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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
サードパーティ コール制御向け Cisco IP Phone 7800 シリーズは、IP ネットワーク経由で音声通信を実現するフル機能の(Voice-over-Internet Protocol)電話機です。これらは、コール転送、リダイヤル、スピード ダイヤル、コール転送、会議コールなど、従来のビジネス フォンのすべての機能を提供します。Cisco IP Phone 7800 シリーズは、サードパーティの SIP ベースの IP PBX を中心としたソリューションをターゲットとしています。
(注) | このマニュアルにおける Cisco IP Phone または電話機という用語は、サードパーティ コール制御向けの Cisco IP Phone を意味します。 |
次の表に、Cisco IP Phone 7800 Series の物理仕様および動作環境仕様を示します。
ハンドセットおよびヘッドセット接続用の RJ-9 ジャック(4 コンダクタ)。
(注) | Cisco IP Phone 7811 にはヘッドセット ジャックが含まれていません。 |
LAN 10/100BaseT 接続用の RJ-45 ジャック(Cisco IP Phone 7811、7821、7861)および LAN 1000BaseT 接続(Cisco IP Phone 7841)。
2 番目の 10/100BaseT 準拠接続用の RJ-45 ジャック(Cisco IP Phone 7811、7821、7861 )および LAN 1000BaseT 接続(Cisco IP Phone 7841)。
48 ボルト電源コネクタ。
次の表に、ネットワーク ポート コネクタのピン割り当てを示します。
ピン番号 |
機能 |
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1 |
BI_DA+ |
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2 |
BI_DA- |
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3 |
BI_DB+ |
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4 |
BI_DC+ |
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5 |
BI_DC- |
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6 |
BI_DB- |
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7 |
BI_DD+ |
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8 |
BI_DD- |
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次の表に、コンピュータ ポート コネクタのピン割り当てを示します。
ピン番号 |
機能 |
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1 |
BI_DB+ |
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2 |
BI_DB- |
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3 |
BI_DA+ |
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4 |
BI_DD+ |
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5 |
BI_DD- |
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6 |
BI_DA- |
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7 |
BI_DC+ |
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8 |
BI_DC- |
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Cisco IP Phone には、外部電源または Power over Ethernet(PoE)から電力を供給できます。外部電源は個別の電源装置によって提供されます。スイッチは電話機のイーサネット ケーブル経由で PoE を提供できます。
(注) | 外部電源を使用する場合、イーサネット ケーブルを電話機に接続する前に、電源装置を電話機に接続する必要があります。外部電源から電力が供給されている電話機を取り外す場合は、電源装置を取り外す前に、イーサネット ケーブルを電話機から取り外してください。 |
電源の種類 |
ガイドライン |
---|---|
外部電源:CP-PWR-CUBE-3 外部電源を通じて電力を供給 |
Cisco IP Phone は、CP-PWR-CUBE-3 電源を使用します。 |
外部電源:Cisco IP Phone パワー インジェクタを通じて電力を供給。 |
Cisco IP Phone パワー インジェクタは、ほとんどの Cisco IP Phone で使用できます。電話機でパワー インジェクタを使用できるかどうかについては、電話機のデータ シートを参照してください。 インジェクタは、ミッドスパン デバイスとして機能し、接続されている電話機にインラインパワーを供給します。Cisco IP Phone パワー インジェクタは、スイッチ ポートと IP Phone 間に接続されます。また、通電していないスイッチと IP Phone 間で最大 100 m のケーブル長をサポートします。 |
PoE 電源:イーサネット ケーブルを介して電話機に接続されているスイッチを通じて電力を供給。 |
電話機を無停電で運用するには、スイッチがバックアップ電源を備えている必要があります。 スイッチ上で実行されている CatOS または IOS のバージョンが、予定している電話機配置をサポートしていることを確認します。オペレーティング システムのバージョンに関する情報については、スイッチのマニュアルを参照してください。 |
電話機を経由して緊急サービスにアクセスするには、その電話機が電力を受信する必要があります。停電が発生した場合、電源が復旧するまでは、電話サービスおよび緊急コール サービス ダイヤルが機能しません。電源の異常および障害が発生した場合は、装置をリセットまたは再設定してから、電話サービスおよび緊急コール サービス ダイヤルを利用する必要があります。
Cisco IP Phone は、音声通信に必須の複数の業界標準ネットワーク プロトコルとシスコ ネットワーク プロトコルをサポートしています。次の表に、電話機でサポートされるネットワーク プロトコルの概要を示します。
ネットワーク プロトコル |
目的 |
使用方法 |
---|---|---|
ブートストラップ プロトコル(BootP) |
BootP は、特定の起動情報(自身の IP アドレスなど)を Cisco IP Phone などのネットワーク デバイスが検出できるようにするものです。 |
— |
Cisco Discovery Protocol(CDP) |
CDP は、シスコの製造するすべての装置で動作するデバイス検出プロトコルです。 デバイスは、CDP を使用して自身の存在をネットワーク内の他のデバイスにアドバタイズし、ネットワーク内の他のデバイスの情報を受信できます。 |
Cisco IP Phone では、補助 VLAN ID、ポートごとの電源管理の詳細情報、Quality of Service(QoS)設定情報などの情報を、CDP を使用して Cisco Catalyst スイッチとやり取りしています。 |
ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP) |
DHCP は、IP アドレスを動的に確保して、ネットワーク デバイスに割り当てるものです。 DHCP を使用すると、IP Phone をネットワークに接続すれば、その電話機が機能するようになります。IP アドレスを手動で割り当てたり、ネットワーク パラメータを別途設定したりする必要はありません。 |
DHCP は、デフォルトで有効になっています。無効にした場合は、個々の電話機がある場所で、IP アドレス、サブネット マスク、およびゲートウェイを手動で設定する必要があります。 DHCP のカスタム オプション 160、159 を使用することを推奨します。 |
ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP) |
HTTP は、インターネットや Web 経由で情報を転送し、ドキュメントを移送するための標準プロトコルです。 |
Cisco IP Phone では、XML サービス、プロビジョニング、アップグレード、およびトラブルシューティングに HTTP を使用します。 |
Hypertext Transfer Protocol Secure(HTTPS) |
Hypertext Transfer Protocol Secure(HTTPS)は、サーバの暗号化とセキュアな ID を確保できるように、ハイパーテキスト転送プロトコルと SSL/TLS プロトコルを組み合わせたものです。 |
HTTP と HTTPS の両方をサポートする Web アプリケーションには 2 つの URL が設定されています。HTTPS をサポートする Cisco IP Phone は、HTTPS URL を選択します。 サービスへの接続が HTTPS 経由である場合、ロック アイコンがユーザに表示されます。 |
インターネット プロトコル(IP) |
IP は、パケットの宛先アドレスを指定し、ネットワーク経由で送信するメッセージング プロトコルです。 |
IP を使用して通信するには、ネットワーク デバイスに対して、IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイが割り当てられている必要があります。 IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイの識別情報は、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)を通じて Cisco IP Phone を使用する場合は、自動的に割り当てられます。DHCP を使用しない場合は、個々の電話機がある場所で、これらのプロパティを手動で割り当てる必要があります。 |
Link Layer Discovery Protocol(LLDP) |
LLDP は、CDP と同様の標準化されたネットワーク検出プロトコルで、一部のシスコ デバイスとサードパーティ製デバイスでサポートされています。 |
Cisco IP Phone は、PC ポートで LLDP をサポートします。 |
Link Layer Discovery Protocol-Media Endpoint Devices(LLDP-MED) |
LLDP-MED は、音声製品用に開発された、LLDP 標準の拡張です。 |
Cisco IP Phone は、次のような情報をやり取りするために、SW ポートで LLDP-MED をサポートします。 LLDP-MED サポートの詳細については、次の URL にある『LLDP-MED and Cisco Discovery Protocol(LLDP-MED および Cisco Discovery Protocol)』ホワイト ペーパーを参照してください(http://www.cisco.com/en/US/tech/tk652/tk701/technologies_white_paper0900aecd804cd46d.shtml)。 |
リアルタイム転送プロトコル(RTP) |
RTP は、インタラクティブな音声やビデオなどのリアルタイム データをデータ ネットワーク経由で転送するための標準プロトコルです。 |
Cisco IP Phone では、RTP プロトコルを使用して、リアルタイム音声トラフィックを他の電話機やゲートウェイとやり取りします。 |
リアルタイム制御プロトコル(RTCP) |
RTCP は RTP と連動して、RTP ストリーム上で QoS データ(ジッター、遅延、ラウンドトリップ遅延など)を伝送します。 |
RTCP はデフォルトで無効になっています。 |
Session Initiation Protocol(SIP) |
SIP は、IP を介したマルチメディア会議のためのインターネット技術特別調査委員会(IETF)標準です。SIP は、アプリケーション層の ASCII ベースの制御プロトコルであり(RFC 3261 で規定)、2 つ以上のエンドポイント間でコールを確立、維持、および終了するために使用できます。 |
他の VoIP プロトコルと同様に、SIP はシグナリングとセッション管理の機能をパケット テレフォニー ネットワークの内部で処理するように設計されています。シグナリングによって、ネットワーク境界を越えてコール情報を伝送することが可能になります。セッション管理とは、エンドツーエンド コールの属性を制御する機能を提供することです。 |
セキュア リアルタイム転送プロトコル(SRTP) |
SRTP は、Real-Time Protocol(RTP)Audio/Video Profile の拡張で、RTP パケットと Real-Time Control Protocol(RTCP)パケットの整合性を保証して、2 つのエンドポイント間のメディア パケットの認証、整合性、および暗号化を実現します。 |
Cisco IP Phone は、メディア暗号化に SRTP を使用します。 |
伝送制御プロトコル(TCP) |
TCP は、コネクション型の転送プロトコルです。 |
— |
トランスポート層セキュリティ(TLS) |
TLS は、通信のセキュリティ保護と認証に使用される標準プロトコルです。 |
セキュリティが実装されると、Cisco IP Phone では、サードパーティ コール制御システムに安全に登録するときに TLS プロトコルが使用されます。 |
トリビアル ファイル転送プロトコル(TFTP) |
TFTP を使用すると、ファイルをネットワーク経由で転送できます。 Cisco IP Phone で TFTP を使用すると、電話タイプ固有の設定ファイルを取得できます。 |
TFTP では、ネットワーク内に TFTP サーバが必要です。このサーバは、DHCP サーバで自動的に識別できます。 |
ユーザ データグラム プロトコル(UDP) |
UDP は、データ パケットを配信するためのコネクションレス型メッセージング プロトコルです。 |
Cisco IP Phone は、UDP を利用した RTP ストリームを送受信します。 |
Cisco IP Phone は内蔵イーサネット スイッチを備えているため、電話機や、電話機の背面にあるコンピュータ(アクセス)ポートおよびネットワーク ポートにパケットを転送できます。
コンピュータ(アクセス)ポートにコンピュータを接続した場合、コンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。このように物理リンクが共有されるため、ネットワークの VLAN 設定について、次のような考慮事項が存在します。
現在の VLAN を IP サブネット ベースで設定することは可能です。ただし、追加の IP アドレスを取得して、同じポートに接続している他のデバイスと同じサブネットに電話機を割り当てることはできません。
VLAN をサポートしている電話機上に存在するデータ トラフィックによって、VoIP トラフィックの品質が低下することがあります。
ネットワーク セキュリティを確保するために、VLAN 音声トラフィックと VLAN データ トラフィックの分離が必要になることがあります。
これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN 上に分離することで解決できます。電話機の接続先となるスイッチ ポートには、伝送用に、それぞれ別個の VLAN を設定します。
IP Phone で送受信される音声トラフィック(Cisco Catalyst 6000 上などの補助 VLAN)
IP Phone のコンピュータ(アクセス)ポート経由でスイッチに接続されている PC で送受信されるデータ トラフィック(ネイティブ VLAN)
電話機を独立した補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上するとともに、各電話機に割り当てるための IP アドレスが十分にない既存ネットワークに対しても、多数の電話機を追加できるようになります。
詳細については、Cisco スイッチに添付されているマニュアルを参照してください。スイッチに関する情報には、次の URL からもアクセスできます。
http://cisco.com/en/US/products/hw/switches/index.html
不要な無線周波数(RF)信号および可聴周波数(AF)信号を遮断する高品質の外部デバイスを使用することをお勧めします。外部デバイスには、ヘッドセット、ケーブル、コネクタが含まれます。
シスコでは、外部デバイス、ケーブル、およびコネクタのパフォーマンスを保証できません。
注意 | 欧州連合諸国では、EMC Directive(89/336/EC)に完全に準拠した外部スピーカー、マイクロフォン、ヘッドセットだけを使用してください。 |