データ シートCisco Security Agent バージョン 5.2製品概要Cisco® Security Agent セキュリティ ソフトウェアは、サーバおよびデスクトップ コンピューティング システムをセキュリティ上の脅威から保護します。Cisco Security Agent は、従来のエンドポイント セキュリティ ソリューションにない高度な機能として、標的型攻撃、スパイウェア、ルートキット、および Day Zero 攻撃といった脅威に対する先進の保護機能を提供します。Cisco Security Agent の予防的な防御機能を利用すると、公開されて間もない脆弱性を悪用した未知や新種の脅威と改良型の脅威にも対応できます。Cisco Security Agent を利用すると、サービスを停止してオペレーティング システムやアプリケーションの脆弱性パッチを適用することができない重要なサーバの場合でも、アップデートを行うことなくシステムの整合性を保護することができます。したがって、脆弱性が公開されるたびに急いでパッチを適用する必要がなくなるため、パッチの適用に伴うダウンタイムと IT 運用コストを最小限に抑えることができます。企業は脅威が発生してから急いでパッチを適用するのではなく、予定したスケジュールに沿ってパッチを適用することができるようになります。 強力なポリシー準拠管理機能では、機密性の高いデータ ファイルや重要なサーバを保護できます。重要なファイル、アプリケーション、およびサーバへのアクセスをモニタリングまたは制御して、故意または不正によるデータ損失を防ぐことができます。また、リムーバブル メディアの利用を制限することで、リスクを軽減し職務規則の徹底を図ることができます。必要に応じてきめ細かな管理を実施して、ユーザ、アプリケーション、システム、ロケーション、およびネットワーク アドレスに関するポリシーへの準拠を管理することができます。 Cisco Security Agent を利用すると、単独のエンドポイント セキュリティ ソリューションでは実現できない優れた保護が可能になります。Cisco Security Agent は、ネットワーク セキュリティ デバイスと連携して、ネットワーク全体のセキュリティを向上させます。Cisco VPN デバイスは、Cisco Security Agent のパーソナル ファイアウォールおよびホスト侵入防御(HIPS)機能を利用して、IPSec(IP Security)および SSL(Secure Sockets Layer)VPN リモートアクセス ユーザに対して優れたエンドポイント セキュリティを提供できます。Cisco Security Agent が収集するホスト情報をシスコのネットワーク IPS デバイスと共有すると、ネットワーク内で実行する IPS 処理の精度を向上させることができます。また、Cisco ASA および Cisco PIX® セキュリティ アプライアンスのファイアウォールおよびアプリケーション検査機能と Cisco Security Agent を組み合わせて使用すると、Cisco Security Agent のトラフィック マーキングに基づいて特定のアプリケーションを検査することができます。 ネットワーク統合機能表 1 に、Cisco Security Agent のネットワーク統合機能を示します。 表 1 ネットワーク統合機能
機能および利点Cisco Security Agent は、次のようなさまざまな利点を備えています。
製品のアーキテクチャCisco Security Agent ソリューションCisco Security Agent は、ミッションクリティカルなデスクトップおよびサーバにインストールするホストベースのエージェントで構成されます。ホストベースのエージェントは CSA-MC(Management Center for Cisco Security Agents)に管理用データを送信します。Management Center は Cisco Security Agent の設定を行うスタンドアロンのアプリケーションです。エージェントの管理インターフェイスおよびエージェントと Management Center 間の通信には、HTTP および 128 ビットの SSL が使用されます。Cisco Security Agent のアラートは、CS-MARS を使用して他のシスコ製セキュリティ製品から発生するアラートと統合できます。 エージェントのアーキテクチャCisco Security Agent はアプリケーションとカーネルの間に位置し、基盤となるオペレーティング システムの安定性とパフォーマンスにほとんど影響を与えることなく、アプリケーションの動作を最大限に把握します。エージェントは独自のアーキテクチャにより、ファイル、ネットワーク、およびレジストリ リソースに対するオペレーティング システム コールのほかに、メモリ ページ、共有ライブラリ モジュール、COM オブジェクトなどの動的な実行時リソースへのシステム コールをすべて代行受信します。エージェントは独自のインテリジェンスを利用し、特定のアプリケーションまたはすべてのアプリケーションにとって不適切または許容不可とされる動作を定義したルールに基づいて、これらのシステム コール動作の関連付けを行います。この関連付けと、その後のアプリケーション動作を認識することにより、未知の方法による侵入をセキュリティ担当者の指示に従って阻止することが可能になります。 アプリケーションが何らかの動作を実行しようとすると、Cisco Security Agent はその動作をアプリケーションのセキュリティ ポリシーと照合し、動作を続行するか拒否するかをリアルタイムで判断するとともに、要求をログに記録するのが妥当かどうかを決定します。セキュリティ ポリシーとは、保護対象のサーバおよびデスクトップに対し、個別または全社的に IT 管理者またはセキュリティ管理者が割り当てるルールの集合です。これらのルールによって、必要なリソースへの安全なアプリケーション アクセスを確保できます。Cisco Security Agent は、分散型ファイアウォール、オペレーティング システムのロックダウン、整合性の保証、悪意のモバイル コードからの保護、監査イベントの収集といった各機能を実装するセキュリティ ポリシーを、サーバおよびデスクトップのデフォルト ポリシーに組み合わせることで、外部に開かれた企業システムを階層的に保護します。 不審な動作を阻止することが保護機能の基本となっているため、デフォルトのポリシーを更新しなくても、既知の攻撃と未知の攻撃の両方に対処できます。エージェントと Management Center コンソールの両方で関連付けが実行されます。エージェントでの関連付けにより、精度が大幅に向上し、正当なアクティビティを妨害せずに攻撃と誤用を区別できます。また、Management Center での関連付けにより、ネットワーク ワームや分散スキャンなどのグローバルな攻撃を認識できます。 集中管理CSA-MC は、すべてのエージェントを集中的に管理するためのさまざまな管理機能を提供します。Web ブラウザを使用してロールベースでアクセスできるので、管理者によるエージェント ソフトウェア配布パッケージの作成、セキュリティ ポリシーの作成または修正、アラートの監視、レポートの生成などの作業を簡単に行うことができます。Management Center は、あらかじめ設定済みのデフォルト ポリシーを 20 以上組み込んだ状態で出荷されるので、管理者は数千のエージェントを簡単に全社で展開できます。Management Center を「IDS モード」で展開することも可能です。IDS モードでは、アクティビティに対するアラートが生成されますが、アクティビティ自体は阻止されません。 Management Center には、シンプルでありながら強力なカスタマイズ機能が備わっているので、管理者はデフォルト ポリシーを環境にすばやく適合させることができます。特別なニーズや要件に合わせたルールの修正や完全に新規のルールの作成も、簡単に行えます。規制準拠の監査に役立つ機能として、「ルール説明」機能があります。これは、指定したルールまたはポリシーが何を意図したものであるかの説明を、人間が読める言語形式で管理者が出力できる機能です。 エージェントは Management Center からサーバとデスクトップに直接配布され、このマネージャによって制御および更新されます。各エージェントは自律的に動作します。マネージャと通信できない場合(たとえば、ノート型パソコンを使用するリモート ユーザがまだ VPN 経由で接続していない場合)にも、エージェントは継続的にセキュリティ ポリシーに基づく検査を実施します。その間に発生したセキュリティ アラートは、エージェントによってすべてキャッシュされ、通信が回復したときにマネージャにアップロードされます。 シスコでは、Management Center から分析レポートを作成する一連のツールも提供しています。配置分析機能は、すべてのエージェントにインストールされているアプリケーションの詳細、およびそのアプリケーションの使用に関する情報を提供します。動作分析機能は、特殊な、または未知のアプリケーションや環境に対する包括的なデータ分析ツールを提供します。この機能はアプリケーションの動作に関する詳細なレポートを提供するため、お客様は、お客様固有の環境に合わせて高度にカスタマイズされた非常に複雑なアプリケーションも含め、すべてのアプリケーションを理解できるようになります。 まとめCisco Security Agent は、シスコ自己防衛型ネットワーク ソリューションの中心となるコンポーネントです。お客様は、相互に連携するエンドポイントおよびネットワーク コンポーネントに投資することにより、異種システム間では実現できない新しい重要なセキュリティ サービスを実現できます。 製品仕様表 2 に、Cisco Security Agent バージョン 5.2 の製品仕様を示します。 表 2 製品仕様
発注情報Cisco Security Agent ソリューションは、2 つの主要コンポーネント(Cisco Security Agent [デスクトップ エージェントとサーバ エージェント] および Management Center)で構成されています。エージェントを使用するには Management Center が必要です。ライセンスを受けていないコンソールでエージェントを使用することはできません。CSA-MC は、Cisco Security Agent スターター バンドル(CSA-START-5.2-K9)に同梱されます。 表 3 に Cisco Security Agent の製品番号、表 4 にメンテナンス製品番号を示します。シスコ製品の購入方法の詳細は、「発注方法」を参照してください。 表 3 Cisco Security Agent の発注情報
サービスおよびサポートシスコは、お客様がそのネットワーク サービスを最大限に活用するため、各種サービス プログラムを用意しています。これらのサービスは、スタッフ、プロセス、ツールをそれぞれに組み合わせて提供され、お客様から高い評価を受けています。ネットワークへの投資を無駄にすることなく、ネットワーク運用を最適化しネットワーク インテリジェンスの強化や事業拡張を進めていただくためにシスコのサービスを是非お役立てください。サービスについての詳細は、以下の URL を参照してください。
表 4 Cisco Security Agent のメンテナンスに関する発注情報
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