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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、スイッチにモジュールを搭載するために必要な設置場所の準備について説明します。具体的な内容は、次のとおりです。
• 「ポート密度」
• 「GBIC」
この章では、スイッチ シャーシの設置手順については説明していません。スイッチ シャーシの設置に関する詳細は、『 Catalyst 6000 Series Switch Installation Guide 』か『 Catalyst 6500 Series Switch Installation Guide 』を参照してください。
ネットワーク長および接続距離は、信号のタイプ、信号速度、および伝送メディア(信号伝送に使用するケーブルのタイプ)によって決まります。たとえば、光ファイバ ケーブルは、ツイストペア ケーブルよりはるかに大きなチャネル容量を提供します。ここに記載されている接続距離と速度の制限値は、各信号方式に対してIEEE(米国電気電子学会)が推奨する最大速度と距離です。ただし、発生する可能性がある電気的問題を把握し、ユーザの責任において対処できる場合は、推奨値より速度を上げたり距離を延ばしたりすることによって、良好な結果が得られる場合があります。
モジュールをネットワークに接続するために、設置場所の準備を行う際には、各インターフェイス タイプに応じて次の2つの事項を考慮する必要があります。
(注) モジュールのコネクタのピン割り当てについては、付録B「ケーブルおよびコネクタの仕様」を参照してください。
• 「ATM」
• 「DMD」
• 「コンソール ポート ケーブルの仕様--スーパバイザ エンジンのみ」
• 「ポート コネクタの要件--スイッチング モジュールのみ」
Asynchronous Transfer Mode(ATM;非同期転送モード)光ファイバ ネットワーク接続の最大距離は、トランスミッタ出力、レシーバーの感度、光源のタイプによって決まります。 表 2-1 に、MMF(マルチモード光ファイバ)の最大伝送距離を示します。 表 2-2 に、SMF(シングルモード光ファイバ)ケーブルの光仕様を示します。
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表 2-3 に、イーサネットおよびファスト イーサネットに対するIEEEの最大伝送距離を示します。
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表 2-4 に10BASE-FLの光特性を示します。 表 2-5 は100BASE-FXの光特性を示します。
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表 2-6 に、ギガビット イーサネット スイッチング モジュールおよびスーパバイザ エンジン ギガビット イーサネット アップリンク ポートを含む1000BASE-Tおよび1000BASE-Xインターフェイスの最大伝送距離仕様を示します。 表 2-7 にGBIC(ギガビット インターフェイス コンバータ)チャネルの挿入損失を示します。オプティカルGBICのインターフェイスにはすべてSCコネクタが付いています。以下に記載されているオプティカルGBIC(MMFおよびSMF)に関して、最短ケーブル長は6.5フィート(2 m)です。
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WS-G5484 |
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MMF4 |
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SMF5 |
43.5 マイル(70 km)6 |
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出力(最小/最大 dBm) |
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-237 |
7.1000BASE-ZX-GBICは、23 dBの最小光パワー バジェットを提供します。サポートされているリンクの距離を調べるには、光損失テスト セットでケーブル設備を測定して、ケーブル設備(コネクタおよび繋ぎ目を含む)の光損失がこの値以下であるかどうかを確認します。光損失の測定は、1550 nm光源を使用して行う必要があります。 |
表 2-8 に、10ギガビット イーサネット インターフェイスの光ファイバ伝送仕様を示します。 表 2-9 に、10ギガビット イーサネット インターフェイスの光パワー仕様を示します。
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タイプ |
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8.3/9/1010 |
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WS-G6488 OIM11 |
6.56フィート~6.2マイル12 |
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8.3/9/103 |
6.56フィート~6.2マイル5 |
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WS-G6483 OIM13 |
6.56フィート~24.8マイル14 |
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6.56フィート~24.8マイル7 |
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入力 |
バジェット |
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WS-G6488 OIM15 |
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WS-G6483 OIM1 |
15.Optical Interface Module(OIM)。WS-G6488 OIMとWS-G6483 OIMは、WS-X6502-10GE 10ギガビット イーサネット ベース モジュールに搭載します。 |
LX/LH(長波/長距離)GBICに直径62.5ミクロンのMMF(マルチモード光ファイバ)ケーブルを使用する場合は、リンクの送信側と受信側の両方で、GBICとMMFケーブルとの間にモード調整パッチ コード(シスコ製品番号:
CAB-GELX-625または同等品)を取り付ける必要があります。このパッチ コードは、リンク距離が984フィート(300 m)を超える場合に必要になります。
(注) リンク距離が非常に短い(10~100 m)場合でも、パッチ コードを使用せずにLX/LH GBICにMMFを使用することは推奨できません。Bit Error Rate(BER;ビット エラー レート)が上昇する原因になります。
(注) IEEE規格に適合するためには、パッチ コードが必要です。IEEEは、光ファイバ ケーブル コアの中心の問題によって、特定タイプの光ファイバ ケーブルではリンク距離が適合しないことを確認しています。問題を解決するには、パッチ コードを使用して、正確なオフセットで中心からレーザー光を送出する必要があります。1000BASE-LXのIEEE 802.3z規格に対するLX/LH GBICの適合は、パッチ コードの出力を前提とします。この問題の詳細は、「DMD」を参照してください。
(注) シスコのギガビット イーサネット製品は、付録A「技術仕様」に記載されている規格に適合していることが確認済みです。同等製品のケーブルも、これらの規格に適合している必要があります。
図 2-1に、パッチ コードを使用した一般的な構成方法を示します。
警告 接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を凝視したり、光機器を使用して直視したりしないでください。
パッチ コードの[To Equipment]ラベルが付いている側を、GBICに差し込みます(図 2-2を参照)。パッチ コードの[To Cable Plant]ラベルが付いている側を、パッチ パネルに接続します。パッチ コードの長さは9.84フィート(3 m)で、両端にデュプレックスSCオス型コネクタが付いています。
SMFケーブル用の未調整レーザー光源をMMFケーブルに直接接続した場合、Differential Mode Delay(DMD;ディファレンシャル モード遅延)が発生することがあります。DMDが発生すると、光ファイバ ケーブルのモード帯域幅が減少し、信頼性のある伝送を保証できるリンク距離(トランスミッタとレシーバー間の距離)が短くなります。
ギガビット イーサネット仕様(IEEE 802.3z)には、イーサネット通信のパラメータ(GBPS)が規定されています。802.3zでは、レーザーベースの光コンポーネントを使用したMMFケーブルでのデータ伝送を定義することにより、敷設済みのMMFケーブルを利用したバックボーンとサーバ間の高速イーサネット接続を提示しています。
レーザーは、ギガビット イーサネットに必要なボーレートと長距離伝送を達成します。802.3zは、レーザーとMMFケーブルの特定の組み合わせでは、一定の条件下でDMDが発生することを確認しています。その結果、他にジッタの要因が発生し、MMFケーブルによるギガビット イーサネットの到達距離が制限されることがわかっています。
DMDが発生する状況では、単一のレーザー光パルスによって、MMFケーブル内でいくつかのモードが均等に励振されます。これらのモード、すなわち光路は、複数の異なる伝搬路をたどります。伝搬路の長さはそれぞれ異なる場合があるので、ケーブル内を光が進むにつれて、各伝搬路の遅延時間に差異が生じます。DMDが発生すると、ケーブルを通過する単一パルスの孤立性が損なわれ、極端な場合には、2つの独立したパルスが生じることがあります。連鎖パルスは相互に干渉しやすいので、信頼できる方法でデータを回復するのが困難になります。
DMDは、敷設されたすべての光ファイバ ケーブル上で発生するわけではありません。光ファイバとトランシーバの組み合わせが悪い場合に発生します。ギガビット イーサネットは、ボーレートが非常に高く、MMFケーブルの距離が長いため、DMDが問題になります。SMFケーブルおよび銅ケーブルでは、DMDの問題は起きません。
MMFケーブルのテストは、LED光源を使用した場合に限定して行われてきました。LEDは、光ファイバ ケーブル内に「 オーバーフィルド ラウンチ コンディション 」と呼ばれる状態を作ります。オーバーフィルド ラウンチ コンディションは、LEDトランスミッタが光ファイバ ケーブル内に、広範囲のモードに拡散した光を入射する状態を意味します。暗い室内で電球を照らしたときのように、光がさまざまな方向に拡散してケーブル内を満たし、多数のモードが発生します(図 2-3を参照)。
レーザーから入射される光は、LEDよりも集束された状態で発光します。レーザー トランスミッタからの光は、光ファイバ ケーブル内に存在するモード(すなわち光路)のうち、ごく少数のモードだけを通過します(図 2-3を参照)。
DMDの問題を解決するには、光源(トランスミッタ)から入射されたレーザー光が、LED光源からケーブル内に入射されたときのように、光ファイバ ケーブルの直径に対して均等に分散されるように調整する必要があります。光のモードをスクランブルすると、光パワーがすべてのモードに均等に分散され、光パワーが少数のモードだけに集中する状況を回避できます。
これに対して未調整の入射状態では、最悪の場合、光ファイバ ケーブルの中心にすべての光が集中し、均等に励振されるモードはごく少数になります。
DMDの発生する度合いは、MMFケーブルごとに大きく異なります。敷設されたケーブル設備では、DMDの影響を評価する有効なテスト方法はありません。したがって、リンク距離が984フィート(300 m)を超える場合には、MMFケーブルを使用するすべてのアップリンク モジュールに、モード調整パッチ コードを使用する必要があります。リンク距離が300 m未満の場合には、パッチ コードを使用しなくてもかまいません(ただし、短距離にパッチ コードを使用しても支障はありません)。
(注) リンク距離が328フィート(100 m)より長く、984フィート(300 m)未満である場合は、パッチ コードを使用しなくてもかまいません。ただしリンク距離が短く、328フィート(100 m)未満である場合は、パッチ コードを付けずにLX/LH GBICにMMFを使用することは推奨できません。BER(ビット エラー レート)が上昇する原因になります。
ここでは、スーパバイザ エンジンのコンソール ポート ケーブルの仕様について説明します。
(注) スイッチに付属のアクセサリ キットには、スーパバイザ エンジン前面パネルのコンソール ポートに端末またはモデムを接続するために必要なケーブルおよびアダプタが入っています。これらのケーブルおよびアダプタは、Cisco 2500シリーズ ルータおよびその他のシスコ製品に付属しているものと同じです。
スーパバイザ エンジン前面パネルのコンソール ポート モード スイッチを使用すると、付属のケーブルおよびアダプタでコンソール ポートに端末またはモデムを接続することも、Catalyst 5000ファミリーSupervisor Engine IIIのケーブル(付属外)で端末を接続することもできます。
表 2-10 に、コンソール ポート ケーブルの最大伝送距離を示します。
コンソール ポートとケーブルのピン割り当てについては、 の 「技術仕様」 を参照してください。
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スイッチ ポートへのケーブル接続には、以下のタイプのコネクタが必要です。
• SCコネクタ ― GBIC用(図 2-4図 2-4を参照)。
(注) SCコネクタをGBICに接続する際に、送信側と受信側の両方の光ファイバ ケーブルがSCコネクタに完全に装着されていることを確認してください。
(注) LX/LH GBICにMMFを接続して使用する場合、GBICとMMFケーブルの間にパッチ コードを取り付ける必要があります。詳細は、「パッチ コード」を参照してください。
• RJ-45オス コネクタ ― 48ポート10/100BASE-T RJ-45モジュール用(図 2-5を参照)。
• MT-RJ光ファイバ コネクタ ― 24ポート100BASE-FXモジュール用(図 2-6を参照)。
• LCコネクタ ― Supervisor Engine 720搭載のSFP光トランシーバ用(図 2-7を参照)。
• RJ-21 telcoコネクタ ― 48ポート10/100BASE-T RJ-21 telcoモジュール用(図 2-8を参照)。
図 2-8 RJ-21 Telco インターフェイス ケーブル コネクタ
表 2-11 に、Catalyst 6000シリーズおよびCatalyst 6500シリーズ スイッチの帯域幅とポート密度を示します。
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32~256 Gbps17 |
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Catalyst 6503スイッチの場合、34(3スロット) Catalyst 6506スイッチの場合、82(6スロット) |
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Catalyst 6503スイッチの場合、48(3スロット) Catalyst 6506スイッチの場合、120(6スロット) |
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Catalyst 6503スイッチの場合、96(3スロット) Catalyst 6506スイッチの場合、240(6スロット) |
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Catalyst 6503スイッチの場合、48(3スロット) Catalyst 6506スイッチの場合、120(6スロット) |
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GBICは、モジュールと光ファイバ ネットワークまたは銅線ネットワークを接続するために、スーパバイザ エンジンまたはギガビット イーサネット モジュールに装着するホットスワップ可能な入出力装置です。
• 「WS-G5484、WS-G5486、およびWS-G5487オプティカルGBIC」
ギガビット イーサネット モジュールまたはスーパバイザ エンジンとネットワークの間に最大328フィート(100 m)の1000BASE-T全二重接続を実現するには、WS-G5483 GBICにカテゴリ5、カテゴリ5e、またはカテゴリ6のUTP/FTPケーブルを使用します(図 2-9を参照)。このGBICをサポートするために必要なモジュールおよびソフトウェア リリースのリストについては、ご使用のリリース ノート、またはCisco.comのGBICマニュアルに記載されている『 1000BASE-T GBIC Switch Compatibility Matrix 』を参照してください。
表 2-12 に、3種類のオプティカルGBICを示します。
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3種類のオプティカルGBICは、図 2-10に示された2つの物理モデルで提供されます。物理モデルにより、それぞれ搭載手順が異なります。
図 2-10 オプティカルGBICの物理モデル(WS-G5484、WS-G5486、およびWS-G5487)
CWDM Passive Optical Systemでは、8つのGBICを使用できます(図 2-11を参照)。 表 2-13 に使用できるGBICの一覧を示します。8つのGBICは、GBICをサポートするCatalyst 6500シリーズ モジュールに搭載して、CWDM Passive Optical Systemと共に使用します。CWDM Passive Optical Systemの詳細については、『 Installation Note for the Cisco CWDM Passive Optical System 』を参照してください。
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Catalyst 6000シリーズ スイッチ、Catalyst6500シリーズ スイッチ、スーパバイザ エンジン、およびモジュールに必要な最低限のソフトウェア バージョン、推奨バージョン、およびデフォルト ソフトウェア バージョンについては、使用しているソフトウェアの最新のメンテナンス リリースに対応したリリース ノートを参照してください。