概要
この付録では、実際のトラフィック内にインストールされている SCE プラットフォームをモニタリングする方法について説明します。
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「SCE プラットフォーム利用率インジケータ」
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「サービス損失」
どのネットワーク デバイスでもそうであるように、SCE プラットフォームにも、パフォーマンスと容量の限界があります。ネットワークが発展するにつれ、プラットフォームの利用率が上がっていき、そのうちこれらの限界に達する可能性があります。したがって、利用率が信頼性が高く一貫したサービスをサポートできるレベルに留まっていることを確認するために、SCE プラットフォームをモニタリングすることをお勧めします。
SCE プラットフォームがパフォーマンスの限界に達すると、その状態でもトラフィックが一切失われない状態を保証するために一定のメカニズムがアクティブになります。これらのメカニズムは、サービス関連のアクションよりもパケット処理のプライオリティを高くします。このため、サービス損失という症状が発生する可能性があります。次にいくつかの例を挙げます。
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輻輳状態が発生している期間のレポートの破損(場合によっては、のこぎり状のパターンとして)。
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帯域幅強制レベルが満たされない。
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UDP トラフィックがレポートされない(これは、特定の状況で SCE プラットフォームが自動的にすべての UDP トラフィックに宛先としてフィルタをかけるためです)。
SCE プラットフォームのモニタリングは、主に次の 2 つの分野に分けることができます。
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SCE プラットフォーム使用率のモニタリング
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サービス損失のモニタリング
SCE プラットフォーム利用率インジケータ
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「CPU 使用率」
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「フロー容量」
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「サブスクライバ容量」
SCE プラットフォームがそのパフォーマンスと容量の仕様内で動作しているかどうかをネットワーク オペレータが簡単にモニタリングできるようにするために、SCE プラットフォームは、次のようないくつかのインジケータを公開します。
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CPU 使用率
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フロー容量
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サブスクライバ容量
CPU 使用率
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SNMP
tpCpuUtilization 、 PCubeSeMib.mib 内の各トラフィック プロセッサ( TpInfoEntry )について参照可能
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CLI コマンド
show snmp MIB pcube-SE-MIB traffic-processor | include tpCpuUtilization
ピークとなる時間帯に CPU 利用率が定常的に 75% を超える場合は、ソリューションの規模を検討することをお勧めします。
フロー容量
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SNMP
tpFlowsCapacityUtilization 、 PCubeSeMib.mib 内の各トラフィック プロセッサ( TpInfoEntry )について参照可能
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CLI コマンド
show snmp MIB pcube-SE-MIB traffic-processor | include tpFlowsCapacityUtilization
ピークとなる時間帯にフロー容量が定常的に 90% を超える場合は、ソリューションの規模を検討することをお勧めします。
サブスクライバ容量
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SNMP
subscribersInfoEntry 、 PCubeSeMib.mib 内で参照可能
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CLI コマンド
show snmp MIB pcube-SE-MIB subscriber
SCE 2000 プラットフォームは、最大 80K のサブスクライバをサポートします。SCE 1000 でサポートされるのは、最大 40K のサブスクライバです。導入したサブスクライバとアノニマス サブスクライバの合計数がこの値の範囲内に収まる状態を確保してください。
サブスクライバ利用率が 90% を超える場合は、特に注意して、規模を再検討することをお勧めします。
サービス損失
サービス損失は、SCE プラットフォームがネットワーク上の任意のトランザクションに対して期待される処理を提供しない場合に発生するイベントです。これは、CPU またはフローの不足が原因で発生します。
SCE プラットフォームでサービス損失を発生させる状況としては、次の 2 つの状況があります。
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一時的な状況 - 本質的に短い何らかのネットワーク パターンが発生し、SCE プラットフォームがそのリソースを一時的に使い果たした場合に発生します。例として、SCE プラットフォームが検出してフィルタすることができなかった DDoS 攻撃が挙げられます。
これは、通常、秒単位で計測されます。
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恒久的な状況 - SCE プラットフォームが、その容量およびパフォーマンスの限界に見合わないネットワーク トラフィックを持つ場所にインストールされている場合、恒久的なサービス損失が発生します。
これは、時間単位で計測されます。
サービス損失は、サービスが期待されるとおりに受け取らなかったパケットの数の SCE プラットフォームで処理された総パケット数に対する比率で定義されます。
サービス損失のモニタリング
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SNMP
tpServiceLoss 各トラフィック プロセッサについて MIB が取得可能( TpInfoEntry )
SCE プラットフォーム ユーザが、この変数をモニタリングするタイムスロットを定義することが前提となっています(タイムスロット間でリセットされます)。
この変数の単位は 0.001% で、端数は切り捨てられます。