Cisco Nexus 3548 スイッチ リリース 6.x NX-OS システム管理設定ガイド
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章のタイトル: ソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)の実行
ソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)の実行
SMU について
ソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)は、特定の障害の修正を含むパッケージ ファイルです。SMU は、直近の問題に対処するために作成され、新しい機能は含まれていません。通常、SMU がデバイスの動作に大きな影響を及ぼすことはありません。SMU のバージョンは、アップグレードするパッケージのメジャー、マイナー、およびメンテナンス バージョンに同期されます。
SMU の影響は次のタイプによって異なります。
SMU は、メンテナンス リリースの代わりになるものではありません。直近の問題に対する迅速な解決策を提供します。SMU で修正された障害は、メンテナンス リリースにすべて統合されます。
デバイスを新しい機能やメンテナンス リリースにアップグレードする詳細については、『Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Software Upgrade and Downgrade Guide 』を参照してください。
(注) SMU をアクティブにすると、以前の SMU、または SMU が適用されるパッケージが自動的に非アクティブ化されることはありません。
パッケージ管理
デバイスでの SMU パッケージの追加およびアクティブ化の一般的な手順は次のとおりです。
パッケージ ファイルをローカル ストレージ デバイスまたはファイル サーバにコピーします。
install add コマンドを使用してデバイス上でパッケージを追加します。
install activate コマンドを使用して、デバイス上でパッケージをアクティブ化します。
install commit コマンドを使用して、現在のパッケージのセットをコミットします。
(任意)必要に応じて、パッケージを非アクティブ化して削除します。
次の図は、パッケージの管理プロセスの主要な手順について説明します。
図 1. SMU パッケージを追加、アクティブ化およびコミットするプロセス
SMU の前提条件
アクティブ化または非アクティブ化するパッケージでは、これらの前提条件が満たされている必要があります。
適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できないと考えられる場合、AAA 管理者に連絡してください。
すべてのライン カードが取り付けられ、正常に動作していることを確認します。たとえば、ライン カードのブート中、ライン カードのアップグレード中または交換中、または自動スイッチオーバー アクティビティが予想される場合は、パッケージのアクティブ化や非アクティブ化はできません。
SMU の注意事項と制約事項
SMU に関する注意事項および制約事項は次のとおりです。
パッケージによっては、他のパッケージのアクティブ化または非アクティブ化が必要です。SMU に相互に依存関係がある場合は、前の SMU をまずアクティブにしないとそれらをアクティブ化できません。
アクティブ化するパッケージは、現在のアクティブなソフトウェアのセットと互換性がある必要があります。
1 つのコマンドで複数の SMU をアクティブにできません。
パッケージの互換性が確認できた場合に限り、アクティブ化が実行されます。競合がある場合は、エラー メッセージが表示されます。
ソフトウェア パッケージをアクティブ化する間、その他の要求はすべての影響のあるノードで実行できません。これと同様のメッセージが表示されると、パッケージのアクティブ化は完了します。
Install operation 1 completed successfully at Thu Jan 9 01:19:24 2014
各 CLI インストール要求には要求 ID が割り当てられます。これは後でイベントを確認するのに使用できます。
ソフトウェア メンテナンス アップグレードを実行後、デバイスを新しい Cisco Nexus 3500 ソフトウェア リリースにアップグレードする場合、新しいイメージで以前の Cisco Nexus 3500 リリースと SMU パッケージ ファイルの両方が上書きされます。
Cisco NX-OS のソフトウェア メンテナンス アップグレードの実行
パッケージ インストールの準備
SMU パッケージのインストールの準備に関する情報を収集するには、複数の show コマンドを使用する必要があります。
はじめる前に
ソフトウェアの変更が必要かどうかを確認します。
使用中のシステムで新しいパッケージがサポートされていることを確認する。ソフトウェア パッケージによっては、他のパッケージまたはパッケージ バージョンをアクティブにする必要があり、特定のライン カードのみをサポートするパッケージもあります。
そのリリースに関連する重要な情報についてリリース ノートを確認し、そのパッケージとデバイス設定の互換性の有無を判断する。
システムの動作が安定していて、ソフトウェアの変更に対応できることを確認する。
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 show
install active 例:
switch# show install active
デバイス上のアクティブなソフトウェアを表示します。デバイスに追加する必要があるソフトウェアを決定するため、またインストール操作完了後にアクティブなソフトウェアのレポートと比較するために、このコマンドを使用します。
ステップ 2 show
module 例:
switch# show module
すべてのモジュールが安定状態であることを確認します。
ステップ 3 show
clock 例:
switch# show clock
システム クロックが正しいことを確認します。ソフトウェア操作は、デバイス クロックの時刻に基づいて証明書を使用します。
次に、システム全体のアクティブなパッケージを表示する例を示します。この情報を使用して、ソフトウェアの変更が必要かどうかを判断します。
switch# show install active
Active Packages:
Active Packages on Module #3:
Active Packages on Module #6:
Active Packages on Module #7:
Active Packages on Module #22:
Active Packages on Module #30:
次に、現在のシステム クロックの設定を表示する例を示します。
switch# show clock
02:14:51.474 PST Wed Jan 04 2014
ローカル ストレージ デバイスまたはネットワーク サーバへのパッケージ ファイルのコピー
デバイスがアクセスできるローカル ストレージ デバイスまたはネットワーク ファイル サーバに SMU パッケージ ファイルをコピーする必要があります。この作業が完了したら、パッケージをデバイスに追加しアクティブにできます。
デバイスにパッケージ ファイルを保存する必要がある場合は、ハード ディスクにファイルを保存することを推奨します。ブート デバイスは、パッケージを追加しアクティブするローカル ディスクです。デフォルトのブート デバイスは bootflash: です。
ヒント ローカル ストレージ デバイスにパッケージ ファイルをコピーする前に、dir コマンドを使用して、必要なパッケージ ファイルがデバイスに存在するかどうかを確認します。
SMU パッケージ ファイルがリモート TFTP、FTP、または SFTP サーバにある場合、ローカル ストレージ デバイスにファイルをコピーできます。ファイルがローカル ストレージ デバイスに置かれた後、パッケージをそのストレージ デバイスからデバイスに追加しアクティブにできます。次のサーバ プロトコルがサポートされます。
TFTP:ネットワークを介して、あるコンピュータから別のコンピュータへファイルを転送できるようにします。通常は、クライアント認証(たとえば、ユーザ名およびパスワード)を使用しません。これは FTP の簡易版です。
(注) パッケージ ファイルによっては、大きさが 32 MB を超える場合もありますが、一部のベンダーにより提供される TFTP サービスではこの大きさのファイルがサポートされていない場合があります。32 MB を超えるファイルをサポートする TFTP サーバにアクセスできない場合は、FTP を使用してファイルをダウンロードします。
ファイル転送プロトコル:FTP は TCP/IP プロトコル スタックの一部であり、ユーザ名とパスワードが必要です。
SSH ファイル転送プロトコル:SFTP は、セキュリティ パッケージの SSHv2 機能の一部で、セキュアなファイル転送を提供します。
SMU パッケージ ファイルをネットワーク ファイル サーバまたはローカル ストレージ デバイスに転送した後に、ファイルを追加しアクティブ化することができます。
パッケージの追加とアクティブ化
ローカル ストレージ デバイスまたはリモート TFTP、FTP、SFTP サーバに保存されている SMU パッケージ ファイルをデバイスに追加できます。
(注) アクティブ化する SMU パッケージは、現在アクティブで動作可能なソフトウェアと互換性がなければなりません。アクティブ化が試行されると、システムは自動互換性チェックを実行し、パッケージがデバイス上でアクティブなその他のソフトウェアと互換性があることを確認します。競合がある場合は、エラー メッセージが表示されます。アクティブ化が実行されるのは、すべての互換性が確認できた場合だけです。
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 install
add filename [activate ] 例:
switch# install add bootflash:
n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
ローカル ストレージ デバイスまたはネットワーク サーバからパッケージ ソフトウェア ファイルを解凍してブートフラッシュおよびデバイスにインストールされているすべてのアクティブ スーパーバイザおよびスタンバイ スーパーバイザに追加します。
filename 引数は、次の形式をとることができます。
bootflash: filename
tftp:// hostname-or-ipaddress /directory-path /filename
ftp:// username : password @ hostname-or-ipaddress /directory-path /filename
sftp:// hostname-or-ipaddress /directory-path /filename
ステップ 2 show install inactive 例:
switch# show install inactive
(任意)
デバイス上の非アクティブなパッケージを表示します。前述の手順で追加されたパッケージが表示に出ることを確認します。
ステップ 3 install
activate filename [test ] 例:
switch# install activate
n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
例:
switch# install activate
n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 1 completed successfully at
Thu Jan 9 01:27:56 2014
例:
switch# install activate
n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 2 !!WARNING!! This patch will get
activated only after a reload of the switch. at
Sun Mar 9 00:42:12 2014
デバイスに追加されたパッケージをアクティブにします。SMU パッケージは、アクティブにされるまで無効のままです。(install add activate コマンドを使用して、パッケージが前にアクティブにされた場合は、この手順を省略します。)
(注)
パッケージ名を部分的に入力してから [?] を押すと、アクティブ化に使用できるすべての候補が表示されます。候補が 1 つしかない場合に Tab キーを押すと、パッケージ名の残りの部分が自動入力されます。
ステップ 4 すべてのパッケージがアクティブ化されるまで手順 3 を繰り返します。
必要に応じて他のパッケージもアクティブ化します。
ステップ 5 show install active 例:
switch# show install active
(任意)
すべてのアクティブなパッケージを表示します。このコマンドを使用して、正しいパッケージがアクティブであるかどうかを判断します。
アクティブなパッケージ セットのコミット
SMU パッケージがデバイス上でアクティブになると、それは現在の実行コンフィギュレーションの一部になります。パッケージのアクティブ化をシステム全体のリロード間で持続させるには、デバイス上でパッケージをコミットする必要があります。
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 install commit filename 例:
switch# install commit n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
現在のパッケージのセットをコミットして、デバイスが再起動したときにこれらのパッケージが使用されるようにします。
ステップ 2 show install committed 例:
switch# show install committed
(任意)
コミットされたパッケージを表示します。
パッケージの非アクティブ化と削除
パッケージを非アクティブ化すると、そのデバイスではアクティブではなくなりますが、パッケージ ファイルはブート ディスクに残ります。パッケージ ファイルは、後で再アクティブ化できます。また、ディスクから削除もできます。
手順 コマンドまたはアクション 目的 ステップ 1 install deactivate filename 例:
switch# install deactivate n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
デバイスに追加されたパッケージを非アクティブ化し、ライン カードのパッケージ機能をオフにします。
(注)
パッケージ名を部分的に入力してから ? を押すと、非アクティブ化に使用できるすべての候補が表示されます。候補が 1 つしかない場合に Tab キーを押すと、パッケージ名の残りの部分が自動入力されます。
ステップ 2 show install inactive 例:
switch# show install inactive
(任意)
デバイス上の非アクティブなパッケージを表示します。
ステップ 3 install commit 例:
switch# install commit
(任意)
現在のパッケージのセットをコミットして、デバイスが再起動したときにこれらのパッケージが使用されるようにします。
(注)
パッケージを削除できるのは、非アクティブ化操作がコミットされた場合だけです。
ステップ 4 install
remove {filename | inactive } 例:
switch# install remove n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Proceed with removing n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin? (y/n)? [n] y
例:
switch# install remove inactive
Proceed with removing? (y/n)? [n] y
(任意)
非アクティブなパッケージを削除します。
削除できるのは非アクティブなパッケージだけです。
パッケージは、デバイスのすべてのライン カードから非アクティブにされた場合にのみ削除できます。
パッケージの非アクティブ化はコミットする必要があります。
ストレージ デバイスから特定の非アクティブなパッケージを削除するには、install remove コマンドに filename 引数を指定して使用します。
システムのすべてのノードから非アクティブなパッケージをすべて削除するには、install remove コマンドと inactive キーワードを使用します。
インストール ログ情報の表示
インストール ログは、インストール動作の履歴についての情報を提供します。インストール動作が実行されるたびに、その動作に対して番号が割り当てられます。
show install log コマンドを使用して、インストール動作の成功および失敗の両方について情報を表示します。
引数を指定しない show install log コマンドを使用して、すべてのインストール動作のサマリーを表示します。ある動作に固有の情報を表示するには、request-id 引数を指定します。ファイルの変更、リロードできなかったノード、その他プロセスに影響する操作など、特定の操作の詳細を表示するには、detail キーワードを使用します。
次に、すべてのインストール要求の情報を表示する例を示します。
switch# show install log
Thu Jan 9 01:26:09 2014
Install operation 1 by user 'admin' at Thu Jan 9 01:19:19 2014
Install add bootflash: n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 1 completed successfully at Thu Jan 9 01:19:24 2014
----------------------------------------
Install operation 2 by user 'admin' at Thu Jan 9 01:19:29 2014
Install activate n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 2 completed successfully at Thu Jan 9 01:19:45 2014
----------------------------------------
Install operation 3 by user 'admin' at Thu Jan 9 01:20:05 2014
Install commit n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 3 completed successfully at Thu Jan 9 01:20:08 2014
----------------------------------------
Install operation 4 by user 'admin' at Thu Jan 9 01:20:21 2014
Install deactivate n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 4 completed successfully at Thu Jan 9 01:20:36 2014
----------------------------------------
Install operation 5 by user 'admin' at Thu Jan 9 01:20:43 2014
Install commit n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 5 completed successfully at Thu Jan 9 01:20:46 2014
----------------------------------------
Install operation 6 by user 'admin' at Thu Jan 9 01:20:55 2014
Install remove n3500-uk9.6.0.2.U6.0.1.CSCab00001.bin
Install operation 6 completed successfully at Thu Jan 9 01:20:57 2014