Cisco SCE8000 プラットフォームは、出荷前に入念にテストされています。それでもプラットフォームの起動時に問題が発生する場合は、この章に記載された情報を使用して問題の原因を特定してください。この章で説明する手順は、システムの初回起動時のトラブルシューティングを想定しています。また、Cisco SCE8000 プラットフォームが出荷時の設定であることが前提です。コンポーネントの取り外しまたは取り付けを行ったり、デフォルト設定を変更した場合は、この章の推奨事項は適用されないことがあります。Cisco SCE8000 プラットフォームに付属の『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco SCE8000 』に記載されている安全上の警告を必ず読んでから、この章のトラブルシューティング手順を実行してください。
ここでは、この章で使用するトラブルシューティング方法、および Cisco SCE8000 プラットフォームをサブシステムに分割して問題解決の効率を高める方法について説明します。問題を容易に解決できない場合は、購入した代理店に解決方法をお問い合わせください。代理店には次の情報をお伝えください。
表 8-1 に、この章で説明する一般的なトラブルシューティングの流れを示します。必要に応じて 表 8-1 を参照し、手順を実行して、問題を特定のサブシステムに限定してから、可能であれば問題を解決してください。
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「電源サブシステムのトラブルシューティング」 を参照し、ステップ 3 に進みます。 |
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「ファームウェア パッケージ インストレーションのトラブルシューティング」を参照し、ステップ 4 に進みます。 |
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「管理サブシステムのトラブルシューティング」を参照し、ステップ 5 に進みます。 |
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「リンク インターフェイス サブシステムのトラブルシューティング」を参照し、ステップ 6 に進みます。 |
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Cisco SCE8000 のインストールにおけるトラブルシューティングを正常に実行するには、次の 2 つのツールが役に立ちます。
Cisco SCE8000 プラットフォームのインストレーションのトラブルシューティングに役立つ情報を表示するには、次のコマンドを使用します。詳細については、『 Cisco SCE8000 Software Configuration Guide 』または『 Cisco SCE8000 CLI Command Reference 』を参照してください。
(注) 管理インターフェイスが動作しない場合は、Cisco SCE8000 プラットフォームにローカル コンソールを接続して、トラブルシューティング用の CLIコマンドを入力できるようにする必要があります。
• ファームウェア パッケージ インストレーションのトラブルシューティング
– boot system <filename> :インストールするパッケージ ファイルを指定し、確認します。エラー メッセージまたはその他の出力により、パッケージ ファイルの問題を特定できます。
次に、 boot system コマンドの出力例を示します。
– show interface GigabitEthernet 1/1 :管理インターフェイスの IP アドレスおよび自動ネゴシエーション情報を表示します。
次に、 show interface GigabitEthernet 1/1 コマンドの出力例を示します。
– show ip default-gateway :設定されているデフォルト ゲートウェイの IP アドレスを表示します。
次に、 show ip default-gateway コマンドの出力例を示します。
– show ip route :ルーティング テーブル全体、および最終的な宛先(デフォルト ゲートウェイ)を表示します。
次に、 show ip route コマンドの出力例を示します。
– show access-lists :すべてのアクセス リストまたは特定のアクセス リストを表示します。
次に、 show access-lists コマンドの出力例を示します。
– show telnet :Telnet サーバ デーモンのステータス( status )またはアクティブなすべての Telnet セッション( sessions )を表示します。
次に、 show telnet コマンドの出力例を示します。
– show line vty timeout :Telnet セッションに設定されたタイムアウトを表示します。
次に、 show line vty timeout コマンドの出力例を示します。
• リンク インターフェイス サブシステムのトラブルシューティング
– show interface TenGigabitEthernet 3/#/0 :特定の 10GBE インターフェイスの情報を表示します。
次に、 show interface コマンドの出力例を示します。
– show interface TenGigabitEthernet 3/#/0 counters :GBE インターフェイスのカウンタ値を表示します。
次に、 show interface counters コマンドの出力例を示します。
ユーザ ログに関するコマンドの説明については、「ユーザ ログを使用したトラブルシューティング」を参照してください。
SCE8000-SCM-E 前面パネル、電源装置、およびファン アセンブリの LED は、プラットフォームの問題を最も短時間に検出できるメカニズムです。Cisco SC8000 プラットフォームの LED 情報については、次を参照してください。
• 表 2-3
表 8-2 に、Cisco SCE8000 の動作状態を示します。サービス コントロール モジュールのステータス LED が、現在の Cisco SCE8000 の動作状態を示します。起動が完了したら、CLI コマンド show system operation-status を使用して、動作ステータスを表示できます。
表 8-3 に、電源装置の LED の動作ステータスを示します。
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表 8-4 に、ファン アセンブリの LED の動作ステータスを示します。
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起動時の問題は、一般に電源問題またはケーブル接続不良が原因で発生します。
Cisco SCE8000 を最初に起動するときは、「Cisco SCE8000 プラットフォームの起動」に記載されている起動シーケンスを確認する必要があります。ここでは、標準の起動シーケンスの詳細、および予測どおりに起動シーケンスが実行されない場合の実行手順について説明します。起動シーケンスにおけるシステムの状態はすべて LED によって表示されます。LED の状態を確認することによって、起動シーケンスでシステム障害が発生した場所と時刻を判別できます。次の説明に従って、問題のあるサブシステムを特定し、該当する項を参照して問題を解決してください。
電源装置のスイッチをオンにしてシステムを起動すると、次のような状態になります。
• STATUS LED がオレンジに点滅し、警告状態を示している場合は、ユーザ ログを調べます。
プロンプトで、次のように入力します: more user log
次のいずれかの警告メッセージが表示される場合は、(外部エアー フローの遮断など)原因が明確でなく容易には解決できないので、Cisco SCE8000 プラットフォームの電源をオフにして、テクニカル サポートに問い合わせてください。
表 8-5 を確認し、電源サブシステムの問題を特定してください。冗長電源装置を搭載した標準構成の Cisco SCE8000 プラットフォームであれば、デバイスが完全に起動しないことはまずありません。ただし、起動時には、両方の電源装置が動作することを確認するようにしてください。Cisco SCE8000 プラットフォームに電源を投入したときに、前面パネルのいずれかの POWER LED が消灯したままになっている場合は、次の手順を実行する必要があります。
(注) 環境上の理由によるシャットダウンでシステムの電源が切断された場合は、最低でも 1 分経過してから、システムを手動でリブートしてください。そうしないと、システムは停止したまま動きません。
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電源装置に新しい電源コードを取り付け、別の電源に接続してもシステムが起動しない場合は、電源装置に問題があると考えられます。代理店に連絡してください。 |
表 8-6 を調べて、ファームウェア パッケージのインストレーションに関する問題を特定します。
ファームウェア パッケージのインストレーションに関連する問題は、次のいずれかが考えられます。
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コマンド出力に、パッケージ ファイル プラットフォームが Cisco SCE8000 に対応した正しいインストレーション ファイルでないことが示されている |
表 8-7 を確認し、管理サブシステムの問題を特定してください。
• 管理リンクがダウンしている (MNG LINK LED が消灯していて、ステータスが警告状態)
• 管理リンクが起動しているが(MNG LINK LEDが点灯)、ping に応答しない
• リンクの問題により、Telnet 接続を確立できない(MNG LINK LED が消灯)
• 管理リンクが起動しているが(MNG LINK LED が点灯)、Telnet 接続を確立できない
(注) 管理リンクがダウンしているか、Telnet 接続を確立できない場合は、CON ポートに接続されたローカル端末上で CLI セッションをオープンする必要があります。これにより、問題を解決し、管理ポートから接続し直すことができるようになります。
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「初期設定パラメータ」 を参照。 『 Cisco SCE8000 Software Configuration Guide 』の「 IP Configuration 」を参照してください。 |
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「初期設定パラメータ」 を参照。 『 Cisco SCE8000 Software Configuration Guide 』の「 Access Control Lists 」を参照してください。 |
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デフォルト ゲートウェイが正しくありません(クライアントとして使用されるホストが、SCE プラットフォームと同じネットワーク内にありません)。 |
デフォルト ゲートウェイを調べて、設定し直します。「初期設定パラメータ」 を参照。 『 Cisco SCE8000 Software Configuration Guide 』の「 IP Configuration 」を参照してください。 |
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ルーティング テーブルが正しく設定されていません(クライアントとして使用されるホストが SCE プラットフォームと同じネットワークにない場合、SCE プラットフォーム ネットワークにゲートウェイが複数存在します)。 |
ルーティング テーブルを調べて、設定し直します。「初期設定パラメータ」 を参照。 『 Cisco SCE8000 Software Configuration Guide 』の「 IP Configuration 」を参照してください。 |
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「初期設定パラメータ」 を参照。 『 Cisco SCE8000 Software Configuration Guide 』の「 Access Control Lists 」を参照してください。 |
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表 8-8 を確認し、リンク インターフェイス サブシステムの問題を特定してください。
一般に、Cisco SCE8000 からトラフィックが送信されない場合、原因はリンクに問題があるか、または 10GBE インターフェイスの設定にあります。場合によっては、送信の問題とみなされる原因が Rx 側にあることもあります(Cisco SCE8000 でトラフィックが受信されないか、または回線上に実際にトラフィックがなく、これが通常の状態であることがあります)。
(注) TenGigabitEthernet インターフェイスに関する CLI コマンドの # は、SPA モジュールの番号(SCE8000-SIP サブスロット)を表します。この値は 0 ~ 3 です。
リンク インターフェイス サブシステムの問題は、次のいずれかが考えられます。
• リンクがダウンしている (LINK LED が消灯していて、システム ステータスが警告状態である)
• ピアが Cisco SCE8000 からトラフィックを受信しない(LINK LED が点灯し、TX LED が点滅している)
• 10GBE リンクが起動しているにもかかわらず、ピアからトラフィックを受信していない(LINK LED は点灯しているが、RX LED は点滅していない)
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一時的に光バイパス モジュールを接続解除し、動作を調べます。「10 GBE 回線インターフェイス ポートのケーブル接続」 を参照。 |
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ユーザ ログは、任意のエディタで表示可能な ASCII ファイルです。起動、シャットダウン、エラーなど、システム イベントのレコードが格納されます。ユーザ ログを表示するには、ロガーを使用します。表示されたユーザ ログは、システムが正常に機能しているかどうかの判別や、テクニカル サポートに役立ちます。
イベントは 2 つのログ ファイルのうちの1つに記録されます。ファイルが最大容量に達すると、そのファイルに記録されていたイベントは、一時的にアーカイブされます。その後、新しいイベントは代替ログ ファイルに自動的に記録されます。2番めのログ ファイルが最大容量に達すると、ロギング イベントは最初のログ ファイルに戻され、ファイル内に保管されていた一時的なアーカイブ情報が上書きされます。
ログ ファイルは、外部ソースにコピーすることで表示できます。両方のログ ファイルを FTP サーバの稼動する外部ホストにコピーするには、次のコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE# プロンプトで logger get user-log file-name ftp://username:password@ipaddress/path を入力して、Enter を押します。
ログ ファイルは、ディスクにコピーすることで表示できます。両方のログ ファイルを SCE プラットフォームのローカル ディスクにコピーするには、次のコマンドを使用します。
ステップ 1 SCE# プロンプトで、 logger get user-log file-name target-filename と入力し、Enter を押します。
(注) ユーザ ログが巨大な場合は、このコマンドを推奨しません。巨大なログはファイルにコピーして表示します(「外部ソースへのユーザ ログのコピー」を参照)。
ステップ 1 SCE# プロンプトで more user-log を入力して、Enter を押します。
ユーザ ログのカウンタはいつでも消去できます。ユーザ ログには、システムの機能に関する重大な情報が含まれています。そのため、ログを消去する前に、コピーを作成することを推奨します。
ステップ 1 SCE# プロンプトで clear logger device user-file-log を入力し、Enter を押します。
ステップ 2
「Are you sure?」
という確認メッセージが表示されます。
• ユーザ ログ カウンタ:SCE プラットフォームの前回のリブート以降に記録されたシステム イベント数をカウントします。
ステップ 1 SCE# プロンプトで、 show logger device user-file-log counters と入力し、Enter を押します。
ステップ 1 SCE# プロンプトで、 show logger device user-file-log nv-counters と入力し、Enter を押します。
テクニカル サポートの効率を最大限活かすため、システム ログ内の情報を提供してください。シスコ テクニカル サポート スタッフが使用するサポート ファイルを生成するには、 logger get support-file コマンドを使用します。
ステップ 1 SCE# プロンプトに logger get support-file filename を入力して、Enter を押します。
サポート情報が指定したファイル名で作成されます。この操作には時間がかかることがあります。
ステップ 2 サポート ファイルを外部ソースにコピーするには、SCE# プロンプトで、 copy filename ftp://username:password@ipaddress/path を入力し、Enter を押します。