スイッチ管理インターフェイスの機能概要
Catalyst 6500 シリーズ スイッチには、帯域内(sc0 および sc1)インターフェイスおよび帯域外管理 Serial Line Internet Protocol(SLIP; シリアル ライン インターネット プロトコル)(sl0)インターフェイスという、3 種類の設定可能な IP 管理インターフェイスがあります。
帯域内(sc0 および sc1)管理インターフェイスは、スイッチング ファブリックに接続しているので、スパニングツリー、Cisco Discovery Protocol(CDP)、VLAN(仮想 LAN)メンバーシップなど、標準のスイッチ ポート機能をすべてサポートします。帯域外管理インターフェイス(sl0)は、スイッチング ファブリックに接続していないので、これらの機能をサポートしません。
sc0 および sc1 インターフェイスの IP アドレス、サブネット マスク、ブロードキャスト アドレス、および VLAN メンバーシップを設定する場合には、Telnet または SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を使用してスイッチにアクセスします。SLIP(sl0)インターフェイスを設定する場合には、ワークステーションからコンソール ポートを介してスイッチにポイントツーポイント接続を確立することができます。
スイッチ自体が生成したすべての IP トラフィック(スイッチからホストに対して開始した Telnet セッションなど)は、そのスイッチの IP ルーティング テーブルのエントリに応じて転送されます。インターサブネットワーク通信を行うには、sc0 または sc1 インターフェイス用に少なくとも 1 つのデフォルト ゲートウェイを設定する必要があります。スイッチ IP ルーティング テーブルは、スイッチ自体が生成したトラフィックを転送するときだけに使用され、スイッチに接続されている装置から送信されたトラフィックの転送には使用されません。
自動 IP コンフィギュレーションの機能概要
ここでは、スイッチに IP コンフィギュレーションを自動的に取得させる方法について説明します。
• 「自動 IP コンフィギュレーションの概要」
• 「DHCP の概要」
• 「BOOTP および RARP の概要」
(注) ここでの説明は sc0 インターフェイスだけに当てはまります。自動 IP コンフィギュレーション機能は、sc1 や sl0 インターフェイスには適用されません。
自動 IP コンフィギュレーションの概要
スイッチは次のいずれかのプロトコルを使用することにより、対応する IP コンフィギュレーションを自動的に取得できます。
• Bootstrap Protocol(BOOTP)
• Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)
• Reverse Address Resolution Protocol(RARP)
BOOTP、DHCP、および RARP 要求が発行されるのは、スイッチの起動時に sc0 インターフェイス IP アドレスが 0.0.0.0 に設定されている場合に限られます。 これは新しいスイッチ、または clear config all コマンドによってコンフィギュレーション ファイルが消去されているスイッチのデフォルト アドレスです。BOOTP、DHCP、および RARP 要求のブロードキャスト送信ができるのは、sc0 インターフェイスからだけです。
(注) CONFIG_FILE 環境変数が設定されている場合、スイッチはすべてのコンフィギュレーション ファイルを処理したあとで、BOOTP、DHCP、および RARP 要求をブロードキャストするかどうかを決定します。CONFIG_FILE 環境変数の詳細については、「スイッチの起動設定の変更」を参照してください。
DHCP の概要
DHCP サーバから IP アドレスを取得するには、次の 3 通りの方法があります。
• 手動割り当て ― ネットワーク管理者がスイッチの MAC(メディア アクセス制御)アドレスと DHCP サーバの IP アドレスを対応付けます。
• 自動割り当て ― スイッチが初めて DHCP サーバにアクセスしたときに、IP アドレスを取得します。アドレスはそのスイッチに永続的に割り当てられます。
• 動的割り当て ― スイッチは一定期間だけ「リースされた」IP アドレスを取得します。その期間が終了すると、IP アドレスが取り消され、スイッチがアドレスを放棄します。スイッチは別の IP アドレスを要求しなければなりません。
スイッチは sc0 インターフェイスの IP アドレスのほかに、サブネット マスク、ブロードキャスト アドレス、およびデフォルト ゲートウェイ アドレスを取得できます。ユーザが設定した値がある場合は、DHCP によって学習した値は使用されません。
すべてのスイッチ ポートがオンラインになると、スイッチから DHCPDISCOVER メッセージが 1 ~ 10 秒間ブロードキャストされます。スイッチは DHCPDISCOVER メッセージで必ず、無期限のリース期間を要求します。
DHCP サーバまたは BOOTP サーバから要求に対する応答があると、スイッチは適切な処置を実行します。DHCP サーバから DHCPOFFER メッセージを受け取った場合、スイッチはメッセージ内のサポートされるすべてのオプションを処理します。 表3-1 に、サポートされる DHCP オプションを示します。DHCPOFFER メッセージに他のオプションが指定されていても、スイッチは無視します。
表3-1 サポートされる DHCP オプション
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1 |
サブネット マスク |
2 |
タイム オフセット |
3 |
ルータ |
6 |
ドメイン ネーム サーバ |
12 |
ホスト名 |
15 |
ドメイン名 |
28 |
ブロードキャスト アドレス |
33 |
スタティック ルート |
42 |
NTP サーバ |
51 |
IP アドレス リース期間 |
52 |
オプション オーバーロード |
61 |
クライアント ID |
66 |
Trivial File Transfer Protocol(TFTP; 簡易ファイル転送プロトコル)サーバ名 |
BOOTP サーバから BOOTP 応答を受け取った場合、スイッチは BOOTP 応答で指定されたアドレスに、帯域内(sc0)インターフェイスの IP アドレスを設定します。
応答として DHCPOFFER メッセージまたは BOOTP 応答がなかった場合、スイッチは指数バックオフ アルゴリズム(要求送信間隔を指数に従って延長)を使用して、要求を再びブロードキャストします。10 分経過しても応答がない場合(かつ BOOTP 要求および RARP 要求も同様に失敗した場合)、sc0 インターフェイスの IP アドレスは 0.0.0.0 に設定されたままになります。
DHCP または BOOTP で取得した IP アドレスを使用して、スイッチをリセットした場合、または電源切断後に再投入した場合、DHCP または BOOTP から学習した情報が維持されます。起動時に、スイッチは IP アドレスのリースを更新しようとします。応答がなければ、スイッチはその時点での IP アドレスを維持します。
BOOTP および RARP の概要
BOOTP および RARP の場合、スイッチの MAC アドレスを BOOTP サーバまたは RARP サーバ上の IP アドレスにマッピングします。スイッチは起動時に、サーバから対応する IP アドレスを自動的に取得します。
すべてのスイッチ ポートがオンラインになると、スイッチは 10 個の BOOTP 要求および RARP 要求をブロードキャストします。応答を受信すると、スイッチは帯域内(sc0)インターフェイスの IP アドレスを応答で指定されたアドレスに設定します。
応答がない場合(かつ DHCP 要求も同様に失敗した場合)、sc0 インターフェイスの IP アドレスは 0.0.0.0 に設定されたままになります。
BOOTP または RARP で取得した IP アドレスを使用して、スイッチをリセットした場合、または電源切断後に再投入した場合、BOOTP または RARP から学習した情報が維持されます。
IP アドレスおよびデフォルト ゲートウェイの設定準備
スイッチの IP アドレスおよびデフォルト ゲートウェイを設定する前に、次の情報を調べておいてください。
• スイッチの IP アドレス(sc0 および sc1 インターフェイスのみ)
• サブネット マスク/サブネット ビット数(sc0 および sc1 インターフェイスのみ)
• (任意)ブロードキャスト アドレス(sc0 および sc1 インターフェイスのみ)
• VLAN メンバーシップ(sc0 および sc1 インターフェイスのみ)
• SLIP および SLIP 宛先アドレス(sl0 インターフェイスのみ)
• インターフェイス接続タイプ
–帯域内(sc0 および sc1)インターフェイス ― スイッチの帯域内管理インターフェイスに IP アドレス、サブネット マスク、および VLAN を割り当てる場合、このインターフェイスを設定します。
–SLIP(sl0)インターフェイス ― 端末とスイッチ間でポイントツーポイント SLIP 接続を設定する場合、このインターフェイスを設定します。
MSFC の初回の起動方法
Multilayer Switch Feature Card(MSFC; マルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード)ブートフラッシュには、2 つの MSFC イメージが用意されています。ブート ローダ イメージとシステム イメージです。ブート ローダ イメージは、ネットワーク インターフェイス コードおよびエンドホスト プロトコル コードを含む、機能の限られたシステム イメージです。システム イメージは、マルチプロトコル ルーティングを完全にサポートする、Cisco IOS の主要なソフトウェア イメージです。
出荷時の設定では、MSFC は最初にブート ローダ イメージを起動し、次にブートフラッシュからシステム イメージを起動するように設定されています。ただし、スーパバイザ エンジンでフラッシュ PC カードが使用できる場合には、新しいシステム イメージ(アップグレード)を、MSFC のブートフラッシュではなく、スーパバイザ エンジンのフラッシュ PC カードですべて保存することを推奨します。ブート ローダ イメージは、MSFC のブートフラッシュで保存する 必要 があります。
注意 ブート ローダ イメージは
消去しないでください。このイメージは、最初に起動するイメージとして常に使用されるので、MSFC ブートフラッシュ上で最初に検出されるイメージとして残しておく必要があります。
(注) スーパバイザ エンジンのフラッシュ PC カードに保存されたシステム イメージを使用するには、BOOTLDR 環境変数を設定する必要があります。イネーブル モードで、boot bootldr bootflash:boot_loader_image コマンドを入力します。
スーパバイザのフラッシュ PC カード上にシステム イメージを保存するには、MSFC の設定に次のコマンドを追加して、フラッシュ PC カード上の該当するイメージから MSFC を起動するように、MSFC の設定を変更する必要があります。
boot sup-slot0:system_image
上記の例で、 system_image は、スーパバイザのフラッシュ PC カード上の目的とするイメージ名です。
(注) スーパバイザ エンジンのフラッシュ PC カードに保存されているシステム イメージを起動するには、少なくとも 1 つの VLAN インターフェイスが設定され、アクティブになっている必要があります。
この推奨手順に従った場合、ブートフラッシュ上に新しいシステム イメージを保存する必要はありません。必要に応じて、次のコマンドを入力することにより、スーパバイザ エンジンのフラッシュ PC カード上のイメージからブートフラッシュ上のシステム イメージをアップデートできます。
delete bootflash:old_system_image
copy sup-slot0:new_system_image bootflash:
デフォルト IP アドレスおよびデフォルト ゲートウェイの設定
表3-2 に、デフォルト IP アドレスおよびデフォルト ゲートウェイの設定を示します。
表3-2 スイッチの IP アドレスおよびデフォルト ゲートウェイのデフォルト設定
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帯域内(sc0)インターフェイス |
• IP アドレス、サブネット マスク、およびブロードキャスト アドレスを 0.0.0.0 に設定 • VLAN 1 に割り当て |
帯域内(sc1)インターフェイス |
• IP アドレス、サブネット マスク、およびブロードキャスト アドレスを 0.0.0.0 に設定 • VLAN 2 に割り当て |
デフォルト ゲートウェイ アドレス |
メトリック 0 で 0.0.0.0 に設定 |
SLIP(sl0)インターフェイス |
• IP アドレスおよび SLIP 宛先アドレスを 0.0.0.0 に設定 • コンソール ポートの SLIP は非アクティブ( detach に設定) |
sc0 および sc1 帯域内インターフェイスによってサポートされる機能
表3-3 に、sc0 および sc1 帯域内インターフェイスによってサポートされる機能を示します。
表3-3 sc0 および sc1 帯域内インターフェイスによってサポートされる機能
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イメージのダウンロード |
イメージのダウンロード |
ping |
ping |
Telnet |
Telnet |
SNMP |
SNMP |
デフォルト ゲートウェイのサポート |
デフォルト ゲートウェイのサポート |
BOOTP |
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DHCP |
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RARP |
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帯域内(sc0 および sc1)インターフェイス IP アドレスの割り当て
Telnet を使用してスイッチに接続する場合、または SNMP を使用してスイッチを管理する場合には、あらかじめ帯域内(sc0 または sc1)論理インターフェイスのいずれかに IP アドレスを割り当てる必要があります。
ヒント sc1 または sc0 インターフェイスをデフォルト アドレスの 0.0.0.0 に戻す(クリアする)には、set interface {sc0 | sc1} 0.0.0.0 コマンドを使用します。
ヒント sc0 および sc1 の両方の帯域内インターフェイスが設定されている場合、スイッチは 2 つの異なる VLAN から同時に直接アクセスが可能です。
サブネット マスク( netmask )は、サブネット ビット数を使用して、またはドット付き 10 進表記のサブネット マスクを使用して指定できます。
帯域内(sc0 または sc1)管理インターフェイスの IP アドレスおよび VLAN メンバーシップを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います(この例では sc0 インターフェイスを設定します)。
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ステップ 1 |
帯域内(sc0 または sc1)インターフェイスに、IP アドレス、サブネット マスク(またはサブネット ビット数)、および(任意で)ブロードキャスト アドレスを割り当てます。 |
set interface { sc0 | sc1 } [ ip_addr [ netmask [ broadcast ]]] または set interface { sc0 | sc1 } [ ip_addr / netmask [ broadcast ]] |
ステップ 2 |
適切な VLAN に帯域内インターフェイスを割り当てます(IP アドレスが所属するネットワークと VLAN が対応付けられていることを確認します)。 |
set interface { sc0 | sc1 } [ vlan ] |
ステップ 3 |
必要に応じて、インターフェイスをアクティブにします。 |
set interface { sc0 | sc1 } up |
ステップ 4 |
インターフェイスの設定を確認します。 |
show interface |
次に、帯域内 sc0 インターフェイスに IP アドレスを割り当て、サブネット ビット数および VLAN の割り当てを指定する例を示します。
Console> (enable) set interface sc0 172.20.52.124/29
Interface sc0 IP address and netmask set.
Console> (enable) set interface sc0 5
次に、VLAN の割り当てを指定し、IP アドレスを割り当て、ドット付き 10 進表記でサブネット マスクを指定し、設定を確認する例を示します。この例では sc0 インターフェイスを設定します(sc1 および sl0 インターフェイスは設定されていません)。
Console> (enable) set interface sc0 5 172.20.52.124/255.255.255.248
Interface sc0 vlan set, IP address and netmask set.
Console> (enable) show interface
sl0: flags=51<UP,POINTOPOINT,RUNNING>
slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0
sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING>
vlan 5 inet 172.20.52.124 netmask 255.255.255.248 broadcast 172.20.52.17
sc1: flags=62<DOWN,BROADCAST,RUNNING>
vlan 0 inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0
デフォルト ゲートウェイの設定
スーパバイザ エンジンは、ほかの IP サブネット宛の IP パケットをデフォルト ゲートウェイ(通常はスイッチ IP アドレスと同じネットワークまたはサブネットのルータ インターフェイス)に送信します。スイッチは、接続装置からのトラフィックの転送には IP ルーティング テーブルを使用しません。スイッチ自体が生成した IP トラフィック(Telnet、TFTP、および ping など)の転送だけに使用します。
(注) デフォルト ゲートウェイのほかに、スタティック IP ルートを設定する場合もあります。スタティック ルートの設定については、「スイッチ上でのスタティック ルートの設定」を参照してください。
デフォルト IP ゲートウェイは、3 つまで定義できます。ゲートウェイをプライマリ ゲートウェイにするには、 primary キーワードを使用します。プライマリのデフォルト ゲートウェイを指定しなかった場合、最初に設定したゲートウェイがプライマリ ゲートウェイになります。また、複数のゲートウェイをプライマリとして指定した場合には、最後に設定したゲートウェイがプライマリのデフォルト ゲートウェイになります。
スイッチはネットワークからのすべての IP トラフィックをプライマリ デフォルト ゲートウェイに送信します。プライマリ ゲートウェイに接続できなくなった場合、スイッチは設定された順にバックアップ ゲートウェイを使用します。スイッチは定期的に ping メッセージを送信して、各デフォルト ゲートウェイがアクティブかどうかを判別します。プライマリ ゲートウェイに再び接続できるようになると、プライマリ ゲートウェイへのトラフィック送信が再開されます。
(注) システムは、ルートとゲートウェイを該当する sc0 または sc1 帯域内インターフェイスに自動的に対応付けます。
1 つまたは複数のデフォルト ゲートウェイを設定するには、イネーブル モードで次の作業を行います。
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ステップ 1 |
スイッチのデフォルト IP ゲートウェイ アドレスを設定します。 |
set ip route default gateway [ metric ] [ primary ] |
ステップ 2 |
(任意)スイッチ用に追加のデフォルト ゲートウェイを設定します。 |
set ip route default gateway [ metric ] [ primary ] |
ステップ 3 |
デフォルト ゲートウェイが IP ルーティング テーブルに正しく組み込まれていることを確認します。 |
show ip route |
デフォルト ゲートウェイ エントリを削除するには、イネーブル モードで次のいずれかの作業を行います。
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特定のデフォルト ゲートウェイ エントリを消去します。 |
clear ip route default gateway |
すべてのデフォルト ゲートウェイおよびスタティック ルートを消去します。 |
clear ip route all |
次に、スイッチ上で 3 つのデフォルト ゲートウェイを設定し、デフォルト ゲートウェイの設定を確認する方法を示します。
Console> (enable)
set ip route default 10.1.1.10
Console> (enable)
set ip route default 10.1.1.20
Console> (enable)
set ip route default 10.1.1.1 primary
Console> (enable)
show ip route
Fragmentation Redirect Unreachable
------------- -------- -----------
The primary gateway: 10.1.1.1
Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface
--------------- --------------- ---------- ----- -------- ---------
default 10.1.1.1 0x0 UG 6 sc0
default 10.1.1.20 0x0 G 0 sc0
default 10.1.1.10 0x0 G 0 sc0
10.0.0.0 10.1.1.100 0xff000000 U 75 sc0
default default 0xff000000 UH 0 sl0
コンソール ポートでの SLIP(sl0)インターフェイスの設定
スイッチと IP ホスト間のポイントツーポイント SLIP 接続には、SLIP(sl0)インターフェイスを使用します。
注意 SLIP 接続には、コンソール ポートを使用する
必要があります。SLIP 接続がイネーブルになり、コンソール ポート上で SLIP 接続が行われると、コンソール ポートから EIA/TIA-232 端末に接続することはできません。コンソール ポートからスイッチの CLI に接続している場合に、
slip attach コマンドを入力すると、コンソール ポート接続が切断されます。その場合、Telnet を使用してスイッチにアクセスし、イネーブル モードを開始して、
slip detach コマンドを入力すると、コンソール ポート接続を復元できます。
コンソール ポート上で SLIP をイネーブルにして接続するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
リモート ホストからスイッチに Telnet でアクセスします。 |
telnet { host_name | ip_addr } |
ステップ 2 |
スイッチ上でイネーブル モードを開始します。 |
enable |
ステップ 3 |
コンソール ポートの SLIP アドレス、および接続ホストの宛先アドレスを設定します。 |
set interface sl0 slip_addr dest_addr |
ステップ 4 |
SLIP インターフェイスの設定を確認します。 |
show interface |
ステップ 5 |
コンソール ポートに対して SLIP をイネーブルにします。 |
slip attach |
コンソール ポート上で SLIP をディセーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
リモート ホストからスイッチに Telnet でアクセスします。 |
telnet { host_name | ip_addr } |
ステップ 2 |
スイッチ上でイネーブル モードを開始します。 |
enable |
ステップ 3 |
コンソール ポートに対して SLIP をディセーブルにします。 |
slip detach |
コンソール ポート上で SLIP を設定し、その設定を確認する例を示します。
sparc20% telnet 172.20.52.38
Connected to 172.20.52.38.
Escape character is '^]'.
Cisco Systems, Inc. Console
Console> (enable) set interface sl0 10.1.1.1 10.1.1.2
Interface sl0 slip and destination address set.
Console> (enable) show interface
sl0: flags=51<UP,POINTOPOINT,RUNNING>
slip 10.1.1.1 dest 10.1.1.2
sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING>
vlan 522 inet 172.20.52.38 netmask 255.255.255.240 broadcast 172.20.52.7
Console> (enable) slip attach
Console Port now running SLIP.
Console> (enable) slip detach
SLIP detached on Console port.
BOOTP、DHCP、または RARP を使用して IP アドレスを取得する場合
(注) スイッチで BOOTP、DHCP、または RARP を使用して IP コンフィギュレーションを取得する手順の詳細については、「自動 IP コンフィギュレーションの機能概要」を参照してください。
BOOTP、DHCP、または RARP を使用してスイッチの IP アドレスを取得するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
ネットワーク上に DHCP サーバ、BOOTP サーバ、または RARP サーバがあることを確認します。 |
- |
ステップ 2 |
モジュール 1(スーパバイザ エンジン)について MAC アドレス範囲内で最後のアドレスを取得します。このアドレスは、MAC-Address(es) の見出しの下に表示されます(DHCP を使用する場合、手動割り当て方式を使用するときに限り、この作業が必要です)。 |
show module |
ステップ 3 |
DHCP、BOOTP、または RARP のサーバ コンフィギュレーションの各スイッチにエントリを追加し、スイッチの MAC アドレスをスイッチの IP コンフィギュレーション情報に対応付けます(DHCP を使用する場合、手動または自動割り当て方式を使用するときに限り、この作業が必要です)。 |
- |
ステップ 4 |
sc0 インターフェイスの IP アドレスを 0.0.0.0 に設定します。 |
set interface sc0 0.0.0.0 |
ステップ 5 |
スイッチをリセットします。DHCP 要求および RARP 要求は、スイッチの起動時に限りブロードキャストされます。 |
reset system |
ステップ 6 |
スイッチの再起動後、sc0 インターフェイスの IP アドレス、サブネット マスク、およびブロードキャスト アドレスが正しく設定されているかどうかを確認します。 |
show interface |
ステップ 7 |
DHCP の場合、ほかのオプション(デフォルト ゲートウェイ アドレスなど)が正しく設定されているかどうかを確認します。 |
show ip route |
次に、スイッチが DHCP 要求をブロードキャストし、DHCP オファーを受信し、DHCP オファーの内容に基づいて IP アドレスおよびそのほかの IP パラメータを設定する例を示します。
Sending RARP request with address 00:90:0c:5a:8f:ff
Sending DHCP packet with address: 00:90:0c:5a:8f:ff
Sending DHCP packet with address: 00:90:0c:5a:8f:ff
Timezone set to '', offset from UTC is 7 hours 58 minutes
Timezone set to '', offset from UTC is 7 hours 58 minutes
172.16.30.32 added to DNS server table as primary server.
172.16.31.32 added to DNS server table as backup server.
172.16.32.32 added to DNS server table as backup server.
NTP server 172.16.25.253 added
NTP server 172.16.25.252 added
%MGMT-5-DHCP_S:Assigned IP address 172.20.25.244 from DHCP Server 172.20.25.254
Console> (enable) show interface
sl0: flags=51<UP,POINTOPOINT,RUNNING>
slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0
sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING>
vlan 1 inet 172.20.25.244 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.20.25.255
dhcp server: 172.20.25.254
DHCP で割り当てられた IP アドレスの更新および解除
DHCP を使用して IP アドレスを割り当てる場合、次のどちらかの DHCP 関連作業を行うことができます。
• DHCP で割り当てられた IP アドレスのリースを更新します。
• DHCP で割り当てられた IP アドレスのリースを解除します。
DHCP で割り当てられた、帯域内(sc0)管理インターフェイスの IP アドレスを更新または解除するには、イネーブル モードで次のいずれかの作業を行います。
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DHCP で割り当てられた IP アドレスのリースを更新します。 |
set interface sc0 dhcp renew |
DHCP で割り当てられた IP アドレスのリースを解除します。 |
set interface sc0 dhcp release |
次に、DHCP で割り当てられた IP アドレスのリースを更新する例を示します。
Console> (enable) set interface sc0 dhcp renew
Console> (enable) Sending DHCP packet with address: 00:90:0c:5a:8f:ff
次に、DHCP で割り当てられた IP アドレスのリースを解除する例を示します。
Console> (enable) set interface sc0 dhcp release
Console> (enable) Sending DHCP packet with address: 00:90:0c:5a:8f:ff