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Cisco Unified Communications Manager は、Cisco Unified Communications ソリューションの高度なコール処理コンポーネントです。これは、スケーラブルで分散処理が可能な、しかも可用性の高いエンタープライズ IP テレフォニー コール処理ソリューションです。Cisco Unified Communications Manager は協力通信のプラットフォームの役割を果たしており、さまざまな機能をサポートしています。この高度なシステムのプロビジョニング、機能の呼び出し、モニタ、制御を行うため、Cisco Unified Communications Manager ではさまざまな種類のインターフェイスをサポートしています。
この章では、Cisco Unified TAPI サービス プロバイダー(Cisco Unified TSP)実装の主要な概念について説明します。次のような構成になっています。
Cisco Unified Communications Manager でサポートされているインターフェイスは次の種類に分類できます。
Cisco Unified Communications Manager のプロビジョニング インターフェイスには次のようなものがあります。
Administrative XML(AXL)API は、eXtensible Markup Language(XML)Simple Object Access Protocol(SOAP)インターフェイスを使用して、Cisco Unified Communications Manager 設定データベース内のデータの挿入、取得、更新、および削除を可能にするメカニズムです。AXL API を使用すると、プログラマはバイナリ ライブラリや DLL の代わりに XML を使用して、Unified CM プロビジョニング サービスにアクセスし、データを XML 形式で交換できます。すべての AXL メソッド(要求)は HTTP と SOAP を組み合わせて実行します。SOAP は XML リモート プロシージャ コール プロトコルの一種です。ユーザは XML データを Cisco Unified Communications Manager パブリッシャ サーバに送信して要求を実行します。次に、パブリッシャから AXL 応答が返されます。この応答も SOAP メッセージです。
詳細については、次の URL にある『Administrative XML Tech Center』を参照してください。http://developer.cisco.com/web/axl/home
Cisco Extension Mobility(Extension Mobility)サービスは Cisco Unified Communications Manager の機能であり、この機能によりデバイス(通常は Cisco Unified IP Phone)は、回線、短縮ダイヤル、サービスなどの新しいデバイス プロファイルを一時的に使用できます。ユーザは、他の Cisco Unified IP Phone からライン アピアランス、サービス、短縮ダイヤルなどの各 Cisco Unified IP Phone 設定に一時的にアクセスできます。Extension Mobility サービスは、新しい設定ファイルを電話機にダウンロードすることにより動作します。Cisco Unified Communications Manager はログインするユーザに関する情報に基づいてこの新しい設定ファイルを動的に生成します。XML ベースのエクステンション モビリティ サービス API をアプリケーションに使用して、エクステンション モビリティ サービスの機能のメリットをアプリケーションで活かすことができます。
詳細については、次の URL の Cisco Developer Network にある『Extension Mobility API Tech Center』を参照してください。 http://developer.cisco.com/web/emapi/home
また、Cisco Unified Communications Manager の該当するリリースの、『Cisco Unified Communications Manager XML Developers Guide』を参照してください。次のサイトで入手できます。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/products_programming_reference_guides_list.html
Cisco Unified Communications Manager のデバイス モニタリングおよび呼制御インターフェイスは次の通りです。
Cisco Unified Communications Manager では Computer Telephony TAPI インターフェイス経由で IP テレフォニー デバイスとソフトクライアントの高度な呼制御を行うことができます。シスコのテレフォニー サービス プロバイダー(TSP)と Media Driver インターフェイスにより、カスタム アプリケーションを使用してテレフォニー対応デバイスとコール イベントのモニタ、ファーストおよびサードパーティのコール制御の確立、メディア レイヤとの相互通信によるメディアの終了、音声案内の再生、コールの記録を行うことができます。
詳細については、『TAPI and Media Driver Tech Center on the Cisco Developer Network』を参照してください。次のサイトで入手できます。
詳細については、Cisco Developer Network の JTAPI Tech Center を参照してください。次の場所で入手できます。
http://developer.cisco.com/web/jtapi/home
次の URL にある Cisco Unified Communications Manager の該当するリリースの『Cisco Unified JTAPI Developers Guide for Cisco Unified Communications Manager』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/products_programming_reference_guides_list.html
Web Dialer は Cisco Unified Communications Manager サーバにインストールされています。これを使用すると、Cisco Unified IP Phone ユーザは Web およびデスクトップ アプリケーションからコールできます。たとえば、Web Dialer は社内電話帳にあるハイパーリンクされた電話番号を使用します。そのため、コールしようとしている相手の電話番号を Web ページでクリックすれば電話をかけることができます。Web Dialer の 2 つの主要コンポーネントは、Web Dialer Servlet と Redirector Servlet です。
詳細については、次の URL の Cisco Developer Network にある『Web Dialer Tech Center』を参照してください。http://developer.cisco.com/web/wd/home
Cisco Web Dialer の詳細については、次の URL にある Cisco Unified Communications Manager の該当するリリースの『Cisco Unified Communications Manager XML Developers Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/products_programming_reference_guides_list.html
Cisco Unified Communications Manager のサービスアビリティ インターフェイスには次のようなものがあります。
Unified CM Serviceablility XML インターフェイス特有の問題のモニタ、診断、対処を行うためのサービスとツールの集合です。
Unified CM ハードウェアおよびソフトウェアの健全性をモニタするための、プラットフォーム、サービス、アプリケーションの各パフォーマンス カウンタを備えている
Cisco Unified Communications Manager に接続されている電話機、デバイス、アプリケーションの健全性をモニタするためにデバイスと Computer Telephony Integration(CTI)の接続ステータスをリアルタイムで表示する
Cisco Unified Communications Manager サービスの遠隔操作(開始/停止/再開)ができる
トラブルシューティングと分析で使用する Cisco Unified Communications Manager トレース ファイルとログを収集してパッケージ化する
検索基準にもとづいてアプリケーションに呼詳細レコード ファイルを提供する
管理コンソールに Cisco Unified Communications Manager ハードウェアおよびソフトウェア特有の SNMP データを提供する
詳細は、Cisco Developer Network(http://developer.cisco.com/web/axl/home)の『Serviceability XML Tech Center』を参照してください。
SNMP インターフェイスを使用すると、外部アプリケーションによりさまざまな UCMgr エンティティに対するクエリーとレポート作成を実行できます。このインターフェイスの使用により、syslog 情報などの Unified Communication Manager の接続に関する情報がネットワーク内の他のデバイスに提供されます。
Cisco Unified Communications Manager でサポートされている MIB は次のとおりです。
Cisco-CCM-MIB、CISCO-CDP-MIB、Cisco-syslog-MIB
標準の MIB(MIB II、SYSAPPL-MIB、HOST RESOURCES-MIB など)
ベンダーの MIB
詳細は、Cisco Developer Network(http://developer.cisco.com/web/axl/home)の『SNMP/MIB Tech Center』を参照してください。
また、Cisco Unified Communications Manager の該当するリリースの、『Cisco Unified Communications Manager XML Developers Guide』を参照してください。次のサイトで入手できます。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/products_programming_reference_guides_list.html
Cisco Unified Communication Manager 8.0(1) 以降は、外部コール制御(ECC)機能をサポートします。この機能では、補助ルート サーバが、Cisco Unified Routing Rules Interface を使用して、Cisco Unified Communications Manager の代わりにコールルーティングを決定します。外部コール制御の設定に際して、Cisco Unified Communications Manager は、発信側および着信側の情報が入ったルート要求を補助ルート サーバに発行します。補助ルート サーバは、要求を受信し、適切なビジネス ロジックを適用した後、Cisco Unified Communications Manager に対し、コールのルーティングとコールに適用すべきその他の取り扱い方法を指示するルート応答を返します。
詳細については、次の Cisco Developer Network の『Routing Rules Interface Tech Center』を参照してください。http://developer.cisco.com/web/curri/home
標準の TAPI は、さまざまな実装で同一のプログラミング インターフェイスを提供します。TAPI を Cisco Unified Communications Manager プラットフォームに実装するときの目標は、TAPI 仕様に極力準拠し、同時に、TAPI を強化し、Cisco Unified Communications Manager の高度な機能をアプリケーションに提供する拡張機能の追加することです。
Cisco Unified Communications Manager および Cisco Unified TSP のバージョンをリリース時には、この API の変更は最小限にとどめ、仕様準拠の方向性は維持する予定です。シスコでは、自社開発した API 拡張の安定性と信頼性の維持に努めていますが、Cisco Unified Communications Manager に新機能が追加された際には、新たな拡張を提供する場合があります。
(注) | Cisco TSP は TAPI 2.1 サービス プロバイダーです。 |
インターフェイスと拡張の一覧と説明については、基本的な TAPI 実装およびシスコ デバイス固有の拡張機能を参照してください。
アプリケーション コードにより呼び出しまたはサポートできる基本的な API が Microsoft 社により定義されています。Microsoft 社により定義されている、TAPI アプリケーションから使用できる API はいずれも TAPI.H ファイルで宣言されています。TAPI.H ファイルは VC++/VS2005 インストールに付属している標準的なライブラリ ファイルです。たとえば、C:\Program Files\Microsoft Visual Studio\VC98\Include\TAPI.H にあります。
Cisco TSP により追加または提供されている特定の API を使用するには、アプリケーションは LineDevSpecific API を使用してその API を呼び出す必要があります。
#include <tapi.h>#include <string> #include "StdAfx.h" class TapiLineApp { LINEINITIALIZEEXPARAMS mLineInitializeExParams;//was declared in TAPI.h files HLINEAPP mhLineApp; DWORD mdwNumDevs; DWORD dwAPIVersion = 0x20005 public: // App Initialization // Note hInstance can be NULL // appstr – value can be given the app name "test program" bool TapiLineApp::LineInitializeEx(HINSTANCE hInstance, std::string appStr) { unsigned long lReturn = 0; mLineInitializeExParams.dwTotalSize = sizeof(mLineInitializeExParams); mLineInitializeExParams.dwOptions = LINEINITIALIZEEXOPTION_USEEVENT; lReturn = lineInitializeEx (&mhLineApp, hInstance, NULL, appStr.c_str), &mdwNumDevs,&dwAPIVersion,&LineInitializeExParams); if ( lReturn = = 0 ) { return true; } else { return false; } } //App shutdown bool TapiLineApp::LineShutdown() { return! (lineShutdown (mhLineApp)); } };
Cisco Media Driver を使用して、音声案内の再生またはコール メディアの記録を行うことができます。Media Driver のインストールの詳細については、Cisco Media Driver の選択を参照してください。
TAPI ブラウザは TAPI のデバッグ用アプリケーションです。このアプリケーションは、次の Microsoft MSDN Web サイトからダウンロードできます。ftp://ftp.microsoft.com/developr/TAPI/tb20.zipTAPI ブラウザは、TAPI の初期化、TAPI 開発者による TAPI 実装のテスト、TSP の動作確認に使用できます。
CTI Manager は、Cisco Unified TSP と連携して、特定の Cisco Unified Communications Manager に認識されることなく、TAPI アプリケーションで Cisco Unified Communications Manager リソースをアクセスするための Cisco Unified Communications Manager クラスタの抽象化を提供します。また、Cisco Unified Communications Manager クラスタの抽象化により、CTI Manager リソースのフェールオーバー機能も強化できます。以下の図のように、フェールオーバー条件は、ノード、CTI Manager、または TAPI アプリケーションに障害が発生した際に発生します。
(注) | シスコではサードパーティ製デバイスに対する CTI デバイスのモニタリングや呼制御はサポートしていません。 |
クラスタ内の Cisco Unified Communications Manager ノードで障害が発生すると、CTI Manager は、これらのデバイスを別の Cisco Unified Communications Manager ノード上で再度オープンして、影響を受けた CTI ポートとルート ポイントを復旧します。最初に障害が検出されると、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに PHONE_STATE(PHONESTATE_SUSPEND)メッセージが送信されます。
別の Cisco Unified Communications Manager で CTI ポートとルート ポイントの再オープンできたら、Cisco Unified TSP は TAPI アプリケーションに電話の PHONE_STATE(PHONESTATE_RESUME)メッセージを送信します。使用可能な Cisco Unified Communications Manager が見つからない場合、CTI Manager は適切な Cisco Unified Communications Manager が復旧するまで待機して、再度デバイスのオープンを試みます。 影響を受けたデバイスの回線も、アウト オブ サービスとイン サービスの状態になり、それに対応した LINE_LINEDEVSTATE(LINEDEVSTATE_OUTOFSERVICE)イベントおよび LINE_LINEDEVSTATE(LINEDEVSTATE_INSERVICE)イベントが Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに送信されます。すべての Cisco Unified Communications Manager が復旧しても、何らかの理由でデバイスまたは回線をオープンできなかった場合、それらのデバイスまたは回線はクローズされ、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに PHONE_CLOSE メッセージまたは LINE_CLOSE メッセージが送信されます。
障害が発生した Cisco Unified Communications Manager ノードが作動状態に戻ると、CTI Manager は、影響を受けた CTI ポートやルート ポイントをそれぞれの元の Cisco Unified Communications Manager に"リホーム"させます。この優れたリホーム プロセスでは、影響を受けたデバイス上でのコール処理が完了するか、デバイス上のコールがアクティブでなくなった時点で、リホームが開始されます。このため、リホーム プロセスは長時間にわたって完了しない場合があります(特に、多数のコールを同時に処理できるルート ポイントに関してはその可能性が高くなります)。
Cisco Unified Communications Manager ノードに障害が発生すると、同じクラスタ内にある別のノードへ電話機がすぐにリホームされます。TAPI アプリケーションによってオープンされた電話機に対してリホーム プロセスが実行された場合は、CTI Manager が自動的にその電話機を復旧し、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに PHONE_STATE(PHONESTATE_SUSPEND)メッセージが送信されます。電話機が別の Cisco Unified Communications Manager ノードに正常にリホームされると、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに PHONE_STATE(PHONESTATE_RESUME)メッセージが送信されます。
また、影響を受けたデバイスの回線が、アウト オブ サービスおよびイン サービスの状態になり、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに LINE_LINEDEVSTATE(LINEDEVSTATE_OUTOFSERVICE)メッセージおよび LINE_LINEDEVSTATE(LINEDEVSTATE_INSERVICE)メッセージが送信されます。
デバイスまたは Cisco Unified Communications Manager に障害が発生すると、コールの存続性は失われますが、デバイス間で接続済みのメディア ストリームは存続します。セットアップ処理中または(転送、会議、リダイレクトなどの)変更処理中のコールは、単純に切断されます。
プライマリ CTI Manager に障害が発生すると、アプリケーションによってオープンされたすべての電話機と回線デバイスについて、Cisco Unified TSP から PHONE_STATE(PHONESTATE_SUSPEND)メッセージおよび LINE_LINEDEVSTATE(LINEDEVSTATE_OUTOFSERVICE)メッセージが送信されます。その後、Cisco Unified TSP はバックアップ CTIManager に接続します。バックアップ CTI Manager への接続が確立され、デバイスまたは回線が正常に再オープンされると、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに PHONE_STATE(PHONESTATE_RESUME)メッセージまたは LINE_LINEDEVSTATE(LINEDEVSTATE_INSERVICE)メッセージが送信されます。Cisco Unified TSP が CTI ポートやルート ポイントのデバイスまたは回線のオープンに失敗した場合は、Cisco Unified TSP から TAPI アプリケーションに PHONE_CLOSE メッセージまたは LINE_CLOSE メッセージが送信され、そのデバイスまたは回線がクローズされます。
Cisco Unified TSP がバックアップ CTIManager に接続された後、Cisco Unified TSP とバックアップ CTIManager の間の接続が失われるまでは、Cisco Unified TSP はプライマリ CTIManager に再接続されません。
CTI Manager がダウンしている間に、デバイスがユーザに追加された場合、またはデバイスがユーザから削除された場合は、バックアップ CTI Manager への接続が確立された時点で、Cisco Unified TSP が PHONE_CREATE、LINE_CREATE、PHONE_REMOVE、または LINE_REMOVE の各イベントを生成します。
Cisco TAPI アプリケーションに障害が発生して CTI Manager によってプロバイダーがクローズされると、CTI ポートおよびルート ポイント上の未完了コールが、各コールに設定されている Call Forward On Failure(CFF)番号へリダイレクトされます。障害発生後に CTI ポートおよびルート ポイントに送られた新規コールのうち、アプリケーションによってオープンされたものでないコールは、それぞれの CFNA 番号にルーティングされます。
RTP イベントは、コール ハンドルの詳細を含む LINE_CALLDEVSPECIFIC イベントとして生成されます。この機能をアクティブにするには、アプリケーションは回線をオープンするときに、拡張バージョン 0x00040001 以上をネゴシエーションする必要があります。
回線の拡張バージョンに依存するため、アプリケーションに対するメディア イベント RTP_START/STOP のレポートが異なります。
拡張バージョンが EXTVERSION_FOUR_DOT_ZERO - 0x00040000 未満の場合:TSP は、Call オブジェクトの存在の有無に関係なく、LINE_DEVSPECIFIC イベントを回線上のアプリケーションにレポートします。この場合、IDLE 状態の後にコールの割り当てが解除されても、RTP_STOP イベントはアプリケーションへ配信されます。
拡張バージョンが EXTVERSION_FOUR_DOT_ZERO - 0x00040000 以上の場合:アプリケーションから Call オブジェクトの割り当てが解除されると、TSP はメディア イベントをレポートします。
したがって、下位互換性を保持するためには、拡張バージョンのチェックを追加する必要があります。そのため、RTP イベントが起きるのは常に IDLE イベントの前であるとは想定しないでください。
Cisco Unified TSP は、シスコの Quality of Service(QoS)ベースラインをサポートしています。Cisco Unified TSP は、TSP から CTI に送信される QBE 制御信号の IP DiffServ コード ポイント(DSCP)のマーキングとして、CTI が ProviderOpenCompletedEvent で送信した "DSCP IP for CTI Applications" というサービス パラメータの値を追加します。Cisco TAPI Wave ドライバは、CTI が StartTransmissionEvent で送信した値で、RTP パケットにマーキングします。StartTransmissionEvent で受信した DSCP 値は LINECALLINFO 構造体の DevSpecific 部分に保存され、QoS インジケータが指定された LINECALLINFOSTATE_DEVSPECIFIC イベントが発行されます。
(注) | 既存のコールには RTP イベントがないため、コール中にモニタリングを開始した場合、QoS 情報は存在しません。 |
番号(発呼側番号、着信側番号など)の表示設定と実際の番号とは区別する必要があります。たとえば、IP フォンに番号が表示されない場合でも、その情報は Unity VM などの別のシステムで必要になる場合があります。したがって、表示名の番号/名前には、プレゼンテーション表示(PI)フラグを関連付けて、その情報をユーザに表示するかどうかを指定する必要があります。
ルート パターンとトランスレーション パターンで、通話者の DN/名前の PI フラグをコールごとに設定するかリセットします。パターンが番号と一致した場合は、そのパターンに関連付けられた PI 設定がそのコールの情報に適用されます。
トランク デバイスの設定で、通話者ごとに "Allow(許可)"オプションまたは "Restrict(制限)"オプションを選択できます。その後は、このトランクからのすべてのコールで、対応する通話者情報に関連付けられた PI フラグがセットされます。
Cisco Unified TSP は、この機能をサポートしています。すべてのフラグが Restricted(制限)に設定されているトランスレーション パターンを使用してコールが発信された場合は、発信者 ID/名前、着信者 ID/名前、およびリダイレクト ID/名前が、空白のままアプリケーションに送信されます。名前と通話者番号の両方が Restricted(制限)に設定されている場合は、LINECALLPARTYID フラグも Blocked(ブロック)に設定されます。
アプリケーション開発の際には、Cisco TAPI Service Provider がサポートしている機能だけを使用してください。たとえば、Cisco TAPI Service Provider では、転送はサポートされていますが、Fax 検出はサポートされていません。サポート対象外のメディアやベアラ モードが必要なアプリケーションは、期待どおりに機能しないおそれがあります。
Cisco Unified TSP を設定することにより、ファーストパーティまたはサードパーティの呼制御が可能になります。
ファーストパーティ呼制御の場合、アプリケーションがオーディオ ストリームを終端します。これには通常、シスコの Wave ドライバが使用されます。Wave ドライバの代わりにアプリケーションでオーディオ ストリームを制御する場合は、シスコ デバイス固有拡張を使用します。
サードパーティ コール制御では、オーディオ ストリーム終端デバイスの制御は Cisco Unified Communications Manager に"ローカル"ではありません。このようなケースでは、デスク上の IP Phone や、アプリケーションで管理される IP Phone のグループがコントローラになります。
(注) | シスコではサードパーティ製デバイスに対する CTI デバイスのモニタリングや呼制御はサポートしていません。 |
ファーストパーティ呼制御では、Cisco Unified Communications Manager に CTI ポート デバイスがあることが条件です。ポートごとに処理できるアクティブなオーディオ ストリームを 1 回に 1 本だけなので、ほとんどの構成は、1 ポートにつき 1 回線になります。
TAPI アプリケーションを実行して、LINEMEDIAMODE_AUTOMATEDVOICE および LINEMEDIAMODE_INTERACTIVEVOICE を要求し、ポート デバイスの回線をオープンするまでの間、システム内に CTI ポート デバイスは実質的に存在しません。ポートがオープンされない限り、その CTI ポート デバイスに関連付けられたディレクトリ番号にコールしても、ビジー トーンまたはリオーダー トーンが返されます。
IP アドレスと UDP ポート番号は、静的に指定される(同じ IP アドレスと UDP ポート番号がすべてのコールに使用される)か、動的に指定されます。デフォルトでは、CTI ポートでは静的登録が使用されます。
ダイナミック ポート登録機能では、コールごとに IP アドレスと UDP ポート番号を設定できます。現状では、CTI ポートの登録時に IP アドレスと UDP ポート番号が指定され、その CTI ポートが登録されている間は静的に固定されています。その CTI ポートに対する確立要求をメディアが受け取ると、システムはすべてのコールで同じ静的 IP アドレスと UDP ポート番号を使用します。
ダイナミック ポート登録を使用する場合は、各コールで使用する IP アドレスと UDP ポート番号を指定する前に他の機能を呼び出さないでください。IP アドレスと UDP ポート番号の設定前に機能を呼び出すと正しく動作せず、メディアのタイムアウトの発生のタイミングに応じてコールの状態が設定されます。
CTI ルート ポイントの制御には、Cisco Unified TAPI を使用できます。CTI ルート ポイントを使用すると、Cisco Unified TAPI アプリケーションは、膨大なキュー中の着信コールをリダイレクトできます。これにより、コールの着信時に話中になるのを防ぐことができます。
CTI ルート ポイント デバイスには、LINEADDRCAPFLAGS_ROUTEPOINT というアドレス機能フラグがあります。このタイプの回線をオープンしたアプリケーションは、すべての着信コールを処理できます(接続解除、受信、または他のディレクトリ番号へのリダイレクト)。リダイレクションの決定は、発信者 ID 情報や、時刻など、プログラムで取得できるさまざまな情報を基準にして実行できます。
ルート ポイントでメディア終端機能を使用すると、ルート ポイントでアプリケーションからメディアを終了できます。この機能を利用すると、ルート ポイントにあるコールに対してメディアを確立する際に、IP アドレスとポート番号をアプリケーションから渡すことができます。
Cisco Unified TSP は、コール パーク ディレクトリ番号(Call Park DN)上のコールのコール モニタリングをサポートしています。Cisco Unified TSP は、LINEDEVCAPS 構造体のデバイス固有拡張機能により、TAPI アプリケーションによるコール パーク DN 回線と他の回線との区別します。アプリケーションがコール パーク DN 回線をオープンすると、そのコール パーク DN で保留されているすべてのコールがアプリケーションに通知されます。アプリケーションは、コール パーク DN で保留されているコールに対して、呼制御機能を実行できません。
コール パーク DN 回線をオープンするには、Cisco Unified Communications Manager の Cisco Unified TSP ユーザの管理画面のユーザ設定で Monitor Call Park DNs にチェックマークを入れます。この権限が付与されていない場合には、初期化中に、アプリケーションがコール パーク DN 回線を認識できなくなります。
Cisco Unified TAPI ソリューションでは、TAPI アプリケーションと Cisco Unified TSP を同じマシンにインストールします。といっても、Cisco Unified TAPI アプリケーションと Cisco Unified TSP が、相互に直接通信するわけではありません。TAPI アプリケーションと Cisco Unified TSP の間には、Microsoft 社によって提供された中間レイヤがあります。このレイヤは TAPISRV と呼ばれ、これにより複数の TSP を同一マシン上にインストールできるようになります。このことは、Cisco Unified TAPI アプリケーション側から意識する必要はありません。TAPI アプリケーション側から見た唯一の相違点は、制御できる回線の数が増えることだけです。
たとえば、Cisco Unified TSP1 で 100 回線が利用され、Cisco Unified TSP2 でも 100 回線が利用されていると仮定します。Cisco Unified TSP が 1 つのアーキテクチャでは、Cisco Unified TSP としては Cisco Unified TSP1 のみをインストールします。このとき、Cisco Unified TSP1 は TAPISRV に対して、100 回線をサポートしていることを伝え、TAPISRV はアプリケーションに対して、100 回線を制御できることを伝えます。両方の Cisco Unified TSP をインストールするマルチ Cisco Unified TSP アーキテクチャでは、Cisco Unified TSP1 が TAPISRV に対して、100 回線をサポートしていることを伝え、Cisco Unified TSP2 も TAPISRV に対して、100 回線をサポートしていることを伝えます。TAPISRV が、この回線数を合わせて、200 回線をサポートしていることをアプリケーションに伝えます。アプリケーションは TAPISRV と情報を交換し、TAPISRV は適切な Cisco Unified TSP との情報交換を処理されます。
各 Cisco Unified TSP は、Cisco Unified Communications Manager ディレクトリで管理する異なるユーザ名とパスワードで設定してください。また、各ユーザに関連付けられているデバイスが重複しないように、各ユーザのデバイス関連付けの設定をします。マルチ Cisco Unified TSP システム内の各 Cisco Unified TSP 同士は、情報交換しません。マルチ Cisco Unified TSP のシステム内の各 Cisco Unified TSP は、次の図に示すように、CTI Manager との CTI 接続を個別に作成します。複数の Cisco Unified TSP を使用すると、スケーラビリティおよびパフォーマンスの向上につながります。
CTI デバイス/回線制限が実装されている場合は、CTIRestricted フラグがデバイスまたは回線ごとに設定されます。デバイスが制限されている場合は、そのデバイスに対して設定されているすべての回線が制限されていると見なされます。
Cisco Unified TSP は、制限されているデバイスおよび回線をアプリケーションにレポートしません。Cisco Unified Communications Manager の管理から CTIRestricted フラグを変更すると、Cisco Unified TSP は通常のデバイスまたは回線の追加または削除として処理します。
シスコは、Cisco Unified Communications Manager の少なくとも 1 つ前のメジャー リリースに対してインターフェイスの下位互換性を保持する方針をとっています。ただし、Cisco Unified Communications Manager の新規の各メジャー リリースとの互換性を保つために、必要に応じて Cisco Technology Developer Program メンバ アプリケーションの再テストと更新を実施するようにお願いいたします。
必要な更新の件数と範囲を減らすため、すべての開発者(Cisco Technology Developer Program の開発者を含む)には次の対策が推奨されます。
イベントやメッセージの順番は変わる場合があります。開発者は、イベントまたはメッセージの順番は考慮しないでください。たとえば、機能の呼び出しのときに、独立したトランザクションが複数ある場合、イベントまたはメッセージはインターリーブされることがあります。2 番めのトランザクションに関連するイベントが、1 番目のトランザクションに関連するメッセージの前になることがあります。また、インターフェイスの制御が及ばないために(ネットワークや転送の障害など)、イベントまたはメッセージが遅延する場合があります。プロトコル オペレーションにおいて順序が必須の場合でも、アプリケーションは、順序が入れ替わったイベントやメッセージを処理できなければなりません。
インターフェイスのイベントまたはメッセージ内の要素の順序は、プロトコル仕様の制約の範囲内で変わる場合があります。開発者は、必要がなければ情報を解釈する目的で要素の順序を考慮することは避けてください。
インターフェイスのイベント、メソッド、応答、ヘッダー、パラメータ、属性などの要素が新規に追加されたり、既存要素に新しい値が設定されたりすることがあります。開発者は、新規の要素または既存要素の新しい値に対し、必要に応じて無視するか、一般的な処置をとる必要があります。
インターフェイスの既存のイベント、メソッド、応答、ヘッダー、パラメータ、属性などの要素はそのままにし、障害の修復が必要であれば、整合性をとって可能な限り元の意味と動作を保持します。
障害が修復するとインターフェイスの動作が変わる場合があるため、障害に起因する動作(公開されたインターフェイス仕様と整合性がとれない動作)にアプリケーションが影響を受けないようにする必要があります。
非推奨のメソッド、ハンドラ、イベント、応答、ヘッダー、パラメータ、属性などの要素は、できる限り早くアプリケーションで使用しないようにすることで、それらの非推奨項目が Cisco Unified Communications Manager から削除されたときに発生する問題を回避する必要があります。
アプリケーションの開発者は、新規機能および新しくサポートされるデバイス(電話機など)には上位互換性のないものがあることに注意する必要があります。新規機能および新規デバイスを使用する場合、互換性保持のためや、新規機能と新規デバイス利用のために、アプリケーションの変更が必要になることがあります。