この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco IOS XR ソフトウェアでマルチキャスト ルーティング セッションのトラブルシューティングを行うときに使用するコマンドについて説明します。
マルチキャスト ルーティングの概念、設定作業、および例の詳細については、のコンフィギュレーション モジュール「Implementing Multicast Routing on 」を参照してください。
ローカル ルータで近接のマルチキャスト ルータ ピアリングについてクエリーを実行するには、EXEC モードで mrinfo コマンドを使用します。
mrinfo [ipv4] host-address [source-address]
ipv4 |
(任意)IPv4 アドレス プレフィックスを指定します。 |
||
host-address |
A.B.C.D のフォーマットで入力されたマルチキャスト ルータのドメイン ネーム システム(DNS)名または IP アドレスを指定できます。
|
||
source-address |
(任意)マルチキャスト ルーティング情報(mrinfo)の要求に使用された送信元アドレス。 省略すると、送信元は宛先の発信インターフェイスに基づきます。 |
IPv4 アドレッシングがデフォルトです。
EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
リリース 3.7.2 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。 ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。
mrinfo コマンドにより、マルチキャスト ルータとピアリングしている近接マルチキャスト ルータを確認できます。
このコマンドを使用して、マルチキャスト ルータをクエリーできます。 出力フォーマットは、Distance Vector Multicast Routing Protocol(DVMRP; ディスタンス ベクトル マルチキャスト ルーティング プロトコル)と同じです (mrouted ソフトウェアは、DVMRP を実装する UNIX ソフトウェアです)。
タスク ID |
操作 |
---|---|
multicast |
実行 |
次に、mrinfo コマンドの出力例を示します。 最初の行に、マルチキャスト コンフィギュレーションがバージョン番号とともに表示され、Parent Multicast Agent(PMA; 親マルチキャスト エージェント)のフラグが付けられます。 このフラグは、コンフィギュレーションが prune、mtrace、および SNMP に対応していることを意味します。 クエリー先のマルチキャスト ルータのネイバーについては、クエリーが実行されたルータの IP アドレスが表示され、続いて、ネイバーの IP アドレスが表示されます。 メトリック(接続コスト)としきい値(マルチキャストの存続可能時間)が表示されます。 このルータが以下に該当するかどうかなど、その他の情報も表示されます。
RP/0/RSP0/CPU0:router# mrinfo 192.168.50.1
192.168.50.1 [version 0.37.0] [flags: PMA]:
172.16.1.1 -> 172.16.1.1 [1/0/pim/querier/leaf]
172.16.2.2 -> 172.16.2.2 [1/0/pim/querier/leaf]
192.168.50.1 -> 192.168.50.1 [1/0/pim/querier]
192.168.50.1 -> 192.168.50.101 [1/0/pim/querier]
192.168.40.101 -> 192.168.40.1 [1/0/pim]
192.168.40.101 -> 192.168.40.101 [1/0/pim]
マルチキャスト配信ツリーの送信元から宛先ブランチへのパスを追跡するには、EXEC モードで mtrace コマンドを使用します。
mtrace [ipv4] [vrf] source destination [group_addr] [resp_addr] [ttl]
ipv4 |
(任意)IPv4 アドレス プレフィックスを指定します。 |
vrf |
(任意)ルート ルックアップの VRF テーブルを指定します。 |
source |
(任意)マルチキャストが可能な送信元のドメイン ネーム システム(DNS)名または IP アドレス。 追跡するパスが開始するユニキャスト アドレスです。 |
destination |
ユニキャストの宛先の DNS 名またはアドレス。 追跡するパスが終了するユニキャスト アドレスです。 |
group_addr |
(任意)追跡するグループの DNS 名またはマルチキャスト アドレス。 デフォルトのアドレスは 224.2.0.1(MBONE Audio に使用されるグループ)です。 アドレス 0.0.0.0 が使用されると、ソフトウェアは weak mtrace を起動します。 weak mtrace は、パス沿いにあるルータがマルチキャスト ルーティング テーブル ステート状態にあるかどうかに関係なく、送信元への Reverse Path Forwarding(RPF)パスに続いて指定します。 |
resp_addr |
(任意)応答を受信する応答アドレスの DNS 名またはマルチキャスト アドレス。 |
ttl |
(任意)マルチキャスト追跡要求の TTL のしきい値。 範囲は 1 ~ 255 ルータ ホップです。 |
デフォルトでは、この機能はディセーブルになっています。
IPv4 アドレッシングがデフォルトです。
EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
リリース 3.7.2 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。 ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。
mtrace コマンドによって生成される追跡要求は、マルチキャスト グループに対するマルチキャストで、指定した宛先へのラストホップ ルータを見つけるために行われます。 追跡は、ユニキャストを使用して mtrace 要求パケットを各ホップに渡すことで、宛先から送信元へのマルチキャスト パスに従って行われます。 応答はユニキャストで、送信元へのファーストホップ ルータによる、ルータのクエリーが行われます。 このコマンドを使用して、マルチキャスト ルーティング エラーを分離することができます。
引数を指定しないと、ルータは対話的にプロンプトを表示します。
このコマンドの機能は、UNIX バージョンの mtrace と同じです。
タスク ID |
操作 |
---|---|
multicast |
実行 |
次に、mtrace コマンドの出力例を示します。
RP/0/RSP0/CPU0:router# mtrace 172.16.1.0 172.16.1.10 239.254.254.254 Type escape sequence to abort. Mtrace from 172.16.1.0 to 172.16.1.10 via group 239.254.254.254 From source (?) to destination (?) Querying full reverse path... Switching to hop-by-hop: 0 172.16.1.10 -1 172.17.20.101 PIM Reached RP/Core [172.16.1.0/24] -2 172.18.10.1 PIM [172.16.1.0/32] -3 172.16.1.0 PIM [172.16.1.0/32] RP/0/RSP0/CPU0:router# mtrace vrf vrf1 172.16.1.0 172.16.1.10 239.254.254.254 45.244.244.244 49
セッション通知プロトコル(SAP)のキャッシュ エントリがアクティブの状態でキャッシュに留まることができる時間を制限するには、グローバル コンフィギュレーション モードで sap cache-timeout コマンドを使用します。 デフォルトの動作に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。
sap cache-timeout minutes
no sap cache-timeout
minutes |
SAP キャッシュ エントリがアクティブの状態でキャッシュに留まることができる時間。 範囲は 1 ~ 1440 です。 |
minutes:1440(24 時間)
グローバル コンフィギュレーション
リリース |
変更内容 |
---|---|
リリース 3.7.2 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。 ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。
sap cache-timeout コマンドは、セッション アナウンスがルータによってキャッシュされる時間を定義します。 アクティブなセッション アナウンスは、発信側サイトによって定期的に再送信され、ルータでのキャッシュ ステートがリフレッシュされます。 1 つのグループに対して行われるアナウンスの最小インターバルは 5 分です。 キャッシュ タイムアウトを 30 分よりも短い時間に設定することはお勧めできません。 キャッシュにエントリを無期限に維持するには、キャッシュ タイムアウトを 0 に設定します。
タスク ID |
操作 |
---|---|
multicast |
読み取り、書き込み |
次の例に、10 分でタイムアウトになるように設定された SAP キャッシュ エントリを示します。
RP/0/RSP0/CPU0:router(config)# sap cache-timeout 10
グループ アドレスでセッション通知プロトコル(SAP)指定ルータ(SDR)のリスナーを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで sap listen コマンドを使用します。 デフォルトの動作に戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。
sap listen [ ip-address | name ]
no sap listen
ip-address |
(任意)アドレス範囲のグループ IP アドレス。 |
name |
(任意)アドレス範囲のプレフィックスの名前。 |
グループ アドレスが設定されていないと、SDR リスナーはグローバルな SAP アナウンス グループ(224.2.127.254)に設定されます。
グローバル コンフィギュレーション
リリース |
変更内容 |
---|---|
リリース 3.7.2 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。 ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。
sap listen コマンドは、設定されたグループ アドレスで SAP アナウンスをリッスンする SDR リスナーを設定します。 グループ IP アドレスには、224.2.128.0 ~ 224.2.255.255 の範囲内であればどのグループでも指定できます。
タスク ID |
操作 |
---|---|
multicast |
読み取り、書き込み |
次の例では、IP アドレスが 224.2.127.254 のグループを SDR リスナーに設定します。
RP/0/RSP0/CPU0:router(config)# sap listen 224.2.127.254
コマンド |
説明 |
---|---|
設定されたマルチキャスト グループで学習された SAP セッションを表示します。 |
設定されたマルチキャスト グループで学習されたセッション通知プロトコル(SAP)セッションを表示するには、EXEC モードで show sap コマンドを使用します。
show sap [ipv4] [ group-address | session-name ] [detail]
ipv4 |
(任意)IPv4 アドレス プレフィックスを指定します。 |
group-address |
(任意)学習されたセッションのグループ IP アドレスまたは名前。 |
session-name |
(任意)セッション名。 |
detail |
(任意)詳細な SAP 情報を提供します。 |
IPv4 アドレッシングがデフォルトです。
EXEC
リリース |
変更内容 |
---|---|
リリース 3.7.2 |
このコマンドが導入されました。 |
このコマンドを使用するには、適切なタスク ID を含むタスク グループに関連付けられているユーザ グループに属している必要があります。 ユーザ グループの割り当てが原因でコマンドを使用できない場合は、AAA 管理者に連絡してください。
show sap コマンドを実行すると、設定されたマルチキャスト グループで学習されたセッションが表示されます。 detail キーワードを指定すると、詳細なセッション情報が表示されます。
sap listen コマンドを使用して、グループ IP アドレスにある SDR リスナーを設定します。
タスク ID |
操作 |
---|---|
multicast |
読み取り |
次に、show sap コマンドの出力例を示します。 情報は要約され、1 つのエントリが表示されます。
RP/0/RSP0/CPU0:router# show sap
Sap Session Table Summary
Cisco Systems, Inc
Src: 192.168.30.101, Dst: 224.2.127.254, Last Heard: 00:00:23
Total Entries : 1
フィールド |
説明 |
---|---|
Src |
セッション アナウンスが受信されるホストの IP アドレス。 |
Dst |
アナウンスの送信先である、宛先 IP マルチキャスト グループ アドレス。 |
Last Heard |
送信元から SAP アナウンスが最後に受信された時刻(時間、分、秒)。 |
Total Entries |
表示されるエントリの総数。 |
次に、Cisco Systems, Inc. という SAP セッションで、detail キーワードを指定して実行した show sap コマンドの出力例を示します。
RP/0/RSP0/CPU0:router# show sap detail
Sap Session Table
Session Name: Cisco Systems, Inc
Description: IPTV Streaming Video
Group: 225.225.225.1 TTL: 2
Announcement source: 192.30.30.101, Destination: 224.2.127.254
Created by: - 0050c200aabb 9 IN IP4 10.10.176.50
Session Permanent Attribute: packetsize:4416
Attribute: packetformat:RAW
Attribute: mux:m1s
Attribute: keywds:
Attribute: author:Cisco Systems, Inc
Attribute: copyright:Cisco Systems, Inc
Media : video, Transport Protocol : udp, Port : 444
Total Entries : 1
フィールド |
説明 |
---|---|
Session Name |
SAP セッションを説明する名前。 |
Description |
セッションの補足説明。 |
Group |
このセッションに使用される IP マルチキャスト グループ アドレス。 |
Announcement source |
セッション アナウンスが受信されるホストの IP アドレス。 |
Destination |
アナウンスの送信先である、宛先 IP マルチキャスト グループ アドレス。 |
Created by |
セッション アナウンスを識別し、追跡するための情報。 |
Attribute |
セッションに固有な属性を示します。 |
Media |
メディア タイプ(オーディオ、ビデオ、またはデータ)、メディア ストリームが送信される送信ポート、これらのメディアに使用される転送プロトコル(共通のプロトコルは User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)と Real-Time Transport Protocol(RTP; リアルタイム転送プロトコル)/AVP)、各メディア インスタンスが使用できるメディア フォーマットの一覧を示します。 最初に指定されるメディア フォーマットがデフォルトのフォーマットになります。 フォーマット識別子は、使用される転送プロトコルに固有です。 |
コマンド |
説明 |
---|---|
グループ IP アドレスの SDR リスナーを設定します。 |