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Cisco IP Communicator では、インストールしてから最初に使用するまでに、いくつか設定する必要があります。少なくとも、ユーザはオーディオ調整ウィザードを使用して、オーディオ デバイスを選択および調整する必要があります(Cisco IP Communicator を正しく動作させるためには、ユーザが起動時にその他の設定作業を行わなければならない場合もあります)。
サポート対象外の VPN クライアントに依存しているユーザが存在する場合は、Cisco IP Communicator Administration Tool を実行して、HTTP アクセスを有効化する必要があります(まだ有効化していない場合)。
また、ユーザに管理者特権のない環境で Cisco IP Communicator を使用している場合、および複数のユーザが PC を共有している場合は、管理者アカウントを使用して各マシンの Cisco IP Communicator をインストール後に一度実行し、必要に応じてデバイス名と TFTP サーバを選択する必要があります。これらの設定は PC に保持されます。この環境における他の設定内容はすべてユーザに従います。
次の表は、管理者またはユーザが実行する必要のある設定作業の概要を示しています。これらの作業を省略した場合、Cisco IP Communicator が正しく機能しないか、ユーザが特定の機能にアクセスできない可能性があります。これらの作業が必要かどうかは、クライアント PC の設定、ユーザのソフトウェア VPN のソリューションなどの要素によって異なります。
• 表4-1 :インストール後に必要な設定作業
• 表4-2 :インストール後に推奨される設定作業(省略可)
表に記載されている作業の詳細な説明については、「インストール後の設定作業の詳細」を参照してください。
(注) • インストール後の作業をユーザが実施する場合は、『Cisco IP Communicator ユーザ ガイド』へのアクセスを含め、詳細な指示や説明を提供する必要があります。「インストール後の設定作業に関わるユーザへの補助」を参照してください。
• 設定によっては(オーディオのポート範囲のカスタマイズなど)、ローカル(クライアント PC 上)とリモート(Cisco Unified CallManager Administration)の両方で設定できるものもあります。設定の値がローカルで変更された場合、変更後の値がアクティブな値となり、リモートで指定された値は上書き(無効化)されます。このため、クライアント PC 上で設定が変更された場合、クライアント PC 上でしかそれを変えることはできません。「ローカル設定について」を参照してください。
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初回の起動時に必要です。この設定によって、インストール済みのオーディオ デバイスが Cisco IP Communicator によって検出されます。 |
オーディオ調整ウィザードを使用します。このウィザードは、初回の起動時に自動的に起動されます。手動で起動するには、Cisco IP |
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ネットワークで有効な DHCP オプション 150 を使用していない場合、または代替の TFTP アドレスを指定する場合(展開の際にコマンドライン オプションでこの変数を指定していなかったときのみ)に必要です。 |
Cisco IP Communicator 上で右クリックし、 [設定]>[ネットワーク]>[TFTP サーバ] を選択します。 ユーザが PC を共有していて、管理者特権を持っていない場合は、管理者アカウントを使用してこの作業を行う必要があります。 |
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クライアント PC に複数のネットワーク インターフェイスが存在する場合、またはクライアント PC がドッキング ステーションの付いたラップトップである場合(展開の際にコマンドライン オプションでこの変数を指定していなかったときのみ)に必要です。 |
Cisco IP Communicator 上で右クリックし、 [設定]>[ネットワーク]>[デバイス名] を選択します。 ユーザが PC を共有していて、管理者特権を持っていない場合は、管理者アカウントを使用してこの作業を行う必要があります。 |
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Cisco IP Communicator Administration Tool |
サポート対象外の VPN クライアントが原因となる、オーディオ IP アドレスの検出に関連した問題を解決するために必要です。リモート ユーザへの自動アップデートの速度を上げたり、Directory Wizard をインストールしたりする場合にもお勧めします。 |
製品ソフトウェア ダウンロード Web サイトからツールを入手し、 |
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Cisco Unified CallManager Administration で、 User > Add a New User... を選択します。 |
次のトピックでは、 表4-1 および 表4-2 で紹介したインストール後に必要な設定作業や推奨される設定作業について、より詳細に説明しています。
インストール後に必要な作業は、Cisco IP Communicator が正しく機能したり、ユーザが重要な機能にアクセスできるようにするために必要な作業として定義されます。
Cisco IP Communicator を初めて実行すると、オーディオ調整ウィザードを使用してオーディオ デバイスを選択および調整するように求められます。ユーザがこの作業を完了するまで Cisco IP Communicator は起動しません。
これ以降、オーディオ調整ウィザードの使用を求めるプロンプトは、選択しようとしたオーディオ デバイスが(調整されていないために)見つからない場合や、ユーザがオーディオ デバイスで音量を直接変更した場合にのみ表示されます。ユーザがウィザードを任意に起動するには、Cisco IP Communicator インターフェイスの右クリック メニューまたは Windows の[スタート]メニューを使用します。
ユーザがデバイス ドライバの必要なオーディオ デバイスを使用するには、デバイスのオーディオ モード(スピーカフォン モード、ヘッドセット モード、または受話器モード)を少なくとも 1 つ選択しておく必要があります。また、着信コールを知らせるのに使用するデバイスを呼出音として選択しておく必要もあります。オーディオ モードの選択の詳細については、『 Cisco IP Communicator ユーザ ガイド 』を参照してください。
Cisco IP Communicator を初めて起動すると、オーディオ調整ウィザードによってオーディオ モードや呼出音に使用するデバイスの選択が求められます。それ以降は、次のいずれかを使用してデバイスを選択できます。
各オーディオ モードと呼出音のデバイスを選択しても、デバイスを調整しないと使用できません。デバイスの調整とは、テストし、必要に応じてデバイスの入出力レベルを調節することです。
オーディオ調整ウィザードは、この作業を完了するための唯一の方法であり、次の性質を持ちます。
• Cisco IP Communicator のインストール後、初回の起動時に実行される
• ユーザが[設定]メニューから未調整のデバイスを選択しようとしたときにポップアップ表示される
• Cisco IP Communicator の右クリック メニューから任意に起動できる
また、オーディオ デバイスの音量レベルが前回の調整時から変更されている場合は、起動時に オーディオ調整ウィザードの起動をうながすプロンプトが表示されます。このプロンプトでは、ユーザにオーディオ デバイスを再調整するか、以前の設定に戻すか、またはキャンセルするかの選択が求められます。
USB デバイスで音量レベルを直接変更(USB ヘッドセットで音量スライダを移動するなど)した場合、オーディオ調整ウィザードで認識されている音量レベルが変更されることに注意してください。ただし、Cisco IP Communicator インターフェイスで音量レベルを変更した場合は、問題ありません。ユーザがまず オーディオ調整ウィザードを使用して、オーディオ デバイスごとに発信と着信の両方について許容できる音量レベルを設定します。その後、Cisco IP Communicator インターフェイスのボリューム コントロールを使用して、コールごとに受信の音量レベルを調節します。この調節によって、ユーザは オーディオ調整ウィザードで許容できる音量設定を維持でき、常に音量を調整する必要がなくなります。この場合、ユーザは オーディオ調整ウィザードを再起動する代わりに、プロンプトで元に戻すためのオプションを選択します。
音質が悪い場合や音が低すぎる場合は、ユーザは[設定]ウィンドウを使用して詳細なオーディオ設定を調節できます。「詳細なオーディオ設定の変更」を参照してください。音質の変更の詳細については、『 Cisco IP Communicator ユーザ ガイド 』のトラブルシューティングの章を参照してください。
(注) Windows 2000 を実行しているコンピュータで Cisco IP Communicator を使用している場合は、オーディオ調整ウィザードを使用して現在アクティブなオーディオ デバイスのマイクロフォン レベルを調整することはできません。通話中でないとき、および別のアプリケーションがオーディオ デバイスを使用していない時に調整してください。この問題は Windows XP ユーザには関係ありません。
多くの場合、ユーザは、最初にオーディオ調整ウィザードのマスターまたは Wave のスライダで音量レベルを高く設定した後、他のアプリケーションでは音声が大きすぎるために、Microsoft Windows のボリューム コントロールやラップトップのサウンド キーでレベルを低くします。その後、Cisco IP Communicator で音声が小さすぎることに気づいた場合、ユーザはメインの Cisco IP Communicator インターフェイスにある音量ボタンを押して通話音量を大幅に高くします。
(注) アプリケーションで音量を高く設定すると、ユーザの音声がひずんで聞こえる場合があります。
次のガイドラインに従い、[オーディオ調整ウィザード]ダイアログボックスを使用して Cisco IP Communicator の音量レベルを調整します。
• 最初にマスター音量スライダを調整します。この設定は、音声を再生するすべてのアプリケーションに影響するため、他のアプリケーション(Microsoft Windows Media Player や RealPlayer など)について設定をテストし、音量レベルが適切であることを確認します。
• マスター音量を調整したら、Wave 音量スライダを通話に適したレベルに調整します。
• Microsoft Windows で音量設定を変更した場合は、オーディオ調整ウィザードを再度実行し、マスターおよび Wave の音量設定を再調整します。
次のいずれかに当てはまる場合は、Cisco IP Communicator のデバイスごとに TFTP サーバを手動で指定する必要があります。
• ネットワークで DHCP オプション 150 を使用していない。
この設定を指定するには、右クリック メニューで [設定] >[ネットワーク]>[TFTP サーバ] を選択します。
ユーザがこの設定を指定する場合、管理者は使用すべき TFTP サーバをユーザに指示する必要があります。
ユーザに管理者特権のない環境で Cisco IP Communicator を使用している場合、および複数のユーザが PC を共有している場合、エンドユーザではこの作業を行うことができません。その代わりに、管理者アカウントを使用して各マシンの Cisco IP Communicator をインストール後に一度実行し、(必要に応じて)ネットワーク インターフェイスを選択する必要があります。この説明は、この状況におけるネットワーク インターフェイス(デバイス名)の選択にも適用されます。「TFTP サーバの指定」を参照してください。
(注) Microsoft Windows インストール パッケージでアプリケーションを展開する際、コマンドライン オプションを使用してデバイス名を指定した場合、インストール後に TFTP サーバを指定する必要はありません。「アプリケーションの展開」を参照してください。
Cisco IP Communicator のデバイス名の形成には 2 つの方法があり、いずれかの方法が使用されます。1 つ目は、インストール プロセスで関連付けられたネットワーク インターフェイスの MAC アドレスを使用する方法です。ネットワーク インターフェイスは、Microsoft Windows インストール パッケージで Cisco IP Communicator アプリケーションを展開する際に、コマンドライン オプションを使用して指定できます(「アプリケーションの展開」を参照してください)。この場合、ユーザがネットワーク インターフェイスを選択する必要はありません。2 つ目は、フリーフォーマットのデバイス名を使用する方法です。フリーフォーマットのデバイス名は、Cisco Unified CallManager 5.0(1) 以降のみで使用できます。フリーフォーマットのデバイス名は、Microsoft Windows インストール パッケージで Cisco IP Communicator を展開する際に、コマンドライン オプションを使用して指定できます(「アプリケーションの展開」を参照してください)。この場合、ユーザはフリーフォーマットのデバイス名を手動で入力する必要はありません。
コマンドライン オプションを使用してデバイス名を指定しない場合、Cisco IP Communicator のインストール時に自動的に関連付けが行われるか、ユーザに選択が求められます。
• クライアント PC 上に有効化されたネットワーク インターフェイスが 1 つしか存在しない場合、Cisco IP Communicator は自動的にそのインターフェイスと関連付けられます。
• 複数のネットワーク インターフェイスが利用可能な場合、ユーザは 1 つを選択するように求められます(初回の起動時のみ)。
• あるいは、Cisco Unified CallManager 5.0(1) 以降に接続する場合、ユーザはフリーフォーマットのデバイス名を入力することもできます。デバイス名は 14 文字以下にする必要があります。また、使用可能な文字は ASCII 文字だけです。
ネットワーク インターフェイスを使用してデバイス名を作成する場合、使用するインターフェイスは、正しく選定してください。Cisco IP Communicator は、Cisco Unified IP Phone(ハードウェアベース)と同様に、デバイス名を Cisco Unified CallManager に識別させるために、関連付けられたネットワーク インターフェイスの MAC アドレスを使用しているからです。このため、Cisco IP Communicator が起動するたびに、関連付けられたインターフェイスがマシン上にインストールされているかどうかが検証されます。この動作によって、ユーザは Cisco IP Communicator の元のデバイス名を変更する必要がなくなります。
ネットワーク インターフェイスを使用してデバイス名を作成する場合、ワイヤレス(802.11)と有線(イーサネット)の両方のネットワーク インターフェイスを使用するラップトップ、またはドッキング ステーションの付いたラップトップのように、複数のネットワーク インターフェイスが存在するときは、固定接続となる可能性が最も高いインターフェイス、または(アクティブでない場合でも)常に有効なインターフェイスを選択するようユーザに指示します。ほとんどの場合、ワイヤレス カード、ドッキング ステーション、PC カードなどではなく、内蔵型のイーサネット カードを選択します(ワイヤレス カードはベース ステーションと関連付けられていない場合に無効になることがあるため使用しません)。ユーザには、選択するネットワーク インターフェイスを具体的に指示することをお勧めします。
(注) Cisco IP Communicator の初回の起動時に、イーサネット インターフェイスが存在すれば、それが自動的に選択されます。ラップトップのドッキング ステーションには、イーサネット インターフェイスが増設されていることがあるので、ラップトップのユーザには、ドッキングを解除してから Cisco IP Communicator を初めて起動するように指示します。これによって、Cisco IP Communicator で適切なネットワークが選択されます。
ユーザに管理者特権のない環境で Cisco IP Communicator を使用している場合、および複数のユーザが PC を共有している場合は、ユーザはデバイス名を選択できません。その代わりに、管理者アカウントを使用して各マシンの Cisco IP Communicator をインストール後に一度実行し、(必要に応じて)デバイス名を選択する必要があります。この説明は、この状況における TFTP 設定の選択(必要に応じて)にも適用されます。「TFTP サーバの指定」を参照してください。
ネットワーク インターフェイスを使用してデバイス名を作成する場合、関連付けられたネットワーク インターフェイスが後で無効化されるか削除されたとき、ユーザはインターフェイスを再インストールするか、または新しいインターフェイスを選択するように求められます。管理者またはユーザが新しいインターフェイスを選択する場合、管理者は Cisco Unified CallManager で新しいデバイス レコードを作成して、ユーザの元の DN、ソフトキー テンプレート、設定などを保存しておく必要があります。古いデバイス レコードは削除します。
新しいインターフェイスの選択にあたって、システム管理者に問い合せるようユーザに指示します。
Cisco IP Communicator が実行されている PC でサポート対象外のソフトウェア VPN クライアントが使用されている場合、オーディオ IP アドレスの自動検出は動作しません。このため、単方向オーディオになります。
• まず、Cisco IP Communicator Administration Tool を実行して、HTTP アクセスを有効にするためのオプションを選択します。この操作によって、getIP.asp リフレクタ Web ページが作成されます(詳細については、「Cisco IP Communicator Administration Tool の実行」を参照してください)。
• 次に、Cisco Unified CallManager Administration で getIP.asp Web ページの場所を指定します( Device > Phones > Phone Configuration > Product Specific Configuration > IP Address Auto-detection URL )。
デフォルトでは、getIP.asp は
http://<server>/communicatorloads/communicator/getIP.asp に格納されています。
getIP.asp リフレクタ Web ページの場所を変更する場合は、デフォルトの場所から getIP.asp をコピーして新しい場所に置き、Cisco Unified CallManager
Administration で新しい URL を入力します(上の箇条書きの 2 番目を参照してください)。場所を変更する場合、自動検出を正しく機能させるために、getIP.asp は Microsoft IIIS Web サーバ上に置いておく必要があります。
ヒント オーディオ IP アドレスの設定は、Cisco IP Communicator インターフェイス(右クリック >[設定]>[オーディオ]>[ネットワーク]>[オーディオのIPアドレス])で表示および設定することができます。
サポートされているソフトウェア VPN クライアントは、Cisco VPN Client 3.x または 4.x、および Microsoft PPTP クライアントです。サードパーティ製の VPN クライアントはサポート対象外となっている可能性があります。シスコの製品以外でネットワーク インターフェイス カードのように機能しない VPN ソリューションは、通常、サポートされません。
Cisco IP Communicator における VPN のオーディオ IP アドレスの取得について
ソフトウェア VPN クライアントは、既存の IP ネットワークの最上位にオーバーレイされます。つまり、VPN が使用されているときは、コンピュータ上に次の 2 つの IP アドレスが本質的に存在することになります。
• VPN クライアントから提供される IP アドレスで、コンピュータ上のアプリケーションと通信するための接続相手が使用するもの
Cisco VPN Client 3.x のような VPN クライアントでは、かなり下位の VPN IP アドレスが割り当てられるため、Cisco IP Communicator で正しいアドレスを指定することが難しくなります。Cisco IP Communicator は、Cisco VPN Client に直接問い合せることで、この問題を回避します。
それ以外の VPN クライアント(Microsoft PPTP クライアントおよび Cisco VPN Client 4.x)は、単に代替のネットワーク インターフェイスとして表示されます。このような場合、複数のインターフェイスが存在する際の選択の解決に使用されるのと同じ自動検出プロセスによって、IP アドレスが選択されます。
サードパーティ製の VPN クライアントはサポート対象外となっている可能性があります。その場合は、単方向オーディオになります。この問題を解決するには、Cisco IP Communicator Administration Tool を実行して、getIP.asp オーディオ IP アドレス リフレクタの Web ページを作成します。次に、Cisco Unified
CallManager Administration でこの Web ページの URL を指定します。Cisco IP Communicator では、自動検出の他の方法を使用する代わりに、このリフレクタ ページの取り出しが試行されます。リフレクタ ページからは、要求の発信元となった IP アドレスが返されます。これは、Cisco IP Communicator の VPN IP アドレスを識別するうえで、比較的信頼性の高い方法です。getIP.asp の作業の詳細については、この項の先頭にある段落(「オーディオ IP アドレスの自動検出に関する問題の解決」)を参照してください。
Cisco IP Communicator で次の設定を行うために、ユーザにユーザ名とパスワードを提供します。
• ディレクトリ:Cisco IP Communicator の右クリック メニューで [設定]>[ディレクトリ] を選択したときに入力するユーザ ID とパスワードをユーザに提供します。ユーザは、検索対象となるディレクトリのディレクトリ アカウントの資格情報を入力する必要があります。複数のディレクトリが検索対象となっている場合、そのすべてについて資格情報が同じである必要があります。この情報もユーザに提供する必要があります。
次の場合、ユーザは[ディレクトリ]の資格情報を入力する必要があります。
–管理者がクイック検索の設定ファイル(LdapDirectories.xml)でグローバルな資格情報を入力していない状態で、ユーザが社内ディレクトリの検索にクイック検索を使用する場合(LdapDirectories.xml は Directory Wizard で設定できます。また、Cisco IP Communicator Administration Tool から利用できます。詳細については、「クイック検索の設定」を参照してください)
–ユーザが個人ディレクトリの検索にクイック検索を使用する場合(個人ディレクトリは「ユーザ ベースの認証」を使用するように設定されており、グローバルな資格情報は使用できません)
• ユーザ オプション:Cisco IP Communicator の右クリック メニューで [設定]>[ユーザ] を選択したときに入力するユーザ ID とパスワードをユーザに提供します。資格情報は、ユーザが使用している Cisco Unified CallManager の資格情報とする必要があります。ユーザがこの情報をまだ得ていない場合は、必要に応じて提供します。
次の場合、ユーザは[ユーザ]の資格情報を入力する必要があります。
–ユーザがユーザ オプション Web ページにアクセスする場合
–ユーザが個人ディレクトリの検索にクイック検索を使用する場合(この場合は、ユーザ ID フィールドのみ必要です。このフィールドによって、Cisco Unified CallManager ディレクトリ内の個人ディレクトリの場所が決まります)
• Cisco IP Communicator Administration Tool の実行(P.2-20)
詳細なオーディオ プロパティは、オプション設定です。ユーザは必要に応じて設定を変更し、個人的なプリファレンスで音質を向上させることができます。
詳細なオーディオ設定にアクセスするには、Cisco IP Communicator の右クリック メニュー( [設定]>[オーディオ]>[詳細...] )を使用します。詳細なオーディオ設定の詳細については、 表4-3 を参照してください。
ヒント 音質の問題の詳細については、『Cisco IP Communicator ユーザ ガイド』のトラブルシューティングの項を参照してください。
低帯域幅で接続しているリモート ユーザは、低帯域幅コーデックを使用したほうが音質が向上する可能性があります。
低帯域幅を指定するには、Cisco IP Communicator の右クリック メニューで [設定]>[オーディオ] を選択し、 [低帯域幅のための最適化] チェックボックスをオンにします。
ネットワークで RTP オーディオ用にカスタム ポート範囲が使用されている場合は、必要に応じて、Cisco IP Communicator のオーディオ ポート範囲を選択します。たとえば、オーディオがファイアウォールを通過するように 1 つのポートが開いている場合や、QOS(サービス品質)ポリシーが RTP ポートの制限範囲のルータやスイッチだけに適用される場合は、このオプションを使用します。
これを行うには、Cisco Unified CallManager Administration で、 Phone Configuration > Product Specific Configuration を選択します。または、ユーザが Cisco IP
Communicator 上で右クリックし、 [設定]>[オーディオ]>[ネットワーク]>[オーディオのポート範囲] を選択してもかまいません。
(注) ローカル設定のアクセスが無効になっていない限り、オーディオ ポート範囲はローカル(クライアント PC 上)でもリモート(Cisco Unified CallManager
Administration)でも設定できます。値がローカルで変更された場合、変更後の値がアクティブな値となり、リモートで指定された値は上書き(無効化)されます。このため、クライアント PC 上で設定が変更された場合、クライアント PC 上でしかそれを変えることはできません。
ネットワークへの接続に使用されている VPN クライアントによっては、Cisco IP Communicator をリモートまたは LAN 以外で実行するユーザにとって、Cisco IP Communicator インターフェイスの特定の設定を変更しなければならない場合があります。これらの設定について、 表4-4 で説明します。
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低帯域幅で接続しているリモート ユーザは、低帯域幅コーデックを使用したほうが音質が向上する可能性があります。低帯域幅コーデックの使用時に、ユーザは受信フィルタや発信フィルタを適用することもできます。詳細については、「詳細なオーディオ設定の変更」を参照してください。 |
Cisco IP Communicator 上で右クリックし、 [設定]>[オーディオ]>[低帯域幅のための最適化] |
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リモート ユーザが DHCP から TFTP アドレスを受け取ることはありません。ただし、Cisco IP Communicator では、直前に受け取った TFTP アドレスがキャッシュされ、可能であれば次回の起動時に使用されます。 アプリケーションを新しくインストールした後、リモート ユーザは TFTP アドレスを指定しない限り Cisco IP Communicator を使用できません。 |
Cisco IP Communicator 上で右クリックし、 [設定]>[ネットワーク]>[次のTFTPサーバを使用:] を選択します。 「TFTP サーバの指定」を参照してください。 |
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まだこの作業を行っていない場合は、Cisco IP |
HTTP アクセスを有効にすると、リモート ユーザへの自動アップデートの速度を上げることができます |
ソフトウェア ダウンロード サイト( http://www.cisco.com/cgi-bin/tablebuild.pl/ip-comm )からツールを入手して実行し、HTTP アクセスを有効化するためのオプションを選択します。Cisco Unified CallManager Administration で URL を指定します( Device > Phones > Phone |
インストール後の作業(必須作業か推奨作業かに関わらず)の多くは、クライアント PC 上でローカルに実行することができますが、一部の作業では Cisco Unified CallManager Administration Web インターフェイスへのアクセスが要求されるために、管理者が実行する必要があります。
また、設定によっては(オーディオのポート範囲のカスタマイズなど)、ローカル(クライアント PC 上)とリモート(Cisco Unified CallManager Administration)の両方で設定できるものもあります。設定の値がローカルで変更された場合、変更後の値がアクティブな値となり、リモートで指定された値は上書き(無効化)されます。このため、クライアント PC 上で設定が変更された場合、クライアント PC 上でしかそれを変えることはできません。
このような事態を防ぐには、一部のネットワーク設定へのアクセスを無効にして、クライアント PC 上で淡色表示されるようにします。この作業は、展開に先立ってデバイスのプロビジョニングを行うときに実行することをお勧めします。詳細については、「ローカル設定アクセスの無効化」を参照してください。
例外はありますが、Cisco IP Communicator を正しく機能させるためのインストール後の設定作業のほとんどは(推奨作業か必須作業かに関わらず)、クライアント PC 上で実行する必要があるため、ユーザが作業を実行することも想定されます。
管理者としては、ユーザに代わってクライアント PC でインストール後の設定作業を実行する準備ができている必要があります。または、ユーザが自分自身で作業を行うために必要な情報を提供する必要があります。『 Cisco IP Communicator ユーザ ガイド 』には、ユーザがインストール後の設定を実行するときの参考となる一般的な情報が含まれています。ただし、ユーザが管理者からの具体的な指示を必要とする場合もあります。ユーザが認識または解釈しにくいような、技術的な条件に基づいた推奨作業が多数を占めるからです。
ユーザが作業を行う際のガイドとして提供すべき情報の種類を決めるときは、「インストール後の設定作業の概要」に記載された設定作業を参考にしてください。