Cisco Network Convergence System 1001 データシート

データセンターの容量およびデータセンター間の容量が急増したことを受けて、クラウドスケールのネットワーキング ソリューションに対するニーズが高まっています。このソリューションには、強化されたモニタリングによる迅速かつシンプルなターンアップ、変調とボーレートのイノベーションを通じた容量スケールのパフォーマンス最適化、複数のベンダーのトランスポンダ ソリューションの効果的なサポートが期待されています。Cisco^® Network Convergence System 1001（NCS 1001）は、これらの要件をすべて実現し、さらなる付加価値を提供します。Cisco NCS 1001 は、データセンター環境向けに機械的に最適化された高密度波長分割多重（DWDM）回線システムです。最大キャパシティに対応するようにパフォーマンスが最適化され、リアルタイムできめ細かいモニタリングにより、インストールと設定を完全に自動化します。

製品の機能と利点

Cisco NCS 1001（図 1）は、最大 3 つのプラグ可能モジュールをサポートできる 1RU システムです。これらのモジュールは、増幅器または保護スイッチモジュールとすることができます。システムは、NCS 1002 から供給されるコントローラカードと電源を再利用します。1 つの NCS 1001 で、96 チャネルの保護されていないポイントツーポイントまたは保護されているポイントツーポイントの DWDM 回線システムを実装できます。

システムは、Linux カーネル上で、ある Linux Containers（LxC）のキャリアクラス 64 ビット Cisco IOS^®XR ソフトウェアと、別の LxC の XR システム管理プレーンと共に動作します。さまざまな機能に加えて、設定を容易にする YANG モデルに基づくさまざまなマシンツーマシン API、デバイスモニタリングの pub-sub モデル用のテレメトリエージェントが含まれ、サードパーティ アプリケーションのインフラストラクチャも提供します。

Cisco NCS 1001 システムのハードウェアの主な利点は次のとおりです（図 2 も参照）。

●   最大 23 dBm の出力電力により、チャネルあたり +3 dBm のファイバ起動電力と、高ボーレートおよび高次変調方式トランスポンダの最大光パフォーマンスを実現

●   最大 34 db の切り替え可能なゲインプリアンプ

●   すべての入出力ポートでチャネルごとの電力をモニタする組み込み光チャネルモニタリング（OCM）モジュール

●   統合されたプラグ可能な光ベースの OSC および OTDR のサポート

●   ユーザーデータチャネル転送およびリモートノード管理のための OSC のサポート

●   比類のないスケールと密度：1RU で C バンドの 96 チャネル回線システム

●   OCM モジュールでのフレックスグリッドのサポート

増幅器モジュール

増幅器モジュールには次のポートがあります。

●   OSC SFP スロット

●   OTDR XFP スロット

●   LINE-TX および RX ポート

●   COM-TX および RX ポート

●   COM-TX チェックポート

図 3 は、増幅器モジュールの機能ブロック図です。

NCS1K-EDFA モジュールには次の機能があります。

●   プリアンプ（LINE-RX から COM-TX へ）

◦     リンク損失に応じて切り替え可能なゲイン範囲を持つ単一のプリアンプのバリエーション：

◦       範囲 1：0 〜 24 dB ゲイン、チルト制御あり。 24 〜 27 dB ゲイン、チルト制御なし

◦       範囲 2：20 〜 34 dB ゲイン、チルト制御あり。 34 〜 37 dB ゲイン、チルト制御なし

◦     COM-TX ポートで合計 23 dBm の出力電力

●   ブースタ（COM-RX から LINE-TX）

◦     真の可変ゲインブースタアンプ

◦          ゲイン範囲：1 〜 20、 20 〜 25 はチルト制御なし。

◦     LINE-TX ポートで合計 23 dBm の出力電力

●   アド/ドロップ OSC チャネル：1510 nm および 1610 nm +/– 10 nmの両方をサポート

●   OCM はチャネルの存在とゲインの調整、およびチャネルごとの電力モニタリングを評価

サポートされるさまざまな増幅器モード

ユーザーは次の方法で増幅器を設定できます。

増幅器モジュールは、手動または自動設定モードに設定できます。デフォルトのモードは手動です。増幅器のゲイン範囲は、25 dB（デフォルト）または 34 dB に設定することもできます。

手動モードでは、ユーザーが増幅器のゲインとチルトを設定します。CLI では OCM データは報告されませんが、raw データはエクスポートできます。自動モードを選択した場合、ユーザーはグリッド（50 Ghz / 100 Ghz / flex）およびチャネルごとの電力（デフォルトは +1 dBm）を設定する必要があります。OCM データは、グリッド定義に従って CLI で報告されます。

自動モードでは、ユーザーがリンクの光パフォーマンスの基本を理解している場合、最小限のクリック数/労力で DWDM システムをセットアップできます。

保護スイッチモジュール

NCS1K-PSM モジュール（図 4）には、次のポートがあります。

●   COM-TX および RX ポート

●   W-TX および RX ポート

●   P-TX および RX ポート

図 5 は、保護スイッチモジュールの機能ブロック図です。

PSM モジュールには次の機能があります。

●   TX セクション：

◦     入力光チャネルを運用回線と保護回線の両方に分割します。

◦     2 つの回線パスの 1 つを（関連する VOA を AVS に配置することによって）開き、リモートサイトの切り替えを強制します。

●   RX セクション：

◦     運用回線または予備回線からの信号を選択します。各回線は、フォトダイオードを介してモニタ
されます。

◦     スイッチの状態変更と同時に VOA 減衰値を変更して、2 つの回線損失のバランスを取ります。

●   PSM は、双方向スイッチングモードまたは単方向スイッチングモードで動作できます。単方向スイッチングモードでは、次の動作が予想されます。

◦     PSM のスプリッタはバイパスされます。

◦     レシーバのセレクタが使用する信号を決定します。スイッチオーバーが開始されると、PSM はリモート側に信号を送信しません。

ソリューション

一般的な 96 チャネル 50 Ghz 間隔のポイントツーポイント DWDM システムには、12 x NCS 1002 ユニット、1 x MD48-ODDE フィルタ、1 x MD48-EVENE フィルタ、1 x  MD48-CME カプラー、および 1 x NCS 1001 が含まれます。24 Tbps の容量で 29RU のラックスペースしか消費しません。（図 6 を参照）。

NCS 1001 でサポートされる 2 つの主要な構成は、保護されていないポイントツーポイント システム、および保護されているポイントツーポイント システムです。図 7 に示すように、保護されていない構成では、NCS1001-K9 ボックスに 1 つの増幅器モジュール（NCS1K-EDFA）を接続する必要があります。OSC アドドロップおよび双方向増幅は、このモジュールによって実行されます。

保護されたシステムでは、1 つの保護スイッチモジュール（NCS1K-PSM）と 2 つの増幅器モジュール（NCS1K-EDFA）を NCS1001-K9 ボックスに接続する必要があります。PSM モジュールはトラフィックをファイバパスに分割し、遠端は光受信電力に基づいてより適切な信号を選択することで、光パワーベースのセクション保護を提供します。（図 8 を参照）。

管理

Cisco NCS 1001 は、Cisco  IOS XR ソフトウェア CLI、SNMP、Syslog、および XML を介した運用、管理、メンテナンス、およびプロビジョニング（OAM＆P）機能をサポートする包括的な管理機能を提供します。さらに、自動ソフトウェアダウンロード用の iPXE と自動設定ダウンロード用のゼロタッチプロビジョニング（ZTP）により、インストールを簡素化できます。NCS 1000 のマシン間設定および管理では、さまざまな YANG ベースの転送オプション（NETCONF、RESTCONF、および gRPC）を使用できます。これらは、JSON、XML、または GPB エンコーディングで使用できます。NCS 1000 はネイティブの YANG モデルに対応しており、業界標準またはお客様が定義した YANG モデルにマッピングする機能も提供しています。モニタリングのために、NCS 1000 は、ユーザーが選択したパフォーマンス モニタリングとステータス情報をプッシュメカニズムを利用してユーザー指定の頻度（30 秒間隔で指定可能）で配信するストリーミングテレメトリ機能を提供します。これにより、SNMP などの従来のプルベースのメカニズムよりも優れた速度と規模のモニタリングが実現されます。Evolved Programmable Network Management（EPN-M）は、NCS 1001 の GUI 要素管理システムを提供します（図 9 を参照）。

パフォーマンス モニタリング

Cisco NCS 1001 は、透過的および非透過的な信号転送についてのパフォーマンス モニタリングをサポートしています。クライアントおよび DWDM 回線インターフェイスの光学パラメータのパフォーマンス モニタリングでは、信号消失（LOS）、送信光強度、受信光強度などがどちらも集約されてチャンネルごとにモニタリングされます。パフォーマンスモニタリング データの計算と累積は、G.7710 に準拠して 15 分間隔と 24 時間間隔で行われます。

各ポートには LED が付いているため、カードの動作状況を簡単に確認できます。

ヘッドレスモードでの運用

ヘッドレスモードでの運用が可能なため、ソフトウェアのアップグレード中、またはコントローラカードが物理的に存在しないか障害状態のときでも、NCS 1001 データプレーンを正常に運用できます。コントローラが起動すると、すべてのラインカードの統計情報が蓄積され、ユーザーに提供されます。

機能概要

表 1 に、NCS 1001 の機能の概要を示します。

表 1.     機能概要

適合規格

表 2 に、このトランクカードの適合規格情報を示します。製品リリース時点では、適合規格の文書が未完成の場合があります。カナダ、米国、欧州連合以外の国/地域については、シスコ代理店にお問い合わせください。

表 2.     適合規格

表 3 に NCS 1001 の仕様を示し、表 4 に発注情報を示します。

表 3.     NCS 1001 の仕様

 

 

表 4.     構成情報

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