Cisco DCNM for LAN Release 6.x FabricPath コンフィギュレーション ガイド
FabricPath スイッチングの設定
FabricPath スイッチングの設定
発行日;2012/09/27 | 英語版ドキュメント(2012/06/28 版) | ドキュメントご利用ガイド | ダウンロード ; この章pdf , ドキュメント全体pdf (PDF - 1MB) | フィードバック

目次

FabricPath スイッチングの設定

FabricPath スイッチングについて

FabricPath カプセル化

FabricPath ヘッダー

フォワーディング タグ(FTag)

FabricPath でのデフォルトの IS-IS 動作

会話型 MAC アドレス ラーニング

FabricPath を使用したスイッチング

競合解決と任意の FabricPath チューニング

M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用

ハイ アベイラビリティ

FabricPath スイッチングのライセンス要件

プラットフォーム サポート

DCNM を使用した FabricPath フィーチャ セットのイネーブル化またはディセーブル化

DCNM を使用した FabricPath チューニングの設定(任意)

スイッチ ID の設定

FabricPath タイマーの設定

グレースフル マージのディセーブル化とイネーブル化

リンクの強制起動

競合情報の表示

FTag 情報の表示

FabricPath オプション設定のフィールドの説明

[Resources]:[Resources Details]:[Switch ID Settings] セクション

[Resources]:[Resources Details]:[Conflict Information] セクション

[Resources]:[FTAG Status]:[FTAG Status] セクション

DCNM を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴

FabricPath スイッチングの設定


) FabricPath と会話型学習を実行するには、Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシに F シリーズ モジュールを取り付けている必要があります。


この章では、Cisco Nexus 7000 Series NX-OS デバイス上で FabricPath スイッチングを設定する方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

「FabricPath スイッチングについて」

「FabricPath スイッチングのライセンス要件」

「プラットフォーム サポート」

「DCNM を使用した FabricPath フィーチャ セットのイネーブル化またはディセーブル化」

「DCNM を使用した FabricPath チューニングの設定(任意)」

「FabricPath オプション設定のフィールドの説明」

「DCNM を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴」

FabricPath スイッチングについて

FabricPath スイッチングは、レイヤ 2 レベルでのマルチパス ネットワーキングを可能にします。FabricPath ネットワークはベストエフォート方式でパケットを送信します(クラシカル イーサネット(CE)に類似)が、FabricPath ネットワークはレイヤ 2 トラフィックに対して複数のパスを使用できます。FabricPath ネットワークでは、ブロッキング ポートを使用してスパニングツリー プロトコル(STP)を実行する必要はありません。FabricPath は、複数のデータセンターにまたがって使用できます(一部のデータセンターではレイヤ 2 接続だけが使用され、レイヤ 3 接続や IP 設定は必要ありません)。

FabricPath カプセル化によって、MAC モビリティとサーバ バーチャライゼーションが実現します。つまり、レイヤ 2 ノードが物理的に移動されても、仮想マシンに同一の MAC アドレスと VLAN アソシエーションが保持されます。また、FabricPath によって、複数のデータセンターにまたがるレイヤ 2 の LAN 拡張が可能になるため、ディザスタ リカバリ操作や、データベースなどのクラスタリング アプリケーションにも役立ちます。また、FabricPath は高性能で低遅延のコンピューティングに非常に有用です。

ユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト パケットに対して機能する単一のコントロール プレーンには、FabricPath とともにレイヤ 2 Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロトコルを使用します。これは純粋なレイヤ 2 ドメインであり、スパニングツリー プロトコル(STP)を実行する必要はありません。この FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、レイヤ 3 IS-IS とは別個のプロセスです。

F シリーズ モジュールと Cisco NX-OS Release 5.1 では、会話型 MAC ラーニング方式が導入されています。会話型学習は、FabricPath(FP)と CE VLAN の両方に適用できます。FabricPath および会話型 MAC アドレス ラーニングを使用すると、デバイスが学習しなければならない MAC アドレスがはるかに減少し、それによって MAC テーブルが縮小し、管理しやすくなります。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「FabricPath カプセル化」

「FabricPath でのデフォルトの IS-IS 動作」

「会話型 MAC アドレス ラーニング」

「FabricPath を使用したスイッチング」

「競合解決と任意の FabricPath チューニング」

「M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用」

「ハイ アベイラビリティ」

FabricPath カプセル化

ここで説明する内容は、次のとおりです。

「FabricPath ヘッダー」

「フォワーディング タグ(FTag)」

FabricPath ヘッダー

レイヤ 2 フレームは、FabricPath ネットワークに入るときに新しい FabricPath ヘッダーでカプセル化されます。FabricPath ネットワークに参加した各 FabricPath デバイスに割り当てられるスイッチ ID は、FabricPath ヘッダーの外側の MAC 宛先アドレス(ODA)および外側の MAC 発信元アドレス(OSA)として使用されます。図 2-1 に、クラシカル イーサネット(CE)フレームをカプセル化する FabricPath ヘッダーを示します。

図 2-1 FabricPath フレームのカプセル化

FabricPath ネットワークの入力エッジ ポートでカプセル化が適用され、FabricPath ネットワークの出力エッジ ポートでフレームがカプセル解除されます。FabricPath ネットワーク内のすべてのポートは FabricPath ポートであり、階層型 MAC アドレスのみを使用します(FabricPath インターフェイスの設定の詳細については、「FabricPath インターフェイス」を参照してください)。この機能により、FabricPath ネットワークのコアにある MAC テーブルのサイズが大幅に減少します。

FabricPath ネットワーク内の各デバイスに、一意のスイッチ ID が自動的に割り当てられます。任意で、FabricPath デバイスのスイッチ ID を設定できます。

外側の送信元アドレス(OSA)は、フレームが FabricPath ネットワークに入るデバイスの FabricPath スイッチ ID であり、外側の宛先アドレス(ODA)は、フレームが FabricPath ネットワークから出るデバイスの FabricPath スイッチ ID です。フレームが FabricPath ネットワークから出ると、FabricPath デバイスでは FabricPath ヘッダーが除去され、元の CE フレームが引き続き CE ネットワーク上で処理されます。レイヤ 2 IS-IS プロトコルがトポロジ情報を送信する FabricPath ネットワークでは、OSA および ODA だけが使用されます。FabricPath の ODA および OSA は、標準の MAC 形式(xxxx.xxxx.xxxx)になります。

FabricPath の階層型 MAC アドレスは、予備の EtherType 0x8903 を伴います。

フレームが最初にカプセル化されるときに、TTL は 16 に設定されます。FabricPath ネットワーク上のホップごとに、各スイッチで TTL が 1 ずつ減らされます。TTL が 0 に達すると、そのフレームは廃棄されます。これによって、ネットワークに生じる可能性のある連続ループが防止されます。

フォワーディング タグ(FTag)

FabricPath ヘッダー内のフォワーディング タグ(FTag)によって、パケットが FabricPath ネットワーク全体を通過する複数のパスから 1 つのパスが指定されます。FabricPath ネットワークに入るマルチデスティネーション パケットには、FTag によって指定されたパスが使用されます。FTag は、ソフトウェアがトポロジから学習する固定ルートです。FTag は 10 ビットのフィールドで、1 ~ 1024 の値を指定できます(トポロジと複数のパスの詳細については、「FabricPath フォワーディング」を参照してください)。

この FTag はフレームが FabricPath ネットワークに入るときにエッジ ポートで割り当てられ、FabricPath ネットワーク内のすべての後続 FabricPath スイッチにより使用されます。各 FTag は 1 つの FabricPath トポロジ内で一意です。

FabricPath でのデフォルトの IS-IS 動作

FabricPath ネットワーク内のインターフェイスは FabricPath レイヤ 2 IS-IS プロトコルのみを実行します。FabricPath レイヤ 2 IS-IS によりトポロジ情報が動的に検出されるため、FabricPath ネットワークで STP を実行する必要はありません。

FabricPath レイヤ 2 IS-IS は動的なリンクステート ルーティング プロトコルであり、ネットワーク トポロジ内の変更を検出し、ネットワーク内の他のノードへのループフリー パスを計算します。各 FabricPath デバイスには、ネットワークの状態が記述されるリンクステート データベース(LSDB)が保持されます。各デバイスは、そのデバイスに隣接するリンクのステータスを更新します。また、FabricPath デバイスは、すべての既存の隣接関係を通じて、LSDB にアドバタイズメントとアップデートを送信します。FabricPath パケットは、標準の IS-IS で IPv4/IPv6 アドレス ファミリに使用されるアドレスではなく、それぞれのレイヤ 2 宛先 MAC アドレスに移動するので、FabricPath レイヤ 2 IS-IS プロトコル パケットが標準のレイヤ 2 IS-IS パケットと競合することはありません。

システムによって、FabricPath コア ポートで hello パケットが送信され、隣接関係が形成されます。IS-IS 隣接関係が形成されると、FabricPath ユニキャスト トラフィックは、ユニキャスト トラフィックに最大 16 のパスを提供するレイヤ 2 IS-IS の同等コストの複数パス(ECMP)機能を使用して、トラフィックを転送します。

FabricPath ネットワーク内では、すべてのユニキャスト、マルチキャスト、およびブロードキャスト トラフィックに単一のコントロール プレーン プロトコル、レイヤ 2 IS-IS が使用されます。基本的な FabricPath 機能を使用する場合は、デフォルトのトポロジを使用できるため、レイヤ 2 IS-IS を設定する必要がありません。デバイスで FabricPath をイネーブルにすると、コントロール プレーンのレイヤ 2 IS-IS は自動的に起動し、実行されます。

ループフリーのレイヤ 2 IS-IS プロトコルは、トポロジに 2 つのツリーを作成します。一方のツリーは未知のユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト トラフィックを伝送し、もう一方のツリーはロードバランスが行われたマルチキャスト トラフィックを伝送します。システムは、両方のツリーでマルチキャスト トラフィックのロード バランスを実行します(ツリーおよびトポロジの詳細については、「FabricPath フォワーディング」を参照してください)。

FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、標準の IS-IS プロトコルに基づいており、FabricPath 環境向けに次の拡張機能を備えています。

FabricPath には、IS-IS 標準に規定される階層型のレイヤ 1/レイヤ 2 ルーティングのない、単一の IS-IS 領域があります。FabricPath ネットワーク内のすべてのデバイスは、1 つのレイヤ 1 領域に存在します。

VLAN とトポロジのセット 1 つにつき、複数の IS-IS インスタンスを実行できます。

システムは、レイヤ 3 IS-IS インスタンスに使用される MAC アドレスとは異なる MAC アドレスを使用します。

システムは、標準の IS-IS にはない、スイッチ ID 情報を伝送する新しいサブ TLV を追加します。この機能によって、既存の IS-IS プロトコルの実装を介してレイヤ 2 情報を交換できます。

各 FabricPath レイヤ 2 IS-IS インスタンス内では、各デバイスが、Shortest-Path First(SPF)アルゴリズムを使用してネットワーク内の他の各デバイスへの最短パスを計算します。ユニキャスト FabricPath フレームの転送には、このパスが使用されます。FabricPath レイヤ 2 IS-IS は、標準の IS-IS 機能を使用して、所定の宛先デバイスについて最大 16 個のルートを読み込みます。システムは、使用可能な複数の同等コスト パラレル リンクを使用して、同等コストの複数パス(ECMP)を提供します。

FabricPath IS-IS では、(FTag によって識別される)ブロードキャストおよびマルチキャスト ツリーの構築をサポートするために、標準の IS-IS に特定の修正が加えられます。具体的には、システムは、FabricPath を使用して、マルチデスティネーション トラフィックを転送するための 2 つのループフリー ツリーを構築します。

FabricPath ネットワーク内のデバイス間で隣接関係が確立されると、システムはすべてのネイバーにアップデート情報を送信します。

デフォルトでは、設定なしで FabricPath にレイヤ 2 IS-IS を実行できますが、レイヤ 2 IS-IS パラメータの一部を調整することもできます(任意で IS-IS パラメータを設定する方法については、「FabricPath 機能の詳細設定」を参照してください)。

また、FabricPath IS-IS を使用すると、定常状態の各スイッチ ID を FabricPath ネットワーク内で確実に一意にすることができます。FabricPath ネットワークをマージすると、スイッチ ID が競合する可能性があります。ID をすべて動的に割り当てている場合は、FabricPath IS-IS によって、いずれのネットワークでも FabricPath トラフィックに影響が及ばないようにこの競合が解決されます。

会話型 MAC アドレス ラーニング


) 会話型 MAC ラーニングを使用するには、Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内の F シリーズ モジュールで作業している必要があります。


従来の MAC アドレス ラーニングでは、各ホストはネットワーク上のその他すべてのデバイスの MAC アドレスを学習します。VLAN に会話型学習を設定すると、関連付けられたインターフェイスは、そのインターフェイスとアクティブに会話している MAC アドレスだけを学習します。すべてのインターフェイスが F シリーズ モジュールですべての MAC アドレスを学習する必要があるとは限りません(したがって、MAC アドレス テーブルのサイズは大幅に減少します)。

Cisco NX-OS Release 5.1 以降で F シリーズ モジュールを使用すると、MAC ラーニング プロセスを最適化できます。会話型 MAC ラーニングは、VLAN ごとに設定します。すべての FabricPath VLAN では常に会話型学習が使用されます。このモジュールでは、CE VLAN に会話型学習を設定することもできます。(CE および FabricPath VLAN の詳細については、「FabricPath フォワーディング」を参照してください)。

F シリーズ モジュールには、16 個の転送エンジン(FE)が搭載されており、MAC ラーニングはそのうちの 1 つの FE のみで行われます。各 FE は、モジュールにある他の 15 個の FE とは無関係に MAC アドレス ラーニングを実行します。インターフェイスは、対象の FE を介して入力または出力される MAC に関する MAC アドレス テーブルだけを保持します。インターフェイスは、モジュールにある他の 15 個の FE の MAC アドレス テーブルを保持する必要はありません。

会話型 MAC アドレス ラーニングと各 F シリーズ モジュールの 16 個の転送エンジン(FE)により、このモジュールと会話型 MAC ラーニングを使用する FabricPath の MAC アドレス テーブルは非常に小さくなります。

F シリーズ モジュールで使用できる MAC アドレス ラーニング モードは、従来型学習と会話型学習です。学習モードは、VLAN モードによって設定できます。

次のように、VLAN モードごとに MAC ラーニング モードが異なります。

FabricPath(FP)VLAN:会話型 MAC ラーニングのみ

CE VLAN:デフォルトでは従来型学習。F シリーズ モジュールで CE VLAN に会話型学習を設定できます。

会話型 MAC ラーニングを設定すると、宛先 MAC アドレスがインターフェイスの MAC アドレス テーブルにすでに存在している場合、そのインターフェイスでは入力フレームの送信元 MAC アドレスだけが学習されます。送信元 MAC アドレスのインターフェイスでまだ宛先 MAC アドレスが認識されていない場合、その MAC アドレスは学習されません。各インターフェイスは、インターフェイスとアクティブに対話する MAC アドレスだけを学習します。このように、会話型 MAC ラーニングはスリーウェイ ハンドシェイクで成り立ちます。インターフェイスは、対応するインターフェイスと双方向の会話を行っている場合に限り、MAC アドレスを学習します。未知の MAC アドレスはネットワーク全体に転送、またはフラッディングされます。

各 F シリーズ モジュールでのこのような会話型 MAC アドレス ラーニングと複数の FE の組み合わせによって、各 F シリーズ モジュール上の MAC アドレス テーブルは大幅に縮小されます。

CE VLAN では、コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して、F シリーズ モジュールで VLAN 単位の会話型学習を設定できます。CE VLAN では、デフォルトで従来型 MAC アドレス ラーニングが使用されます。従来型 MAC ラーニングは、Cisco Release NX-OS 5.1 以降を使用する FabricPath VLAN ではサポートされません。


) CE VLAN で会話型 MAC アドレス ラーニングを設定するには、CLI を使用する必要があります。DCNM を使用してデフォルト値を変更することはできません。


図 2-2 に、M および F シリーズ モジュールで許可された FabricPath および CE ポートと、許可された FP および CE VLAN を示します。

図 2-2 FP と CE VLAN の例

 

FabricPath を使用したスイッチング

FabricPath の階層型 MAC アドレス スキームと会話型学習を使用すると、FabricPath ネットワーク内の会話型学習 MAC テーブルは大幅に小さくなります。FabricPath ネットワーク内では、レイヤ 2 IS-IS を使用してトポロジ情報が送信されます。ネットワークのエッジで会話型 MAC アドレス ラーニングを使用するインターフェイスは、ネットワーク内のすべての MAC アドレスを学習する必要はありません(図 2-3 を参照)。

図 2-3 FabricPath ポートがフレームをスイッチングするために FabricPath ヘッダーだけを使用

 

FabricPath 階層型 MAC アドレスの使用により、MAC モビリティも促進されます。つまり、ホストを移動するときに同じ MAC アドレスと VLAN を維持する場合は、FabricPath ネットワークのエッジにあるインターフェイスのみがこの変更を追跡します。FabricPath ネットワーク内の FabricPath インターフェイスでは、FabricPath カプセル化で変更された外側の MAC アドレス(ODA と OSA)だけがテーブルで更新されます。

FabricPath インターフェイスの詳細については、「FabricPath インターフェイス」を参照してください。

FabricPath ネットワークのエッジにあるインターフェイスにより、FabricPath ヘッダー内部の元のフレームがカプセル化されます。フレームが最後になった場合、または FabricPath スイッチが直接接続されている場合は、出力インターフェイスにより FabricPath ヘッダーが除去され、フレームが通常の CE フレームとして転送されます。

FabricPath ネットワークのエッジにある F シリーズ モジュールのポートでは、会話型学習を使用して、指定のエッジ ポートが双方向会話を行っている MAC アドレスのみを学習できます。すべてのエッジ インターフェイスが、その他すべてのエッジ インターフェイスの MAC アドレスを学習する必要はありません。会話しているインターフェイスの MAC アドレスを学習するだけです。

フレームが FabricPath ネットワークを移動するときに、すべてのデバイスでは FabricPath ヘッダーだけが使用されます。したがって、FabricPath インターフェイスでは ODA と OSA のみが使用されます。これらのインターフェイスは、ネットワークに接続された CE ホストや他のデバイスの MAC アドレスを学習する必要がありません。FabricPath ヘッダーによって階層型 MAC アドレスが提供されることにより、FabricPath ネットワーク内の MAC テーブルは、そのネットワーク内のデバイス数に対して大幅に小さくなります。FabricPath ネットワーク内のインターフェイスは、フレームを別の FabricPath スイッチに転送する方法のみを知る必要があるため、トラフィックを転送するために、ネットワークのコアにある大規模な MAC アドレス ルックアップ テーブルは不要です。

また、FabricPath ネットワークでは、ホップごとに各スイッチで FabricPath ヘッダーの TTL が 1 ずつ減らされます。TTL が 0 に達すると、パケットがドロップされます。これによって、ネットワークに生じる可能性のある連続ループが防止されます。

競合解決と任意の FabricPath チューニング


) FabricPath ネットワークを調整するには、CLI を使用します。
Cisco Nexus 7000 シリーズ デバイス用の Cisco Release 5.2(1) 以降では、FabricPath ネットワークの調整に DCNM も使用できます。


すべてのデバイスで FabricPath をイネーブルにすると、システムによりランダムなスイッチ ID が各 FabricPath デバイスに自動的に割り当てられます。スイッチ ID は FabricPath ネットワークの各スイッチに動的に割り当てられる 12 ビットの値です(各スイッチは FabricPath ネットワーク内で一意な値になります)。特定のスイッチ ID を任意で設定できます。FabricPath ネットワーク内に一意でないスイッチ ID が存在する場合は、競合解決が自動的に行われます。

FabricPath システムはスイッチ ID に対してランダムな値を選択し、その値がすでに使用中であるかどうかを確認している間は、その値を仮の ID として設定します。この値がネットワーク内の別のデバイスに使用されている場合、競合解決プロセスが開始されます。小さい方のシステム ID を持つスイッチには、指定された値がそのまま維持され、他方のスイッチには新しい値がスイッチ ID として設定されます。

単一のスイッチを既存の FabricPath ネットワークに追加する場合は、ネットワーク内の既存スイッチの値が変更されるのではなく、その単一のスイッチのスイッチ ID 値が変更されます。指定された値が別のデバイスで使用されていない場合や、競合が解決された後は、スイッチ ID に確認済みのマークが付けられます。

グレースフルな移行機能により、2 つのスイッチが一時的に同じスイッチ ID を持つなど、リソース内で競合が生じた場合にも、トラフィックは中断されないことが保証されます。


) FabricPath インターフェイスは稼働状態になりますが、スイッチが FabricPath の競合をチェックし、解決するまでインターフェイスは動作しません。


FabricPath リソース タイマーにはデフォルト値が設定されますが、タイマー値も変更できます。デバイスを調整して、競合をチェックする間の待機時間を長くしたり、短くしたりすることができます。

次に、FabricPath ネットワークの重要なプロセスの一部を示します。

スイッチ ID および FTag の競合のない割り当てを行う。

ネットワークのマージまたはパーティションの回復の際にグレースフルなリソースの移行を行う。

スタティック スイッチ ID をサポートする。

リンクの起動時またはネットワークのマージ中に高速コンバージェンスを実行する。

FabricPath では、レイヤ 2 IS-IS プロトコルを使用して、ネットワーク内のすべてのスイッチにデータベースが転送されます。この情報は、IS-IS TLV を使用して FabricPath ネットワーク デバイス全体に配布されます。各スイッチは、すべてのスイッチに関する情報を含む独自のデータベースを送信します。

システムは FabricPath 値を割り当て、FabricPath ネットワーク内でその値が一意であることを保証し、リソースが不要になるとその値をデータベースから削除します。


) デバイスにスタティック スイッチ ID を手動で設定する場合は、競合解決プロセスが自動的に行われず、ネットワークは稼働しません。競合に関する syslog メッセージが表示されます。ネットワーク内にあるデバイスの 1 つまたは複数のスイッチ ID を手動で変更する必要があります。


M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールの相互作用

Nexus 7000 シリーズ デバイス用の Cisco Release 5.2(1) 以降では、M シリーズ モジュールがシャーシ内に存在する場合の、F シリーズ FabricPath 対応モジュールの MAC ラーニングが変更されています。この設定で、FabricPath スイッチはローカルに学習された MAC アドレス エントリをコア ポートにコピーします。これは、F シリーズと M シリーズの両方のモジュールを含むシャーシでデフォルトの学習モードです。

同一の Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内に M シリーズ モジュールと F シリーズ モジュールが存在する場合、F シリーズ モジュールの FabricPath インターフェイスは、M シリーズ モジュールからそのポートを通過する MAC アドレスも学習します。このように、FabricPath インターフェイスは、混合シャーシ内にある M シリーズ モジュールで MAC アドレスのプロキシ学習を行います。

M シリーズ モジュールは FabricPath をイネーブルにできないため、同一の Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシ内に共存する FabricPath 対応インターフェイスは M シリーズ インターフェイスから FabricPath 対応 F シリーズ インターフェイスを通過するパケットの MAC アドレスを学習する必要があります。このように、FabricPath インターフェイスは、混合シャーシ内にある M シリーズ モジュールで MAC アドレスのプロキシ学習を行います。

F1 シリーズ モジュールと M シリーズ モジュールの相互運用の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide, Release 6.x 』および『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Multicast Routing Configuration Guide, Release 6.x 』を参照してください。

ハイ アベイラビリティ

FabricPath トポロジでは、ISSU を介して設定が保持されます。

ハイ アベイラビリティの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide, Release 6.x 』を参照してください。

FabricPath スイッチングのライセンス要件

次の表に、この機能のライセンス要件を示します。

 

製品
ライセンス要件

Cisco NX-OS

FabricPath には、拡張レイヤ 2 ライセンスが必要です。Cisco NX-OS のライセンス スキームの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series Licensing Guide 』を参照してください。

Cisco DCNM

FabricPath にはライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能は Cisco DCNM にバンドルされており、無料で提供されます。Cisco DCNM ライセンス スキームについては、『 Cisco DCNM Installation and Licensing Guide 』を参照してください。

プラットフォーム サポート

この機能は、次のプラットフォームでサポートされています。注意事項や制約事項、システムのデフォルト値、コンフィギュレーションの制限などに関するプラットフォーム固有の情報については、対応するマニュアルを参照してください。

プラットフォーム
マニュアル

Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチ

Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチのマニュアル

DCNM を使用した FabricPath フィーチャ セットのイネーブル化またはディセーブル化


) デバイスで FabricPath をイネーブルにするには、FabricPath フィーチャ セットをインストールしておく必要があります。FabricPath フィーチャ セットのインストールの詳細については、『Configuring Feature Set for FabricPath』を参照してください。


はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細

デバイスで FabricPath 機能をイネーブルまたはディセーブルにするには、次の手順を実行します。


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

ステップ 2 [Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、FabricPath をイネーブルまたはディセーブルにするデバイスをクリックします。

ステップ 3 メニューバーで [Actions] > [Enable Fabricpath Feature Set] の順に選択します。

この操作は、デバイスの FabricPath をイネーブルにします。

ステップ 4 メニューバーで [Actions] > [Disable Fabricpath Feature Set] の順に選択します。

この操作は、デバイスの FabricPath をディセーブルにします。

ステップ 5 (任意)メニューバーで [File] > [Deploy] の順に選択して、変更内容をデバイスに適用します。


 

DCNM を使用した FabricPath チューニングの設定(任意)


) デバイスに FabricPath コマンドを表示するには、シャーシに F シリーズ モジュールを設置し、すべてのデバイスで FabricPath をイネーブルにする必要があります。


このセクションの内容は次のとおりです。

「スイッチ ID の設定」

「FabricPath タイマーの設定」

「グレースフル マージのディセーブル化とイネーブル化」

「リンクの強制起動」

「競合情報の表示」

「FTag 情報の表示」


) FabricPath ネットワークに参加させる各スイッチごとに、これらの設定を行う必要があります。


スイッチ ID の設定

デフォルトでは、すべてのデバイスで FabricPath をイネーブルにした後、FabricPath によって各 FabricPath デバイスに固有のスイッチ ID が割り当てられます。

はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

ステップ 2 [Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、FabricPath スイッチ ID を設定するデバイスをクリックします。

[Summary] ペインのデバイスが強調表示され、[Details] ペインにタブが表示されます。

ステップ 3 [Details] ペインの [Resources Details] タブをクリックします。

ステップ 4 [Switch-ID Settings] セクションをクリックします。

ステップ 5 [Switch-ID] フィールドで、デバイスの FabricPath スイッチ ID に割り当てる値を入力します。

ステップ 6 (任意)メニューバーで [File] > [Deploy] の順に選択して、変更内容をデバイスに適用します。


 

FabricPath タイマーの設定

次の FabricPath タイマーを変更できます。

allocate-delay:新しいリソースの値が使用可能になり、永続的になるまで、ネットワーク全体に伝播するための遅延を設定します。

linkup-delay:競合を検出するためのリンク起動の遅延を設定します。

transition-delay:ネットワーク内で移行された値を伝播するための遅延を設定します。この期間中は、既存のリソースと新しいリソースの両方の値がネットワーク内に存在します。

はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

ステップ 2 [Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、FabricPath スイッチ ID を設定するデバイスをクリックします。

[Summary] ペインのデバイスが強調表示され、[Details] ペインにタブが表示されます。

ステップ 3 [Details] ペインの [Resources Details] タブをクリックします。

ステップ 4 [Switch-ID Settings] セクションをクリックします。

ステップ 5 [Allocate Timer] フィールドで、値を秒単位で入力します。

ステップ 6 [Linkup Timer] フィールドで、値を秒単位で入力します。

ステップ 7 [Transition Timer] フィールドで、値を秒単位で入力します。

ステップ 8 (任意)メニューバーで [File] > [Deploy] の順に選択して、変更内容をデバイスに適用します。


 

グレースフル マージのディセーブル化とイネーブル化


) この機能をディセーブルにすると、トラフィックがドロップされる可能性があります。


FabricPath のグレースフル マージ機能をディセーブルまたはイネーブルにすることができます。

はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

ステップ 2 [Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、FabricPath スイッチ ID を設定するデバイスをクリックします。

[Summary] ペインのデバイスが強調表示され、[Details] ペインにタブが表示されます。

ステップ 3 [Details] ペインの [Resources Details] タブをクリックします。

ステップ 4 [Switch-ID Settings] セクションをクリックします。

ステップ 5 [Graceful-Merge] フィールドのプルダウン メニューで、[Enabled] または [Disabled] を選択します。

ステップ 6 (任意)メニューバーで [File] > [Deploy] の順に選択して、変更内容をデバイスに適用します。


 

リンクの強制起動

ワンタイム イベントとして、FabricPath ネットワーク リンクを強制的に接続できます。 copy running-config startup-config コマンドを入力すると、この設定は保存されません。

はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

[Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、強制的にリンクを起動する必要があるデバイスをクリックします。

ステップ 2 メニューバーで [Actions] > [Force Link-Bringup] を選択するか、デバイスを右クリックして [Force Link-Bringup] をクリックし、FabricPath リンクを起動します。


 

競合情報の表示

デバイスでスイッチ ID の競合がある場合、競合に関する情報を表示できます。

はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

ステップ 2 [Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、競合を表示するデバイスをクリックします。

[Summary] ペインのデバイスが強調表示され、[Details] ペインにタブが表示されます。

ステップ 3 [Details] ペインの [Resource Details] タブをクリックします。

ステップ 4 [Conflict Information] セクションをクリックします。

画面に競合情報が表示されます。


 

FTag 情報の表示

選択したデバイスのツリー ID、グラフ タイプ、Fabricpath トポロジのステータスなど、FTag 情報を表示できます。

はじめる前に

FabricPath をイネーブルにしていることを確認します。

F シリーズ モジュールで作業していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1 [Feature Selector] ペインで、[Switching] > [Fabricpath] > [Resources] の順に選択して、[Resources] ペインを開きます。

ステップ 2 [Summary] ペイン内の [Contents] ペインで、FTag 情報を表示するデバイスをクリックします。

[Summary] ペインのデバイスが強調表示され、[Details] ペインにタブが表示されます。

ステップ 3 [Details] ペインで、[FTAG Status] タブをクリックします。

ステップ 4 [Topology-ID/Graph Type] フィールドで、FTag 情報を表示する FabricPath トポロジをクリックします。

各トポロジの FTag とそのステータス([Tentative] または [Confirmed] のいずれか)が画面に表示されます。


 

FabricPath オプション設定のフィールドの説明

これらのフィールド説明は、FabricPath を微調整する FabricPath オプション機能を設定するのに使用します。ここで説明する内容は、次のとおりです。

「[Resources]:[Resources Details]:[Switch ID Settings] セクション」

「[Resources]:[Resources Details]:[Conflict Information] セクション」

「[Resources]:[FTAG Status]:[FTAG Status] セクション」

[Resources]:[Resources Details]:[Switch ID Settings] セクション

 

表 2-1 [Resources]:[Resources Details]:[Switch ID Settings] セクション

フィールド
説明
Basic Settings

Device Name

表示専用 。デバイスの名前。

Switch ID

FabricPath トポロジ内のデバイスに対するスイッチ ID。

(注) FabricPath をイネーブルにすると、システムは自動的にスイッチ ID を割り当てます。手動でこの割り当てを無効にして、独自のスイッチ ID を割り当てられます。スイッチ ID は、FabricPath トポロジ内のデバイスで固有でなければなりません。

Graceful-merge

FabricPath グレースフル マージ機能をイネーブルまたはディセーブルにします。

Type

表示専用 。静的スイッチ ID または動的スイッチ ID。

Status

表示専用 。確認済みスイッチ ID または一時的スイッチ ID。

Secondary Switch-ID

表示専用 。移行中に割り当てられるセカンダリ スイッチ ID。

(注) セカンダリ スイッチ ID は移行中にのみ表示されます。

Delay Timer Settings

Allocate Timer (secs)

FabricPath トポロジ全体に新しい FabricPath 情報を伝播するための値。

Linkup Timer (secs)

スイッチ ID の競合を検出するためにリンクを起動する値。

Transition Timer (secs)

移行値を伝播するための値。

[Resources]:[Resources Details]:[Conflict Information] セクション

 

表 2-2 [Resources]:[Resources Details]:[Conflict Information] セクション

フィールド
説明

Host Name/System-ID

表示専用 。別のデバイスと同じ FabricPath スイッチ ID を持つデバイスのホスト名または MAC アドレス。

Interface Name

表示専用 。FabricPath インターフェイス名。

Operational Status

表示専用 。FabricPath インターフェイスの動作ステータス。

(注) スイッチ ID に競合がある場合、ステータスは [Down] になります。

Status Description

表示専用 。動作ステータスの理由が、中断されたプロトコルとして表示されます。

[Resources]:[FTAG Status]:[FTAG Status] セクション

 

表 2-3 [Resources]:[FTAG Status]:[FTAG Status] セクション

フィールド
説明

Topology ID/Graph Type

表示専用 。FabricPath トポロジ ID を表示します。

TREE ID

表示専用

Status

表示専用 。ステータスは [Confirmed] または [Tentative] になります。

DCNM を使用した FabricPath スイッチングの設定に関する機能の履歴

表 2-4 に、この機能のリリース履歴を示します。

 

表 2-4 FabricPath スイッチング機能の履歴

機能名
リリース
機能情報

FabricPath

5.1(1)

これらの機能が導入されました。

F シリーズと M シリーズ モジュールの両方を含むシャーシの新しいデフォルトの MAC アドレス ラーニング モード

5.2(1)

この機能が導入されました。