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[シナリオ2:128個のノードがあるDPT OC-12リング]
[シナリオ3:リンク遅延のばらつきが大きいDPT-OC12リングにおけるリンク障害]
IPベースのアプリケーション、接続性、およびサービスに対する顧客からの要求がさらに厳しくなりつつある現在、IPベースのオプティカルネットワーク・インフラストラクチャの効率性とスケーラビリティが重要視されています。WebベースのEコマース、VoIP(Voice over IP)、VPN IPデータサービスの急激な発達により、データトラフィック量が増大し、次世代ネットワーク設計の基盤としてデータの最適化が求められる傾向にあります。これまで、従来の設計では、各種の条件に影響を及ぼすサービスに対し、あらかじめタイムスロットおよび帯域幅を統計的に割り当てていました。たとえば、一般的な長距離4ファイバBLSR(Bidirectional Line Switched Ring)の場合、故障に備えて、リングキャパシティの半分をアイドル状態に保っています。
新しく開発されたオプティカルリングを使ったネットワーキングテクノロジであるCisco DPT(Dynamic Packet Transport)では、オプティカルリングの全帯域幅を活用できます。DPTを導入した場合、従来のマルチレイヤインフラストラクチャ機器から、レイヤ3(IP/MPLS [Multipprotocol Label Switching])サービスおよびオプティカルトランスポートレイヤを基盤とするインテリジェントなネットワークサービスへの進化が実現します。Cisco DPTテクノロジは、SRP(Spatial Reuse Protocol)という新しいMAC(メディアアクセス制御)レイヤのプロトコルを採用しています。SRPは、LAN、MAN、およびWANにおけるスケーラブルかつ最適なIPパケット集約および伝送をサポートするために設計されたプロトコルです。SRPでは、フェアネスアルゴリズムおよび宛先でのパケット排除を実行することにより、DPTオプティカルリングにおいて、グローバルな帯域幅の公正な使用率およびローカルなスペース再利用を可能にします。SRPは、エンドツーエンドでの遅延時間に関する要件に対処し、高プライオリティIPパケットを確実に配信するとともに、大量のノードに対応できるスケーラビリティを備えています。
SRPプロトコルは現在、IEEE RPRSG(Resilient Packet Ring Study Group)およびIETF IPoPTR(IP over Packet Transport Ring)BoFによる標準化推進作業の一環と位置づけられています。
このホワイトペーパーの内容は、次のとおりです。
DPT/SRPは、反対方向に回転する2つのオプティカルリング(それぞれを同時に使用してデータパケットおよび制御パケットを送信)で構成される、シンメトリックな双方向リングを使用します。図1にDPTリングアーキテクチャを示します。
図1:DPTリング2つのリングを区別するため、一方を「内側」リング、もう一方を「外側」リングといいます。DPTは、1つの方向(ダウンストリーム)でデータパケットを送信し、もう1つの方向(アップストリーム)で対応する制御パケットを送信します。このようにDPTは、両方の光ファイバを同時に使用し、パケット伝送のため帯域幅を最大限に活用するとともに、制御シグナルの伝達を高速化し、適応性に富んだ帯域幅利用および自動復旧を可能にしています。
DPTリングの主な特長の1つは、帯域幅の効率的な利用です。SRPのスペース再利用(Spatial Reuse)機能により、リングの全体的な帯域幅を大幅に拡張できます。FDDI、トークンリングなど、従来のデータリングテクノロジでは、送信元でパケット排除が行われていました。たとえば、パケットを転送するとき、そのパケットは帯域幅を使用してリング全体を一周し、そのあとで送信元がパケットを排除するという方式になっています。これに対して、SRPでは宛先ノードでパケットが排除されます。宛先ノードでパケットがリングから排除されるので、リングの他のセグメントでは他のパケットが帯域幅全体を使用できます。このように、各リングノードが同時にパケットをリングに送出でき、リング帯域幅が最大限に利用されます。
図2にスペース再利用の仕組みを示します。この図では、ノード4がノード7に、ノード5がノード6に、ノード1がノード3にトラフィックを送信しています。宛先ノードがユニキャストデータをリングから排除するため、リング上でダウンストリームに位置する他のノードは、リング帯域幅をフルに活用できます。この例の場合、ノード1はノード3にフル帯域幅でアクセスすることができ、リングの他の部分では、それ以外のトラフィックを同時に流すことができます。
図2:スペース再利用
DPTリング上の各ノードでは、それぞれSRP-fa(SRPフェアネスアルゴリズム)と呼ばれるアルゴリズムの分散コピーを実行しています。SRP-faの特長は、次のとおりです。
SRP-faおよびそのシミュレーションについては、「SRP-faの概要」で説明します。
DPTリングは、予防的パフォーマンスモニタリング、迅速な自動復旧、およびリングノードまたは光ファイバ設備におけるイベント/障害発生後の迅速なIPサービス復旧を可能にするため、IPS(Intelligent Protection Switching)を採用しています。図3にリングファイバリンクの障害状況を示します。
図3:IPSIPSは、次の機能を提供します。
DPTテクノロジーは、収益性が高く、コスト効率に優れたLAN、MAN、およびWANベースのアプリケーション導入を可能にします。
大規模IPサービスプロバイダの主な課題は、堅牢でパフォーマンスの良いPoP内コネクティビティと、IPトラフィックおよびサービスの成長に対応する、コスト効率の良いPoPのスケーリング能力です。図4に現時点で実施されているアーキテクチャ例を示します。
図4:PoP内コネクティビティの例これらのアーキテクチャの主な問題点は、次のとおりです。
DPTリングでは、以下に示す特性により、この環境に対する理想的なソリューションを提供します。
DPTリングは、リング階層を通じて、ローカルアクセス集約およびMAN/WANコネクティビティを強力にサポートします。アクセス集約リングを利用して大量のカスタマアクセスパイプを終端させ、トラフィックの統合/分散ポイントとして動作する高速ルータにこれらを集めます。図5に示すように、各ルータは高速分散リングによって相互接続され、インターネットバックボーンへのメッシュ型コネクティビティを提供します。
図5:DPTリング階層
DPTテクノロジーのもう1つの重要な用途として、図6に示す共有型の都市/近郊IPアクセスリングが挙げられます。これらのリングは、事業用/居住用高層ビルおよび近郊産業地区にある複数のテナントへのアクセスを提供します。建物の地階に設置したルータにより、VPN(仮想プライベートネットワーク)、インターネットアクセス、および進歩的なIPサービスプロバイダが販売している低コストな音声/ビデオIPサービスなど、さまざまな広帯域IPサービスに、複数の建物内のテナントからアクセスできます。
図6:都市規模ネットワークのアクセスリング
リングアーキテクチャは、企業のキャンパスネットワーク設計の重要な構成要素として広く利用されています。構内および建物のバックボーンに配備されたFDDIリング、先進的な分散型構内用に普及しつつある、SONET/SDHリングおよびSONET/SDH帯域幅管理サービスがこれにあたります。
DPTリングは、自動復旧リングの利点を保ちながら、コストをかけずに帯域幅を拡張することにより、FDDIリングを論理的に進化させ、建物内バックボーンおよびデータセンタの相互接続を提供します(図7参照)。
図7:キャンパスリングDPTリングでは、すべてのノードがMACレイヤでSRP-faの分散コピーを実行します。SRPの動作およびフェアネスアルゴリズムを分かりやすく示すため、図8にSRPノードの概念図を示します。
図8:SRPノードの概念図
SRPの主な機能は、次のとおりです。
SRPノードが輻輳状態を検出すると、反対側のリングを通じて、送信使用率カウンタの値をアップストリームノードにアドバタイズします。使用率カウンタは、フィードバックを安定化させるローパスフィルタ機能を使って動作します。アップストリームノードは、アドバタイズされた値を超えないように、ノードの送信速度を調整します。各ノードはさらに、受信したアドバタイズ値を隣接するアップストリームの隣接ノードに伝達します。アドバタイズ値を受信したノード自身も輻輳している場合には、そのノードの送信使用率とアドバタイズされた使用率のうちどちらか小さい方を伝達します。
輻輳が検出されるのは、低優先度送信バッファの深さが、輻輳スレッシュホールドに達したときです。
使用率パケットは定期的に生成され、アドバタイズ値を伝送するとともに、有効なデータリンクが存在することをアップストリームノードに通知するキープアライブとしての役割も果たします。
SRP-faは、低優先度パケットだけに適用されます。高優先度パケットはSRP-faルールに従わず、十分な送信バッファスペースがあるかぎり、いつでも送信できます。高優先度パケットの送信速度は、CAR(Committed Access Rate)などの機能によって制限したうえで、リングに送出することができます。
ノードが送信するパケットには、次の4タイプがあります。
送信バッファからの高優先度パケットが、常に最初に送信されます。ホストからの高優先度パケットは、低優先度送信バッファが満杯でないかぎり送信されます。低優先度パケットは、TBが低優先度スレッシュホールドを超過せず、かつSRP-faルール(my_usage < allowed_usage)によって許容されるかぎり送信されます。他に送信可能なパケットがない場合、LPTBからの低優先度パケットが送信されます。
フェアネスアルゴリズムの詳細な定義を、表1に示します。
表1 SRP-faの変数
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各サイクルで、次の式が計算されます。
if ((my_usage < allow_usage) (fwd_rate < my_usage)) && (my_usage < MAX_ALLOWANCE)) // true means OK to send host packets my_usage_ok = true;
パケットの受信時に、次の式が計算されます。
if (usage_pkt.SA == my_SA) && [(usage_pkt.RI == my_RingID) || node_state == wrapped)] rcvd_usage = NULL_RCVD_INFO; else rcvd_usage = usage_pkt.usage;
減少間隔(DECAY_INTERVAL)ごとに、次の式が計算されます。
congested = (lo_tb_depth > TB_LO_THRESHOLD/2) lp_my_usage = ((LP_MU-1) * lp_my_usage + my_usage) / LP_MU my_usage = my_usage - min(allow_usage/AGECOEFF, my_usage/AGECOEFF) lp_fwd_rate = ((LP_FWD-1) * lp_fwd_rate + fwd_rate) / LP_FWD fwd_rate = fwd_rate - fwd_rate/AGECOEFF
if (rcvd_usage != NULL_RCVD_INFO) allow_usage = rcvd_usage; else allow_usage += (MAX_LRATE - allow_usage) / (LP_ALLOW); if (congested) { if (lp_my_usage < rcvd_usage) rev_usage = lp_my_usage; else rev_usage = rcvd_usage; } else if ((rcvd_usage != NULL_RCVD_INFO) && (lp_fwd_rate > allow_usage) rev_usage = rcvd_usage; else rev_usage = NULL_RCVD_INFO if (rev_usage > MAX_LRATE) rev_usage = NULL_RCVD_INFO;
ここでは、さまざまなネットワークおよびトラフィック条件下での、DPT/SRPのスケーラビリティ、コンバージェンス、およびリアルタイムIPサービスサポートについて具体的に検証するために、5つのシミュレーションシナリオを示します。
このシナリオでは、33個のノードがある都市規模ネットワークのアクセス集約リングを示します。このリングは300 km以上の距離を対象とし、各ファイバリンクセグメントの遅延時間は50μsです。都市規模ネットワークでのアップリンクバックボーンに対するアクセス集約をシミュレートするため、各ノードは0.5秒の間隔で共通の宛先ノードnode_0への送信を開始します。このDPTリングを図9に示します。
図9:33個のノードがある都市規模ネットワークのアクセスリング各ノードは、それぞれ200μsおよび800μsの平均オン/オフ期間、OC-12のピークレートでトラフィックを送信しています。この期間は指数分布になっています。平均のトラフィック速度は約125Mbpsです。トラフィックの送信元におけるオン期間中のパケット到着も指数分布になっており、パケットサイズは平均512バイトで指数分布になっています。トラフィックソースプロファイルを図10に示します。各ノードによってリングで伝送されるトラフィックを図11に示します。
これらの結果から、都市規模ネットワークにおけるアクセス集約でのDPT/SRPリングの高速なコンバージェンスおよび優れたフェアネスがはっきりと分かります。
図10:トラフィックソースプロファイル
このシナリオでは、スケーラブルでコスト効率の良いDPTインターネットワーキングソリューションにおけるSRP-faの最大の課題について示します。総距離が500 kmを超えるDPTリングに、128個のノードがあります。光ファイバリンクごとに20μsの遅延時間が生じ、リング全体の遅延時間は2560μsになります。この大規模リングの一部分を、図12に示します。
図12:128個のノードがあるOC-12c/STM-4 DPTリングシナリオ1と同様、各ノードは0.5秒の間隔で共通の宛先ノードへの送信を開始します。伝送ピークレートはOC-12c/STM-4です。伝送オン/オフ期間はそれぞれ100μsおよび900μsです。オン/オフ期間は指数分布になっています。平均伝送速度は約62.2Mbpsです。オン期間中のパケット到着も指数分布になっており、パケットサイズは平均512バイトで指数分布になっています。サンプリングされたトラフィックソースプロファイルを図13に示します。
図13:サンプリングされたトラフィックソースプロファイルサンプリングされたリングのスループットを図14に示します。128ノードの場合にも、DPT/SRPは迅速で優れたコンバージェンスおよびフェアネスを達成できます。
図14:サンプリングされたリングスループットPoP内コネクティビティでは、一部のアクセスノードはアップリンク集約ノードと同じ場所に存在し、他のアクセスノードは何千kmも離れた場所に存在するという状況がよくあります。このようなDPTリングの例を図15に示します。
このリングには6つのノードがありますが、そのうち3つ(San Francisco 1、2、3)は1つの建物に集まっています。これらのノード間の光ファイバリンクの遅延時間は1μsです。BerkeleyノードおよびOaklandノードは、相互間およびSan Franciscoノードとの遅延時間が20μsです。San Diegoノードはリング上でさらに離れた場所にあり、他のノードとのファイバ遅延時間が5μsです。
図15:OC-12c/STM-4 DPTアクセス集約リング図15に示すように、内側リングのトラフィックストリームが3本(それぞれSan Diego、San Francisco3、およびSan Francisco1からSan Francisco2へ)あります。各ストリームはバースト率が高く、OC-12c/STM-4の約44%を使用しています。さらに、2本の外側リングのトラフィックストリーム(OaklandおよびBerkeleyからSan Francisco2へ)があります。OaklandストリームはOC-12c/STM-4の約34%、Berkeleyストリームは約26%を使用しています。ストリームの伝送時間を図16に示します。
図16:リングトラフィックシミュレーション開始後4秒で、San Francisco1とSan Francisco2の間の内側リングの光ファイバに障害が発生したとします。DPT IPSはSan Francisco1およびSan Francisco2を50μsにわたってラップ状態にし、外側リングを使用してトラフィックストリームをSan Francisco2へ再ルーティングします。シミュレーションの開始後6秒には、光ファイバリンク障害は解消され、リングのラップは解消されます。
図16には、リング上でのトラフィックスループットも示されています。San Francisco2における受信トラフィックの統計を図17に示します。
図17:San Fransisco2の受信トラフィックこのシミュレーション結果から分かるように、DPT/SRP-faは非常に耐障害性が高く、リンク障害/リングラップ時にも高速なコンバージェンスおよび優れたフェアネスを達成します。その結果、レイヤ3サービスの中断が最小限に抑えられ、持続的なトラフィックダイナミクスが保証されます。
ここでは2種類の都市規模ネットワークの集約リングを比較します。このシナリオでは、図18および19に示すように、DPT/SRPリングを同じ設定のイーサネットリングテクノロジと比較しました。
図18:イーサネットリング2つのリングでは、どちらも同じイーサネットLAN TCP/UDPトラフィックを集約しています。帯域幅の不足と競合を引き起こすため、イーサネットリングのリンクセグメントをスイッチ間(ノード3とノード4)でわざと故障させています。そのため、STPによってノード3とノード4の間のルート選択が禁止され、帯域幅が限られたマルチホップパスが強制的に使用されています。イーサネットリングリンクが実質的に10BaseTに制限されています。
図19:OC-12c/STM-4 DPTリングSRPでは、内側/外側リングの選択により、ホップカウントの最も少ないパスを選び、帯域幅を増やします。ここでは比較のため、外側リングだけを使用しています。
2つのリングで同様のTCP/UDPサーバおよびクライアントアプリケーションをイネーブルにすることにより、図18および19に示すTCP/UDPトラフィックパターンが作成されました。
図20:イーサネットリングのスループットイーサネットリングおよびDPT/SRPリングのスループットを、それぞれ図20および21に示します。
イーサネットリングでは、レイヤ2アクセス制御におけるフェアネスメカニズムが存在しないため、非同調的なUDPトラフィックに対してはフェアネスがほとんど期待できないことが分かります。一方、SRPでは、ダイナミックな帯域幅共有および統計的多重化アルゴリズムにより、すべてのアプリケーションにフェアネスおよび高速コンバージェンスが保証されます。
図21:DPT/SRPリングのスループットVoIPなどのリアルタイムサービスでは、エンドツーエンドでの遅延時間を厳密に保証するだけでなく、遅延時間のばらつきを抑えなければなりません。DPT/SRPは、レイヤ3 CoSとの連携による高プライオリティ伝送により、リアルタイムサービスをサポートします。ただし、ダイナミックな帯域幅共有および低優先度トラフィックの多重化特性によって、DPTアグリゲーション/分散リングを流れるリアルタイムトラフィックに関して、エンドツーエンドの遅延時間およびジッタの問題が生じる場合があります。
このような問題について検討するため、リング上に大量の低優先度トラフィックが存在するという前提で、DPT階層でのVoIPアプリケーションのシミュレーションを行いました。シミュレートしたDPT階層は、それぞれ図22、23、および24に示すOC-12c/STM-4集約リング、OC-48c/STM-4バックボーン、およびOC-12c/STM-4分散リングで構成されています。
図21および22に示すギガビットイーサネットLANで、VoIPコールが発信されます。各LANはそれぞれ200の発信元をホストしています。音声トラフィックはG.711で明示的にエンコードされます。集約された音声トラフィックおよびそれぞれの音声ソースを図25に示します。
音声トラフィックおよびバックグラウンドトラフィックの全体的な流れを図26に示します。
図22:Pittsburgh OC-12c/STM-4 DPTリング基準とするVoIPトラフィックが、送信元から宛先まで示されています。バックグラウンドのトラフィックストリームは全部で9本あり、そのうち5本は低優先度トラフィック、4本は高優先度トラフィックです。バックグラウンドトラフィックの分散状態を図26に示します。各バックグラウンドストリームは、リング帯域幅の45%を使用します。高優先度バックグラウンドトラフィックのパケットサイズは128バイトです。
図25:音声トラフィック低優先度パケットのサイズをそれぞれ1.5 KB、4 KB、および9 KBとして、3回のシミュレーションを実行しました。
3回のシミュレーションにおけるパケット単位のエンドツーエンド遅延時間の測定結果を図27に示します。この測定結果のPDF(確率密度関数)を図28に示します。
図27:音声パケット単位のエンドツーエンド遅延時間以上、OPNETモデリングおよびシミュレーションを使用して、DPT/SRP-faのスケーラビリティを限界まで拡張し、その有効性を確認しました。DPTの優れたダイナミックトラフィック多重化機能および優先度スケジューリング機能が例証され、IPによるリアルタイムサービスをサポートする遅延時間の保証、およびジッタ制御の優秀さが明らかになりました。結論として、Cisco DPT/SRPテクノロジは、コスト効率に優れた、IPインターネットワーキングとして最も将来性があるテクノロジとなります。IPパケット用に最適化された新しいMACプロトコル、SRPの採用により、DPTは卓越したスケーラビリティ、高速コンバージェンス、帯域幅の効率的な利用、およびLAN、MAN、WANインターネットワーキングにおける耐障害性をもたらし、VoIP、ビデオなどの高度なIPサービスを強力にサポートします。
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