フレキシブル DSCP マーキングおよびビデオ プロモーションの概要
デバイスおよびアプリケーションは、Differentiated Services Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)マーキングを使用して、IP コミュニケーションのサービス品質(QoS)を示します。たとえば、デスクトップ ビデオ エンドポイントはビデオ メディア ストリーム用にマルチメディア会議 AF41 マーキングを使用できますが、一方で高画質ビデオ ルーム システムはリアルタイム インタラクティブ CS4 マーキングを使用できます。アプリケーションが同じタイプのアプリケーションとの間で IP コミュニケーションを送受信している場合、DSCP マーキングは対称的であり、各アプリケーションが送受信する IP コミュニケーションの QoS 処理は同一です。ただし、アプリケーションが異なるタイプのアプリケーションとの間でメディアを送受信すると、DSCP マーキングは非対称となり、各アプリケーションが送受信する IP コミュニケーションの QoS 処理において一貫性が失われる場合があります。たとえば、ビデオ ルーム システムがデスクトップ ビデオ エンドポイントから受信するビデオ メディア ストリームの QoS 処理が、ビデオ ルーム システムの期待される品質をサポートするには不十分な場合があります。
デバイスおよびアプリケーションは、確立されたセッションの間、十分な帯域幅が使用できるようにするため、コール アドミッション制御(CAC)に従います。確立されたセッションによって使用されている帯域幅は、セッションの開始と終了の時点で更新されます。使用可能な帯域幅を超えた新しいセッションの確立試行はブロックされます。異なるタイプのデバイスおよびアプリケーションの場合、使用可能な帯域幅の量は独立して追跡できます。たとえば、帯域幅の独立トラッキングは、デスクトップ ビデオ エンドポイントと高画質ビデオ ルーム システムがビデオ メディア ストリームを送受信するために使用できます。
同じタイプのデバイスとアプリケーションが通信を送受信している場合は、各方向で同じタイプの帯域幅控除が実行されます。ただし、異なるタイプのデバイスやアプリケーションが通信を送受信している場合は、各方向で異なるタイプの帯域幅控除が実行されます。さらに、帯域幅控除は通常、量は対称で、設計によって IP ネットワークの通常の動作を反映します。その結果、異なるタイプのデバイスとアプリケーションが通信を送受信している場合、総帯域幅控除は最大で実際に使用されているネットワーク帯域幅量の 2 倍に達することがあります。帯域幅アカウンティングにおけるこの不一致によって、新しいセッションの確立試行が不必要にブロックされる場合があります。
フレキシブル DSCP マーキングおよびビデオ プロモーション機能を使用すると、より有利な CAC および QoS 処理を受けるアプリケーションを優先するように帯域幅アカウンティングの不一致を調整するビデオ プロモーション ポリシーを設定できます。たとえば、デスクトップ ビデオ エンドポイントと高画質ビデオ ルーム システム間のセッションがビデオ ルーム システムを優先するように調整された場合、その後、調整はデスクトップ ビデオ エンドポイントのプロモーションと見なされます。
調整が異なるタイプのデバイスとアプリケーションの間で有効になると、帯域幅は調整によって優先されるアプリケーション タイプの分のみ控除されます。このタイプのセッションを許容するために十分な帯域幅が使用可能な場合、調整によって優先されないタイプのデバイスまたはアプリケーションは、使用している DSCP マーキングを、調整によって優先されるタイプのデバイスまたはアプリケーションで使用される DSCP マーキングに変更するように指示されます。たとえば、デスクトップ ビデオ エンドポイントが高画質ビデオ ルーム システムとのセッションでプロモートされると、帯域幅アカウンティングは、デスクトップ ビデオ エンドポイントがビデオ ルーム システムと同じタイプのアプリケーションであるかのように動作します。デスクトップ ビデオ エンドポイントは、DSCP マーキングを、ビデオ ルーム システムが使用している DSCP マーキングに変更するように指示されます。QoS 処理は双方向で一貫しており、帯域幅はビデオ ルーム システムと同じタイプのデバイスとアプリケーション間のセッション分が控除されます。デスクトップ ビデオ エンドポイントと同じタイプのデバイスとアプリケーション間のセッション分の帯域幅は控除されません。
フレキシブル DSCP マーキングおよびビデオ プロモーション機能を有効にすると、Unified Communications Manager は動的にデスクトップ ビデオ デバイスに、それぞれのネゴシエートされたメディア ストリームの DSCP マーキングを示すトラフィック クラス ラベルを通知します。