CDP の設定
この章では、Catalyst 6500 シリーズ スイッチ上で Cisco Discovery Protocol(CDP)を設定する方法について説明します。
(注) この章で使用しているコマンドの完全な構文および使用方法の詳細については、『Catalyst 6500 Series Switch Command Reference』を参照してください。
この章で説明する内容は、次のとおりです。
• 「CDP の機能」
• 「CDP のデフォルト設定」
• 「スイッチ上での CDP の設定」
CDP の機能
CDP は Release 8.1(1) のソフトウェア リリースで機能強化されているため、高出力の新しい Cisco IP Phone との下位互換性を簡単に確保できます。この機能強化した CDP により、Cisco IP Phone はスイッチへの電源要求を CDP パケット内でネゴシエーションします。スイッチはこの情報を使用して、使用可能な電力をオーバーサブスクライブしないようにします。
CDP は、ルータ、ブリッジ、アクセス サーバ、通信サーバ、スイッチなど、すべてのシスコ製装置上で実行できる、メディアやプロトコルに依存しないプロトコルです。CDP を使用して、スイッチに直接接続しているすべてのシスコ製装置の情報を表示することができます。CDP はさらに、ネイティブ VLAN(仮想 LAN)とポート デュプレックスの不一致を検出します。
CDP を使用することにより、ネットワーク管理アプリケーションで、近接するシスコ製装置のタイプおよび SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)エージェント アドレスを検索できます。この機能により、アプリケーションから近接装置に SNMP クエリを送信できます。CDP により、ネットワーク管理アプリケーションは、既知の装置に近接しているシスコ製装置、特にプロトコルに関係なく下位レイヤの近接装置を検索できます。
CDP は、Subnetwork Access Protocol(SNAP)をサポートしているすべてのメディア上で稼働します。CDP が稼働するのはデータリンク層だけです。
シスコ製装置は CDP パケットを転送しません。新しい CDP 情報を受信すると、古い情報は破棄されます。
CDP のデフォルト設定
表30-1 に、CDP のデフォルト設定を示します。
表30-1 CDP のデフォルト設定
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CDP グローバル イネーブル ステート |
イネーブル |
CDP ポート イネーブル ステート |
すべてのポート上でイネーブル |
CDP メッセージ インターバル |
60 秒 |
CDP 保持時間 |
180 秒 |
スイッチ上での CDP の設定
ここでは、CDP を設定する手順について説明します。
• 「CDP グローバル イネーブルおよびディセーブル ステートの設定」
• 「ポート上での CDP イネーブルおよびディセーブル ステートの設定」
• 「CDP メッセージ インターバルの設定」
• 「CDP 保持時間の設定」
• 「CDP 近接情報の表示」
CDP グローバル イネーブルおよびディセーブル ステートの設定
CDP グローバル イネーブル ステートを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチ上で CDP グローバル イネーブル ステートを設定します。 |
set cdp { enable | disable } |
ステップ 2 |
CDP の設定を確認します。 |
show cdp |
次に、CDP をグローバルにイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set cdp enable
Console> (enable) show cdp
次に、CDP をグローバルにディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set cdp disable
Console> (enable) show cdp
ポート上での CDP イネーブルおよびディセーブル ステートの設定
CDP は、ポート単位でイネーブルまたはディセーブルに設定できます。CDP をグローバルにイネーブルにしてからでなければ、スイッチはポートに CDP メッセージを送信できません。
ポート単位で CDP イネーブル ステートを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
個々のポートに CDP イネーブル ステートを設定します。 |
set cdp { enable | disable } [ mod / port ] |
ステップ 2 |
CDP の設定を確認します。 |
show cdp port [ mod [ / port ]] |
次に、ポート 3/1 ~ 2 上で CDP をイネーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set cdp enable 3/1-2
CDP enabled on ports 3/1-2.
Console> (enable) show cdp port 3
次に、ポート 3/1 ~ 6 上で CDP をディセーブルにし、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set cdp disable 3/1-6
CDP disabled on ports 3/1-6.
Console> (enable) show cdp port 3
CDP メッセージ インターバルの設定
CDP メッセージ インターバルでは、スイッチが直接接続されたシスコ製装置へ CDP メッセージを送信する間隔を指定します。
デフォルトの CDP メッセージ インターバルを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
デフォルトの CDP メッセージ インターバルを設定します。設定範囲は、5 ~ 900 秒です。 |
set cdp interval interval |
ステップ 2 |
CDP の設定を確認します。 |
show cdp |
次に、デフォルトの CDP メッセージ インターバルを 100 秒に設定し、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set cdp interval 100
CDP message interval set to 100 seconds for all ports.
Console> (enable) show cdp
CDP 保持時間の設定
CDP 保持時間では、近接装置からの CDP メッセージが受信されてから、その装置がすでに接続されていないとみなされてネイバ エントリが期限切れになるまでの時間を指定します。
デフォルトの CDP 保持時間を設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
デフォルトの CDP 保持時間を設定します。設定範囲は、10 ~ 255 秒です。 |
set cdp holdtime interval |
ステップ 2 |
CDP の設定を確認します。 |
show cdp |
次に、デフォルトの CDP 保持時間を 225 秒に設定し、設定を確認する例を示します。
Console> (enable) set cdp holdtime 225
CDP holdtime set to 225 seconds.
Console> (enable) show cdp
CDP 近接情報の表示
直接接続されたシスコ製装置についての情報を表示するには、 show cdp neighbors コマンドを入力します。接続ポートのネイティブ VLAN を表示するには、 vlan キーワードを入力します。接続ポートのデュプレックス モードを表示するには、 duplex キーワードを入力します。接続装置の装置機能コードを表示するには、 capabilities キーワードを入力します。近接装置の詳細情報を表示するには、 detail キーワードを入力します。
(注) 旧バージョンの CDP をサポートしているデバイスに対して show cdp neighbors コマンドを入力すると、VLAN Trunking Protocol(VTP;VLAN トランキング プロトコル)Management Domain、Native VLAN、Duplex の各フィールドには [unknown](確認不能)と表示されます。
直接接続されたシスコ製装置の情報を表示するには、次の作業を行います。
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CDP 近接装置の情報を表示します。 |
show cdp neighbors [ mod [ /port ]] [ vlan | duplex | capabilities | detail ] |
次に、接続されたシスコ製装置の CDP 近接情報を表示する例を示します。
Console> (enable) show cdp neighbors
* - indicates vlan mismatch.
# - indicates duplex mismatch.
Port Device-ID Port-ID Platform
-------- ------------------------------- ------------------------- ------------
2/3 JAB023807H1(2948) 2/2 WS-C2948
3/1 JAB023806JR(4003) 2/1 WS-C4003
3/2 JAB023806JR(4003) 2/2 WS-C4003
3/5 JAB023806JR(4003) 2/5 WS-C4003
3/6 JAB023806JR(4003) 2/6 WS-C4003
次に、近接装置の各接続ポートのネイティブ VLAN を表示する例を示します(アスタリスク [*] は、ローカル スイッチのポート 3/6 と近接装置のポート 2/6 間にネイティブ VLAN の不一致があることを示しています)。
Console> (enable) show cdp neighbors vlan
* - indicates vlan mismatch.
# - indicates duplex mismatch.
Port Device-ID Port-ID NativeVLAN
-------- ------------------------------- ------------------------- ----------
2/3 JAB023807H1(2948) 2/2 522
3/1 JAB023806JR(4003) 2/1 100
3/2 JAB023806JR(4003) 2/2 100
3/5 JAB023806JR(4003) 2/5 1
3/6 JAB023806JR(4003) 2/6* 1
次に、近接装置の詳細情報を表示する例を示します。
Console> (enable) show cdp neighbors 2/3 detail
Device-ID: JAB023807H1(2948)
Capabilities: TRANSPARENT_BRIDGE SWITCH
WS-C2948 Software, Version McpSW: 5.1(57) NmpSW: 5.1(1)
Copyright (c) 1995-1999 by Cisco Systems, Inc.
Port-ID (Port on Neighbors's Device): 2/2
VTP Management Domain: Lab_Network