Interview
ダイバーシティを生み、イノベーションを起こす
「働きやすい環境」の実現へ
サイボウズ株式会社は、時間と場所を超えたチームワーク、コラボレーションを支援するさまざまなツールを提供しています。グローバルに拠点を持つ企業や公共団体などの大規模チームから、企業間プロジェクト、ボランティア、家族などの小規模チームまで 630 万人以上に及ぶ幅広い顧客が同社のツールを利用しており、高い効果を上げています。
より優れたツールの開発、満足度の高い顧客対応を促進するには、社員が働きやすく、安心して業務に取り組める環境を整えることが大事だとサイボウズでは考えており、それを具現化したのが 2015 年に移転した東京日本橋の新オフィスです。そこにはサイボウズならではのアイデアが盛り込まれると同時に、実際の運用を支えるものとしてシスコのコラボレーション ソリューションが多数導入されています。
離職率を改善し、安心して働ける環境へ
  経営者の意識を変えることも必要
「私が社長に就任した 2005 年ころ、当社は事業を拡大して急速に成長していましたが、一方で離職率は 28% と高く、子育てをしながら安心して働ける状況ではありませんでした。そこで、まず社内の制度を整えることと、多様な働き方への取り組みを進めることにしたのです。その甲斐あって離職率は 4% へと大幅に下がり、在宅勤務などへの社内の理解も深まってきました。東京を離れて地元へ戻る社員がいたら、そのまま現地にオフィスを開設してしまうなど、いろいろな社員の事情やニーズに応じて働き方も多様化していき、それは同時に当社の事業のテリトリーを広げていくということでもありました。社員一人ひとりが満足して働き続けられることが大事だという機運がここ数年ぐっと高まってきて、その中で当社の取り組みが注目されているのでしょう。」
「今回導入したシスコ ソリューションもそうですが、新しいオフィスもわれわれのインフラの 1 つです。オフィス移転におけるいろいろな取り組みは、インフラへの投資という視点で捉えています。より働きやすい環境を整えることで、社員だけでなくパートナー様を含めた多くの人たちから力を貸していただけるようになり、ダイバーシティ(多様性)が生まれ、そこからイノベーションが起きやすくなる、ということです。そのためにはストレスを解消させて働きやすくする環境を作ることが大切であり、コストの削減とか、昇給や昇進で社員を満足させるといったこれまでの発想ではなく、経営者の意識も変えていくことが必要だと考えています。」
青野 慶久 様
青野 慶久 様
サイボウズ株式会社
代表取締役社長
働き方の多様化に対応することは
  人材の定着、事業の拡大に不可欠
「少子化の時代になり、人材を定着させていかなければ事業を縮小せざるを得なくなるということに、経営者は気づき始めていると思います。これからの採用ではさまざまな人を受け入れていく必要があり、だから働き方の多様化に対応することが求められるわけです。今までのような一律的な働き方ではなく、多様化に向けた取り組みが必要だと経営者の意識が変わり始めたのは結構最近ではないでしょうか。単にビデオ会議システムを導入すればよいとか、ツールを選ぶ、使うというレベルの話ではなく、働き方を変えるために会社としてどうすべきかというところから考えることが大事なのだと改めて感じます。」
「ただ、働き方は変わっても、チームワークというものは不変であり、それは人間の本質的な欲求でもあるでしょう。お互いに生き方や社会への関わり方は違っても、情報を発信し、各々が持つスキルを活かしながら 1 つのビジョンに向かって進んでいく姿は万国共通ではないでしょうか。この新しいオフィスをハブとして、そうしたさまざまな人が集い、新しいビジョンが生まれ、共感する人たちが新たなチーム作り出していくことに大いに期待しています。当社はこれから海外への展開も進めていく予定ですが、そこでも同じことが当てはまります。当社が提供しているグループウェアやサービスと、シスコのリアルタイムなコラボレーション ソリューションによる相乗効果で、より大きなメリットを実現していきたいと思います。」
※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon
リアルなオフィスはもういらない?
  オフィス移転を契機に気付いたこと
「働き方の多様化に取り組むとき、単に時間と場所の制約をなくせばよいということではなく、人と人のコミュニケーションを促すためにいろいろなチャレンジをしてきました。会社としての制度や風土は比較的早い段階からできたのですが、実際に運用していくためのツールの部分が弱かったのです。当社はグループウェアを提供していますが、これは非同期のツールなので、リアルタイムにやり取りできるツールとしてビデオ会議も使ってはいました。ただ、使い勝手が悪く、あまり活用されてはいませんでした。東京オフィスが手狭になり、いよいよ移転が必要となったため、この機会に刷新しようと考えたのです。」
「新しいオフィスをどのように作り上げるか、各部門から業務をよく理解している人を選抜して検討委員会を立ち上げました。メンバーの構成は男女、年齢も極力ばらばらにして、いろいろな意見を出し合いました。会社として在宅勤務など時間と場所を選べる働き方をすでに制度として設けているのだから、各々が好きなところで働けばよく、『リアルなオフィスはなくていい』という選択肢もありました。
ところがこれが社内から、特に若手社員から大反対にあいました。先輩社員の仕事を見ながら学びたい、サイボウズというチームの一体感を感じながら仕事をしたい、という意見を聞いて、リアルにオフィスに集まって働くことの重要性を再認識したのです。そこで、リアルの良さとバーチャル(IT ツール)の良さを掛け合わせて、自分たちのやりたいことと、求める生活スタイルを両方実現できるオフィスを目指すことにしました。」
「東京日本橋にオフィスを置いたのは、社員はもとより当社にお越しいただくお客様やパートナー様にとっても交通の利便性がよく、集まりやすいことを重視したからです。いろいろな商業施設があり、古くからの老舗企業、新しい企業、さまざまな規模の企業がたくさん集い、こうした多様な街の文化を持つところに自分たちの事業の中心を置きたいという思いもありました。」
中根 弓佳 様
中根 弓佳 様
サイボウズ株式会社
執行役員
事業支援本部長
Cisco TelePresence が実現する
  「空間の共有」がもたらすもの
「以前使っていたビデオ会議システムは、画質も音質も悪く、遅延も多かったですね。つないで準備するのも大変で、使い始める前に気持ちが萎えてしまうところがありました。私も自宅から会議に参加したことがありますが、向こう(オフィス)で何を話しているかよく聞こえず、疎外感もあったのです。こちらから発言するのも憚られる感じでした。
シスコのオフィスで Cisco TelePresence の実機デモを見たとき、そのすごさに圧倒され、空間を共有する、臨場感というものの大事さをとても理解できました。このような素晴らしいものがオフィスにあれば、社員、お客様、パートナー企業様とのつながりが一層強まり、さらに地方と都市、国という垣根がなくなっていくでしょう。地方創生や一極集中といった社会問題の解決にもつながっていくとすごく思います。」
「男性も女性も、日々の働き方やちょっとした生活の変化にすぐ対応できるツールがあれば、積極的に活用したいと思っています。そして、それを許容できる会社の風土があるかということも大切です。今回のオフィス移転でインフラやツールが改善され、先行していた制度や風土に追いついてきたと感じます。ツールやテクノロジーはこれからも進化していくと思いますので、社内の制度や風土とうまく調和できるようにして、よりよい効果を生み出せるようにしていきたいですね。」