eBGP および iBGP マルチパスの設定

MPLS-VPN における eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング

eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング機能によって、マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)を使用するように設定されたボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)ネットワークで、外部 BGP(eBGP)パスおよび内部 BGP(iBGP)パスの両方を使用してマルチパス ロード バランシングを設定できます。この機能によって、ロード バランシングの配備能力およびサービス提供能力が向上します。また、この機能は、マルチホーム ネットワークおよびスタブ ネットワークから eBGP パスおよび iBGP パスの両方をインポートするマルチホーム自律システムおよびプロバイダー エッジ(PE)ルータのために役立ちます。

MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリングの前提条件

Cisco Express Forwarding(CEF)または分散型 CEF(dCEF)が、参加するすべてのでデバイスでイネーブルになっている必要があります。

MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリングの制約事項

アドレス ファミリのサポート

この機能は、VPN ルーティング/転送(VRF)インスタンス単位で設定されます。この機能は IPv4 および IPv6 の VRF アドレス ファミリの両方で設定できます。

メモリ消費の制約事項

各 BGP マルチパス ルーティング テーブル エントリでは、追加のメモリを使用します。使用できるメモリが少ないデバイスや、特にフル インターネット ルーティング テーブルを送受信するデバイスでは、この機能の使用はお勧めしません。

パス数の制限

  • サポートされるパスの数は、2 つの BGP マルチパスに限定されます。iBGP マルチパス 2 つか、または iBGP マルチパス 1 つと eBGP マルチパス 1 つのいずれかです。

  • 等コストルーティングのペアリングが 64 を超える一意のパスである場合、ルートは学習されず、トラフィックはドロップされます。

サポートされていないコマンド

ip unnumbered コマンドは MPLS 設定ではサポートされていません。

MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリングについて

eBGP と iBGP 間のマルチパス ロード シェアリング

BGP ルーティング プロセスではデフォルトで、1 つのパスをベスト パスとしてルーティング情報ベース(RIB)にインストールします。maximum-paths コマンドを使用すると、マルチパス ロード シェアリングのために複数のパスを RIB にインストールするように BGP を設定できます。BGP は最良パス アルゴリズムを使用して 1 つのマルチパスを最良パスとして選択し、その最良パスを BGP ピアにアドバタイズします。


(注)  


設定できるマルチパスのパス数は、maximum-paths コマンド リファレンスのページに記載されています。


マルチパス全体でのロード バランシングは CEF によって実行されます。CEF ロード バランシングは、パケット単位のラウンド ロビンまたはセッション単位(送信元と宛先のペア)を基準として設定されます。CEF の設定の詳細については、Cisco IOS IP スイッチング コンフィギュレーション ガイド [英語]、IP スイッチング Cisco Express Forwarding コンフィギュレーション ガイド [英語] を参照してください。MPLS VPN における eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング機能は、IPv4 VRF アドレスファミリおよび IPv6 VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで有効になります。この機能が有効にされると、VRF にインポートされた eBGP パスまたは iBGP パスあるいはその両方でロード バランシングを実行できます。マルチパスの数は VRF 単位で設定されます。別々の VRF マルチパス設定は、固有ルート識別子によって分離されます。


(注)  


MPLS VPN における eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング機能は、設定されたアウトバウンド ルーティング ポリシーのパラメータの範囲内で動作します。


BGP MPLS ネットワークにおける eBGP および iBGP のマルチパス ロード シェアリング

次の図に、2 つのリモート ネットワークを PE ルータ 1 および PE ルータ 2 に接続したサービス プロバイダー BGP MPLS ネットワークを示します。PE ルータ 1 および PE ルータ 2 には、いずれも VPNv4 ユニキャスト iBGP ピアリングが設定されています。ネットワーク 2 は、PE ルータ 1 および PE ルータ 2 に接続されているマルチホーム ネットワークです。またネットワーク 2 は、ネットワーク 1 とのエクストラネット VPN サービスが設定されています。ネットワーク 1 とネットワーク 2 は両方とも、PE ルータを使用した eBGP ピアリングが設定されています。

図 1. サービス プロバイダー BGP MPLS ネットワーク

PE ルータ 1 には、MPLS VPN における eBGP および iBGP の両方に BGP マルチパス ロード シェアリング機能が設定でき、これによって、iBGP パスと eBGP パスの両方をマルチパスとして選択し、VRF にインポートできます。マルチパスは CEF によって使用され、ロード バランシングが実行されます。ネットワーク 1 からネットワーク 2 に送信される IP トラフィックでは、PE ルータ 1 が eBGP パスを使用してロードシェアリングします。これは、IP トラフィックと iBGP パスが MPLS トラフィックとして送信されるためです。


(注)  


  • ローカル CE とローカル PE 間の eBGP セッションはサポートされていません。

  • ローカル PE からリモート CE への eBGP セッションはサポートされています。

  • eiBGP マルチパスは、プレフィックス単位のラベル割り当てモードでのみサポートされます。他のラベル割り当てモードではサポートされません。


eBGP および iBGP の両方に対するマルチパス ロード シェアリングの利点

MPLS VPN における eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング機能を使用すると、マルチホーム自律システムおよび PE ルータで、eBGP パスおよび iBGP パスの両方を経由してトラフィックを配信するように設定できます。

MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリングの設定方法

ここでは、次の手順について説明します。

eBGP および iBGP の両方に対するマルチパス ロード シェアリングの設定

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

configure{ terminal| memory| network}

例:

Device# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 3

router bgp as-number

例:

Device(config)# router bgp 40000

ルータ コンフィギュレーション モードを開始して、BGP ルーティング プロセスを作成または設定します。

ステップ 4

neighbor {ip-address | ipv6-address | peer-group-name }

例:

Device(config-router)# neighbor group192

直接接続されていないネットワーク上の外部ピアからの BGP 接続を受け入れ、またそのピアへの BGP 接続を試みます。

ステップ 5

address-family ipv4 vrf vrf-name

例:

Device(config-router)# address-family ipv4 vrf
RED

ルータをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードにします。

  • 別々の VRF マルチパス設定は、固有ルート識別子によって分離されます。

ステップ 6

address-family ipv6 vrf vrf-name

例:

Device(config-router)# address-family ipv6 vrf
RED

ルータをアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードにします。

  • 別々の VRF マルチパス設定は、固有ルート識別子によって分離されます。

ステップ 7

neighbor {ip-address | ipv6-address | peer-group-name } update-source interface-type interface-name

例:

Device(config-router)# neighbor FE80::1234:BFF:FE0E:A471 update-source Gigabitethernet 1/0/0

ピアリングが発生するリンクローカル アドレスを指定します。

ステップ 8

neighbor {ip-address | ipv6-address | peer-group-name } activate

例:

(config-router)# neighbor group192 activate

設定されたアドレス ファミリに対してネイバーまたは受信範囲ピア グループをアクティブにします。

ステップ 9

maximum-paths eibgp[ import-number]

例:

(config-router-af)# maximum-paths eibgp 2

ルーティング テーブルにインストールできるパラレルの iBGP ルートおよび eBGP ルートの数を設定します。

eBGP および iBGP の両方に対するマルチパス ロード シェアリングの設定の確認

手順

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

enable

例:

Device> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

ステップ 2

show ip bgp neighbors

例:

Device# show ip bgp neighbors

ネイバーへの TCP 接続および BGP 接続についての情報を表示します。

ステップ 3

show ip bgp vpnv4 vrf vrf name

例:

Device# show ip bgp vpnv4 vrf RED

VPN アドレス情報を BGP テーブルから表示します。このコマンドは、VRF が BGP によって受信されたことを確認するために使用します。

ステップ 4

show ip route vrf vrf-name

例:

Device# show ip route vrf RED

VRF インスタンスに関連する IP ルーティング テーブルを表示します。show ip route vrf コマンドは、該当する VRF がルーティング テーブルにあることを確認するために使用します。

MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリング機能の設定例

次に、この機能の設定方法および確認方法の例を示します。

eBGP および iBGP のマルチパス ロード シェアリングの設定例

次の設定例では、ルータを IPv4 アドレスファミリ モードで設定して、2 つの BGP ルート(eBGP または iBGP)をマルチパスとして選択します。

Device(config)# router bgp 40000
Device(config-router)# address-family ipv4 vrf RED
Device(config-router-af)# maximum-paths eibgp 2
Device(config-router-af)# end

次の設定例では、ルータを IPv6 アドレスファミリ モードで設定して、2 つの BGP ルート(eBGP または iBGP)をマルチパスとして選択します。

Device(config)#router bgp 40000
Device(config-router)# address-family ipv6 vrf RED
Device(config-router-af)# maximum-paths eibgp 2
Device(config-router-af)# end

MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリングの機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

表 1. MPLS-VPN における eBGP および iBGP の両方に対する BGP マルチパス ロード シェアリングの機能情報

機能名

リリース

機能情報

MPLS-VPN における eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング

Cisco IOS XE Everest 16.6.1

eBGP および iBGP に対する BGP マルチパス ロード シェアリング機能によって、マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)を使用するように設定されたボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)ネットワークで、外部 BGP(eBGP)パスおよび内部 BGP(iBGP)パスの両方を使用してマルチパス ロード バランシングを設定できます。この機能によって、ロード バランシングの配備能力およびサービス提供能力が向上します。また、この機能は、マルチホーム ネットワークおよびスタブ ネットワークから eBGP パスおよび iBGP パスの両方をインポートするマルチホーム自律システムおよびプロバイダー エッジ(PE)ルータのために役立ちます。