複数ドメインのシナリオ
複数ドメインの動作は、ドメインの優先順位に基づきます。異なるドメインで同じキー値を持つオブジェクトは、同期後、優先順位の高いドメインのデータが優先順位の低いドメインのデータを書き換えます。
同じキー値を持つオブジェクトは、データベース内の 1 つのレコードにリンクされます。
「User」のキー値はメール アドレス、「Group」のキー値はグループ名です。
複数ドメインの使用例
この例では、次の 2 つのドメインがある組織を想定します。優先順位に基づく example1.com と example2.com。
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user1(メール:user@example1.com)を example1.com の Active Directory に追加する。
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group1(グループ名:Test)を example1.com の Active Directory に追加する。
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user2(メール:user@example2.com)を example2.com の Active Directory に追加する。
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group2(グループ名:Test)を example2.com の Active Directory に追加する。
- example1.com の同期
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使用例として、user2 と group2 はクラウドに同期され、https://admin.ciscospark.com に表示されます。user1 と group1 は同期しません。
example1.com に完全な同期、または差分同期を実行すると、user1 と group1 が同期されます。また、user2 と group2 は user1 と group1 の情報で上書きされます。
user1 は user2 に同じレコードとしてデータベースでリンクされています。group1 は group2 に同じレコードとしてデータベースでリンクされています。
- example1.com と example2.com の同期
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使用例として、user2 と group2 はクラウドに同期され、https://admin.ciscospark.com に表示されます。user1 と group1 は同期しません。
以下の手順を考えます。
- example1.com の Active Directory で user1 と group1 を削除します。
- example1.com の完全な同期、または増分同期を行います。
結果:https://admin.ciscospark.com でユーザの情報が変更されません。user2 は user1 にリンクされていません。また、group2 は group1 にリンクされていません。
- example2.com の差分同期を実行します。
結果:https://admin.ciscospark.com でユーザの情報が変更されません。
- example2.com の完全な同期を実行します。
結果:user2 と group2 の情報が https://admin.ciscospark.com に一覧表示されます。
新規ドメインの同期と既存ドメインの保存
別の既存ドメイン(A)上に同期済みユーザのデータを保持しながら、新しいドメイン(B)を同期する場合は、ドメイン(B)の同期用の Directory Connector をサポートされている Windows サーバにインストールします。コネクタは、初期セットアップ後に新しいドメインにバインドされ、ドメイン(A)にあるユーザ情報は影響を受けません。
すべてのドメインには、それぞれにアクティブなコネクタが必要です。2 つのドメインで、ドメイン A には高可用性(HA)のためにコネクタ(ca1)と(ca2)、ドメイン B にはコネクタ(cb1)を設定することを考えます。(ca1)と(ca2)はドメイン A で使用します。このシナリオでは、一方のコネクタがアクティブで、もう一方のコネクタはスタンバイです(HA)。この設計では、一方のコネクタが常にアクティブであるため、ドメインの同期が継続されます。ドメイン A にはアクティブなコネクタがすでにあるため(ca1 または ca2)、cb1 をドメイン B のアクティブなコネクタにします。
ドメインの優先順位の設定
Active Directory ドメインの優先順位を変更するには、次の手順に従います。ドメインの優先順位により、プライマリ ドメイン、セカンダリ ドメインなどを判断できます。これは、ドメインがそれぞれ異なる 2 人のユーザが同じメール値を持ち、それを 1 つの組織に同期する場合に役立ちます。
Directory Connector に一覧表示されているドメインが 1 つの場合は、この手順を使用しないでください。手順を実行しようとすると、ドメインに優先順位を設定する必要がないことを示すメッセージが表示されます。
始める前に
エラーを避けるために、最新バージョンの Cisco Directory Connector をインストール(またはアップグレード)します。最新バージョンは、https://admin.ciscospark.com からダウンロードする必要があります。
手順
ステップ 1 |
Cisco Directory Connector の [ダッシュボード(Dashboard)] をクリックします。 |
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ステップ 2 |
[アクション(Actions)] に移動し、[ドメインの優先順位の設定(Set Domain Priority)] をクリックします。 |
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ステップ 3 |
リスト内の 1 つのドメインをハイライトし、[アップ(Up)] または [ダウン(Down)] をクリックしてこのドメインの優先順位を変更し、[保存(Save)] をクリックして変更を保存します。
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ドメインの切り替え
次の手順に従い、Cisco Directory Connector を別のドメインに再バインドします。
始める前に
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ドメインを切り替える前に、実行中の同期タスクがないことを確認します。
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エラーを避けるために、最新バージョンの Directory Connector をインストール(またはアップグレード)します。最新バージョンは、https://admin.ciscospark.com からダウンロードする必要があります。
手順
ステップ 1 |
Cisco Directory Connector の [ダッシュボード(Dashboard)] をクリックします。 |
ステップ 2 |
[アクション(Actions)] に移動し、[スイッチドメイン(Switch Domain)] をクリックします。 |
ステップ 3 |
表示される注意を読み、この変更が導入環境に与える影響を理解した上でやはり切り替える場合は、[はい(Yes)] をクリックします。 ドメインを切り替える場合、現在の Cisco Directory Connector からサインアウトすると、コネクタに他のドメインが登録されていなければ、そのコネクタ情報はコンピュータから削除されます。 |
ステップ 4 |
Directory Connector にサインインし直し、ドメインを再バインドします。 |