Cisco MDS 9000 ファミリ CLI コンフィギュレーション ガイド リリース 3.x Cisco MDS SAN-OS for Release 3.0(1) ~ 3.3(3)
ハイ アベイラビリティの設定
ハイ アベイラビリティの設定
発行日;2013/09/03 | 英語版ドキュメント(2011/01/05 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 17MB) | フィードバック

目次

ハイ アベイラビリティの設定

ハイ アベイラビリティについて

スイッチオーバー メカニズム

HA スイッチオーバーの特長

スイッチオーバーの開始

スイッチオーバーの注意事項

スイッチオーバーが可能かどうかの確認

プロセスの再開

スーパーバイザ モジュールの同期

スタンバイ スーパーバイザ モジュールへのブート変数イメージのコピー

ブート変数の自動コピー

コピーされたブート変数の確認

HA ステータス情報の表示

ハイ アベイラビリティの設定

Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタは、アプリケーションの再始動とスーパーバイザのスムーズな切り替え機能をサポートします。スイッチは、冗長ハードウェア コンポーネントおよびハイ アベイラビリティ ソフトウェア フレームワークによって、システム障害から保護されます。

この章は、次の項で構成されています。

「ハイ アベイラビリティについて」

「スイッチオーバー メカニズム」

「スイッチオーバーの注意事項」

「プロセスの再開」

「スーパーバイザ モジュールの同期」

「スタンバイ スーパーバイザ モジュールへのブート変数イメージのコピー」

「HA ステータス情報の表示」

ハイ アベイラビリティについて

ハイ アベイラビリティ(HA)ソフトウェア フレームワークの内容は、次のとおりです。

スムーズなソフトウェア アップグレード機能を保証します。「ソフトウェア イメージ」を参照してください。

デュアル スーパーバイザ モジュールを使用することによって、スーパーバイザ モジュール障害に対して冗長性を提供します。

同一のスーパーバイザ モジュールで障害が発生したプロセスをスムーズに再開させます。スーパーバイザ モジュール上およびスイッチング モジュール上で稼働しているサービスは、設定で定義された HA ポリシーをトラッキングして、このポリシーに基づいてアクションを実行します この機能は、Cisco MDS 9200 シリーズと Cisco MDS 9100 シリーズのスイッチでも利用できます。

PortChannel(ポート集約)機能を使用してリンク障害から保護します。この機能は、Cisco MDS 9200 シリーズおよび Cisco MDS 9100 シリーズでも使用可能です。「PortChannel の設定」を参照してください。

仮想ルータ冗長プロトコル(VRRP)を使用して冗長性を管理します。この機能は、Cisco MDS 9200 シリーズおよび Cisco MDS 9100 シリーズでも使用可能です。

「仮想ルータ冗長プロトコル」を参照してください。

アクティブ スーパーバイザが故障した場合にスイッチオーバーを提供します。スタンバイ スーパーバイザが存在する場合は、ストレージまたはホスト トラフィックを中断することなく、そのスーパーバイザに切り替わります。

Cisco MDS 9500 シリーズのディレクタでは、スロット 5 と 6(Cisco MDS 9509 と 9506 スイッチ)またはスロット 7 と 8(Cisco MDS 9513 スイッチ)に 2 つのスーパーバイザ モジュール(sup-1 および sup-2)が搭載されています。スイッチの電源が投入され、2 つのスーパーバイザ モジュールが存在する場合、最初に起動するスーパーバイザ モジュールがアクティブ モードを開始し、2 番めに起動するスーパーバイザ モジュールはスタンバイ モードを開始します。両方のスーパーバイザ モジュールが同時に起動する場合、sup-1 がアクティブになります。スタンバイ スーパーバイザ モジュールは、アクティブなスーパーバイザ モジュールを常に監視します。アクティブなスーパーバイザ モジュールに障害が発生すると、ユーザ トラフィックに影響を与えることなくスタンバイ スーパーバイザ モジュールに切り替わります。


) ハイ アベイラビリティを維持するには、同じネットワークまたは仮想 LAN にアクティブおよびスタンバイ両方のスーパーバイザのイーサネット ポートを接続する必要があります。アクティブ スーパーバイザは、これらのイーサネット接続で使用される 1 つの IP アドレスを所持します。スイッチオーバーでは、新しくアクティブになったスーパーバイザがこの IP アドレスを継承します。


スイッチオーバー メカニズム

スイッチオーバーは、次のどちらかのメカニズムによって発生します。

アクティブ スーパーバイザ モジュールで障害が発生し、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが自動的に処理を引き継ぎます。

アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへのスイッチオーバーをユーザが手動で起動します。

スイッチオーバー プロセスが開始すると、安定したスタンバイ スーパーバイザ モジュールを利用できるまで、同一のスイッチで別のスイッチオーバー プロセスを開始できません。


注意 スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定した状態でない場合(ha-standby)、スイッチオーバーが実行されません。

HA スイッチオーバーの特長

HA スイッチオーバーには次のような特性があります。

制御トラフィックが影響を受けないため、ステートフル(中断なし)です。

スイッチング モジュールが影響を受けないため、データ トラフィックを中断しません。

スイッチング モジュールがリセットされません。

スイッチオーバーの開始

アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへのスイッチオーバーを手動で起動するには、 system switchover コマンドを発行します。このコマンドを発行すると、安定したスタンバイ スーパーバイザ モジュールを利用できるまで、同一のスイッチで別のスイッチオーバー プロセスを開始できません。

HA スイッチオーバーが使用可能かどうかを確認するには、 show system redundancy status コマンドか show module コマンドを発行します。コマンドの出力にスタンバイ スーパーバイザ モジュールの HA-standby ステートが表示されている場合は、スイッチオーバーが可能です。

スイッチオーバーの注意事項

スイッチオーバーを実行する際は、次の注意事項を確認してください。

スイッチオーバーを手動で開始すると、システム メッセージにより 2 つのスーパーバイザ モジュールが存在することが示されます。

スイッチオーバーは、2 つのスーパーバイザ モジュールがスイッチ内で動作している場合に限って実行できます。

シャーシ内のモジュールは、設計どおりに動作しています。

スイッチオーバーが可能かどうかの確認

ここでは、スイッチオーバーの前のスイッチとモジュールのステータスを確認する方法を説明します。

システムがスイッチオーバーを実行できる状態かどうかを確認するには、 show system redundancy status コマンドを使用します。

任意の時点のモジュールのステータス(存在)を確認するには、 show module コマンドを使用します。 show module コマンドの出力例を次に示します。

switch# show module
Mod Ports Module-Type Model Status
--- ----- ------------------------------- ------------------ ------------
2 8 IP Storage Services Module DS-X9308-SMIP ok
5 0 Supervisor/Fabric-1 DS-X9530-SF1-K9 active *
6 0 Supervisor/Fabric-1 DS-X9530-SF1-K9 ha-standby
8 0 Caching Services Module DS-X9560-SMAP ok
9 32 1/2 Gbps FC Module DS-X9032 ok
 
Mod Sw Hw World-Wide-Name(s) (WWN)
--- ----------- ------ --------------------------------------------------
2 1.3(0.106a) 0.206 20:41:00:05:30:00:00:00 to 20:48:00:05:30:00:00:00
5 1.3(0.106a) 0.602 --
6 1.3(0.106a)) 0.602 --
8 1.3(0.106a) 0.702 --
9 1.3(0.106a) 0.3 22:01:00:05:30:00:00:00 to 22:20:00:05:30:00:00:00
 
Mod MAC-Address(es) Serial-Num
--- -------------------------------------- ----------
2 00-05-30-00-9d-d2 to 00-05-30-00-9d-de JAB064605a2
5 00-05-30-00-64-be to 00-05-30-00-64-c2 JAB06350B1R
6 00-d0-97-38-b3-f9 to 00-d0-97-38-b3-fd JAB06350B1R
8 00-05-30-01-37-7a to 00-05-30-01-37-fe JAB072705ja
9 00-05-30-00-2d-e2 to 00-05-30-00-2d-e6 JAB06280ae9
 
* this terminal session
 

出力の Status 列に、スイッチング モジュールの場合は OK 、スーパーバイザ モジュールの場合は active または HA-standby と表示されている必要があります。ステータスが OK か active である場合は、設定を続けることができます。

auto-copy 機能の設定、およびスタンバイ スーパーバイザ モジュールへの auto-copy が進行中かどうかを確認するには、 show boot auto-copy コマンドを使用します。次いに、 show boot auto-copy コマンドの出力例を示します。

switch# show boot auto-copy
Auto-copy feature is enabled
switch# show boot auto-copy list
No file currently being auto-copied

プロセスの再開

Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチでは、プロセス再起動によりハイ アベイラビリティ機能が提供されます。プロセス レベルの障害がシステム レベルの障害を発生させる原因にならないようにします。また、障害が発生したプロセスの自動的な再起動も行います。維持に必要なこのプロセスは、スイッチの内部にあるインフラストラクチャで機能します。

「システム プロセスの表示」を参照してください。

スーパーバイザ モジュールの同期

アクティブ スーパーバイザ モジュールによって、稼働中のイメージがスタンバイ スーパーバイザモジュールに自動的に同期化されます。ブート変数は、このプロセス中に同期化されます。

スタンバイ スーパーバイザ モジュールは、アクティブ スーパーバイザ モジュールで稼働中のイメージを使ってそのイメージを自動的に同期化させます。

「モジュールの交換」を参照してください。

スタンバイ スーパーバイザ モジュールへのブート変数イメージのコピー

アクティブ スーパーバイザ モジュール(スタンバイ スーパーバイザ モジュールではない)のブート変数イメージのコピーをスタンバイ スーパーバイザ モジュールにコピーできます。コピーできるのは、スタンバイ スーパーバイザ モジュール用に設定されている KICKSTART および SYSTEM ブート変数のみです。モジュール(ラインカード)イメージの場合、すべてのブート変数は、対応するスタンバイの場所(bootflash: または slot0:)にコピーされます(まだ存在しない場合)。

ブート変数の自動コピー

ブート変数の自動コピーをイネーブルまたはディセーブルにする手順は、次のとおりです。

コマンド
目的

ステップ 1

switch# config t

switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

ステップ 2

switch(config)# boot auto-copy

Auto-copy administratively enabled

アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへのブート変数の自動コピーをイネーブルにします(デフォルト)。

switch(config)# no boot auto-copy

Auto-copy administratively disabled

自動コピー機能をディセーブルにします。

コピーされたブート変数の確認

コピーされたブート変数の現在の状態を確認するには、 show boot auto-copy コマンドを使用します。次の出力例は、自動コピーがイネーブルであることを示しています。

switch# show boot auto-copy
Auto-copy feature enabled
 

次の出力例は、自動コピーがディセーブルであることを示しています。

switch# show boot auto-copy
Auto-copy feature disabled
 

コピーされるファイルを確認するには、 show boot auto-copy list コマンドを使用します。次の出力例は、スタンバイ スーパーバイザ モジュールのブートフラッシュにイメージがコピーされていることを示しています。これが成功すると、次のファイルは image2.bin となります。


) このコマンドは、アクティブ スーパーバイザ モジュール上のファイルだけを表示します。


switch# show boot auto-copy list
File: /bootflash:/image1.bin
Bootvar: kickstart
 
File:/bootflash:/image2.bin
Bootvar: system
 

次の出力例は、 auto-copy オプションがディセーブルの場合、またはファイルがコピーされていない場合に表示される一般的なメッセージを示しています。

switch# show boot auto-copy list
No file currently being auto-copied
 

HA ステータス情報の表示

システムの HA ステータスを表示するには、 show system redundancy status コマンドを使用します。表 10-1 および表 10-3 に、冗長性、スーパーバイザ、内部状態のとり得る出力値を示します。

switch# show system redundancy status
Redundancy mode
---------------
administrative: HA
operational: HA
This supervisor (sup-1)
-----------------------
Redundancy state: Active
Supervisor state: Active
Internal state: Active with HA standby
Other supervisor (sup-2)
------------------------
Redundancy state: Standby
Supervisor state: HA standby
Internal state: HA standby
 

次の条件によって、自動同期化が可能かどうかを判断できます。

1 つのスーパーバイザ モジュールの内部ステートが Active with HA-standby で、もう一方のスーパーバイザ モジュールの内部ステートが HA-standby の場合は、スイッチは操作上 HA であり、自動同期化を実行できます。

片方のスーパーバイザ モジュールの内部ステートが none の場合は、スイッチは自動同期化を実行できません。

表 10-1 に、冗長ステートの取り得る値を示します。

 

表 10-1 冗長ステート

ステート
説明

Not present

スーパーバイザ モジュールが存在しないか、シャーシに装着されていません。

Initializing

診断に合格し、コンフィギュレーションをダウンロード中です。

Active

アクティブ スーパーバイザ モジュールであり、スイッチを設定できる状態です。

Standby

スイッチオーバーが可能です。

Failed

スイッチが初期化でスーパーバイザ モジュールの障害を検出して、モジュールの電源の切断と再投入が 3 回自動試行されます。3 回の試行の後に、失敗したステートを表示し続けます。

Offline

スーパーバイザ モジュールがデバッグのため意図的にシャットダウンされました。

At BIOS

スイッチがスーパーバイザへの接続を確立し、スーパーバイザ モジュールが診断を実行しています。

Unknown

スイッチが無効なステートにあります。このステートが続く場合は、TAC に連絡してください。

表 10-2 に、スーパーバイザ モジュール ステートの取り得る値を示します。

 

表 10-2 スーパーバイザ ステート

ステート
説明

Active

スイッチ内のアクティブなスーパーバイザ モジュールの構成準備ができました。

HA standby

スイッチオーバーが可能です。

Offline

デバッグのため、スイッチが意図的にシャットダウンされます。

Unknown

スイッチが無効なステートにあり、TAC へ連絡してサポートを依頼する必要があります。

表 10-3 に、内部冗長ステートの取り得る値を示します。

 

表 10-3 内部ステート

ステート
説明

HA standby

スタンバイ スーパーバイザ モジュールの HA スイッチオーバー メカニズムが有効です(「HA スイッチオーバーの特長」を参照)。

Active with no standby

スイッチオーバーが可能です。

Active with HA standby

スイッチ内のアクティブなスーパーバイザ モジュールの構成準備ができました。スタンバイ スーパーバイザ モジュールは HA-standby ステートです。

Shutting down

スイッチがシャットダウンされています。

HA switchover in progress

スイッチが HA スイッチオーバー メカニズムに切り替わっている最中です。

Offline

デバッグのため、スイッチが意図的にシャットダウンされます。

HA synchronization in progress

スタンバイ スーパーバイザ モジュールが、アクティブ スーパーバイザ モジュールとステートを同期させています。

Standby(Failed)

スタンバイ スーパーバイザ モジュールが機能していません。

Active with failed standby

アクティブ スーパーバイザ モジュールであり、2 番めのスーパーバイザ モジュールがありますが、機能していません。

Other

スイッチがトランジェント ステートにあります。このステートが続く場合は、TAC に連絡してください。