Cisco IOS XRd データシート

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Updated: 2023 年 12 月 13 日

偏向のない言語

この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください

翻訳について

このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。

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目次

 

 

製品の概要

Cisco IOS® XRd には Cisco IOS XR ソフトウェアの機能セットがコンテナに実装されています。XRd は、Cisco Network Convergence System ルータ、Cisco ASR 9000 シリーズ ルータ、Cisco 8000 シリーズ ルータなど、Cisco IOS XR ソフトウェアに依存する既存の物理 Cisco® ルータプラットフォームを補完します。サービスプロバイダーは、より小さいフットプリントでルーティング機能を必要とする新しいサービスを提供することにより、XRd に基づいたオペレーショナル エクセレンスとサービスを強化することができます。パブリッククラウドに移行する他のネットワーク機能の出現に伴い、XRd は、クラウド上で実行されているネットワーク機能とデータセンターのオンプレミスで実行されている他の機能との間のルーティングのために、コンテナ化されたフォームファクターでルーティングを展開するオプションを提供します。Cisco IOS XRd によって、俊敏性やネットワーク効率の向上、資本コストと運用コストの削減、需要に基づいたネットワーク容量の効果的な増減が可能になります。

Cisco IOS XRd ルータの主な機能

     汎用の Kubernetes オーケストレーション レイヤーで実行でき、顧客がデータセンターまたはクラウドで実行されている他のアプリケーションと同様にルーティング機能を管理できるようにするルーティング機能。

     最新の IOSXR7 に基づいた XRd は、軽量で起動が速く、最新の OS プログラマビリティ機能(YANG モデル ネイティブおよび OC)とモデル駆動型テレメトリをサポートしています。

     XRd は、非常に回復力が高く、安定性があり、機能豊富な Cisco IOS XR ソフトウェアから派生したもので、Cisco IOS XR ソフトウェアと同じノースバウンド機能と管理機能を備えており、既存のモニタリング、自動化、およびオーケストレーション システムとスムーズに統合できます。

Cisco IOS XRd は、次の 2 つの形態での導入が可能です。

Cisco IOS XRd Control Plane

図 1.                           

Cisco IOS XRd コントロールプレーン

Cisco IOS XRd コントロールプレーン:Cisco IOS XR ソフトウェアは、業界をリードするキャリアクラスのオペレーティングシステムで、広く普及しているシスコのエッジおよびコアルータプラットフォームをサポートしています。このモジュラ型 OS は非常に高いレベルの可用性を実現します。また、マルチプロセス/マルチスレッド アーキテクチャに基づき、最新のマルチソケット、マルチコアプロセッサを活用することで、拡張性とパフォーマンスを強化しています。モジュラ型 OS は、シスコが先駆者として取り組んできた、セグメントルーティングの最新のオーバーレイ ルーティング スタックをサポートします。Cisco IOS XRd コントロールプレーンは、仮想ルートリフレクタ(vRR)やパス コンピューティング エレメント PCE)などの計算負荷の高いユースケースを対象としています。XRd コントロールプレーンは、ピアリングまたはサウスバウンド インターフェイスに十分な最小限の転送機能を提供します。

Cisco IOS XRd vRouter

図 2.                           

Cisco IOS XRd vRouter

Cisco IOS XRd vRouter(コントロールプレーン + バーチャルフォワーダ):仮想フォワーダは、Cisco NPU ベースの物理プラットフォームおよび Intel® Data Plane Development KitDPDK)向けに開発された機能とフォワーディングコードを使用します。ただしそれは、汎用 CPU 環境向けに最適化されたものです。ソフトウェアベースのパケット分類機能を改善するために、Intel Streaming SIMD Extensions 2SSE2)と Advanced Vector ExtensionsAVX)命令を使用しています。機能を並列処理するためにメモリアクセスは非同期です。またデータ構造は、キャッシュを最も効率よく使用できるよう最適化されています。さらに、バッチ化されたパケット配信と処理、および機能実行プロセス全体での高速な負荷分散処理によって、サービスプロバイダーが必要とする機能を備えた非常に高性能なデータプレーンを実現します。Cisco IOS XRd vRouter は、最小限のフットプリント(~2 vCPU)で展開でき、コンピューティングリソースが不足しているユースケースを対象としています。

表 1.                    導入モデルと利点

機能

利点

従来よりサービスプロバイダーは、ルートリフレクタとして物理的なルーティングデバイスを導入していました。ルート リフレクタ アプリケーションは、コントロールプレーンを集中的に使用し、データプレーンの使用率が低くなります。そのため物理ルータが持つ性能を十分に活用しているとは言えません。

仮想ルートリフレクタ

  Cisco IOS XRd を使用して、多くのルートリフレクタを、少数の仮想ルートリフレクタに集約
  多くの物理ルートリフレクタを維持するために必要な物理的な専有面積、電力供給、冷却、配線にかかる諸経費を大幅に削減

パス計算要素(PCE)は別の計算集約型機能であり、最小限のデータプレーン機能のみを保証します。この機能のために専用の物理ルーターは必要ありません。これは Cisco Network ControllerCNC)アンブレラで提供され、本質的に PCE ロールで XRd を使用します。

パス計算要素

  ネットワーク全体のセグメント ルーティング トポロジを管理するために、一元化されたオンプレミスまたはパブリッククラウドで実行できる PCE 機能のコンピューティングを最適に利用
  多くの物理 PCE システムを維持するために必要な物理的な専有面積、電力供給、冷却、配線にかかる諸経費を大幅に削減

5G の導入では、コンピューティングの導入が遠端まで行われるため、XRd を仮想分散ユニット(vDU)と共にコンピューティングに導入して、モバイルトラフィックを集約にルーティングできます。

仮想セルサイトルータ

  vDU は非常に CPU 集約型であり、XRd は、同じコンピューティング上にルーティング機能を備え、CPU コアの消費を少なくするというお客様の要件を満たします。
  大規模 MIMO が必要ないセルサイトの場合、XRd は、ミッドホールサイトに単一の RU COTS サーバーを展開することにより、OpEx と物理的なフットプリントを削減します。

サービスプロバイダーは、ハイパースケーラーと連携して、重要なネットワーク機能をパブリッククラウドのワークロードとして実行し、CapEx の削減を達成し、大規模な仮想化を管理するハイパースケーラーの俊敏性と経験を取り入れています。XRd は、パブリッククラウドで実行されるネットワーク機能のルーティングゲートウェイとして展開でき、トランスポートネットワークと NF 間のオーバーレイルーティングを可能にします。

クラウドルータ

  クラウドルータとしての Cisco XRd は、パブリッククラウド環境でオーバーレイ ルーティング ソリューションを提供し、お客様がクラウドに展開されたネットワーク機能に対して既存のオーケストレーションおよびアシュアランスシステムを引き続き再利用できるようにし、シームレスな XR エクスペリエンスを提供します。

サービスプロバイダーは、低スループットで十分なロケーションでもレイヤ 3 プロバイダー/ビジネスエッジ機能を提供する必要があります。この場合、サービスプロバイダーはすでに物理的な Cisco ASR 9000 または NCS デバイスに基づくサービスを提供しており、低スループットで十分なロケーションでも同じサービスを提供したいと考えています。顧客にスケーラブルなプライベート接続を提供する Network-as-a-ServiceNaaS)プロバイダーは、XRd を利用して、各 POP で小型フォーム ファクタ エッジ ルータのインスタンス化を行えます。

仮想プロバイダーエッジ

  広く使用されている ASR 9000 および NCS シリーズ プラットフォームで一貫したアーキテクチャ
  Cisco IOS XR ソフトウェアをベースにした充実したネットワークエクスペリエンス
  簡素化された従量性ベースのモデルを使用することで資本コスト(CapEx )と運用コスト(OpEx )を削減

ライセンス

Cisco IOS XRd は、以下に基づいて、簡素化されたサブスクリプションベースのライセンススキームを提供します。

     コントロールプレーンのインスタンスごと

     vRouter のスループット使用率

このライセンス構造により、サービスプロバイダーは必要とされるライセンスだけ購入頂くことが可能となります。ライセンスは Cisco Smart Software Licensing でアクティブ化されます。Cisco Smart Software Licensing の詳細については、www.cisco.com/c/en/us/products/abt_sw.html [英語] を参照してください。

製品仕様

Cisco IOS XRd ルータの仕様を表 2 に示します。

表 2.                    Cisco IOS XRd の仕様

パラメータ

要件

XRd Control Plane Host

CPU

2 コア以上の x86-64 CPU

RAM

4 GB

Linux カーネル

バージョン 4 以降

注:Linux カーネルは、dummy および nf_tables モジュールをインストールする必要があります。

Linux cgroup

バージョン 1

注:一元化された階層 cgroup のサポートは利用できません。

XRd コントロール プレーン インスタンス

CPU

1 つのコア

RAM

2 GB

inotify ユーザーインスタンスとウォッチ

4000

AWS EC2 インスタンスの XRd コントロールプレーン

インスタンス タイプ

m5.2xlarge

プロセッサコアあたりのスレッド数

1

最小ディスクサイズ

8 GB

注:XRd インスタンスには 8 GB の最小ディスクサイズが必要ですが、ノードがコアファイルを処理する方法によっては、追加のディスク容量が必要になる場合があります。

オペレーティングシステム

EKS 最適化を備えた Amazon Linux 2

カーネル設定

XRd インスタンスごとに 4000 inotify ユーザーインスタンスとウォッチ

XRd vRouter ホスト

CPU

4 コア以上の x86-64 CPU

CPU 命令セット

  ssse3
  sse4.1
  sse4.2

Linux カーネル

バージョン 4 以降

Linux カーネルは、dummy および nf_tables モジュールをインストールする必要があります。

Linux cgroup

バージョン 1

注:一元化された階層 cgroup のサポートは利用できません。

必要な他のモジュール

vfio-pci または ugb_io

XRd vRouter インスタンス

CPU

2 つ以上の分離された CPU

RAM

5 GB

Hugepages

3 GB

注:XRd vRouter インスタンスは、1GB hugepage サイズの Hugepage サポートを有効にする必要があります。

inotify ユーザーインスタンスとウォッチ

4000

Amazon EC2 インスタンスの XRd vRouter

インスタンス タイプ

  m5.24xlarge
  m5n.24xlarge

プロセッサコアあたりのスレッド数

1

最小ディスクサイズ

8 GB

注:XRd インスタンスには 8 GB の最小ディスク容量が必要ですが、ノードがコアファイルを処理する方法によっては、追加のディスクスペースが必要になる場合があります。

オペレーティングシステム

EKS 最適化を備えた Amazon Linux 2

カーネル設定

  XRd インスタンスごとに 4000 inotify ユーザーインスタンスとウォッチ
  必要な XRd 展開の CPU 分離設定

追加のカーネルモジュール

  uio Amazon Linux 2 から)
  DPDK 19.11.12 igb_uio 、書き込み結合モードが有効

Hugepages

3 GB

注:XRd vRouter インスタンスは、1GB hugepage サイズの Hugepage サポートを有効にする必要があります。

その他の環境:

表 3.                    その他のサポートされる環境

環境

説明

Docker

Docker コンテナを実行する権限を持つ Docker バージョン 18 以降

Vanilla Kubernetes

1.22

保証情報

保証については、Cisco.com 製品保証のページを参照してください。

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詳細情報

www.cisco.com/c/en/us/products/ios-nx-os-software/ios-xr-software/index.html [英語]

 

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