この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章の内容は、次のとおりです。
Quality of Service(QoS)を使用して、ネットワークを経由するトラフィックの最も望ましいフローを実現できます。QoS を使用すると、ネットワーク トラフィックの分類、トラフィック フローのポリシングと優先順位付け、および輻輳回避が可能になります。トラフィックは、ユーザが指定した分類方法とユーザが設定した QoS ポリシーに基づいて処理されます。
次の手順に従って、QoS ポリシーを実装できます。
class-map コマンドを使用して、トラフィック クラスを定義します。詳細については、QoS 分類の設定を参照してください。
policy-map コマンドを使用して、トラフィック クラスを作成します。トラフィック ポリシーでは、QoS を改善するために、特定のトラフィックに対してどのような処置を行うかを定義します。詳細については、QoS マーキング ポリシーの設定を参照してください。
service-policy コマンドを使用して、トラフィック ポリシーをインターフェイスまたはポート プロファイルに付加します。詳細については、入力ポリシーと出力ポリシーの作成を参照してください。
トラフィックをポリシングします。詳細については、QoS ポリシングの設定を参照してください。
QoS は、ネットワーク トラフィックを分類し、QoS ラベルを使用または割り当ててプライオリティを与え、設定されたリソース使用量にパケットを制限し(トラフィックをポリシングおよびマーキングします)、リソースのコンテンションが存在する場所に輻輳回避を提供します。次の表に、これらのプロセスについて説明します。
QoS 方式 |
説明 |
コマンド |
メカニズム |
---|---|---|---|
トラフィックの分類 |
定義された基準に基づいてネットワーク トラフィックをグループ化します。 |
match |
クラス マップ |
トラフィック マーキング |
クラスを照合することでトラフィック属性を変更します。 |
set |
ポリシー マップ |
QoS コンフィギュレーション コマンドを次の表に示します。
コマンド |
設定 |
説明 |
---|---|---|
class-map |
グローバル コンフィギュレーション |
トラフィックのクラスを表すクラス マップを定義します。 |
table-map |
グローバル コンフィギュレーション |
あるフィールド値のセットから別のフィールド値のセットへのマッピングを表すテーブル マップを定義します。テーブル マップはポリシー マップから参照できます。 |
policy-map |
グローバル コンフィギュレーション |
クラス マップのセットに適用するポリシーのセットを表すポリシー マップを定義します。ポリシー マップからテーブル マップを参照できます。 |
match |
クラス マップ QoS コンフィギュレーション |
クラス マップの基準を定義します。 |
set |
ポリシー マップ QoS コンフィギュレーション |
パケットに対して実行するアクションを定義します。 |
service-policy |
インターフェイスまたはポート プロファイル コンフィギュレーション |
指定したポリシー マップを、次のように設定されたインターフェイス上の入力または出力パケットに適用します。 |
police |
ポリシー マップ クラス QoS コンフィギュレーション |
データ トラフィックをモニタするレートを定義します。 |
QoS にはデフォルトの動作がありません。トラフィックのポリシングと優先順位付けは、ポリシー マップをインターフェイスに適用した場合にのみ実装されます。ACL を使用して QoS を設定する場合は、パケットが次のように処理されることに注意してください。
次の表に、QoS でサポートされている RFC を示します。
番号 |
タイトル |
---|---|
『Architecture for Differentiated Services(差別化サービスのアーキテクチャ)』 |
|
『A Single Rate Three Color Marker』 |
|
『A Dual Rate Three Color Marker(デュアルレート 3 カラー マーカー)』 |
|
『Management Information Base for the Differentiated Services Architecture(差別化サービス アーキテクチャの管理情報ベース)』 |
|
『RTP: A Transport Protocol for Real-Time Applications(RTP: リアル タイム アプリケーションのためのトランスポート プロトコル)』 |
QoS は、ソフトウェアの再起動後に以前の状態を回復し、状態を失うことなく、アクティブ スーパーバイザからスタンバイ スーパーバイザに切り替えることができます。
着信パケットと発信パケットの両方にマーキングできます。次の一般的に使用される DSCP 値は RFC 2475 に記載されています。
DSCP 値 |
10 進値 |
意味 |
廃棄確率 |
同等の IP precedence 値 |
---|---|---|---|---|
101 110 |
46 |
プライオリティの高い Expedited Forwarding(EF) |
該当なし |
101:重大 |
000 000 |
0 |
ベスト エフォート |
該当なし |
000:ルーチン |
001 010 |
10 |
AF11 |
低 |
001:プライオリティ |
001 100 |
12 |
AF12 |
中 |
001:プライオリティ |
001 110 |
14 |
AF13 |
高 |
001:プライオリティ |
010 010 |
18 |
AF21 |
低 |
010:即時 |
010 100 |
20 |
AF22 |
中 |
010:即時 |
010 110 |
22 |
AF23 |
高 |
010:即時 |
011 010 |
26 |
AF31 |
低 |
011:フラッシュ |
011 100 |
28 |
AF32 |
中 |
011:フラッシュ |
011 119 |
30 |
AF33 |
高 |
011:フラッシュ |
100 010 |
34 |
AF41 |
低 |
100:フラッシュ オーバーライド |
100 100 |
36 |
AF42 |
中 |
100:フラッシュ オーバーライド |
100 110 |
38 |
AF43 |
高 |
100:フラッシュ オーバーライド |
001 000 |
8 |
CS1 |
1 |
|
010 000 |
16 |
CS2 |
2 |
|
011 000 |
24 |
CS3 |
3 |
|
100 000 |
32 |
CS4 |
4 |
|
101 000 |
40 |
CS5 |
5 |
|
110 000 |
48 |
CS6 |
6 |
|
111 000 |
56 |
CS7 |
7 |
|
000 000 |
0 |
デフォルト |
||
101 110 |
46 |
EF |
次の表に、IP precedence 値を重要度が低いものから順に示します。
値 |
説明 |
---|---|
000 (0) |
ルーチンまたはベスト エフォート |
001 (1) |
プライオリティ |
010 (2) |
即時 |
011 (3) |
フラッシュ(主に音声シグナリングまたはビデオに使用) |
100 (4) |
フラッシュ オーバーライド |
101 (5) |
クリティカル(主に音声 RTP に使用) |
110 (6) |
インターネット |
111 (7) |
ネットワーク |