アーキテクチャ概要

このシステムは、シャーシ管理コントローラ（CMC）を使用してサーバ ノードを管理します。各システム I/O コントローラ（SIOC）モジュールには、内蔵型 CMC が組み込まれています。2 つの SIOC を使用する場合、2 つの CMC がアクティブ/スタンバイ構成で機能します。Cisco IMC インターフェイスでログインしている SIOC 内の CMC がアクティブ CMC になります。アクティブ CMC を使用して、両方のサーバ ノードの BMC を管理できます。

すべてのユーザ インターフェイスは、アクティブ CMC でのみ動作します。構成の変更は、アクティブ CMC とスタンバイ CMC の間で自動的に同期されます。

システムの電源を再投入すると、デフォルトで SIOC 1 内の CMC がアクティブ CMC になります。次のいずれかの条件が発生すると、アクティブ CMC はスタンバイ CMC にフェールオーバーします。

• アクティブ CMC のリブートまたは障害が発生した場合。

• アクティブ CMC を持つ SIOC が取り外された場合。

• アクティブ CMC でネットワーク接続が失われた場合。

ビルディング ブロックと接続

Cisco UCS S3260 シャーシ は、次のモジュールで構成されるモジュラ アーキテクチャです。

ベース シャーシ

電源ユニット 4 つ、8 つのファンを搭載し、レール キットが付属しています。

サーバ ノード

1 台または 2 台のサーバ ノードごとに、2 つの CPU および、128 GB、256 GB、または 512 GB の DIMM メモリ、およびパススルー モードの RAID カードまたは 1 GB/4 GB のキャッシュを持つ RAID カードを選択、搭載可能です。

システム I/O コントローラ（SIOC）（リリース 4.0(1) 以降）

リリース 4.0(1) 以降、Cisco UCS S3260 システムは、S3260 M5 サーバを持つ新規サーバ SIOC、UCS-S3260-PCISIOC をサポートしています。この SIOC では、ネットワーク アダプタを交換するための PCIe スロットがあります。

システム I/O コントローラ (SIOC) (リリース 3.2(3) 以前)

1 つまたは 2 つのシステム I/O コントローラ（それぞれ 1300 シリーズ VIC を搭載）。Cisco UCS S3260 SIOC には Cisco UCS VIC 1300 シリーズの内蔵型チップが組み込まれているため、リムーバブル アダプタ カードはありません。

オプションのドライブ拡張ノード

4 つの 4TB ドライブ（合計容量：16TB）、4 つの 6TB ドライブ（合計容量：24TB）、または 4 個の 10TB ドライブ（合計容量：40TB）の選択。

ソリッドステート ブート ドライブ

1 つのサーバ ノードあたり最大 2 つの SSD

Cisco UCS ファブリック接続

Cisco UCS S3260 シャーシ は、次のいずれかの方法で接続できます。

• ファブリック インターコネクトへの直接接続。

• FEX による接続。

単一サーバ接続

次の図は、単一サーバ システムの関連付けを示しています。

• サーバ ノード 2 のデータ バスは、SIOC 2 を介して接続します。

• サーバ 2 SSD 1 および 2 は、サーバ ノード 2 の RAID コントローラ カードによって制御できます。

単一サーバ接続（Server SIOC Connectivity 機能を使用）

Cisco UCS S3260 システムに単一サーバとデュアル SIOC が含まれている場合、ユーザは Server SIOC Connectivity 機能を有効にできます。Server SIOC Connectivity 機能が有効な単一サーバ システムの関連性を次の図に示します。

• サーバ ノード 2 のデータ バスは、プライマリ SIOC および補助 SIOC 経由で接続しています。

  （注）	サーバ 1 のプライマリ SIOC は SIOC 1、サーバ 2 のプライマリ SIOC は SIOC 2 です。サーバ 1 の補助 SIOC は SIOC 2、サーバ 2 の補助 SIOC は SIOC 1 です。

デュアル サーバ接続

このモードの導入では、各サーバ スロットに独立したサーバ ブレードが含まれています。SAS SSD などのさまざまなコンポーネントとともに冗長サーバ ノードは高可用性を提供します。

次の図は、デュアル サーバ システムを示しています。Cisco UCS C3X60 M3 サーバ ノードでは、サーバ 1 の PCH コントローラは SSD1 と SSD2 を制御し、サーバ 2 の PCH コントローラは SSD3 および SSD4 を制御します。Cisco UCS C3X60 M4 サーバ ノードでは、サーバ上の RAID コントローラ カードは、それぞれの SSD を制御します。

重要	さまざまなサーバ ノードおよび関連するサービス ノートでサポートされているストレージ コントローラなどの Cisco UCS S3260 システムのストレージ コントローラに関する考慮事項の詳細については、『Cisco UCS S3260Cisco UCS 3260 Storage Server Installation and Service Guide』の「Storage Controllers」のセクションを参照してください。

デュアル サーバ接続

次の図は、Cisco UCS Manager が管理するデュアル サーバ ノード搭載の Cisco UCS S3260 システムの接続を示しています。

SIOC の 40G ポートは、ファブリック インターコネクトまたは FEX モジュールに接続できます。各 SIOC で、1 つのポートはプライマリ ファブリック インターコネクトおよび FEX に接続でき、もう 1 つのポートは下位のファブリック インターコネクトおよび FEX に接続できます。各 SIOC からのトラフィックは、ファブリック インターコネクトおよび FEX に到達できます。

単一サーバおよび単一 SIOC 接続

次の図は、Server SIOC Connectivity 機能を使用せずに Cisco UCS Manager により単一サーバおよび単一 SIOC が管理されている Cisco UCS S3260 システムの接続を示しています。

単一サーバおよびデュアル SIOC 接続（Server SIOC Connectivity 機能を使用）

次の図は、Server SIOC Connectivity 機能を使用して Cisco UCS Manager により単一サーバおよびデュアル SIOC が管理されている Cisco UCS S3260 システムの接続を示しています。

Server SIOC Connectivity 機能の前提条件

この機能は次の条件を満たしている場合にのみ動作します。

• Cisco UCS S3260 システムでリリース 3.1(3) 以降が稼働している。

• 関連付けられている BIOS、BMC、および CMC ファームウェアで 3.1(3) 以降が動作している。

• シャーシに単一サーバとデュアル SIOC が装着されている。

ワークフロー：Cisco UCS Manager アップグレード

Cisco UCS Manager をリリース 3.1(3) 以降のリリースにアップグレードすると、シャーシ ディスカバリがトリガーされ、UCSM が サーバ SIOC 接続機能の動作状態を取得します。ユーザは シャーシ プロファイルの [Compute Conn Policy] で使用可能な [single-server-dual-sioc] オプションを使用してこの機能を有効にできます。

（注）	コンピューティング接続ポリシーの設定を変更すると、保留イベントが発生します。この保留イベントを確認した後でのみ、シャーシ プロファイルの関連付けが自動的に開始します。

GUI で [Compute Conn Policy] プロパティを [single-server-dual-sioc] に設定すると、この操作によってサーバがリブートすることを警告するメッセージが Cisco UCS Manager により表示されます。メッセージの確認後に、シャーシの関連付けがトリガーされます。Server SIOC Connectivity 設定が正常に展開されると、サーバの詳細なディスカバリが Cisco UCS Manager により自動的にトリガーされます。

CLI で [Compute Conn Policy] プロパティを [single-server-dual-sioc] に設定したら、関連付けを開始するために apply pending-changes immediate コマンドを実行します。

[Compute Conn Policy] が [single-server-dual-sioc] に設定された場合は、Cisco UCS Manager を 3.1(3) より前のリリースにダウングレードすることはできません。Cisco UCS Manager では同様に、BMC、CMC、および BIOS を 3.1(3) より前のリリースにダウングレードすることはできません。

single-server-dual-sioc オプションが有効な場合にこの機能に影響する条件

• サーバの交換：サーバが交換されると、ブレード スロットの不一致が検出されます。スロットを確認するとサーバの詳細なディスカバリがトリガーされ、その後サービス プロファイルの関連付けが行われます。サービス プロファイルの関連付けがトリガーされると、次の 2 つの状況が発生する可能性があります。

  1. BIOS/BMC ファームウェアがホスト ファームウェアで指定されている場合：BIOS/BMC ファームウェアで単一サーバ デュアル SIOC 接続がサポートされている場合は、サービス プロファイル関連付けプロセスが続行されます。BIOS/BMC ファームウェアで単一サーバ デュアル SIOC 接続がサポートされていない場合は、この関連付けで設定の問題が発生します。

  2. BIOS/BMC ファームウェアがホスト ファームウェアで指定されていない場合、Cisco UCS Manager は、実行中の BIOS/BMC バージョンで単一サーバ デュアル SIOC 接続がサポートされているかどうかを確認します。この機能がサポートされていない場合は、設定の問題は発生しません。

• SIOC の交換：交換した SIOC で 3.1(3) 以降が稼働している場合、1 つの SIOC が装着されるとユーザ確認メッセージが表示されます。SIOC アクションを確認すると、Cisco UCS Manager により FI と SIOC 間の接続が確立されます。さらに、Cisco UCS Manager はこの SIOC を経由するデータ パス接続があるサーバを再確認します。サーバに対して設定されている VNIC も再確認されます。詳細については、「SIOC の削除または交換」を参照してください。

  交換した SIOC で古いバージョンのファームウェアが稼働している場合、Cisco UCS Manager では [Server SIOC Connectivity] 動作状態が [single-server-single-sioc] に自動的に変更されます。シャーシ プロファイルの関連付けを再度トリガーすることで、交換した SIOC のファームウェアを更新できます。

• SIOC の取り外し：SIOC を取り外すと、Cisco UCS Manager ではその SIOC と、サーバで作成された対応するアダプタ ユニットが欠落しているものとしてマークされます。

• シャーシへのサーバの追加：この機能が有効な状態で新しいサーバをシャーシに追加すると、サーバ ディスカバリが失敗します。

• シャーシ/サーバの関連付け解除：サーバまたはシャーシの関連付けが解除される場合、Server SIOC Connectivity 機能は無効になりません。

新しい SIOC をインストールするための前提条件

• BMC ファームウェアバージョンが 4.0(1a) 以降である必要があります。

• 33 CMC ファームウェアバージョンが 4.0(1a) 以降である必要があります。

Cisco VIC カード、サードパーティ製のアダプタ、NVMe ディスクの制限

• サードパーティ製のアダプタを使用した SIOC は、スタンバイにのみ設定できます。

• アクティブな SIOC をリブートしても、サードパーティ製のアダプタに接続している SIOC はアクティブになりません。

• Cisco UCS Manager 混合 SIOC による設定はサポートしていません。セットアップで新しい gen SIOC と古い SIOC を混在させることはできません。

• Cisco UCS Manager サードパーティ製のアダプタを持つ SIOC は管理されません。

• Cisco UCS Manager サードパーティ製のアダプタを持つ SIOC の CMC イメージを更新またはアクティブにしません。

• NVMe ディスクのホット挿入および取り外しはサポートされていません。

• Cisco とサードパーティ製のアダプタのサポートの詳細については、Cisco UCS Manager 混合アダプタ セットアップの管理 を参照してください。

Cisco UCS Manager 混合アダプタ セットアップの管理

SIOC の削除または交換

シャーシから SIOC の取り外しや交換ができます。SIOC の取り外しと交換はサービスに影響する操作であるため、シャーシ全体の電源をオフにする必要があります。詳細については、「SIOC の削除または交換」を参照してください。

PCIe サポートによる新しい SIOC への移行

詳細については、「PCIe サポートがある SIOC に移行する」を参照してください。新しい SIOC に移行すると、次のダウングレード制限が適用されます。

• Cisco UCS Manager を 4.0(1a) 以下のリリースにダウングレードすることはできません

• BMC ファームウェアを以下のリリースにダウングレードすることはできません 4.0(1a)

Server SIOC Connectivity 機能

Cisco UCS Manager 次の例外では、新しい SIOC を持つ単一のサーバ デュアル VIC 機能のサポートを継続します。

• 新しい SIOC に接続されているサードパーティ製のアダプタの拡張がサポートされています。

• [Compute Connection Policy] プロパティを [single-server-dual-sioc] に変更すると、ポリシーが適用される前にサーバの電源がオフになります。

• 単一サーバ デュアル SIOC は SIOC アダプタの割り当てのみを決定しており、SIOC で NVME ディスク スロットを割り当てることはありません。サーバごとに 1 つの NVMe ディスクが割り当てられ、サーバへの SIOC NVME 接続を固定します。