Cisco UCS 5108 サーバシャーシの設置に関する注意事項
次の注意事項および警告は、すべての設置作業に適用されます。
(注) |
システムの設置、操作、または保守を行う前に、『Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco UCS』を参照して重要な安全情報を確認してください。 |
警告 |
安全上の重要な注意事項 この警告マークは「危険」の意味です。人身事故を予防するための注意事項が記述されています。機器の取り扱い作業を行うときは、電気回路の危険性に注意し、一般的な事故防止対策に留意してください。各警告の最後に記載されているステートメント番号を基に、装置に付属の安全についての警告を参照してください。ステートメント 1071 これらの注意事項を保管しておいてください。 |
警告 |
この装置は、立ち入りが制限された場所への設置を前提としています。立ち入りが制限された場所とは、特殊なツール、ロックおよびキー、または他のセキュリティ手段を使用しないと入室できない場所を意味します。ステートメント 1017 |
警告 |
この装置の設置、交換、または保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。ステートメント 1030 |
ラックに関する要件
ここでは、標準的なオープン ラックの設置に関する要件を示します。この要件は、周囲温度が 10 ~ 35 °C(50 ~ 95 °F)の範囲にあることを前提とします。
(注) |
障害物のあるラックを使用しないでください。これらの障害物が原因で現場交換可能ユニット(FRU)にアクセスしにくくなる場合があります。 |
Cisco R シリーズ ラックは最適な選択です。他のラックを使用する場合、次のタイプのラックを使用する必要があります。
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標準 48.3 cm(19 インチ)4 支柱ラック、奥行き 100 cm(39.4 インチ)以上、ANSI/EIA-310-D-1992 のセクション 1 に準拠した英国ユニバーサル ピッチに適合するマウント レール付き。
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ラックのレールの取り付け穴は正方形である必要があります(オプションの丸形穴アダプタ キットを使用しない場合)。
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シャーシに付属する工具不要のラックマウント キットが必要です。各エンクロージャに付属の調節可能ラック レールは、73.66 cm(29 インチ)から 88.9 cm(35 インチ)まで伸縮します。
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前面扉および背面扉:閉じる形式の前面扉および背面扉がサーバ ラックにある場合は、適切なエアーフローを確保するため、穴あき部分(全体の 65 %)が扉の上部から下部まで均一に分散している必要があります。
注意
ブランク パネルを使用して、ラック内に残っているすべての空の前面パネル U スペースを必ず埋めてください。これにより、適切なエアーフローを確保できます。ブランク パネルなしでラックを使用すると、冷却が不十分になり、温熱損傷を引き起こすおそれがあります。
ラックは次の要件も満たしている必要があります。
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シャーシあたりの縦方向の使用可能な最小ラック スペースが 6 ラック ユニット(RU)(= 26.7 cm(10.5 インチ))である必要があります。
ケーブル管理
ケーブル管理に利用するために、ラック内のシャーシの上下に追加スペースを設けます。こうすると、ラックを通した銅ケーブル(および Cisco UCS 5108 サーバ シャーシあたり最大 8 本の銅ケーブル)の配線が容易になります。
過熱の問題を防ぐ上で、ケーブル管理は重要な要素になる場合があります。次の図にある「Before(導入前)」の図は、シャーシの背面を塞いで、シャーシからの暖かい空気のファンによる排出を妨げているケーブルを示しています。内部温度が仕様を超えると、この状況により、ブレード サーバの DIMM の障害や、一見すると偶発的なサーバのシャットダウンが発生します。「After(導入後)」の図に示すように、ケーブル タイや他の配線方法を使用して、シャーシの背面に障害物がない状態を保ってください。
エアーフローに関する考慮事項
シャーシ内の通気は前面から背面に向かって流れます。空気はシャーシ前面にあるブレード サーバと電源装置の網目を通ってシャーシ内に入り、シャーシ背面にあるファン モジュールから外に出ます。適切なエアーフローが確保されるように、次の注意事項に従ってください。
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正常に動作するようにデータセンター全体の周囲エアーフローを保ってください。
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空調要件を決定するときには、すべての機器の熱放散を考慮してください。あるシステムの排気が別のシステムの吸気にならないようにします。
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通気要件を評価する際は、ラックの一番下にある機器によって暖められた空気がその上の機器の空気取り入れ口から取り込まれる可能性について考慮します。
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シャーシ背面の少なくとも 61 cm(24 インチ)の範囲において、排気の障害物がないことを確認してください。これには、乱雑なケーブル配線による障害物も含まれます。
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一部のブレードサーバには、DIMM および CPU 上に配置する内部シュラウドが付属しています。これらを使用して、最も必要とされる場所にエアーフローを導きます。ブレードは、装着されているシュラウドを使用して稼働するように設計されているため、シュラウドが装着されていないとシステムは適切に冷却されません。
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サーバへの適切なエアーフローを確保するため、閉鎖型ラックを使用する場合、前面扉は 65% の穴あき型である必要があります。
サーバ シャーシの移動
シャーシを持ち上げるときは重量に注意するとともに、次のガイドラインに従います。
注意 |
側面にあるハンドルを使用してシャーシを持ち上げようとしないでください。これらのハンドルは、シャーシの位置の移動や調整だけに使用してください。 |
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1 人でシャーシを持ち上げないでください。シャーシを持ち上げる際は常に 2 人で作業してください。使用可能な場合は、シザー ジャッキ、または重量のある機器をデータセンターのラックに設置することを目的に設計された吊り上げ装置を使用してください。
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シャーシを持ち上げる前に、すべての電源コードおよび外部ケーブルを外します。
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シャーシを持ち上げる前に、すべての FEX、電源装置、ファン、およびサーバをシャーシから取り外します。
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足元を安定させ、システムの重量が両足に等しく分散されるようにしてください。
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システムは、背筋を伸ばしてゆっくりと持ち上げてください。背中ではなく足を伸ばして持ち上げます。腰ではなくひざを曲げるようにしてください。
注意 |
シャーシ背面にある配電ユニット(PDU)は取り外さないでください。 |
インストールのガイドライン
シャーシを設置するときは、次のガイドラインに従います。
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シャーシを取り付ける前に、設置場所を検討して準備します。設置場所を計画する際に推奨される作業については、設置場所の準備およびメンテナンス記録を参照してください。詳細は、『Cisco UCS Site Preparation Guide』を参照してくださいを参照してください。
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シャーシを設置および設定するときに、設置場所の準備およびメンテナンス記録に示された情報を記録します。
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シャーシの周囲に、保守作業および通気のための十分なスペースがあることを確認します。
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空調が、技術仕様に記載されている熱放散の要件に適合していることを確認してください。
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キャビネットまたはラックが、ラックに関する要件に記載された要件に適合していることを確認します。
(注)
ラックではジャンパ電源コードを使用できます。Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシの電源ユニットの仕様を参照してください。
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設置場所の電源が、技術仕様に記載された電源要件に適合していることを確認します。UCS システムを保護するため、無停電電源装置(UPS)を使用することを推奨します。保護されていない電源装置を使用すると、入力供給電圧の変動または障害が原因でシステム障害が発生するリスクが生じます。
鉄共振テクノロジーを使用する UPS タイプは使用しないでください。このタイプの UPS は、Cisco UCS などのシステムに使用すると、データ トラフィック パターンの変化によって入力電流が大きく変動し、動作が不安定になるおそれがあります。
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回路の容量が、各国および地域の規格に準拠していることを確認します。北米では、電源装置には 20 A の回路が必要です。
入力電力の損失を防ぐため、シャーシに電力を供給する回路上の最大負荷の合計が、配線およびブレーカーの定格電流の範囲内に収まるようにしてください。
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シャーシの設置時には次のトルク値を使用します。
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10-32 ネジ:20 インチポンド
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必要な工具
設置を開始する前に、次の工具を用意します。
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No.1 および No.2 プラス ドライバ(トルク測定機能付き)
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メジャーおよび水準器
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静電気防止用リスト ストラップなどの静電気防止用器具
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静電気防止用マットまたは静電気防止材
シャーシの開梱と点検
注意 |
シャーシのコンポーネントを取り扱うときは、静電気防止用ストラップを着用し、モジュールのフレームの端だけを持ってください。 |
ヒント |
シャーシを輸送する場合に備えて、輸送用の箱は保管しておいてください。 |
(注) |
シャーシは厳密に検査したうえで出荷されています。輸送中の破損や内容品の不足がある場合には、ただちにカスタマー サービス担当者に連絡してください。 |
手順
ステップ 1 |
段ボール箱からシャーシを取り出します。梱包材はすべて保管しておいてください。 |
ステップ 2 |
カスタマー サービス担当者から提供された機器リストと梱包品の内容を照合し、次の品目が揃っていることを確認します。
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ステップ 3 |
使用されていないすべてのブレード スロットと電源装置ベイにブランク カバーが取り付けられていることを確認します。 |
レールへの丸形穴アダプタ キットの取り付け(オプション)
(注) |
工具不要シャーシ レールは、正方形の取り付け穴が付いたラック向けに設計されています。丸形の取り付け穴が付いたラックにシャーシを設置するには、丸形穴アダプタ(N20-CRMK2-RHA=)を使用する必要があります。 |
この丸形穴アダプタ キットを使用すると、レール キット(N20-CRMK2=)を適合させて、ネジ付きまたはネジなしの丸形穴を使用するラック支柱(前面または背面(あるいは両方))に取り付けることができます。キットの 4 つのアダプタは、ネジ付きの丸形穴が付いたラック支柱にレール キットを取り付けられるように適合させるものであり、キットの別の 4 つのアダプタは、ネジなしの丸形穴が付いたラック支柱にレール キットを取り付けられるように適合させるものです。ラック支柱の穴のタイプに基づいて、アダプタを組み合わせて使用できます。キットには、さまざまなサイズおよび長さのネジも含まれています。
手順
ステップ 1 |
コールアウト 1 に示すように、取り付けレールにアダプタ タブを挿入します。 |
ステップ 2 |
コールアウト 2 に示すように、アダプタをスライドさせて位置を固定します。 |
ステップ 3 |
コールアウト 3 に示すように、付属のなべネジを使用してアダプタを固定します。 |
ステップ 4 |
他の 3 つのアダプタに対して、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。 |