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働き方改革の実践は
企業文化を変えることから

少子高齢化による人手不足、グローバル競争の激化などを背景に“今こそ働き方を変えよう”という機運が高まっている。政府も、誰もが活躍できる「一億総活躍社会」を目標に掲げて働き方改革を推進している。その実現を迫られる日本企業は、どこからどう取り組むべきなのか。シスコシステムズ代表執行役員社長の鈴木みゆき氏に話を聞いた。

*ここに掲載しているコンテンツは、日本経済新聞 電子版広告特集「INCLUSION and COLLABORATION」として、2017年2月に掲載されたものの転載です。

働き方の選択肢を広げるには
ゴールの共有が大前提

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鈴木みゆき氏はロイター、日本テレコム、KVH、ジェットスター・ジャパンなどを経て、2015年5月にシスコシステムズの日本法人の社長に就任した。海外の事情にも精通し、日本と海外双方のビジネスを熟知した経営者である。

「日本の労働生産性は先進国の中で最下位です。日本企業はせっかく様々な優れた取り組みをしているのに、働き方で損をしています。もっと柔軟な働き方を取り入れられれば、さらに斬新なアイデアが生まれてくるはずです」と、鈴木氏は今の日本企業の課題を指摘する。

少子高齢化社会で、絶対的な人手不足に悩む日本企業にとって、働き方を柔軟にして戦力を確保することが喫緊の課題であることは間違いない。しかも、長時間残業が社会問題として注目されるように、もはや“モーレツ主義”の時代ではない。

今、求められているのは効率的な働き方だ。多くの企業でもそれは認識している。しかし、分かっていながら実現できていない。何が阻害要因になっているのだろうか。鈴木氏は「企業文化や社内制度が重要」と話す。

社員が机の前に座って仕事をするのが前提という企業は多い。人事管理システムを強化して、時間管理を重視する傾向すら見受けられる。しかし、会社で机の前に座っているからといって、高い成果が上げられるというわけではない。むしろテレワークの方が、時間も有効に使えて、通勤のストレスもなく効率的に仕事ができるかもしれない。

「社員が目の前にいなくても、社員に対する信頼があって、価値観が共有されていて、お互いが納得したゴールが設定されていれば、もっと柔軟に働き方を選択できるようになります」と鈴木氏は強調する。目標を明確にして、上司と部下が共有することが重要ということだ。

大事なのはアウトプットであり、成果の出し方自体は社員に任せてもいいはずだ。企業の役割は、社員が成果を上げるために必要なリソースやツールを提供すること――そう考えられる社風かどうかで、働き方の選択肢の幅は自ずと違ってくる。仕事に対する考え方を変えることが、働き方改革につながる。

 

人材の多様性を進めることが創造性の強化につながる

業績向上につなげていく働き方改革は、効率化だけではない。革新的な創造を生み出す人材の多様化も大事になる。鈴木氏は「同一性はこれまでの日本企業の強みだったかもしれませんが、グローバルで競争するには孤立していては限界があります」と指摘する。

グローバル企業であるシスコシステムズでは、国籍だけでなく、性別、キャリアなど多様な人材をそろえることを重視している。人材の多様性が豊かな創造力をもたらし、企業としての競争力を強化することになると確信しているからだ。

しかし、どうすれば多様な人材をそろえることができるのだろうか。鈴木氏は、採用スタイルそのものに多様性を持ち込むことをポイントに挙げる。「あえて面接官に多様な人材をそろえるようにしています。どうしても先入観や偏見はつきまといます。企業としてそれらから脱却するにはいろいろな目線で人材を評価することが必要です」

多様な人材をそろえた後は、彼らのアイデアをくみ上げる仕組みも必要になる。そこでもテレワークは有効だ。「グローバル企業では、深夜にネットを介して会議を行うこともあります。その時には自宅から会議に参加して、翌日は遅めに出社しても構いません。朝9時に出社することよりも、しっかり睡眠をとることが大事ですから」(鈴木氏)

こうした柔軟な働き方は、企業の魅力を高めるという意味でも重要だ。ソーシャルメディアに慣れ親しみ、いつでもどこでもコミュニケーションをとってきた若者には、ビジネスの現場でも柔軟なコミュニケーションを実現しているのが当たり前だ。

「若くて優秀な人材の採用は、争奪戦の様相を呈しています。選ばれる企業になるには、ITを駆使したコミュニケーションの実践は必須です。当社では高校生を対象にオフィスツアーを行って、ファン作りに取り組んでいます。今後は中学生を対象に実施してもいいのでは、と考えているくらいです」と鈴木氏は力を込める。

同社は10年前から全社員を対象にテレワークに取り組んできた。希望者にはルーターやIP電話を貸し出している。「当社が提供している製品を社員たちが実際に使って成果を上げているからこそ、ビジネスに説得力が出ると思います」と鈴木氏は、新しい働き方の先駆者であり続けることの意義を語る。

 

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企業文化、プロセス、テクノロジーが働き方改革の構成要素

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本当にテレワークに切り替えても、日々の仕事に齟齬(そご)は起きないのだろうか。鈴木氏は2012年のロンドン五輪がその好事例だという。五輪開催時、ロンドンには観光客があふれ、市内の交通網がまひして、多くの企業はテレワークにシフトせざるを得なかった。

「しかし、不都合なことは全く起きなかったと聞いています。そこで一気にテレワークの導入が進みました。日本でも2020年の東京五輪が大きな契機になるのではないでしょうか」と鈴木氏。まさに“案ずるより産むが易し”ということだろう。

もちろん、企業としてテレワークに取り組むには、ネットワークやセキュリティーなど、適切な環境を用意する必要がある。しかし、早晩取り組むことになるのであれば、早いに越したことはない。それだけ他社に差をつけることができる。既に全国の支店長会議をテレビ会議に切り替えて、経費を抑えて、無駄な時間を削減した銀行などの事例も出てきている。

「これから日本企業が生き残るのに、働き方改革は必須です。そこで大事になるのは経営者の強い意志です。日々働き方改革について発信し続けないと何も変わりません」と鈴木氏は、経営者自らが柔軟な働き方改革に向けて取り組むことの重要性を強調する。

シスコシステムズでは、働き方改革を実現する要素として「企業文化」「プロセス」「テクノロジー」の3つを挙げる。10年以上前からITの力で働き方を変えてきた同社にはこの3つの要素がそろっている。同社を働き方改革のパートナーとすることで、どこからどう取り組んでいけばよいのか、その道筋が見えてくるのではないだろうか。

 

百聞は一見にしかず
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