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この章では、Cisco IP テレフォニー ソリューションおよび Cisco CRA ファミリー製品のコンポーネントについて説明します。
Cisco CRA バージョン 3.0 は、厳密に統合されたプラットフォームです。この統合プラットフォームは、ビジネス統合を簡素化し、エージェント管理作業を軽減し、エージェントの柔軟性を高め、ネットワーク ホスティングを整備することにより、任意のコンタクト センターの効率を向上させる目的で設計されています。
これらの機能はビジネス コストを削減し、コンタクト センターが顧客に対応する際の レスポンスを向上させます。
Cisco CRA 3.0 ソリューションは、Cisco IP IVR、Cisco IP ICD、および Cisco IP QM の 3 つのソフトウェア パッケージが組み合されています。1 台のサーバに統合されるため、エージェント ロケーションにおける独立性が提供され、エージェントのスケーラビリティが向上し、スキルベースのルーティングおよびプライオリティ キューイングなどの Automatic Call Distribution(ACD)の機能が充実します。
Cisco CRA 3.0 は Cisco AVVID(Architecture for Voice, Video, and Integrated Data)および Cisco CallManager と厳密に統合されており、IP による音声配信(VoIP)に対して固有に追加されています。
Cisco CRA IP テレフォニー ソリューション システムには、次のコンポーネントが含まれます。
• ゲートウェイ:企業の IP テレフォニー ネットワークを、公衆電話交換網(PSTN)およびその他の私設電話システム (PBX など) に接続します。
• Cisco CallManager サーバ:IP Phone の実装とゲートウェイの管理に必要な機能を提供します。また、テレフォニー システム用のフェールオーバーおよび冗長性サービスを提供し、Voice over IP(VoIP)トラフィックを Cisco CRA システムに送信します。
• Cisco IP telephony Directory:コンフィギュレーション情報および Cisco CRA のアプリケーションとスクリプトを、リポジトリと呼ばれる LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)ディレクトリに保管します。
LDAP ディレクトリにアプリケーションおよびスクリプトを保管すると、すべての Cisco CRA アプリケーションおよびスクリプトをネットワーク内のすべての Cisco CRA サーバで共有できます。リポジトリには、回復用に各スクリプトのバックアップ バージョンが 1 つずつ保持されます。
• CRA サーバ:次のアプリケーションを実行する CRA Engine があります。
– Cisco Intelligent Contact Manager(ICM)ルート変換アプリケーション
• Cisco CRA Editor:設計者による Cisco CRA アプリケーション スクリプトの作成、変更、およびデバッグが可能です。
• Cisco IP ICD Agent and Supervisor Desktops:ICD エージェントおよびスーパーバイザによるシステムへのログイン、エージェント状態の変更、およびステータスの監視を可能にするデスクトップ プログラムです。
• Nuance Automatic Speech Recognition(ASR)サーバ:リアルタイムで音声認識を実行する専用サーバです。
• Nuance Text-to-Speech(TTS)サーバ:テキストから変換した音声を発信者に対して再生する専用サーバです。
図 1-1 に Cisco IP テレフォニー ソリューションのコンポーネントを示します。
図 1-1 Cisco IP テレフォニー ソリューションのコンポーネント
Cisco CRA 製品ファミリーには、Cisco IP テレフォニー ソリューション用に多様な応答処理機能が用意されています。
各 CRA 製品は、CRA Engine を使用してアプリケーションを実行し、お客様の問い合せに応答します。どのソフトウェア パッケージを選択するかによって、必要なステップ、コンポーネント、およびサブシステムが異なります。各パッケージには、CRA Editor が含まれます。
次の項では、Cisco CRA 製品ファミリーについて説明します。
Cisco IP IVR は、マルチメディア(音声、データ、Web)による IP 対応のソリューションです。このソリューションは、インターネット技術を利用した IVR アプリケーションの作成と配信のための、オープンかつ豊富な機能を持つ基盤を提供します。Cisco IP IVR は従来の電話応対処理に使用するほか、HTTP 要求への応答用アプリケーションの作成および電子メールの送信にも使用できます。
Cisco IP IVR は、自動的にユーザと対話したり、ユーザ コマンドを処理したりすることで、コマンド応答機能(チェッキング アカウント情報へのアクセスまたはユーザ指定のコール ルータへのアクセスなど)を円滑化し、通話処理を自動化します。また、IP IVR は「prompt and collect」機能を実行し、パスワードやアカウント ID などのユーザ データを取得します。Cisco IP IVR は、Microsoft Structured Query Language (SQL) サーバ、Oracle、Sybase、および IBM DB2 データベースへの Open Database Connectivity (ODBC) アクセスをサポートしています。
Cisco IP IVR パッケージは、IP QM の機能性をサポートし、それにより Cisco IP Call Center(IPCC)ソリューションに加わります。さらに、IP IVR を使用すると、Web ベースのコンテンツを取り出して解析したり、テレフォニー インターフェイスまたは HTTP インターフェイスを使用して、お客様にデータを提示したりすることができます。また、Cisco IP IVR はリアルタイム レポート クライアント、履歴レポート クライアント、および ASR や TTS などの追加機能をサポートしています。
Cisco IP ICD は、IP ベースの ACD システムです。IP ICD は、Cisco CallManager ユーザのグループを宛先とする着信コールを待ち行列に入れ、配信します。
Cisco IP ICD には、Web ベースのリアルタイム レポート システム および履歴レポート システムが組み込まれています。このシステムを使用すると、システム、Contact Service Queue(CSQ)、およびリソースのパフォーマンスを監視できます。
Cisco IP ICD システムには、次の 3 つの主要コンポーネントが含まれます。
• Resource Manager(RM):ICD エージェントの電話を監視します。また、エージェントが処理可能なコールの種類に基づいて、エージェントを構成できます。エージェントの構成は、リソース グループまたはスキルベースで区分して行います。
• CSQ:着信コールを待ち行列に入れ、エージェントが対応可能になると、その着信コールを適切なエージェント グループに配信します。
• ICD Agent and Supervisor Desktops:ICD エージェントおよびスーパーバイザによるシステムへのログイン、ICD 状態の変更、およびステータスの監視を許可します。
次の 3 つの構成の Cisco IP ICD が利用できます。
• IP ICD Standard:初歩レベルのユーザ用に設計されており、基本的な ICD アプリケーションの作成に必要な手順が含まれています。
• IP ICD Enhanced:企業レベルのユーザ用に設計されており、コールの優先順位を割り当てる手順が含まれています。
• IP ICD Enhanced with CTI Option(ICD Enhanced のお客様のみ利用可):企業レベルのユーザ用に設計されており、データベース統合、XML、VoiceXML、HTML Web 統合、カスタム Java 拡張、および電子通知サービスを含む(IPCC 統合を除く) IVR のフル サポートを追加します。
Cisco IP QM は、IP 対応の Voice Response Unit(音声自動応答装置;VRU)のことで、Cisco IP Contact Center(IPCC)が管理するコールのキュー ポイントとして使用されます。発信者が待ち行列(キュー)に入り、対応が可能な IPCC エージェントを待つ間、コールは「prompt and collect」処理を行うため Cisco IP QM に転送されます。
Cisco IP QM は Cisco IPCC の利点を利用します。Cisco IPCC は、コールを複数のサイトに配信することができる、コンタクト センターのハイエンド ソリューションであり、強力なプレルーティングとポストルーティングの機能を備えています。
(注) IP QM は Cisco ICS 7750 システムの Cisco CRA では利用できません。
Cisco IPCC は Cisco ICM ソフトウェアを使用して、VRU システムおよび ACD システムなど、その他のシステムにコールを送信します。
CRA サーバを設定すると、IP QM および Cisco IPCC で機能する付属の ICM VRU インターフェイスを使用できます。
この ICM VRU インターフェイスにより、Cisco ICM スクリプトは、Cisco CRA Editor のステップとロジックを Cisco CRA Engine から起動できます。その結果、Cisco ICM がコールを集中処理できるようになり、コールは、発信者の入力データ、データベースに蓄積されている情報、またはその他のパラメータに基づいて IP テレフォニー システムに送信されます。
CRA 3.0 は CRA 2.x に次の拡張機能が追加されています。
• トランスレーション ルーティングおよびポストルーティングの CTI ポート グループを、トランスレーション アプリケーションおよびポストルート アプリケーションに置き換え、IP QM の効率的なプロビジョニングのため、複数の CTI ポート グループのコンフィギュレーションを可能にします。
• 設定可能な異なるサービス ID を持つ、複数のトランスレーション ルーティングおよびポストルーティングをサポートします。
• 有効な内線に対する CONNECT 要求が成功した後、コール コンタクトに自動的に処理済みのマークを付け、Cisco ICD との整合性を取ります。
• VRU スクリプトでの Delay ステップの使用をサポートします。VRU スクリプトは Cisco ICM による割り込みが可能です。
• Cisco ICM による割り込みが可能なサブスクリプトをサポートします。
• Cisco CRA Editor に、リアルタイム Music on Hold の再生に使用できる Call Hold ステップを追加し、録音済みのミュージック プロンプトを置き換えます。
(注) この機能が動作するには、Cisco CallManager の Music on Hold 機能の設定が必要です。
Cisco CRA Engine は、Java Telephony Application Programming Interface(JTAPI)コールまたは HTTP 要求を処理するために、複数のアプリケーションを実行させることができます。
CRA Engine と Cisco CallManager は同じサーバ上に展開できますが、これらを別々のサーバ上に展開すると、処理するコール数を増やすことができます。
CRA Engine は、JTAPI 使用して、 Cisco CallManager クラスタを制御する Computer Telephony Interface(CTI)Manager にサービスを要求し、そのサービスを受け取ります。Cisco CRA Engine は、複数のアプリケーションをサポートする Windows サービスとしてインプリメントされます。
Web ブラウザを使用して、CRA Engine および CRA アプリケーションをネットワーク上の任意のコンピュータから管理することができます。CRA Administration Web インターフェイスを使用すると、 CRA Engine の起動と停止、システム パラメータの設定、CRA Engine アクティビティの監視、およびシステム アクティビティとアプリケーション統計情報全体を含むリアルタイム レポートと履歴レポートを表示できます。
ご使用の Cisco CRA 製品により、CRA サーバが、その他のサーバとの通信に、サブシステムを 11 程度使用する場合があります。
• JTAPI:Cisco CallManager の CTI Manager と CRA Engine 間の接続を管理します。
• RMCM(Resource Manager-Contact Manager):Cisco IP ICD によるエージェントの電話の監視、エージェント状態の制御、コールの転送とキュー、および履歴レポート機能の管理ができます。
• Database:CRA サーバと企業データベース間の接続を処理します。
• HTTP:HTTP 要求への応答を可能にするコンポーネントを CRA Engine に追加します。
• eMail:電子メールの送信を可能にするコンポーネントを CRA Engine に追加します。
• Cisco Media:簡易 Dual Tone Multi-Frequency(DTMF)ベースのお客様との会話の処理に使用する、Cisco Media Termination(CMT)ダイアログ コントロール グループを設定します。
• ICM(Intelligent Contact Manager):CRA サーバと Cisco ICM 間の接続を管理します。
• Nuance ASR:CRA 3.0 の新しいサブシステムで、スクリプトが着信接続による DTMF 入力に加えて音声入力に対して応答できるようにします。
• Nuance TTS:CRA 3.0 の新しいサブシステムで、電子メールのテキストを音声にして再生するなど、テキストからリアルタイムで生成されたボイス プロンプトを組み立てます。
• Application:CRA Engine およびその他の機能(セッション管理)などのアプリケーションを管理します。
リポジトリは、Cisco IP Telephony Directory の一部です。リポジトリは、初期セットアップ プロセスの一環で作成した、Cisco CRA のスクリプトおよびコンフィギュレーション プロファイルの保管に使用します。
コンフィギュレーション プロファイルは、1 台の CRA サーバに固有の CRA Engine コンフィギュレーション情報を保持するために使用します。
リポジトリ プロファイルは、作成および設定したスクリプトとアプリケーションの保守に使用します。リポジトリには、回復用に、各スクリプトのバックアップ バージョンが 1 つずつ保持されます。
リポジトリ プロファイルは複数の CRA サーバ間で共有でき、したがってスクリプトおよび設定済みのアプリケーションは中央で保守され、すべてのサーバで同時に更新されます。
ディレクトリ インプリメンテーションによって、CRA サーバでディレクトリを複製できます。インストールを行うと、Cisco CallManager サーバにパブリッシング ディレクトリとしてデフォルト ディレクトリ(DC Directory)が作成されます。CRA サーバは複製ディレクトリを保持し、複製ディレクトリはパブリッシング ディレクトリを参照します。このインプリメンテーションは、ディレクトリ データがシステム全体で一貫性があることを保証しています。
Cisco CRA 3.0 には、次の 2 種類のサンプル スクリプトが含まれています。
• アプリケーション スクリプト:CRA Editor のステップで構成され、CRA Administration Web インターフェイスを使用するアプリケーションとして設定されています。
• VRU スクリプト:Cisco IP QM で使用するスクリプトで、CRA ステップを使用してアクセスします。
(注) Cisco CRA 3.0 は、aa.aef、hotel.aef、および hotelout.aefの公式 Cisco スクリプトのみをサポートしています(この他の付属スクリプトは用例のみが含まれています)。Cisco CRA 3.0 は、ユーザが Extended Services パッケージを購入した場合のみ、これらのスクリプトをサポートします。これらのスクリプトに対して変更を行った場合、サポートは無効になります。
Cisco CRA 3.0 に付属しているサンプル アプリケーション スクリプトの説明を、 表 1-1 に示します。
Cisco CRA 3.0 に付属の Cisco IP QM サンプル VRU スクリプトの説明を、 表 1-2 に示します。
ここでは、Cisco CRA 3.0 の新しい特徴と拡張機能について説明します。次の項目を取り上げます。
• 「管理性の向上」
• 「文法」
• 「プロンプト」
Cisco CRA リリース 3.0 には、Cisco CallManager Administrator の表示と操作性をそのままに改良した管理インターフェイスが含まれています。このインターフェイスでは、すべてのページにメイン メニューが表示され、拡張機能によってナビゲーションを向上しています。
新しい CRA 3.0 インターフェイスでは、プロンプト、スクリプト、およびアプリケーションが管理しやすくなりました。音声入力した名前をアップロードすることもできます。
Cisco CRA リリース 3.0 には、リアルタイム レポートおよび履歴レポートの 2 種類のレポーティング ツールが用意されています。
Real-time Reporting インターフェイスは、アプリケーションのパフォーマンスに関する詳細情報を示します。リアルタイム レポートを使用すると、次のデータを監視できます。
Historical Reporting インターフェイスは、CRA システムにおけるコール アクティビティの詳細情報を示します。
CRA Historical Reports を使用すると、次のタスクを実行できます。
• レポートの表示、印刷、保存、ソート、およびフィルタリング
• ファイルまたはプリンタへのスケジュール済みレポートの送信
• 多様な形式(PDF、RTF、XML など)へのレポートのエクスポート
(注) 履歴レポートの詳細については、『Cisco Customer Response Applications Historical Reports User Guide』を参照してください。
Cisco CRA リリース 3.0 には、Nuance ASR が組み込まれています。ASR を使用すると、発信者がタッチ トーン電話機でキーを押す代わりに、単語またはフレーズを発声することでメニュー オプションを選択できます。
Cisco CRA リリース 3.0 には、Nuance TTS エンジンが組み込まれています。TTS エンジンを使用すると、平文(UNICODE)ファイルを音声に変換し、ユーザ応答を求めることができます。たとえば、スクリプト設計者は、テキストファイルを作成できます。このテキストファイルは、スクリプトが TTS を使用して音声に変換したもので、変換された音声はプロンプトによって発信者へ再生されます。
Cisco CRA リリース 3.0 では、特定のグループにエージェントを割り当てる必要はありません。特定のニーズを持つ発信者を、コール処理に必要なスキルを持つ個別リソース(エージェント)に転送できます。スキルベースの転送は、特定のサブジェクトに対するエージェントの知識レベルに基づきます。各リソースには複数のスキルを割り当てることができます。
Cisco CRA リリース 3.0 では、2 つのメディア タイプを処理できます。
• Cisco Media Termination(CMT):DTMF ディジット形式の入力を受け入れます。
• Nuance ASR:DTMF ディジットおよび音声入力を受け入れます。
さらに、DTMF 入力または音声入力を必要としないアプリケーション(E911 コールおよび簡易キューイングなど)に、メディアを使用していないコールを使用できます。
(注) すべての CRA Editor メディア ステップは、ASR メディア タイプでのみ機能する Voice Browser ステップを除き、どちらのメディア タイプ(およびメディアを使用しないコール)でも機能します。
CRA 3.0 では、プライマリ ダイアログ グループおよびセカンダリ ダイアログ グループを、コール コンタクトと関連付けることができます。プライマリ ダイアログ チャネルが使用できない場合、システムはセカンダリ ダイアログ チャネルと関連付けられたポートを使用します。たとえば、ASR 処理手続きに Nuance ダイアログ グループのポートが使用できない場合、システムは CMT ダイアログ グループのポートを使用して、コールを受け続けることができます。
ダイアログ グループと関連付けずにアプリケーションを構成することもできます。
メディアを使用するように設定されたコールはすべて、許可された IVR ポート数までカウントされます。ASR を使用するように設定されたコールもすべて、許可された ASR ポート数までカウントされます。
メディアを使用しないコールが使用する CPU リソースは少なく、CRA システムのキャパシティが増えることになります。メディアを保留にせずにコールが可能なため、CRA Engine がコールを管理する間に、Cisco CallManager Music on Hold サーバに保留音の再生を指示するスクリプトの設計を続けることができます。
Get Contact Info ステップを問い合せるスクリプトを設計し、所定のコールに対して ASR がサポートされているかどうかを確認できます。コンディショナル プロンプトを作成すると、ASR がサポートされているかどうかに関わらず、必要に応じて異なるプロンプトを再生できます。
Cisco CRA リリース 3.0 には国際化機能が組み込まれており、「ローカライズ」と呼ばれるプロセスを通じて CRA Engine を異なる言語の要件に合せることができます。CRA 3.0 では、スクリプトを指定することで、 異なる言語でプロンプトを再生できます。スクリプトは、構文要件、通貨および日付の規定、および各言語に関連するその他の規則などの情報に基づいて、これらのプロンプトを生成します。
Cisco CRA リリース 3.0 では、VoiceXML がサポートされています。VoiceXML は、合成音声、デジタル音声、音声入力と DTMF キー入力の認識、音声入力の録音、テレフォニー、および相互主導型対話の機能を備えるオーディオ ダイアログの作成用に設計されています。
Cisco CRA 3.0 Voice Browser は、現時点では VoiceXML 1.0 をサポートしています。また、新しい VoiceXML 2.0 要素のサブセットもサポートしています。VoiceXML の詳細については、『Cisco Customer Response Applications Developer Guide』を参照してください。Voice Browser のキャッシュをプロビジョニングする方法については、『Cisco Customer Response Applications Administrator Guide』を参照してください。
Cisco CRA リリース 3.0 では、スクリプトが発信者と対話するときに一致させるすべての単語と DTMF ディジットを定義する文法がサポートされています。文法は、簡易ディジット文法および Nuance Grammar Specification Language(GSL)の 2 つのどちらかの形式で定義されます。
文法の詳細については、『Cisco Customer Response Applications Developer Guide』を参照してください。文法のインストールについては、『Cisco Customer Response Applications Administrator Guide』を参照してください。
Cisco CRA リリース 3.0 では、発信者は .wav ファイルの再生によるオーディオ フィードバックをプロンプトとして受け取ります。.wav ファイルを起動して再生するには、スクリプトの開発者が Play Prompt ステップで、該当する .wave ファイル名を使用して変数を定義するか、特定の .wave ファイル名を起動します。
プロンプトの詳細については、『Cisco Customer Response Applications Administrator Guide』を参照してください。
Cisco CRA リリース 3.0 のその他の改良点は次のとおりです。
• コンタクトのタイプ:CRA 3.0 では、スクリプトの主な要素はコンタクトです。コール、HTTP、または電子メールのコンタクトと動作するスクリプトを作成できます。
• 拡張したステップおよびプロンプト: CRA Editor には、多数の新規ステップおよび拡張ステップが組み込まれています。
• 拡張した変数および式:CRA 3.0 では、拡張した変数および式がサポートされています。
• 改良されたスクリプト割り込み:ステップを実行する前に、スクリプトに割り込むことができます。プロンプトの再生中に発信者が割り込む機能に加えて、任意のイベントによる割り込みが可能なメディア ステップを作成できるようになりました。
• セッション管理:システム内を移動するコンタクトの追跡にセッションを使用できます。
• 改良されたエラー処理:CRA 3.0 では、4 通りの方法でアプリケーション エラーに対処できます。
– Continue on Prompt Errors:プロンプト エラーが発生した際に、スクリプトは連続する次のプロンプトの再生を続けることができます。
– Error Output Branches:エラーが発生した際にスクリプトを示すことができる、エラー出力分岐におけるロジックです。
– On Exception Goto Step:このステップは、スクリプトの例外処理が可能なセクションにスクリプトの実行を移動できます。
– Using Default Scripts:プライマリ スクリプトでエラーが発生した場合は、デフォルト スクリプトがコンタクトを引き継ぎ、正常に終了します。
• 既存のスクリプトの CRA 3.0 への変換:CRA Engine では、CRA 3.0 よりも前のバージョンで作成されたスクリプトを変換せずに実行できます。CRA Editor は、必要に応じて CRA 3.0 よりも前のバージョンで作成されたスクリプトをロード時に自動的に変換します(一度変換したスクリプトは CRA 2.x 製品では使用できません)。
(注) これらの項目の詳細については、『Cisco Customer Response Applications Developer Guide』を参照してください。