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第 11 号 - Cisco insight

第 11 号 - 特集記事

シスコの提供するテクノロジーの解説や製品、
ソリューションの最新情報をお届けします。

シスコ&リコー協業 記者発表レポート
中小企業に安全なデジタルワークプレイスを

柔軟な働き方を支えるデジタルワークプレイスを実現する上で、避けて通れないのがクラウドの活用、そして、セキュリティの強化です。2019年2月26日、シスコとリコーは、この領域で戦略的協業を開始することを発表しました。特に専任の担当者が不在、いわゆる「ひとり情シス」の課題を抱えている中小企業に向けて、最適なソリューションを提案していく考えです。

 

 

「働き方」を超えて「働きがい」の改革へ

 

株式会社リコー 代表取締役 社長執行役員 CEO 山下 良則氏

今や働き方改革は、社会全体の重要なテーマです。企業にとって、どんな働く環境を提供し、どんな働き方を提案できるかは、人材戦略をも大きく左右するようになっています。

「近視眼的に残業時間の削減だけを追求するような働き方改革は、ともすれば、これまで以上の無理を強いる『働かせ改革』になってしまいがち。目指すべきは、社員のやる気を引き出し、知的生産性を高める『働きがい改革』です」とリコーの山下 良則氏は訴えます。

先日、発表したシスコとリコーのグローバル規模の協業は、このような働きがいの改革にも貢献しうるパートナーシップです。

 

中小企業のクラウド活用を両社で支える

 

株式会社リコー 執行役員 プラットフォーム統括本部長 野水 泰之氏

クラウドシフトが進み、現在のビジネスにとってクラウドはなくてはならないものになっています。無線LAN環境と様々なクラウドサービスを駆使して、場所や時間にとらわれない働き方を志向する企業も少なくありません。

リコーが2019年1月8日に発表した「RICOH Intelligent WorkCore」は、このような変化に対応したソリューションです。具体的には、複合機の新製品「RICOH IM C」シリーズと、クラウドサービス「RICOH Smart Integration」を組み合わせ、複合機を通じて入力した情報をクラウドに格納したり、クラウドの情報を複合機から出力したりできるようにします。「IM Cシリーズは大型のタッチパネルを搭載しており、そこからGoogle ドライブやBoxなどの様々なクラウドサービスを、IM Cシリーズから利用できます」とリコーの野水 泰之氏は紹介します(写真1)。

 

・写真1
RICOH IM C3500と管理画面

しかし、クラウドを活用した柔軟な働き方を実践する上で、欠くことのできない取り組みがあります。セキュリティです。

もちろん、リコーは複合機で扱う情報の安全性を担保するために、複合機内部のデータを守る様々なセキュリティ機能を搭載しています。2008 年には業界で初めて国際的な情報セキュリティの評価基準規格「CC認証(ISO/IEC 15408)」を取得。その後、更新された新規格も取得予定となっています。

ただし、複合機がクラウドにつながるとなると、さらに異なるセキュリティ対策が必要になります。しかも、冒頭で述べたとおり、働き方改革は企業規模を問わず、多くの企業に関係するテーマ。変化のスピードが速い上、特に専門的な知識を求められることの多いセキュリティ領域において、専任担当者を十分に確保できない中小企業が適切な対策を行うことは非常にハードルが高く、「まずどこから、何をやればいいのかを判断することも難しいというお声をよくいただきます」と野水氏は言います。

この新たなセキュリティの課題を解決するために活用していくのがシスコのセキュリティソリューションです。両社は、お客様の利用環境やニーズを踏まえて、RICOH Intelligent WorkCoreにシスコのワイヤレスソリューションやセキュリティソリューションを組み合わせ、セキュアでシームレスなクラウド連携サービスをグローバルに展開していきます。

「今回の戦略的協業は、中小企業のセキュリティに対する不安を払拭し、クラウドサービスをより使いやすくする狙いがある。シスコは、それを実現する上で最高・最強のパートナーです」と山下氏は話します。

一方、シスコシステムズのケリー・クラマーもまた、「実はシスコは、ワールドワイドでリコーの複合機を約1600台利用しており、かねて製品およびサポートのクオリティを高く評価しています。オフィスに精通したリコーと協業することで、シスコのソリューションが活きる場面が増える。より多くのお客様に価値を提供する機会を得ることができたと考えています」と述べます。

 

まず3つのソリューションから提供を開始

 

シスコシステムズ エグゼクティブ バイス プレジデント 兼 最高財務責任者 ケリー・クラマー

例えば、無線LAN対応機器をラインアップに持ち、クラウド管理によって運用の効率化にも貢献する「Cisco Meraki」シリーズをオフィスのインフラとすれば、セキュアかつ快適にIM Cシリーズを加えたマルチデバイスからのクラウドアクセスが可能になります(写真2)。

・写真2
「クラウドマネージド ルーター Cisco Meraki MX68CW」

また、シスコがグローバルに展開する「Threat Intelligence(スレットインテリジェンス:脅威情報)」、AIによる高度な脅威解析を実現するプラットフォーム「マルチドメイン アーキテクチャ」などを活用することで、刻々と進化し、新たに生まれ続けている脅威にタイムリーに対応することも可能。専任の担当者が不在の中小企業でも、セキュアな環境の中、自由なクラウドアクセス、サービス利用、データ共有・交換を行える「デジタルワークプレイス」を実現できます。

これらシスコのソリューションを用途ごとに組み合わせて整理し、まずはリコーを通じて、クラウドセキュリティを実現する「安心クラウド保管ソリューション」、ネットワークセキュリティを実現する「簡単ネットワーク設定ソリューション」、デバイスセキュリティを実現する「安全デバイス接続ソリューション」の3 ソリューションを提供する予定です。「シスコはRICOH Intelligent WorkCoreのセキュリティレベルを高め、お客様のマルチクラウド戦略を支えていきます」とクラマーは意気込みを話します。

両社は共同で専属チームを発足し、2019年4月から3つのソリューションの試験導入を開始し、同9月から本格販売していきます。提供形態は、お客様がより導入しやすいように、月額利用制のサブスクリプションモデルを採用。もちろん並行して新たなソリューション開発も共同で進めます。

 

事例に見る業務課題と協業が示す価値

 

記者発表の終盤 質疑応答の様子

最後に今回の協業ソリューションがどのようなシーンで効果を発揮するのか。野水氏が紹介した事例を見ていきます。

1つ目は、機密情報を扱う個人経営のコンサルティング会社のケース。機密文書はアクセス制限のあるフォルダで保存しなければなりませんが、文書数が多いと、作業に時間がかかり、間違いも多くなります。「それに対して、安心クラウド保管ソリューションを活用すれば、複合機から簡単に外部のクラウドストレージへデータを保存し、紙の資料をスキャンする必要がなくなります」と野水氏。該当するキーワードを含む機密文書が共有フォルダに保存されていない場合はメールで警告したり、共有設定を自動的にオフにしたりする機能もあり、人為的ミスも削減できるといいます。

2つ目は、各店舗にIT管理者がいないアパレル企業のケースです。開店や運用変更時に必要となるネットワーク構築は本社側のIT管理者が来店して行いますが、作業負担が大きく、設定ミスも多くなりがちです。そこで有効なのが、簡単ネットワーク設定ソリューションです。「複数拠点のネットワーク設定を一括で行えます。構築負荷を低減し、設定ミスの削減につながります」(野水氏)。共通ダッシュボードで様々な機器の管理状況を確認できるため、本社側での一元管理も容易です。

最後に多種のデバイスが混在し、その管理が煩雑化している大手建設会社のケースを紹介します。工事現場や支店では私物のデバイスが社内ネットワークに接続されている上、企業で支給するデバイスを利用する際には登録情報を入力するため手間がかかります。「このようなケースでは、ネットワーク上の機器を自動検知するシスコの『Cisco Identity Services Engine』、リコーのデバイス管理システム『RICOH Streamline NX』を組み合わせた安全デバイス接続ソリューションを活用すれば、ネットワーク接続されるデバイスの自動検知が可能。不正デバイスを検知した場合は直ちにアクセスを遮断します」と野水氏は説明します。新たな正規デバイスの追加登録も自動で実行されるため、現場の負荷を減らし、登録ミスも削減できます。

互いに強みを持ち寄り、今後、さらに加速する中小企業のクラウド活用、ひいてはデジタルワークプレイスの実現を支援するシスコとリコー。両社の戦略的協業が生み出す価値に、ぜひ期待してください。