ソフトウェア メンテナンス アップグレードの概要
ソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)は、システムにインストールしてパッチ修正やセキュリティ解決をリリースされたイメージに提供できるパッケージです。SMU パッケージはリリースごとおよびコンポーネントごとに提供され、プラットフォームに固有です。
SMU はネットワークの問題に迅速に対応できるようにするとともに、必要なテストの時間と範囲を削減するため、従来の IOS ソフトウェアには多大なメリットがあります。Cisco IOS XE プラットフォームでは SMU の互換性を内部的に検証し、互換性のない SMU はインストールできません。
すべて SMU が後続の Cisco IOS XE ソフトウェア メンテナンス リリースに統合されています。SMU は独立した自己完結型パッケージであり、前提条件や依存関係はありません。SMU はどのような順序でもインストールまたはアンインストールできます。
SMU インフラストラクチャは、ワイヤレスの状況における次の要件を満たすために使用できます。
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コントローラ のバグ修正または PSIRT
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AP のバグ修正、PSIRT、またはコントローラの変更を必要としないマイナー機能など、既存の SMU ガイドラインに反すること。
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新しいハードウェアまたはソフトウェアの機能を導入しない、新しい AP モデルのサポート。
SMU のワークフロー
SMU プロセスは、SMU Committee への要求によって開始されます。カスタマー サポートに連絡し、SMU 要求を行います。SMU パッケージがリリースされると [シスコ ソフトウェアのダウンロード(Cisco Software Download)] ページに掲載されます。そのパッケージをダウンロードし、インストールします。
SMU パッケージ
SMU パッケージには、SMU が要求されている報告済みの問題のメタデータと修正が含まれています。
SMU のリロード
SMU のタイプは、SMU のインストール後のシステムへの影響を説明します。SMU はトラフィックに影響を与えない場合もありますが、デバイスの再起動、リロード、スイッチオーバーを引き起こす可能性もあります。
すべての SMU で、アクティブ化中にシステムをコールド リロードする必要があります。コールド リロードは、オペレーティング システムを完全にリロードします。このアクションは、リロードの間(現在は最大 5 分間)、トラフィック フローに影響します。このリロードにより、SMU の一部としてインストールされている正しいライブラリとファイルですべてのプロセスが起動します。
コントローラのホットパッチのサポートにより、システムをリロードすることなく、SMU をアクティブ化の直後に実行できます。SUM がコミットされると、リロードが繰り返されてもアクティブ化の変更が持続します。ホット パッチ SMU パッケージには、SMU をアクティブにするために再起動する必要があるすべてのプロセスをリストするメタデータが含まれています。SMU のアクティブ化の間、SMU が完全に適用されるまで、このリスト内の各プロセスが一度に 1 つずつ再起動されます。
AP イメージの SMU
AP イメージを SMU としてサポートするには、AP またはコントローラが、SMU にバンドルされているさまざまなバージョンの AP イメージを認識している必要があります。このことは、コントローラまたは AP から AP イメージのプレダウンロードを開始して、コントローラから新しい AP イメージをダウンロードするために必要です。
AP イメージがバンドルされている SMU が存在する場合、AP およびコントローラは、さまざまなバージョンの AP イメージが SUM の一部となっていることを認識する必要があります。
AP SMU パッケージの管理
手順
コマンドまたはアクション | 目的 | |
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ステップ 1 |
Configure Terminal 例:
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
install add file bootflash: filename 例:
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メンテナンス更新プログラム パッケージをリモート ロケーションからデバイスにコピーし、プラットフォームとイメージのバージョンの互換性チェックを実行します。 このコマンドは、ファイルで基本的な互換性チェックを実行し、SMU パッケージがプラットフォームでサポートされていることを確認します。また、パッケージ/SMU.sta ファイル内にエントリを追加することで、ステータスを監視し、維持できるようにします。 |
ステップ 3 |
install activate file bootflash: filename 例:
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互換性チェックを実行し、パッケージをインストールして、パッケージのステータスの詳細を更新します。 再起動可能なパッケージの場合、このコマンドは適切なポストインストール スクリプトをトリガーして必要なプロセスを再起動します。また、再起動できないパッケージの場合は、リロードをトリガーします。 |
ステップ 4 |
install commit file bootflash: filename 例:
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リロードが繰り返されても持続するようにアクティブ化の変更をコミットします。 アクティブ化の後で、システムがアップしている間、または最初のリロード後にコミットできます。パッケージがアクティブになっていてもコミットされていない場合は、最初のリロード後はアクティブの状態を保ちますが、2 回目のリロード後はアクティブ状態を保ちません。 |
ステップ 5 |
install rollback to { base | committed | id | committed } committed ID 例:
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デバイスを以前のインストール状態に戻します。ロールバック後にリロードする必要があります。 |
ステップ 6 |
install deactivate file bootflash: filename 例:
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ステップ 7 |
show version 例:
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ステップ 8 |
show installsummary 例:
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アクティブ パッケージに関する情報を表示します。 このコマンドの出力は、設定されている install コマンドに応じて変化します。 |
SMU の設定例
次に、SMU の install add が実行された後の SMU 設定の例を示します。
Device#show install summary
[ Chassis 1 2 ] Installed Package(s) Information:
State (St): I - Inactive, U - Activated & Uncommitted,
C - Activated & Committed, D - Deactivated & Uncommitted
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Type St Filename/Version
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IMG I 16.9.1.0.40038
IMG C 16.8.1.0.39751
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Auto abort timer: inactive
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