ルータの設定
ここでは、ルータを設定する手順について説明します。
•
「セットアップ機能またはsetupコマンドの使用」
•
「コンフィギュレーション モードの使用」
•
「実行コンフィギュレーションを保存する前の確認」
•
「実行コンフィギュレーションの保存」
•
「設定の確認」
•
「デフォルト ゲートウェイの設定」
•
「スタティック ルートの設定」
•
「BOOTPサーバの設定」
セットアップの概要
ルータを最初に起動すると、セットアップ機能が自動的に開始されます(初回起動時の setup コマンドの機能は、何も設定されていないシステム機能と同じ状態です)。イネーブル プロンプト(#)で setup コマンドを入力することにより、セットアップ機能を実行できます。
setup コマンドを入力すると、 setup コマンド プロセスで現在のデフォルトのシステム設定が角カッコ([ ])で囲まれて表示されます。表示される一連の質問に応答して変更を行います。
たとえば、セットアップ機能を使用すると、次のように表示されます。
Configuring interface FastEtherent3/1:
Is this interface in use?: yes
Configure IP on this interface?: yes
setup コマンドを使用すると、次のように表示されます。
Configuring interface FastEthernet4/1:
Is this interface in use?[yes]: yes
Configure IP on this interface?[yes]: yes
グローバル パラメータの設定
セットアップ機能を初めて起動するか、または setup コマンドを初めて入力すると、グローバル パラメータを設定するように求められます。グローバル パラメータは、システム全体の設定値を制御します。
ルータを起動し、グローバル パラメータを入力するには、次の作業を行います。
ステップ 1
スーパバイザ エンジン上のコンソール インターフェイスにコンソール端末を接続し、システムを起動してユーザEXECプロンプト( Router>
)を表示します。
Cisco 7600シリーズ ルータを起動すると、次のように表示されます(設定によっては、実際の出力内容がこの例と完全には一致しない場合があります)。
System Bootstrap, Version 6.1(2)
Copyright (c) 1994-2000 by cisco Systems, Inc.
c6k_sup2 processor with 131072 Kbytes of main memory
rommon 1 > boot disk0:c6sup22-jsv-mz.121-5c.EX.bin
Self decompressing the image : #################################################
################################################################################
################################################################################
################################################################################
################################################################################
Use, duplication, or disclosure by the Government is
subject to restrictions as set forth in subparagraph
(c) of the Commercial Computer Software - Restricted
Rights clause at FAR sec. 52.227-19 and subparagraph
(c) (1) (ii) of the Rights in Technical Data and Computer
Software clause at DFARS sec. 252.227-7013.
San Jose, California 95134-1706
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) c6sup2_sp Software (c6sup2_sp-SPV-M), Version 12.1(5c)EX, EARLY DEPLOYM
ENT RELEASE SOFTWARE (fc1)
Synced to mainline version: 12.1(5c)
TAC:Home:Software:Ios General:CiscoIOSRoadmap:12.1
Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc.
Compiled Wed 28-Mar-01 18:36 by hqluong
Image text-base: 0x30020980, data-base: 0x306B8000
Start as Primary processor
00:00:05: %SYS-3-LOGGER_FLUSHING: System pausing to ensure console debugging out
00:00:03: Currently running ROMMON from S (Gold) region
00:00:05: %OIR-6-CONSOLE: Changing console ownership to route processor
System Bootstrap, Version 12.1(3r)E2, RELEASE SOFTWARE (fc1)
Copyright (c) 2000 by cisco Systems, Inc.
Cat6k-MSFC2 platform with 131072 Kbytes of main memory
Self decompressing the image : #################################################
################################################################################
Use, duplication, or disclosure by the Government is
subject to restrictions as set forth in subparagraph
(c) of the Commercial Computer Software - Restricted
Rights clause at FAR sec. 52.227-19 and subparagraph
(c) (1) (ii) of the Rights in Technical Data and Computer
Software clause at DFARS sec. 252.227-7013.
San Jose, California 95134-1706
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) MSFC2 Software (C6MSFC2-BOOT-M), Version 12.1(3a)E4, EARLY DEPLOYMENT R
Copyright (c) 1986-2000 by cisco Systems, Inc.
Compiled Sat 14-Oct-00 05:33 by eaarmas
Image text-base: 0x30008980, data-base: 0x303B6000
cisco Cat6k-MSFC2 (R7000) processor with 114688K/16384K bytes of memory.
Processor board ID SAD04430J9K
R7000 CPU at 300Mhz, Implementation 39, Rev 2.1, 256KB L2, 1024KB L3 Cache
X.25 software, Version 3.0.0.
509K bytes of non-volatile configuration memory.
16384K bytes of Flash internal SIMM (Sector size 512K).
Press RETURN to get started!
(注) コンフィギュレーション スクリプトの最初の2つのセクション(バナーおよび搭載ハードウェア)は、システムの初回起動時に限り表示されます。それ以降にsetupコマンド機能を使用するときは、次のシステム コンフィギュレーション ダイアログからセットアップ スクリプトが始まります。
--- System Configuration Dialog ---
Continue with configuration dialog? [yes/no]: y
At any point you may enter a question mark '?' for help.
Use ctrl-c to abort configuration dialog at any prompt.
Default settings are in square brackets '[]'.
Basic management setup configures only enough connectivity
for management of the system, extended setup will ask you
to configure each interface on the system
(注) ここで示す出力例は、一例です。システムの設定によっては、実際の出力内容がこれらの例とは完全に一致しない場合があります。
ステップ 2
コンフィギュレーション ダイアログを開始するかどうか、現在のインターフェイス サマリーを表示するかどうかの質問に対して、 yes と入力するか Return キーを押します。 Return キーを押すと、デフォルト(yes)が使用されます。
Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes]:
First, would you like to see the current interface summary? [yes]:
(セットアップ機能で) yes と応答したあとの出力例を示します。ルータの初回起動時、すなわちまだ何も設定していない場合には、次のように表示されます。
Current interface summary
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan1 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet1/1 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet1/2 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/1 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/2 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/3 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/4 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/5 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/6 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/7 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/8 unassigned YES TFTP administratively down down
一部のインターフェイスをすでに設定しているルータの場合には、(setupコマンド機能で) yes と応答すると、次のように表示されます。
Current interface summary
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan1 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet1/1 172.20.52.34 YES NVRAM up up
GigabitEthernet1/2 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/1 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/2 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/3 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/4 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/5 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/6 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/7 unassigned YES TFTP administratively down down
GigabitEthernet3/8 unassigned YES TFTP administratively down down
ステップ 3
インターフェイス上でサポートするプロトコルを選択します。IPインストレーションに限り、大部分の質問に対してデフォルト値をそのまま使用することができます。
次に、IPを使用する最小限の設定を示します。ステップ 8まで続きます。
Configuring global parameters:
Enter host name [Router]: Router
ステップ 4
次のように表示されたら、イネーブル シークレット パスワードを入力します(このパスワードは、今後使用するので覚えておいてください)。
The enable secret is a password used to protect access to
privileged EXEC and configuration modes. This password, after
entered, becomes encrypted in the configuration.
Enter enable secret: barney
ステップ 5
次のように表示されたら、イネーブル パスワード入力します(このパスワードは、今後使用するので覚えておいてください)。
The enable password is used when you do not specify an
enable secret password, with some older software versions, and
Enter enable password: wilma
ユーザEXECレベルで使用できるコマンドは、イネーブルEXECレベルで使用できるコマンドの一部です。大部分のイネーブルEXECコマンドは、動作パラメータを設定するコマンドなので、これらのコマンドが不正に使用されないように、パスワードで保護する必要があります。
イネーブルEXECコマンドにアクセスするには、正しいパスワードを入力する必要があります。ブートROMモニタから実行する場合、ブートROMレベルによっては、正しいイネーブル パスワードが使用される場合があります。
イネーブルとイネーブル シークレット パスワードは、セキュリティを強化するために異なるパスワードを設定する必要があります。セットアップ スクリプト中はイネーブルとイネーブル シークレット パスワード両方に同じパスワードを入力できます。ただし、別のパスワードを入力する必要があることを示す警告メッセージを受信します。
(注) イネーブル シークレット パスワードには、1~25文字の英数字(大文字と小文字)を組み合わせて使用できます。イネーブル パスワードには、任意の数の英数字(大文字と小文字)を組み合わせて使用できます。どちらのパスワードでも、先頭文字に数字は使用できません。パスワードの中にスペースを使用することもできます。たとえば、[two words]は有効なパスワードです。先行スペースは無視されますが、後続スペースは認識されます。
ステップ 6
次のように表示されたら、仮想端末パスワードを入力します(このパスワードは、今後使用するので覚えておいてください)。
The virtual terminal password is used to protect
access to the router over a network interface.
Enter virtual terminal password: bambam
ステップ 7
ほとんどの場合、IPルーティングを使用することになります。その場合、内部ルーティング プロトコルを選択する必要があります。たとえば、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)です。
IPを設定する場合は yes (デフォルト)と入力するか、 Return キーを押し、続いて、EIGRPを選択します。
Configure EIGRP routing? [yes]:
Your IGRP autonomous system number [1]: 301
ステップ 8
SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)でネットワークを管理する場合は yes 、そうでない場合は no と入力します。
Configure SNMP Network Management? [yes]:
Community string [public]:
SNMPの詳細および設定手順については、次のマニュアルを参照してください。
•
次のURLの『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide 』Release 12.2の「Cisco
IOS System Management」、「Configuring SNMP Support」
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/ffun_c/fcfprt3/fcf014.htm
•
次のURLの『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Command Reference 』Release 12.2
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/ffun_r/index.htm
設定した内容を確認するために、次のような出力およびステップ 3~ 8 で選択したコンフィギュレーション パラメータの全リストが表示されます。これらのパラメータおよびデフォルトは、コンソール端末に出力された順序に従って表示されます。
The following configuration command script was created:
enable secret 5 $1$S3Lx$uiTYg2UrFK1U0dgWdjvxw.
interface GigabitEthernet1/1
interface GigabitEthernet1/2
[0] Go to the IOS command prompt without saving this config.
[1] Return back to the setup without saving this config.
[2] Save this configuration to nvram and exit.
Enter your selection [2]: 2
% You can enter the setup, by typing setup at IOS command prompt
グローバル パラメータの設定手順は、以上で完了です。セットアップ機能は、引き続きインターフェイスの設定処理に進みます(次のインターフェイスの設定を参照)。
インターフェイスの設定
ここでは、外部ネットワーク経由での通信を可能にするために、インストールされているインターフェイスを(セットアップ機能または setup コマンド機能によって)設定する手順について説明します。インターフェイス パラメータを設定するには、インターフェイス ネットワーク アドレス、サブネット マスク情報、設定対象のプロトコルが必要です(使用できる各モジュールに関する詳しいインターフェイス設定手順については、モジュールに付属の各コンフィギュレーション ノートを参照してください)。
(注) ここで示す出力例は、一例です。システムの設定によっては、実際の出力内容がこれらの例とは完全に一致しない場合があります。
インターフェイスを設定するには、次の作業を行います。
ステップ 1
ギガビット イーサネット インターフェイスの設定に関するプロンプトで、要件を満たす適切な応答を入力します。アドレスおよびサブネット マスクは、使用しているネットワークのものを入力してください。
Do you want to configure GigabitEthernet1/1 interface? [no]: yes
Configure IP on this interface? [no]: yes
IP address for this interface: 172.20.52.34
Subnet mask for this interface [255.255.0.0] : 255.255.255.224
Class B network is 172.20.0.0, 27 subnet bits; mask is /27
ステップ 2
その他のインターフェイス タイプの場合は、要件を満たす適切な応答をプロンプトに入力します。
Do you want to configure FastEthernet5/1 interface? [no]: y
Configure IP on this interface? [no]: y
IP address for this interface: 172.20.52.98
Subnet mask for this interface [255.255.0.0] : 255.255.255.248
Class B network is 172.20.0.0, 29 subnet bits; mask is /29
設定するインターフェイスごとに、このステップを繰り返します。ステップ 3に進み、コンフィギュレーション パラメータを確認します。
インストールされている最後のインターフェイスに関するコンフィギュレーション ダイアログに応答すれば、インターフェイスの設定は完了です。
ステップ 3
コンソール端末に表示されるコンフィギュレーション パラメータの全リストを確認します。このリストの最後に、次の質問が表示されます。
Use this configuration? [yes/no]:
no と応答すると、イネーブル プロンプト(#)に戻ります。その場合は setup コマンドを再入力して、コンフィギュレーションを再入力する必要があります。 yes と応答すると、次のように実行コンフィギュレーションがNVRAM(不揮発性RAM)に保存されます。
Use this configuration? [yes/no]: yes
Use the enabled mode ‘configure’ command to modify this configuration.
Press RETURN to get started!
Return キーを押すと、次のプロンプトが表示されます。
システムのグローバル パラメータおよびインターフェイス パラメータの設定手順は、以上で完了です。この時点で、インターフェイスは、限られた用途に使用できます。
初期設定したあとに現在保存されている設定パラメータを変更する場合、 setup コマンドを入力します。より複雑な設定を実行するには、コンフィギュレーション モードを開始して configure コマンドを使用します。ルータの現在のステートを確認するには、 show version コマンドを使用します。このコマンドを使用すると、ソフトウェアのバージョンおよびインターフェイスが次のように表示されます。
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) c6sup2_rp Software (c6sup2_rp-JSV-M), Version 12.1(5c)EX, EARLY DEPLOY)
Synced to mainline version: 12.1(5c)
TAC:Home:Software:Ios General:CiscoIOSRoadmap:12.1
Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc.
Compiled Wed 28-Mar-01 17:52 by hqluong
Image text-base: 0x30008980, data-base: 0x315D0000
ROM: System Bootstrap, Version 12.1(3r)E2, RELEASE SOFTWARE (fc1)
BOOTFLASH: c6sup2_rp Software (c6sup2_rp-JSV-M), Version 12.1(5c)EX, EARLY DEPL)
Router uptime is 2 hours, 33 minutes
System returned to ROM by power-on (SP by power-on)
cisco Catalyst 6000 (R7000) processor with 114688K/16384K bytes of memory.
Processor board ID SAD04430J9K
R7000 CPU at 300Mhz, Implementation 39, Rev 2.1, 256KB L2, 1024KB L3 Cache
X.25 software, Version 3.0.0.
SuperLAT software (copyright 1990 by Meridian Technology Corp).
TN3270 Emulation software.
1 Virtual Ethernet/IEEE 802.3 interface(s)
48 FastEthernet/IEEE 802.3 interface(s)
2 Gigabit Ethernet/IEEE 802.3 interface(s)
381K bytes of non-volatile configuration memory.
16384K bytes of Flash internal SIMM (Sector size 512K).
Configuration register is 0x2
インターフェイスの詳しい設定手順については、次のURLの『 Cisco IOS Interface Configuration
Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/finter_c/index.htm
コンフィギュレーション モードの使用
セットアップ機能を使用しない場合は、次の手順で、コンフィギュレーション モードからルータを設定することができます。
ステップ 1
スーパバイザ エンジンのコンソール インターフェイスに、コンソール端末を接続します。
ステップ 2
初期ダイアログを開始するかどうかの質問に対して、 no と応答し、ユーザ動作モードを開始します。
Would you like to enter the initial dialog? [yes]: no
ステップ 3
数秒後に、ユーザEXECプロンプト( Router>
)が表示されます。 enable と入力して、イネーブル モードを開始します。
(注) 設定の変更は、イネーブル モード以外では実行できません。
プロンプトがイネーブルEXECプロンプト(#)に変わります。
ステップ 4
プロンプト(#)に configure terminal コマンドを入力して、コンフィギュレーション モードを開始します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
プロンプトに interface type slot/interface コマンドを入力して、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
Router(config)# interface fastethernet 5/1
どちらのコンフィギュレーション モードでも、設定を任意に変更することができます。コンフィギュレーション モードを終了するには、 end コマンドを入力します。
ステップ 5
設定を保存します(実行コンフィギュレーションの保存を参照)。
これで最小限のルータ設定が行われ、入力した設定を使用してスイッチを起動できるようになりました。コンフィギュレーション コマンドのリストを表示するには、プロンプトで ? を入力するか、コンフィギュレーション モードで help キーを押します。
実行コンフィギュレーションを保存する前の確認
入力した設定値または変更内容を確認するには、イネーブルEXECプロンプト(#)で show
running-config コマンドを入力します。
Router# show running-config
Building configuration...
Current configuration : 3441 bytes
service timestamps debug datetime localtime
service timestamps log datetime localtime
no service password-encryption
boot system flash disk0:c6sup22-jsv-mz.121-5c.EX.bin
interface FastEthernet3/3
ip address 172.20.52.19 255.255.255.224
transport input lat pad mop telnet rlogin udptn nasi
実行コンフィギュレーションの保存
入力した設定または変更をNVRAMのスタートアップ コンフィギュレーションに保存するには、イネーブルEXECプロンプト(#)で copy running-config startup-config コマンドを入力します。
Router# copy running-config startup-config
このコマンドは、コンフィギュレーション モードで入力した設定値を保存します。この作業を行わないと、次回システムをリロードするときに設定が失われます。
設定の確認
NVRAMに保存されている情報を表示するには、 show startup-config EXECコマンドを入力します。 show running-config EXECコマンドを入力した場合と同様の情報が表示されます。
デフォルト ゲートウェイの設定
(注) ルータがデフォルト ゲートウェイを使用するのは、ルーティングが設定されていない場合に限られます。
ルータにルーティング プロトコルが設定されていない場合に、別のサブネットにデータを送信するには、デフォルト ゲートウェイを設定します。デフォルト ゲートウェイには、同じサブネット内のルータ上のインターフェイスのIPアドレスを指定する必要があります。
デフォルト ゲートウェイを設定するには、次の作業を行います。
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|
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ステップ 1 |
Router(config)# ip default-gateway A.B.C.D |
デフォルト ゲートウェイを設定します。 |
ステップ 2 |
Router# show ip route |
デフォルト ゲートウェイがIPルーティング テーブルに正しく表示されていることを確認します。 |
次に、デフォルト ゲートウェイを設定し、その設定を確認する例を示します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# ip default-gateway 172.20.52.35
3d17h: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
Default gateway is 172.20.52.35
Host Gateway Last Use Total Uses Interface
ICMP redirect cache is empty
スタティック ルートの設定
TelnetステーションまたはSNMPネットワーク管理ワークステーションがルータと異なるネットワークに存在し、かつルーティング プロトコルが設定されていない場合、エンド ステーションが存在するネットワークに対応するスタティック ルーティング テーブル エントリを追加する必要が生じる場合があります。
スタティック ルートを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# ip route dest_IP_address mask { forwarding_IP | vlan vlan_ID } |
スタティック ルートを設定します。 |
ステップ 2 |
Router# show running-config |
スタティック ルートの設定を確認します。 |
次に、ルータ上で ip route コマンドを使用して、IPアドレス171.10.5.10のワークステーションへのスタティック ルートを設定する例を示します。このとき、サブネット マスクと転送ルータのIPアドレス172.20.3.35を使用します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# ip route 171.10.5.10 255.255.255.255 172.20.3.35
次に、 show running-config コマンドを使用して、前に設定したスタティック ルートの設定を確認する例を示します。
Router# show running-config
Building configuration...
ip default-gateway 172.20.52.35
ip route 171.10.5.10 255.255.255.255 172.20.3.35
transport input lat pad dsipcon mop telnet rlogin udptn nasi
次に、ルータ上で ip route コマンドを使用して、IPアドレス171.20.5.3のワークステーションへのスタティック ルートを設定する例を示します。このとき、サブネット マスクと接続されているVLAN 1を使用します。
Router# configure terminal
Router(config)# ip route 171.20.5.3 255.255.255.255 vlan 1
次に、 show running-config コマンドを使用して、前に設定したスタティック ルートの設定を確認する例を示します。
Router# show running-config
Building configuration...
ip default-gateway 172.20.52.35
ip route 171.20.52.3 255.255.255.255 Vlan1
transport input lat pad dsipcon mop telnet rlogin udptn nasi
BOOTPサーバの設定
Bootstrap Protocol(BOOTP)は、インターフェイスのMAC(メディア アクセス制御)アドレスおよびIPアドレスをBOOTPサーバ コンフィギュレーション ファイルに追加することにより、自動的にIPアドレスを割り当てます。ルータは起動時に、BOOTPサーバからIPアドレスを自動的に取得します。
ルータがBOOTP要求を実行するのは、現在のIPアドレスが0.0.0.0に設定されている場合 のみ です(0.0.0.0は、新しいルータ、または erase コマンドを使用してstartup-configファイルを削除したルータのデフォルトのIPアドレスです)。
ルータがBOOTPサーバから自身のIPアドレスを取り出せるようにするには、最初にルータのMACアドレスを判別し、そのMACアドレスをBOOTPサーバ上のBOOTPコンフィギュレーション ファイルに追加する必要があります。BOOTPサーバ コンフィギュレーション ファイルを作成するには、次の作業を行います。
ステップ 1
ワークステーションにBOOTPサーバ コードをインストールします(まだインストールしていない場合)。
ステップ 2
シャーシのラベルから、MACアドレスを判別します。
ステップ 3
BOOTPコンフィギュレーション ファイル(通常、/usr/etc/bootptab)に、各ルータに対応するエントリを追加します。エントリを入力するたびに Return キーを押し、各エントリ間に空白行を入れます。ステップ 4
のBOOTPコンフィギュレーション ファイルの例を参照してください。
ステップ 4
reload コマンドを入力して、再起動しBOOTPサーバからIPアドレスを自動的に要求します。
次に、エントリを追加したBOOTPコンフィギュレーション ファイルの例を示します。
# /etc/bootptab: database for bootp server (/etc/bootpd)
# Blank lines and lines beginning with '#' are ignored.
# first field -- hostname
# (may be full domain name and probably should be)
# ds -- domain name servers
# ns -- IEN-116 name servers
# rl -- resource location protocol servers
# tc -- template host (points to similar host entry)
# to -- time offset (seconds)
#########################################################################
# Start of individual host entries
#########################################################################
Router: tc=netcisco0: ha=0000.0ca7.ce00: ip=172.31.7.97:
dross: tc=netcisco0: ha=00000c000139: ip=172.31.7.26:
イネーブルEXECコマンドへのアクセスの保護
ここでは、システム コンフィギュレーション ファイルおよびイネーブルEXECコマンドへのアクセスを制御する方法について説明します。
•
「スタティック イネーブル パスワードの設定または変更」
•
「enable passwordコマンドおよびenable secretコマンドの使用」
•
「回線パスワードの設定または変更」
•
「イネーブルEXECモードに対するTACACS+パスワード保護の設定」
•
「パスワードの暗号化」
•
「複数のイネーブル レベルの設定」
スタティック イネーブル パスワードの設定または変更
イネーブルEXECモードへのアクセスを制御するスタティック パスワードを設定または変更する手順は、次のとおりです。
|
|
Router(config)# enable password password |
イネーブルEXECモードの新しいパスワードを設定するか、または既存のパスワードを変更します。 |
次に、イネーブルEXECモードでイネーブル パスワードを[lab]に設定する例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# enable password lab
パスワードまたはアクセス レベルの設定を表示する方法については、「パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示」を参照してください。
enable passwordコマンドおよびenable secretコマンドの使用
ネットワークで送受信されるパスワードまたはTrivial File Transfer Protocol(TFTP;簡易ファイル転送プロトコル)サーバに保存されるパスワードについて、セキュリティをさらに強化するには、 enable password または enable secret コマンドを使用します。どちらのコマンドも、イネーブル モード(デフォルト)または指定された権限レベルにアクセスするためにユーザが入力する必要のある暗号化パスワードを設定します。 enable secret コマンドの使用を推奨します。
enable secret コマンドを設定した場合、このコマンドは enable password コマンドよりも優先されます。同時に2つのコマンドを有効にはできません。
ルータがイネーブル パスワードを要求するように設定するには、次のいずれかの作業を行います。
|
|
Router(config)# enable password [ level level ] { password | encryption-type encrypted-password } |
イネーブルEXECモードを開始するためのパスワードを設定します。 |
Router(config)# enable secret [ level level ] { password | encryption-type encrypted-password } |
不可逆的な暗号化方式を使用して保存される、シークレット パスワードを設定します(enable passwordコマンドおよびenable secretコマンドを両方とも設定した場合、ユーザはイネーブル シークレット パスワードを入力しなければなりません)。 |
どちらのコマンドでも、 level オプションを使用して、特定の権限レベルにアクセスするためのパスワードを定義できます。レベルを指定してパスワードを設定したあと、権限レベルにアクセスする必要のあるユーザだけに、パスワードを通知してください。各レベルでアクセスできるコマンドを指定するには、 privilege level コンフィギュレーション コマンドを使用します。
service password-encryption コマンドをイネーブルにしている場合は、入力したパスワードが暗号化されます。 more system:running-config コマンドを使用してパスワードを表示すると、パスワードは暗号化形式で表示されます。
暗号化タイプを指定する場合は、暗号化パスワード(別のCisco 7600シリーズ ルータ コンフィギュレーションからコピーした暗号化パスワード)を指定する必要があります。
(注) 暗号化パスワードを忘れた場合、回復はできません。NVRAMを消去し、新しいパスワードを設定する必要があります。パスワードを忘れた場合には、「イネーブル パスワードを忘れた場合の回復方法」を参照してください。
パスワードまたはアクセス レベルの設定を表示する方法については、「パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示」を参照してください。
回線パスワードの設定または変更
回線上のパスワードを設定または変更する手順は、次のとおりです。
|
|
Router(config-line)# password password |
イネーブル レベルの新しいパスワードを設定するか、または既存のパスワードを変更します。 |
パスワードまたはアクセス レベルの設定を表示する方法については、「パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示」を参照してください。
イネーブルEXECモードに対するTACACS+パスワード保護の設定
TACACS+の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
•
次のURLの『 Cisco IOS Security Configuration Guide 』Release 12.2の「Authentication, Authorization, and Accounting(AAA)」
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fsecur_c/fsaaa/index.htm
•
次のURLの『 Cisco IOS Security Command Reference 』Release 12.2
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/fsecur_r/index.htm
TACACS+プロトコルを設定してユーザがイネーブルEXECモードにアクセスできるかどうかを判別するには、次の作業を行います。
|
|
Router(config)# enable use-tacacs |
イネーブルEXECモードに対する、TACACS形式のユーザIDおよびパスワード チェック メカニズムを設定します。 |
イネーブルEXECモードにTACACSパスワード保護を設定すると、 enable EXECコマンドでは、新しいユーザ名とパスワードの両方が要求されます。この情報は認証のためにTACACS+サーバに送信されます。拡張TACACS+を使用している場合は、既存のUNIXユーザ識別コードもTACACS+サーバに送信されます。
注意
enable use-tacacsコマンドを入力する場合は、
tacacs-server authenticate enableコマンドも入力する必要があります。入力しない場合、イネーブルEXECモードを開始できません。
(注) 拡張TACACSを使用せずにenable use-tacacsコマンドを使用すると、有効なユーザ名およびパスワードを使用すれば誰でもイネーブルEXECモードにアクセスできることになり、セキュリティの問題が発生する可能性があります。この問題は、enableコマンドの入力によりクエリが生成された場合と、拡張TACACSを使用しないでログインしようとした場合を、ルータが区別できないために発生します。
パスワードの暗号化
プロトコル アナライザでパケットを調べる(パスワードを読み取る)ことができるので、パスワードを暗号化するようにCisco IOSソフトウェアを設定することによって、アクセス セキュリティを強化することができます。暗号化を行うと、コンフィギュレーション ファイル内でパスワードが読み取り可能な形式になるのを防止できます。
パスワードを暗号化するようにCisco IOSソフトウェアを設定するには、次の作業を行います。
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Router(config)# service password-encryption |
パスワードを暗号化します。 |
暗号化は、現在の設定が保存されるとき、またはパスワードが設定されるときに行われます。パスワードの暗号化は、認証キー パスワード、イネーブル コマンド パスワード、コンソールおよび仮想端末回線アクセス パスワード、およびBorder Gateway Protocol(BGP)ネイバ パスワードを含む、すべてのパスワードに適用されます。 service password-encryption コマンドを使用すると、許可されていないユーザがコンフィギュレーション ファイルのパスワードを表示できなくなります。
注意
service password-encryptionコマンドでは、高度なネットワーク セキュリティは提供されません。このコマンドを使用する場合は、そのほかのネットワーク セキュリティ手段も講じる必要があります。
暗号化パスワードを忘れた場合、パスワードの回復はできません(元のパスワードを取り戻すことはできません)。ただし、暗号化パスワードを忘れても、ルータの制御を取り戻すことはできます。パスワードを忘れた場合には、「イネーブル パスワードを忘れた場合の回復方法」を参照してください。
パスワードまたはアクセス レベルの設定を表示する方法については、「パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示」を参照してください。
コマンドのイネーブル レベルの設定
コマンドのイネーブル レベルを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router(config)# privilege mode level level command |
コマンドのイネーブル レベルを設定します。 |
ステップ 2 |
Router(config)#
enable password level
level [
encryption-type ]
password
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イネーブル レベルにアクセスするためのイネーブル パスワードを指定します。 |
パスワードまたはアクセス レベルの設定を表示する方法については、「パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示」を参照してください。
回線のデフォルト イネーブル レベルの変更
特定の回線または回線グループのデフォルト イネーブル レベルを変更するには、次の作業を行います。
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Router(config-line)# privilege level level |
回線のデフォルト イネーブル レベルを変更します。 |
パスワードまたはアクセス レベルの設定を表示する方法については、「パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示」を参照してください。
イネーブル レベルへのログイン
特定のイネーブル レベルにログインするには、次の作業を行います。
イネーブル レベルの終了
特定のイネーブル レベルを終了するには、次の作業を行います。
パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定の表示
パスワード、アクセス レベル、およびイネーブル レベルの設定を表示するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Router# show running-config |
パスワードおよびアクセス レベルの設定を表示します。 |
ステップ 2 |
Router# show privilege |
イネーブル レベルの設定を表示します。 |
次に、パスワードおよびアクセス レベルの設定を表示する例を示します。
Router# show running-config
次に、イネーブル レベルの設定を表示する例を示します。
Current privilege level is 15
スーパバイザ エンジンのスタートアップ コンフィギュレーションの変更
ここでは、スーパバイザ エンジンのスタートアップ コンフィギュレーションの機能と、コンフィギュレーション レジスタおよびBOOT変数を変更する手順について説明します。
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「スーパバイザ エンジンのブート コンフィギュレーションの概要」
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「ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定」
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「スタートアップ システム イメージの指定」
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「フラッシュ メモリの概要」
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「CONFIG_FILE環境変数」
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「環境変数の制御」
スーパバイザ エンジンのブート コンフィギュレーションの概要
ここでは、スーパバイザ エンジンにおけるブート コンフィギュレーションの動作について説明します。
スーパバイザ エンジンの起動プロセスの概要
スーパバイザ エンジンの起動プロセスには、2種類のソフトウェア イメージが関係します。ROMモニタとスーパバイザ エンジン ソフトウェアです。ルータを起動またはリセットすると、ROMモニタ コードが実行されます。NVRAMに保存されている設定に応じて、スーパバイザ エンジンはROMモニタ モードのままになる場合と、スーパバイザ エンジン ソフトウェアをロードする場合とがあります。
ユーザが設定できる2種類のパラメータによって、ルータの起動方式が決まります。コンフィギュレーション レジスタとBOOT環境変数です。コンフィギュレーション レジスタについては、「ブート フィールドの変更およびbootコマンドの使用」を参照してください。BOOT環境変数については、「スタートアップ システム イメージの指定」を参照してください。
ROMモニタの概要
ROMモニタは、起動時、リセット時、または重大な例外が発生したときに実行されます。ROMモニタ モードが開始されるのは、ルータが有効なソフトウェア イメージを見つけることができなかった場合、NVRAMの設定が壊れていた場合、またはコンフィギュレーション レジスタがROMモニタ モードを開始するように設定されていた場合です。ルータROMモニタ モードでは、ブートフラッシュ装置またはフラッシュPCカードから、ソフトウェア イメージを手動でロードできます。
(注) ROMモニタ コマンドの構文および使用方法の詳細については、『Cisco 7600 Series Router Cisco IOS Command Reference』を参照してください。
スイッチを再起動し、起動から60秒以内に Break キーを押して、ROMモニタ モードを開始することもできます。端末サーバから接続している場合は、エスケープによってTelnetプロンプトを表示し、 send break コマンドを入力すると、ROMモニタ モードが開始されます。
(注) コンフィギュレーション レジスタの設定でBreakキーがディセーブルに設定されているかどうかに関係なく、再起動から60秒間は常にBreakキーが有効です。
ROMモニタの機能は、次のとおりです。
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電源投入時の信頼性テスト
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ハードウェアの初期化
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起動力(手動による起動および自動起動が可能)
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デバッグ ユーティリティおよびクラッシュ分析
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モニタ呼び出しインターフェイス(EMTコール ― ROMモニタはEMTコールを使用して、実行ソフトウェア イメージに情報および一部の機能を提供します。)
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ファイル システム(ROMモニタは、単純なファイル システムを認識し、ダイナミックにリンクされたファイル システム ライブラリ[MONLIB]によって新しく作成されたファイル システムをサポートします。)
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例外処理
ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定
ルータは16ビットのソフトウェア コンフィギュレーション レジスタを使用します。このコンフィギュレーション レジスタに特定のシステム パラメータを設定できます。ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値は、NVRAMに保存されます。
ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値を変更する目的として次の場合があります。
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起動元およびデフォルトのブート ファイル名を選択する場合
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ブレーク機能をイネーブルまたはディセーブルにする場合
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ブロードキャスト アドレスを制御する場合
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コンソール端末のボーレートを設定する場合
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フラッシュ メモリからオペレーティング ソフトウェアをロードする場合
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パスワードを回復する場合
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ブートストラップ プログラム プロンプトで boot コマンドを使用して手動でシステムを起動できるようにする場合
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システム ブートストラップ ソフトウェア(ブート イメージ)、またはオンボード フラッシュ メモリ上のデフォルトのシステム イメージから自動的に起動し、NVRAM上のコンフィギュレーション ファイル内の boot system コマンドを読み込むように強制的に設定する場合
表 3-2 に、各ソフトウェア コンフィギュレーション メモリ ビットの意味を示します。 表 3-3 に、ブート フィールドの定義を示します。
注意 推奨するコンフィギュレーション レジスタ設定は、0x2102です。Breakをイネーブルのままにし、コンソール接続を介してブレーク シーケンスを送信するように設定した場合、ルータはROMMONになります。
表 3-2 ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ ビットの意味
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00~03 |
0x0000~0x000F |
ブート フィールド( 表 3-3 を参照) |
06 |
0x0040 |
システム ソフトウェアにNVRAMの内容を無視させます。 |
07 |
0x0080 |
OEMビットをイネーブルにします。 |
08 |
0x0100 |
Breakをディセーブルにします。 |
09 |
0x0200 |
セカンダリ ブートストラップを使用します。 |
10 |
0x0400 |
すべてゼロでIPブロードキャストを行います。 |
11~12 |
0x0800~0x1000 |
コンソールの回線速度(デフォルトは9600ボー) |
13 |
0x2000 |
ネットワークでの起動が失敗した場合に、デフォルトのフラッシュ ソフトウェアを起動します。 |
14 |
0x4000 |
IPブロードキャストでネットワーク番号を使用しません。 |
15 |
0x8000 |
診断メッセージをイネーブルにして、NVRAMの内容を無視します。 |
表 3-3 ブート フィールド(コンフィギュレーション レジスタ ビット00~03)の説明
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00 |
システム ブートストラップ プロンプトのまま待機します。 |
01 |
オンボード フラッシュ メモリ上で最初に検出されたシステム イメージを起動します。 |
02~0F |
ネットワークでの起動に使用するデフォルトのファイル名を指定します。デフォルトのファイル名を上書きするboot systemコマンドをイネーブルにします。 |
ブート フィールドの変更およびbootコマンドの使用
コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドにより、ルータがオペレーティング システム イメージをロードするかどうかを決定し、ロードする場合はシステム イメージをどこから取得するかを決定します。ここでは、コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドの使用方法および設定手順と、コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドを変更する場合の手順について説明します。
ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのビット0~3が、ブート フィールドを形成します。
(注) システムおよびスペア製品のコンフィギュレーション レジスタの出荷時デフォルト設定は、0x2102です。
ブート フィールドを0または1(0-0-0-0または0-0-0-1)に設定すると、システムはシステム コンフィギュレーション ファイルの起動命令を無視して、次の動作を行います。
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ブート フィールドが0に設定されている場合は、システム ブートストラップ プログラムまたはROMモニタで boot コマンドを開始することによって、手動でオペレーティング システムを起動する必要があります。
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ブート フィールドが1に設定されている場合は、オンボード ブートフラッシュSIMMで最初に検出されたイメージを起動します。
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ブート フィールド全体が0-0-1-0~1-1-1-1の範囲の値である場合には、ルータはスタートアップ コンフィギュレーション ファイルの boot system コマンドで指定されるシステム イメージをロードします。
boot コマンドは単独でも入力できますが、フラッシュ メモリに保存されたファイル名、ネットワーク サーバからの起動に使用するファイル名など、追加の起動命令を入力することもできます。ファイル名または他の起動命令を指定せずに boot コマンドを使用すると、システムはデフォルトのフラッシュ イメージ(オンボード フラッシュ メモリ上の最初のイメージ)から起動します。また、特定のフラッシュ イメージから起動するように指定することもできます( boot system flash filename コマンドを使用します)。
さらに、 boot コマンドを使用して、スーパバイザ エンジン上のフラッシュPCカード スロット0またはスロット1に搭載されたフラッシュPCカード上のイメージを起動することもできます。ブート フィールドを0または1以外のビット パターンに設定すると、システムはその結果得られる数値を使用して、ネットワークでの起動に使用するファイル名を作成します。
必要な起動機能に応じて、ブート フィールドを設定する必要があります。
ブート フィールドの変更
ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドを変更できます。ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドを変更するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
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現在のコンフィギュレーション レジスタ設定値を判別します。 |
ステップ 2 |
Router# configure terminal
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terminalオプションを選択して、コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
Router(config)#
config-register
value
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ルータのシステム イメージのロード方法に応じて、既存のコンフィギュレーション レジスタの設定値を変更します。 |
ステップ 4 |
Router(config)# end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 5 |
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再起動して、変更を有効にします。 |
ルータ上でCisco IOSが稼働しているときにコンフィギュレーション レジスタを変更するには、次の作業を行います。
ステップ 1
enable コマンドおよびパスワードを入力して、イネーブル レベルを開始します。
ステップ 2
EXECモード プロンプト(#)で configure terminal コマンドを次のように入力します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
ステップ 3
コンフィギュレーション レジスタを0x2102に設定します。
Router(config)# config-register 0x2102
config-register value コンフィギュレーション コマンドを入力して、コンフィギュレーション レジスタの内容を設定します。 value は、先頭が0xの16進数です(ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ ビットの意味を参照)。
ステップ 4
コンフィギュレーション モードを終了するには、 end コマンドを入力します。新しい設定値がメモリに保存されます。ただし、新しい設定値を有効にするにはシステムを再起動してシステム ソフトウェアをリロードする必要があります。
ステップ 5
show version EXECコマンドを入力して、現在有効なコンフィギュレーション レジスタ値、および次回のリロード時に使用されるコンフィギュレーション レジスタ値を表示します。この値は、出力の最終行で次のように表示されます。
Configuration register is 0x141 (will be 0x2102 at next reload)
ステップ 6
設定を保存します。
「実行コンフィギュレーションの保存」を参照してください。ただし、コンフィギュレーション レジスタの変更を有効にするには、コンソールから reload コマンドを入力するなどの方法でシステムをリロードする必要があります。
ステップ 7
システムを再起動します。
システムを起動すると、新しいコンフィギュレーション レジスタ値が有効になります。
コンフィギュレーション レジスタ設定値の確認
現在のコンフィギュレーション レジスタ設定値を確認するには、 show version EXECコマンドを使用します。コンフィギュレーション レジスタのブート フィールド値を確認するには、ROMモニタ モードで o コマンドを使用します。
コンフィギュレーション レジスタ設定値を確認するには、次の作業を行います。
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Router#
show version | include Configuration register
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コンフィギュレーション レジスタ設定値を表示します。 |
次に示す show version コマンドの出力例では、現在のコンフィギュレーション レジスタは、ルータがオペレーティング システム イメージを自動的にロードしないように設定されていることがわかります。スイッチはROMモニタ モードを開始し、ユーザによるROMモニタ コマンドの入力を待ちます。新しい設定値を使用すると、ルータはスタートアップ コンフィギュレーション ファイル内のコマンド、またはネットワーク サーバに保存されているデフォルトのシステム イメージから、システム イメージをロードします。
Router1# show version | include Configuration register
Configuration register is 0x2102
スタートアップ システム イメージの指定
スタートアップ コンフィギュレーション ファイルまたはBOOT環境変数に複数のブート コマンドを入力して、システム イメージをロードするバックアップ方法を提供することができます。
(注) • システム ソフトウェア イメージは、sup-bootflash:、disk0:、またはdisk1:デバイスに保存します(Supervisor Engine 720のみdisk1:があります)。
•
Supervisor Engine 2の非ATAフラッシュPCカードは、 slot0: です。非ATAフラッシュPCカードはRelease 12.2SXのイメージには小さすぎます。
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システム ソフトウェア イメージは、 bootflash: デバイスに保存しないでください。イメージはMultilayer Switch Feature Card(MSFC;マルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード)上にあるので起動時にアクセスできません。
BOOT環境変数については、『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide 』の「Loading and Maintaining System Images and Microcode」の章の「Specify the Startup System Image in the
Configuration File」でも説明されています。
フラッシュ メモリの機能
フラッシュ メモリ コンポーネントを使用すると、次の操作を行うことができます。
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TFTPによるシステム イメージのフラッシュ メモリへのコピー
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rcpによるシステム イメージのフラッシュ メモリへのコピー
•
フラッシュ メモリからの自動または手動によるシステムの起動
•
TFTPまたはrcpによるフラッシュ メモリ イメージのネットワーク サーバへのコピー
•
フラッシュ メモリに保存されたシステム ソフトウェア イメージからのスイッチの手動による起動、または自動起動
セキュリティ機能
フラッシュ メモリ コンポーネントは、次のセキュリティ機能をサポートします。
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フラッシュ メモリ カードには、データを保護するための書き込み保護スイッチがあります。フラッシュPCカードにデータを書き込むには、このスイッチを unprotected にセットする必要があります。
•
フラッシュ メモリに保存されたシステム イメージを変更できるのは、コンソール端末のイネーブルEXECレベルからに限られます。
CONFIG_FILE環境変数
クラスAフラッシュ ファイル システムでは、初期化(スタートアップ)に使用するコンフィギュレーション ファイルのファイル システムおよびファイル名を、CONFIG_FILE環境変数で指定します。有効なファイル システムとしては、 nvram: 、 disk0: 、および sup-bootflash: があります。
ファイル管理の詳しい設定手順については、次のURLの『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/ffun_c/index.htm
CONFIG_FILE環境変数をスタートアップ コンフィギュレーションに保存すると、ルータは起動時にこの変数をチェックし、初期化に使用するコンフィギュレーション ファイルの場所およびファイル名を調べます。
CONFIG_FILE環境変数が存在しない場合、またはこの変数がヌルである場合(初回起動時など)には、ルータはNVRAMコンフィギュレーションを初期化に使用します。NVRAMに問題が検出された場合、またはチェックサム エラーが発生した場合には、ルータは setup モードを開始します。ルータ setup コマンド機能の詳細については、「セットアップ機能またはsetupコマンドの使用」を参照してください。
環境変数の制御
環境変数の制御はROMモニタが行いますが、特定のコマンドを使用して環境変数を作成、変更、または表示することができます。BOOT、BOOTLDR、およびCONFIG_FILE環境変数を作成または変更するには、それぞれ boot system 、 boot bootldr 、および boot config グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
BOOT環境変数の詳しい設定手順については、『 Configuration Fundamentals Configuration Guide 』の「Loading and Maintaining System Images and Microcode」の章の「Specify the Startup System Image in the Configuration File」を参照してください。CONFIG_FILE変数の詳しい設定手順については、
『 Configuration Fundamentals Configuration Guide 』の「Modifying, Downloading, and Maintaining
Configuration Files」の章の「Specify the Startup Configuration File」を参照してください。
(注) • boot system、boot bootldr、およびboot configグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用する場合、実行コンフィギュレーションのみが影響されます。環境変数の設定値をROMモニタの制御下に置き、環境変数を正しく機能させるには、この設定値をスタートアップ コンフィギュレーションに保存する必要があります。環境変数を実行コンフィギュレーションからスタートアップ コンフィギュレーションに保存するには、copy system:running-config nvram:startup-configコマンドを使用します。
•
Cisco IOSソフトウェアは boot bootldr グローバル コンフィギュレーション コマンドをサポートし、ROMモニタはBOOTLDR環境変数をサポートします。ただし、Release 12.2SXではブートローダ イメージを使用する必要がないので、Release 12.2SXにはブートローダ イメージはありません。
BOOT、BOOTLDR、およびCONFIG_FILE環境変数の内容を表示するには、 show bootvar コマンドを使用します。このコマンドは、スタートアップ コンフィギュレーション内のこれらの変数の設定値を表示しますが、実行コンフィギュレーションの設定がスタートアップ コンフィギュレーションの設定と違っている場合には、実行コンフィギュレーション内の設定値も表示します。
次に、BOOT、BOOTLDR、およびCONFIG_FILE環境変数を確認する例を示します。
BOOT variable = disk0:c6sup22-jsv-mz.121-5c.EX.bin,1;
CONFIG_FILE variable does not exist
BOOTLDR variable = bootflash:c6msfc2-boot-mz.121-3a.E4
Configuration register is 0x2
CONFIG_FILE環境変数によって指定されるコンフィギュレーション ファイルの内容を表示するには、 more nvram:startup-config コマンドを使用します。