-TXポート |
300ミリ秒 |
3100ミリ秒 |
1000BASE-FXポート |
10ミリ秒 |
100ミリ秒 |
10ギガビット イーサネット ポート |
1000ミリ秒 |
1000ミリ秒 |
ポート デバウンス タイマーを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート デバウンス タイマーをイネーブルにします。 |
set port debounce mod num/port num { enable | disable } |
ステップ 2 |
ポート デバウンス タイマーが正しく設定されていることを確認します。 |
show port debounce [ mod | mod_num/port_num ] |
ポート2/1でデバウンス タイマーをイネーブルにする例を示します。
Console> (enable) set port debounce 2/1 enable
Debounce is enabled on port 2/1
Warning: Enabling port debounce causes Link Up/Down detections to be delayed.
It results in loss of data traffic during debouncing period, which might
affect the convergence/reconvergence of various Layer 2 and Layer 3 protocols.
次に、ポート単位でのデバウンス タイマーの設定を表示する例を示します。
Console> (enable) show port debounce
ポート デバウンス タイマーの設定変更
(注) ポート デバウンス タイマーの設定変更は、ファイバ ギガビット イーサネット ポートでのみ可能です。
ポート デバウンス タイマーの値は、100の倍数で最大5000ミリ秒まで増やすことができます。タイマー値を調整する前に、ポート デバウンス タイマーをイネーブルにする必要はありません。ディセーブル ステートのデフォルト値よりも大きいタイマー値を指定した場合、デバウンス タイマーは常にイネーブルになります。
ポート デバウンス タイマーの設定を変更するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ポート デバウンス タイマーの設定を変更します。 |
set port debounce mod num/port num delay time |
ステップ 2 |
ポート デバウンス タイマーの設定が変更されていることを確認します。 |
show port debounce [ mod | mod_num/port_num ] |
ポート2/1でデバウンス タイマーの設定を変更する例を示します。
Console> (enable) set port debounce 2/1 delay 500
Debounce time for port 2/1 set to 500 ms.
Warning:Enabling port debounce causes Link Up/Down detections to be delayed.
It results in loss of data traffic during debouncing period, which might
affect the convergence/reconvergence of various Layer 2 and Layer 3 protocols.
ポート2/1でポート単位でのデバウンス タイマーの設定を表示する例を示します。
Console> (enable) show port debounce 2/1
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ポートのerrdisableステートにおけるタイムアウト設定
ポートがNVRAM(不揮発性RAM)ではイネーブルに設定されていても、実行時に何らかのプロセスによってディセーブルにされた場合、そのポートはerrdisableステートになります。たとえば、UniDirectional Link Detection(UDLD;単一方向リンク検出)が単一方向リンクを検出すると、ポートは実行時にシャットダウンされます。ただし、そのポートのNVRAM設定はイネーブルに設定されている(ユーザがポートをディセーブルにしていない)ので、ポートのステータスはerrdisableとして表示されます。
現在の機能では、ポートがerrdisableステートになった後、指定時間が経過すると、そのポートは再びイネーブルになります。タイムアウト機能が強化され、errdisableタイムアウトの設定によってポートがイネーブルになるのを手動で防ぐことができます。このようにするには、set port errdisable-timeout mod/port disableコマンドを使用して、タイムアウトをディセーブルにします。
グローバル タイマーは全ポートに対して維持されます。プロセスは、 t 秒が経過するたびに( t はユーザが設定したタイムアウト時間)errdisableステートになっているポートがないかどうかチェックします。errdisableステートになっているポートのうち、errdisableタイムアウトが設定されている(イネーブル)ポートだけがSCPメッセージによってイネーブルに戻ります。
デフォルトでは、グローバル タイマーがタイムアウトになると、errdisableステートになっているポートはすべてイネーブルに戻ります。
ポートがerrdisableステートになる理由には、次のものがあります(これらは、 set errdisable-timeout enable コマンドの設定オプションとして表示されます)。
• ARP inspection(ARP検査)
• Broadcast suppression(ブロードキャスト抑制)
• BPDU port-guard(BPDUポート ガード)
• Channel misconfiguration(チャネルの設定ミス)
• Crossbar failure(クロスバー障害)
• Duplex mismatch(デュプレックス モードが不一致)
• Layer 2 protocol tunnel misconfiguration(レイヤ2プロトコル トンネルの設定誤り)
• Layer 2 protocol tunnel threshold exceeded(レイヤ2プロトコル スレッシュホールド超過)
• UDLD
• Other(上記以外の原因)
• All(上記の原因のすべてにerrdisableタイムアウトを適用)
上記のそれぞれの原因について、errdisableタイムアウトをイネーブルまたはディセーブルに設定できます。[other]を指定した場合、上記 以外 の原因でerrdisableステートになったすべてのポートが、errdisableタイムアウト後にイネーブルになります。[all]を指定した場合は、原因が何であっても、errdisableステートになったすべてのポートが、errdisableタイムアウト後にイネーブルになります。
errdisable機能は、デフォルトではディセーブルです。ポートがイネーブルに設定されるデフォルトの間隔は300秒です。この間隔は、30~86,400秒(30秒~24時間)の範囲で設定できます。
ポート 3/3がerrdisableステートになった後にタイムアウトになってもイネーブルに戻らないようにするには、次の例のように設定します。
Console> (enable)
set port errdisable-timeout 3/3 disable
Successfully disabled errdisable-timeout for port 3/3.
BPDUガードが原因でerrdisableになったポートがタイムアウト後イネーブルに戻るようにするには、次の例のように設定します。
Console> (enable)
set errdisable-timeout enable bpdu-guard
Successfully enabled errdisable-timeout for bpdu-guard.
原因が何であろうとerrdisableになったポートすべてがタイムアウト後にイネーブルに戻るようにするには、次の例のように設定します。
Console> (enable) set errdisable-timeout enable all
Successfully enabled errdisable-timeout for all.
errdisableタイムアウト間隔を450秒に設定するには、次の例のようにします。
Console> (enable)
set errdisable-timeout interval 450
Successfully set errdisable timeout to 450 seconds.
errdisableタイムアウトの設定を表示するには、次の例のようにします。
Console> (enable)
show errdisable-timeout
ErrDisable Reason Timeout Status
------------------- ------------
channel-misconfig Disable
crossbar-fallback Disable
Ports that will be enabled at the next timeout:
Port Errdisable Reason Port ErrDisableTimeout Action on Timeout
---- ----------------- ---------------------- -----------------
3/3 udld Disable Remain Disabled
スーパバイザ エンジンでのジャンボ フレーム機能の設定
あるポートに対してジャンボ フレーム機能をイネーブルに設定すると、そのポートで大きい(つまり ジャンボ )フレームをスイッチングできるようになります。この機能はサーバ間の転送パフォーマンスを最適化するのに役立ちます。デフォルトのMaximum Transmission Unit(MTU;最大伝送ユニット)フレーム サイズは、すべてのイーサネット ポートで1548バイトです。ポートでジャンボ フレーム機能をイネーブルに設定すると、MTUサイズは9216バイトに増えます。
ポート単位でジャンボ フレーム機能をイネーブルに設定する際は、次の注意事項を考慮してください。
• ジャンボ フレーム機能は、次のポートでサポートされます。
–すべてのイーサネット ポート
–トランク ポート
–EtherChannel
–sc0インターフェイス(ジャンボ フレームはsc0インターフェイスを通過します。これはユーザが設定できないデフォルト設定なので、CLIによる設定は不要です)。
• 次のスイッチング モジュールでは、最大8092バイトの入力フレーム サイズをサポートします。
–100 Mbpsで動作するWS-6516-GE-TX。10 Mbpsおよび1000 Mbpsでは、ジャンボ フレームのデフォルト値、9216バイトをサポートします。
–WS-X6148-RJ-45、WS-X6148-RJ-45V、WS-X6148-RJ21、およびWS-X6148-RJ21V
–WS-X6248-RJ-45、WS-X6248A-RJ-45、WS-X6248-TEL、およびWS-X6248A-TEL
–WS-X6348-RJ-45、WS-X6348-RJ45V、WS-X6348-RJ-21、およびWX-X6348-RJ21V
ジャンボ フレームのサポートを設定すると、これらのモジュールは8092バイトを超える入力フレームを廃棄します。
• WS-X6548-RJ-21、およびWS-X6548-RJ-45モジュールは、PHYレベルで異なるハードウェアを使用して、ジャンボ フレームの最大デフォルト値である9216バイトをサポートします。
• ジャンボ フレームは、すべてのOSM(オプティカル サービス モジュール)でサポートされています。
• ジャンボ フレームは、ATMモジュール(WS-X6101-OC12-SMF/MMF)ではサポートされていません。
• Multilayer Switching Feature Card 2(MSFC2;マルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード2)は、ジャンボ フレームのルーティングをサポートします。
• Gigabit Switch Router(GSR;ギガビット スイッチ ルータ)は、ジャンボ フレームのルーティングをサポートします。
• MSFCおよびMultilayer Switch Module(MSM;マルチレイヤ スイッチ モジュール)は、ジャンボ フレームのルーティングをサポートしません。これらのルータにジャンボ フレームが送信されると、ルータのパフォーマンスが著しく低下します。
(注) show port jumboコマンドを入力すると、1つまたは複数のポートに関して[Jumbo frames inconsistent state]メッセージが表示されることがあります。その場合には、set port jumboコマンドを使用してポートをイネーブルに設定し直してください。
イーサネット ポートでジャンボ フレームをイネーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ジャンボ フレームをイネーブルに設定します。 |
set port jumbo mod / port enable |
ステップ 2 |
ポートの設定を確認します。 |
show port jumbo |
ポートでジャンボ フレーム機能をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set port jumbo 2/1 enable
Jumbo frames enabled on port 2/1
Console> (enable) show port jumbo
Jumbo frames MTU size is 9216 bytes
Jumbo frames enabled on port(s) 2/1
イーサネット ポートでジャンボ フレーム機能をディセーブルにするには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ジャンボ フレームをディセーブルに設定します。 |
set port jumbo mod / port disable |
ステップ 2 |
ポートの設定を確認します。 |
show port jumbo |
ポート上でジャンボ フレームをディセーブルにする例を示します。
Console> (enable) set port jumbo 2/1 disable
Jumbo frames disabled on port 2/1
MSFC2上でのジャンボ フレームの設定
MSFC2では、ジャンボ フレームのルーティングに対応できるように、VLANインターフェイスのMTUサイズを設定できます。
ジャンボ フレーム機能では、スイッチのデフォルトより大きいMTUサイズが、1つだけサポートされます。デフォルトより大きいMTUサイズでVLANインターフェイスを設定すると、デフォルトより大きいMTUサイズに設定されている他のすべてのVLANインターフェイスが、新しく設定されたサイズに自動的に変更されます。デフォルトから変更していないVLANインターフェイスについては、影響はありません。
MTU値を設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
VLANインターフェイス コンフィギュレーション モードにアクセスします。 |
Router(config)# interface vlan vlan_ID |
ステップ 2 |
MTUサイズを設定します。有効な値は、64~17952バイトです。 |
Router(config-if)# mtu mtu_size |
ステップ 3 |
設定を確認します。 |
Router# show interface vlan 111 |
VLANインターフェイスのMTUサイズを設定し、設定を確認する例を示します。
Router(config)# interface vlan 111
Router(config-if)# mtu 9216
Router# show interface vlan 111
MTU 9216 bytes, BW 1000000 Kbit, DLY 10 usec,
接続の確認
接続を確認するには、 ping コマンドおよび traceroute コマンドを使用します。
ポートからの接続を確認するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
テスト対象ポートの先にあるリモート ホストに対して、pingを実行します。 |
ping [ -s ] host [ packet_size ] [ packet_count ] |
ステップ 2 |
スイッチからテスト対象ポートの先にあるリモート ホストまでのパケット ルートを、ホップ単位で追跡します。 |
traceroute host |
ステップ 3 |
ホストが応答しない場合には、スイッチに設定されているIPアドレスおよびデフォルト ゲートウェイを確認します。 |
show interface show ip route |
次に、リモート ホストにpingを実行し、 traceroute を使用してネットワーク上のパケット パスをホップ単位で追跡する例を示します。
Console> (enable) ping somehost
Console> (enable) traceroute somehost
traceroute to somehost.company.com (10.1.2.3), 30 hops max, 40 byte packets
1 engineering-1.company.com (173.31.192.206) 2 ms 1 ms 1 ms
2 engineering-2.company.com (173.31.196.204) 2 ms 3 ms 2 ms
3 gateway_a.company.com (173.16.1.201) 6 ms 3 ms 3 ms
4 somehost.company.com (10.1.2.3) 3 ms * 2 ms