この章では、物理ライン インターフェイス(ポート)の接続方法、およびこれらのインターフェイスをトンネリング、VLAN 変換、DSCP マーキング、トラフィック規則用に設定する方法について説明します。
ライン インターフェイス(サブスクライバおよびネットワーク)は、SCE プラットフォームをネットワークに接続するために使用されます。ネットワーク トポロジの詳細については、『 Cisco SCE8000 Installation and Configuration Guide 』の「 Topology 」の章を参照してください。
(注) 設計上、SCE プラットフォームはイーサネットのフロー制御を対処し、アクティブ化しません。そのため、SCE プラットフォームのキューのオーバーフローによりフロー制御が SCE プラットフォームを実際に停滞させるような状況が起こり、Rx インターフェイス上でトラフィックがドロップされる可能性があります。このような状況が 5 秒以上続くと、SCE プラットフォームの内部健全性チェックが行われ、回復のために SCE プラットフォームがリロードされる場合もあります。
Cisco SCE8000 トラフィック処理の MTU 値は 1600 バイトです。1600 バイトより大きく最大 9238 バイトまでのパケットは、ハードウェアによってバイパスされます。
10GBE ライン インターフェイスは TenGigabitEthernet モードで設定されます。
ステップ 1 SCE# プロンプトに configure を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 2 SCE(config if)# プロンプトに、 interface TenGigabitEthernet 3/ bay number /0
を入力して、 Enter キーを押します。 bay number は、選択した SPA ベイ(0 ~ 3)の番号です。現在、スロット番号は常に 3 で、ポート番号は常に 0 です。
選択した 10 GBE インターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 SCE(config if)# プロンプトで、 exit
と入力し、 Enter キーを押します。
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。そこから別の 10 ギガビット イーサネット インターフェイスにアクセスできます。
トンネリング テクノロジーは、さまざまなネットワーキング問題を解決するために、各種のテレコミュニケーション セグメントで使用されています。SCE プラットフォームは、多様なトンネリング プロトコルを複数の方法で認識して処理するように設計されています。SCE プラットフォームでは、トンネリング プロトコルを無視する(ヘッダーを「スキップする」)か、 トンネリング情報をサブスクライバ情報として扱う(「分類する」)かのいずれかを実行できます。
次の表に、各種トンネリング プロトコルに対するサポートを示します(各プロトコルのデフォルト動作は太字で表示)。
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非対称 |
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トンネリング情報が無視される場合、サブスクライバは、トンネル内部で伝送される IP パケットのサブスクライバ IP により識別されます。
一部のトンネリング モードは対称で、他のモードは非対称です( 表6-1 を参照)。非対称トンネリング モードの 1 つがイネーブルになると、システム全体が非対称フロー オープン モードに自動的に設定されます。このモードでは、対称フロー オープン モードよりも早くフローがオープンし、フローの各方向の最初のパケット(アップストリームおよびダウンストリーム)がソフトウェアに到達します。これは、非対称レイヤ 2 プロトコル上で、リダイレクトおよびブロック操作をサポートする必要があります。ただし、非対称モードではパフォーマンスの劣化が予測されるので、パフォーマンスへの影響も若干出ます。
また、パケット挿入の目的で(ブロック フローおよびリダイレクト フロー操作など)、すべてのフローに非対称レイヤ 2 特性(イーサネット、VLAN、MPLS、および L2TP)があるものとしてフローを処理するようシステムを明示的に設定することもできます。
有効なフロー オープン モードを表示するには、 show interface linecard 0 flow-open-mode コマンドを使用します。
(注) 非対称トンネリング オプションの詳細については、「非対称 L2 サポート」を参照してください。
L2TP は IP ベースのトンネリング プロトコルであるため、システムに L2TP で使用される UDP ポートを与えて、L2TP フローを認識するように特別に設定する必要があります。SCE プラットフォームは、外部 IP ヘッダー、UDP ヘッダー、および L2TP ヘッダーをスキップして、実際のサブスクライバ トラフィックである内部 IP に到達できます。L2TP が設定されていない場合、システムは外部 IP ヘッダーをサブスクライバ トラフィックとして扱うため、トンネル内のすべてのトラフィックが単一フローとして認識されます。
パケットごとに 1 つの VLAN タグがサポートされます(QinQ はサポートされない)。
VLAN タグによるサブスクライバ分類は、対称 VLAN 環境(すなわち、アップストリームおよびダウンストリームのフロー タグが同一)でのみサポートされます。
デフォルトでは、IP トンネルの認識がディセーブルにされています。L2TP トンネルの認識を設定し、内部 IP パケットにスキップするには、このコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 ip-tunnel L2TP skip
を入力して、 Enter キーを押します。
IP トンネルをディセーブルにするには、次のコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトで、 ip-tunnel
と入力し、 Enter キーを押します。
(注) IP トンネル モードは、VPN ベースの分類の使用と排他的な関係にあります。
IPinIP は IP ベースのトンネリング プロトコルなので、トンネル内のフローを認識するよう特別にシステムを設定する必要があります。SCE プラットフォームは、外部 IP ヘッダーをスキップして、実際のサブスクライバ トラフィックである内部 IP に到達できます。IPinIP スキップがディセーブルの場合、システムは外部 IP ヘッダーをサブスクライバ トラフィックとして扱うため、すべての IPinIP トラフィックは汎用 IP として報告されます。
• IPinIP および他のトンネル:IPinIP は、SCE プラットフォームでサポートされる、プレーンの IP トラフィックや他のトンネリング プロトコルと同時にサポートされます。
• IP アドレスのオーバーラップ:別の IPinIP トンネル内の IP アドレスのオーバーラップはサポートされません。
• DSCP マーキング:IPinIP トラフィックの場合、外部または内部 IP ヘッダーのいずれかでのみ、DSCP マーキングが行われます。「IPinIP トンネリングのディセーブル化」を参照してください。
可能なかぎりフラグメンテーションを回避する必要があります。回避できない場合、内部フラグメンテーションを選択することを推奨します。この選択もできない場合、SCE プラットフォームは外部フラグメンテーションの条件下で動作できます。
デフォルトでは、IP トンネルの認識がディセーブルにされています。 IPinIP トンネルの認識を設定し、内部 IP パケットにスキップするには、このコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE(config-if)# プロンプトに、 ip-tunnel IPinIP skip
を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 1 SCE(config-if)# プロンプトに、 no ip-tunnel IPinIP skip
を入力して、 Enter キーを押します。
DSCP マーキングは、IPv4 ヘッダーの DSCP ビットを変更します。IPinIP トンネルでは、少なくとも 2 つの IP ヘッダーがあります。デフォルトでは、外部 IP ヘッダー上でのみ、DSCP マーキングが実行されます(次の図を参照)。
(注) DSCP マーキングをイネーブルにし、SCA BB コンソール経由で設定する必要があります。詳細については、『Cisco Service Control Application for Broadband User Guide』の「Using the Service Configuration Editor: Traffic Control」の章の「How to Manage DSCP Marker Values」を参照してください。
内部 IP ヘッダーの DSCP ビットをマークするよう SCE プラットフォームを設定するには、このコマンドを使用します。このコマンドが有効になるのは、 IPinIP スキップ がイネーブルの場合だけです。
ステップ 1 SCE(config-if)# プロンプトに、 ip-tunnel IPinIP DSCP-marking-skip
を入力して、 Enter キーを押します。
IPinIP トラフィックの内部 IP ヘッダー上で DSCP マーキングをイネーブルにします。
外部 IP ヘッダー上で DSCP マーキングを実行するには、次のコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE(config-if)# プロンプトに、 no ip-tunnel IPinIP DSCP-marking-skip
を入力して、 Enter キーを押します。
• 「オプション」
対称環境とは、アップストリーム方向およびダウンストリーム方向でのトランザクションの伝送に使用される VLAN タグが同じである環境を意味します。
分類するモードを設定することは、VPN とフローの分類に VLAN タグが使用されることを意味します。VLAN 分類は、その他のトンネルベースの分類または IP トンネルの使用と排他的な関係にあります。
非対称環境とは、同一フローのアップストリーム方向およびダウンストリーム方向での VLAN タグが異なる可能性がある環境です。
SCE プラットフォームは、デフォルトで対称環境で動作するよう設定されています。SCE プラットフォームが、非対称環境で適切に動作して、各フローのアップストリームとダウンストリームで VLAN タグが異なる可能性があることを考慮に入れるように設定するには、特定のコマンドを使用する必要があります。
(注) a-symmetric skip 値を使用すると、パフォーマンス ペナルティが生じます。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトで、 vlan {symmetric classify | symmetric skip |a-symmetric skip} と入力し、 Enter キーを押します。
• 「オプション」
外部フラグメンテーションが L2TP 環境に存在する場合は、LNS IP アドレスまたは LAC IP アドレスのいずれかに送信されるすべての IP トラフィックをバイパスする quick-forwarding-ignore トラフィック規則を設定する必要があります(トラフィック規則およびカウンタの設定を参照)。これにより、L2TP ポート表示を含まないすべてのパケット(つまり、2 番め以降のフラグメント)をトラフィック プロセッサで処理する必要がなくなります。
さらに、L2TP トンネリングされたフラグメントがリオーダーされないように、すべての L2TP トラフィックに quick-forwarding トラフィック規則を定義してください。これは、トンネルの内部 IP により使用される IP 範囲(LNS により割り当てられる)に基づいて実行される場合、または単に SCE プラットフォームをパススルーするすべてのトラフィックに対して実行される場合があります。
フロー リダイレクションおよびフロー ブロッキングは、高速転送されるトラフィック上では実行できません。
• portnumber -- LNS と LAC が L2TP トンネル用に使用するポート番号
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 L2TP identify-by port-number portnumber を入力して、 Enter キーを押します。
次の状態がフローに適用された場合、非対称レイヤ 2 サポートをイネーブルにします。
• ルータが別のリンクの MAC アドレスを持ったパケットを受け入れません。
(注) 「非対称ルーティング トポロジ」と「非対称トンネリング サポート」は別々の機能です。非対称ルーティング トポロジは、SCE プラットフォームが一方向(アップストリーム/ダウンストリーム)のフローのみを検出するトポロジを示します。非対称トンネリング サポート(非対称 L2 サポート)は、SCE プラットフォームがすべてのフローの双方向を検出するトポロジをサポートする機能を示します。しかし、フローの一部が異なるレイヤ 2 特性(MAC アドレス、VLAN タグ、MPLS ラベル、L2TP ヘッダーなど)を持っている場合があり、SCE プラットフォームはパケットを(ブロックおよびリダイレクト動作の)トラフィックに挿入する際に、このことを考慮しなければなりません。非対称レイヤ 2 をサポートするため、SCE プラットフォームは非対称フロー オープン モードに切り替わることに注意してください。これにより、一定のパフォーマンス ペナルティが生じます。非対称ルーティング トポロジの場合は、切り替わりません。
ステップ 1 SCE(config-if)# プロンプトに、 asymmetric-L2-support を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 show interface linecard 0 (VLAN|L2TP|IP-tunnel) を入力して、 Enter キーを押します。
ユーザは、トラフィック規則とカウンタを設定できます。この機能を使用すると、ユーザは SCE プラットフォームを流れるトラフィックに特定の処理(特定のフローのブロックまたは無視、あるいは特定のパケットのカウント)を定義できます。トラフィック規則とカウンタの設定は、SCE プラットフォームがロードしたアプリケーションに依存しません。したがって、SCE プラットフォームが実行しているアプリケーションが変更されても持続します。
トラフィック規則とカウンタの利用方法には、次のようなものがあります。
• 各種の基準に従って、ユーザによるパケットのカウントを可能にする。トラフィック カウンタは ciscoServiceControlTpStats MIB 経由の読み取りが可能なので、インストレーション要件に従って、最大 32 種類のパケットの監視に使用できます。
• 特定のタイプのフローを無視する。トラフィック規則が [ignore] アクションを示す場合、規則基準に一致するパケットは、新規のフローを開かずに、処理されないまま SCE プラットフォームをパススルーします。これは、特定のタイプのトラフィックを SCE プラットフォームで無視しなければならない場合に役立ちます。
たとえば、サービスを必要としないことが明らかな特定の IP 範囲、または特定のプロトコルのトラフィックを無視できます。
• 特定のタイプのフローをブロックする。トラフィック規則が [block] アクションを示す場合、規則基準に一致し、既存のフローに属さないパケットは、ドロップされ、他のインターフェイスに渡されません。これは、特定のタイプのトラフィックを SCE プラットフォームでブロックしなければならない場合に役立ちます。
たとえば、入力側の送信元アドレスのフィルタリングを実行したり(定義済みのサブスクライバ側サブネットに IP アドレスが属さないサブスクライバ ポートが発信元のパケットをドロップする)、特定のポートをブロックしたりできます。
トラフィック規則とカウンタの使用は、パフォーマンスに影響しません。SCE プラットフォームのパフォーマンスの劣化を発生させることなく、トラフィック規則とカウンタの両方を最大数まで定義できます。
トラフィック規則は、特定の基準に一致し、SCE プラットフォームで処理されるパケットに定義されたアクションが実行されるように指定します。Cisco SCE8000 の規則の最大数は 64 で、SCE プラットフォームの CLI で設定されるトラフィック規則の他に、SCA BB など外部管理システムにより設定される規則も含まれます。規則を定義するときに、各規則に名前が付けられます。この名前は、この規則を言及するときに使用されます。
ユーザが定義した基準に従って、パケットが選択されます。これは、次のいずれかの組み合わせになります。
• IP アドレス -- 各回線ポート(サブスクライバ/ネットワーク)に指定できる単一アドレスまたはサブネット範囲
• プロトコル -- TCP/UDP/ICMP/IGRP/EIGRP/IS-IS/OSPF/other
• TCP/UDP ポート -- 各回線ポート(サブスクライバ/ネットワーク)に指定できる単一ポートまたはポート範囲。TCP/UDP プロトコルにのみ有効です。
• 方向(アップストリーム/ダウンストリーム) (TCP のみ)
• 特定のトラフィック カウンタでパケットを カウント します。
• パケットを 無視 します(帯域幅の測定、トランザクションの報告などこのパケットに対するサービスは提供されません)。
• サービスを提供 しながらパケットを 高速転送 します -- 遅延の影響を受けやすいパケットがサービサビリティを維持されながら、高速パスを介して転送されます。
• サービスを提供せずに パケットを 高速転送 します(quick-forwarding-ignore) -- 遅延の影響を受けやすいパケットがサービスを受けずに、高速パスを介して転送されます。
ブロック と 無視 のアクションは、既存のフローに属さないパケットにのみ影響します。
ブロック と 無視 は、相互に排他的な関係にあります。ただし、ブロックまたは無視されたパケットはいずれもカウントできます。
単一パケットを複数の規則に照合させることができます(実際にこのような状態にするのに最も簡単な方法は、異なる名前で同一の 2 つの規則を設定することです)。この場合、システムは次のように動作します。
• カウンタは、特定のパケットを一度だけカウントします。これは、次のことを意味します。
–2 つの規則が同一のカウンタでパケットをカウントすることを示す場合、一度だけカウントが行われます。
–2 つの規則が異なるカウンタでパケットをカウントすることを示す場合、2 回カウントが行われます(それぞれのカウンタで 1 回ずつ)。
• ブロック は 無視 よりも優先されます -- ある規則が ブロック を指定し、別の規則が 無視 を指定する場合、パケットはブロックされます。
トラフィック カウンタは、トラフィック規則の指定に従って、トラフィックをカウントします。カウンタの最大数は、32 です。カウンタを定義するときに、各カウンタに名前が付けられます。この名前は、このカウンタを言及するときに使用されます。
トラフィック カウンタは、2 つの方法のどちらかに設定できます。
トラフィック規則でトラフィック カウンタを言及できるようにするには、まずトラフィック カウンタを作成する必要があります。トラフィック カウンタの作成と削除を行うには、次のコマンドを使用します。
• Count packets -- カウンタは、カウントする各パケットに対して 1 つずつ増分します。
• Count bytes -- カウンタは、カウントする各パケットに対して、パケットのバイト数を増分します。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 traffic-counter name
name count-bytes|count-packets
を入力して、 Enter キーを押します。
指定した名前とカウント モードのトラフィック カウントを追加します。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 no traffic-counter name
name を入力して、 Enter キーを押します。
既存のトラフィック規則で使用されている場合には、トラフィック カウンタを削除できません。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 no traffic-counter all
を入力して、 Enter キーを押します。
既存のトラフィック規則で使用されている場合には、トラフィック カウンタを削除できません。
• ip-address は、10.1.2.3 などのドット付き 10 進表記の単一 IP アドレスです。
• ip-range は、10.1.2.0/24 など、ドット付き 10 進表記のあとに有効ビット数が続く IP サブネット範囲です。
• 指定した IP アドレスまたは IP アドレスの範囲を除外するには、 all-but キーワードを使用します。
• プロトコルが TCP または UDP である場合のみポートを指定します。
• サブスクライバ側とネットワーク側両方のポートおよびポート範囲を指定します。
• MinPort:MaxPort 形式を使用して、ポート範囲を指定します。
• 指定したポートまたはポート範囲を除外するには、 all-but キーワードを使用します。
• tunnel id は、8 ビット 16 進数の値の範囲で、[(16 進数) Tunnel-id ] または [(16 進数) MinTunnelId :(16 進数) MaxTunnelId ] の形式です。VLAN タグの下位 8 ビットを反映します。
• トンネル ID ベースの規則は、「 VLAN 対称分類 」モードで、 トンネル ID モードがイネーブルである場合に限り使用されます(VLAN 環境の設定方法を参照)。
traffic-rule tunnel-id-mode コマンドを使用します。
VLAN タグそのものが 12 ビットであるため、使用される VLAN タグによって、下位 8 ビットのエイリアシングが発生する場合があります。
• name <name of an existing traffic counter> -- 規則の基準に一致するパケットが、指定されたカウンタでカウントされます。カウンタ名が定義されている場合は、[count] アクションも暗黙的に定義されます。カウンタの実際の名前だけでなく、 name キーワードも表示される必要があります。
• none -- none が指定されている場合、action オプションを介してアクションを明示的に定義する必要があります。
action: (アクションが count だけの場合は、必要なし)
• block -- 指定されたトラフィックをブロックします。
• ignore -- 指定されたトラフィックをバイパスします。トラフィックにサービスが提供されません。
• quick-forwarding -- 遅延の影響を受けやすいパケットがサービサビリティを維持されながら、高速パスを介して転送されます。
• quick-forwarding-ignore -- 遅延の影響を受けやすいパケットがサービスを受けずに、高速パスを介して転送されます。
ステップ 1 From the SCE(config if)# プロンプトに、 traffic-rule name name IP-addresses (all|(subscriber-side
<IP specification> network-side <IP specification> )) protocol protocol [ports subscriber-side <port specification> network-side <port specification> ] [tunnel-id < tunnel-id specification > ] direction direction traffic-counter <traffic-counter> [action
action ] と入力します。
• 「例 1」
• 「例 2」
• 「例 3」
• IP アドレス:サブスクライバ側 = すべての IP アドレス、ネットワーク側 = 10.10.10.10 のみ
• IP アドレス:サブスクライバ側 = すべての IP アドレス、ネットワーク側 = 10.10.10.0/24 サブネット以外のすべての IP アドレス
• ポート:サブスクライバ側 = 100-200、ネットワーク側 = all
最初のコマンドでトンネル ID モードがイネーブルになります。
• アクション = ignore(トラフィック カウンタ = none であるために必須)
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 no traffic-rule name
name を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 no traffic-rule all
を入力して、 Enter キーを押します。
既存のトラフィック規則の設定、トラフィック カウンタの設定(パケット/バイトとカウンタを使用する規則名)、およびトラフィック カウンタの値を表示するには、これらのコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 show interface linecard 0 traffic-rule name
rule-name を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 show interface linecard 0 traffic-rule all
を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 show interface linecard 0 traffic-counter name counter-name を入力して、 Enter キーを押します。
指定されたカウンタの値を表示して、使用するトラフィック規則を一覧表示します。
次に、トラフィック カウンタ [cnt] の情報を表示する例を示します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 show interface linecard 0 traffic-counter all
を入力して、 Enter キーを押します。
各カウンタの値を表示して、使用するトラフィック規則を一覧表示します。
次に、既存のすべてのトラフィック カウンタ情報を表示する例を示します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 clear interface linecard 0 traffic-counter name counter-name を入力して、 Enter キーを押します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに、 clear interface linecard 0 traffic-counter all を入力して、 Enter キーを押します。
DSCP マーキングは、パケットのプライオリティを伝える手段として IP ネットワークで使用されます。Cisco Service Control ソリューションでは、SCA BB アプリケーションによるサービス単位、パッケージ レベル単位の DSCP 分類をサポートしています。SCE プラットフォームの DSCP マーキング機能を使用すると、SCA BB コンソール経由で設定されるポリシーに準じて各パケットの IP ヘッダーにある DSCP フィールドにマーキングを行うことができます。IP ヘッダーに設定される実際の DSCP 値は、設定可能な DSCP 変換テーブルで定義される値によって決まります。
DSCP マーキングの設定は SCA BB コンソール経由で実行されます。各インターフェイスの DSCP マーキングのステート(イネーブルまたはディセーブル)および DSCP 変換テーブルを表示するには、SCE プラットフォームの CLI を使用できます。
DSCP マーキングの設定については、『 Cisco Service Control Application for Broadband User Guide 』を参照してください(SCA BB リリース 3.1.5 以降)。
(注) リリース 3.1.5 以降の DSCP マーキングは、リリース 3.1.5 以前の SCOS バージョンとは下位互換性がありません。
インターフェイス単位の DSCP マーキングのステート(イネーブルまたはディセーブル)および DSCP 変換テーブルを表示するには、次のコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE> プロンプトに、 show interface linecard 0 ToS-marking を入力して、 Enter キーを押します。
SCE プラットフォーム ハードウェアはデフォルトで、WRED パケット(BW 制御基準によりドロップするようマーク付けされたパケット)をドロップします。ただし、これはサービスごとにドロップされるパケット数を把握する必要があるユーザにとっては問題があります。ドロップされるパケット数をサービスごとにカウントするには、トラフィック プロセッサがすべてのフローでドロップされるすべてのパケットを認識しなければなりません。ただし、ハードウェアがレッド パケットをドロップする場合、トラフィック プロセッサはドロップされるすべてのパケットをカウントできず、ユーザは関連する MIBカウンタ( tpTotalNumWredDiscardedPackets )で正確な値を把握できません。
(注) MIB オブジェクト tpTotalNumWredDiscardedPackets がドロップされるパケットをカウントします。このカウンタの値は、ハードウェア パケット ドロップがディセーブルな場合(非デフォルト モード)に限り絶対的です。ハードウェア パケットのドロップがイネーブルの場合(デフォルト モード)、この MIB カウンタは約 1:6 の係数によりパケットのドロップ数の傾向を示す相対値のみを提供します。
ユーザは、drop-wred-packets-by-hardware モードをディセーブルにできます。これにより、アプリケーションから既存のフロー単位のカウンタにアクセスできるようになります。アプリケーションは、ドロップされるパケット数をフローごとに入手して、ユーザにドロップされるパケットの正確な数およびその分配を提示できます。
ドロップされるすべてのパケットをカウントすることは、システム パフォーマンスにかなりの影響を与えるため、デフォルトでは drop-wred-packets-by-hardware モードがイネーブルに設定されています。
drop-wred-packets-by-hardware モードをディセーブルにして、ソフトウェアでドロップされるすべてのパケットをカウントできるようにするには、このコマンドを使用します。
デフォルトでは、ハードウェア パケット ドロップはイネーブルです。
(注) この機能をディセーブルにすると、遅延およびパフォーマンスの両方に影響する可能性があります。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 no accelerate-packet-drops
を入力して、 Enter キーを押します。
ハードウェア パケット ドロップをイネーブルにするには、次のコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE(config if)# プロンプトに、 accelerate-packet-drops
を入力して、 Enter キーを押します。