この項では、Lightweight アクセス ポイントをアクセスしやすい場所に取り付けられるよう、事前にプライミングまたは計画するための手順を説明します。この手順は、省略可能です。このプロセスは、展開されたアクセス ポイントから DHCP サーバにアクセスできない場合に使用することができ、主にイーサネットおよび電源領域に対する設置に関する問題の発生を制限します。
図F-1 は、Lightweight アクセス ポイントの一般的なプライミング構成を示しています。
図F-1 Lightweight アクセス ポイントの一般的なプライミング構成
Lightweight アクセス ポイントを最終的な場所に展開する前にアクセス ポイントをプライミングする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Lightweight アクセス ポイントがコントローラと同じサブネット上に設置されるレイヤ 2 環境では、アクセス ポイントはコントローラと直接通信を行います。
ステップ 2 レイヤ 3 環境で、DHCP サーバ(通常はスイッチ上にある)が Lightweight アクセス ポイントと同じサブネット上で有効化されていることを確認します。アクセス ポイントは、DHCP オプション 43 を使用してその IP アドレスとコントローラ情報を受け取ります。
Lightweight アクセス ポイントは、コントローラの IP アドレスを検出できる必要があります。これは、DHCP、DNS、OTAP、または IP サブネット ブロードキャストを使用して行うことができます。このガイドでは、コントローラの IP アドレスを提供する DHCP 方式について説明します。詳細は、「Lightweight アクセス ポイントのための DHCP オプション 43 の設定」を参照してください。
(注) コントローラとは異なるサブネット上にあるレイヤ 3 のアクセス ポイントの場合、コントローラへのルートの送信先 UDP ポート 12222 ~ 12223 が LWAPP 通信に対してオープンになっていることを確認します。プライマリ、セカンダリ、およびターシャリ コントローラへの経路上で、IP パケットのフラグメントの転送が許可されていることを確認します。
ステップ 3 コントローラがスイッチのトランク ポートに接続されていることを確認します。
ステップ 4 コントローラを LWAPP レイヤ 3 モードに設定し、コントローラの DS ポートがスイッチに接続されていることを確認します。適切なコントローラのガイドに記載に従って、CLI、Web ブラウザ インターフェイス、または Cisco WCS の手順を使用します。
a. マルチコントローラ環境では、1 つのコントローラの DS ポートをマスタに設定できます(config network master-base disable CLI コマンド、またはコントローラの GUI を使用できる)。新しいアクセス ポイントは、常にこのコントローラにアソシエートされます。コントローラの DS ポートがマスタであるかどうかを判断するには、show network config CLI コマンドを使用します。
すべてのアクセス ポイントは、マスタ コントローラにアソシエートします。プライマリ、セカンダリ、およびターシャリ コントローラの設定などの、アクセス ポイントに関する設定を 1 つの場所で行えます。このことにより、ネットワーク上の他のコントローラにアクセス ポイントを再割り当てできます。
Cisco WCS サーバを使用して、単一の場所からすべてのアクセス ポイントを制御、設定、および再割り当てすることもできます。
ステップ 5 Lightweight アクセス ポイントの電源を入れます。
a. Lightweight アクセス ポイントを POE 対応スイッチのタグなしのアクセス ポートに接続します。電源モジュールまたはパワー インジェクタを使用してアクセス ポイントの電源を投入することもできます。
b. Lightweight アクセス ポイントの電源を投入したら、電源投入シーケンスが開始されます。このシーケンスは、アクセス ポイントの LED を監視することで確認できます。すべての LED は、順番に繰り返し点滅します。これは、アクセス ポイントがコントローラを検出中であることを示しています。
(注) Lightweight アクセス ポイントが 5 分を超えてもこのモードのままである場合、アクセス ポイントはマスタ コントローラを検出できていません。アクセス ポイントとコントローラ間の接続、およびこれらの機器が同じサブネット上にあることを確認してください。
c. Lightweight アクセス ポイントがシャット ダウンした場合は(すべての LED がオフになる)、十分な電力が供給されているかどうかを確認します。
d. Lightweight アクセス ポイントがコントローラにアソシエートした際、アクセス ポイントのコード バージョンがコントローラのコード バージョンと異なる場合、アクセス ポイントは、コントローラからオペレーティング システムのコードをダウンロードします。ダウンロード中は、アクセス ポイントのすべての LED が同時に点滅します。
ステップ 6 オペレーティング システムのダウンロードが完了したら、Lightweight アクセス ポイントがリブートされます。無線 LED が点滅して無線アクティビティが示されたら、正常な動作を示しています。
ステップ 7 コントローラの CLI、コントローラの GUI、または Cisco WCS を使用して、Lightweight アクセス ポイントのプライマリ、セカンダリ、およびターシャリのコントローラの名前を設定します。
ステップ 8 Lightweight アクセス ポイントが Controller Mobility Group にある場合は、コントローラの CLI、コントローラの GUI、または Cisco WCS を使用して Controller Mobility Group 名を設定します。
ステップ 9 コントローラの CLI、コントローラの GUI、または Cisco WCS を使用して、アクセス ポイント固有の 802.11a、802.11b、および 802.11g ネットワーク設定を設定します。
ステップ 10 設定のプライミングが完了したら、無線 LED が点滅して正常な動作状態であることが示されます。
ステップ 11 各アクセス ポイントについて、手順 4 ~ 9 を繰り返します。
すべての Lightweight アクセス ポイントの設定のプライミングが正常に終了したら、コントローラでマスタ設定が無効になっていることを確認します。これで、アクセス ポイントを最終的に目的の場所に配置できるようになります。