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目次
このモジュールでは、Cisco ASR 9000 Series Aggregation Services Routersで MPLS フォワーディングを実装する方法について説明します。
すべてのマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)機能は、MPLS ラベル管理およびフォワーディング サービスのコア セットを必要とします。MPLS フォワーディング インフラストラクチャ(MFI)は、これらのサービスを提供します。
リリース |
変更箇所 |
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Release 3.7.2 |
この機能が導入されました。 |
これらの前提条件は、MPLS フォワーディングの実装に必要です。
MPLS フォワーディングを実装するには、次の概念を理解する必要があります。
MPLS は、レイヤ 2(データリンク層)スイッチングのパフォーマンスおよび機能とレイヤ 3(ネットワーク層)ルーティングを組み合わせます。 MPLS により、サービス プロバイダーは、増加するネットワーク使用率問題に対応しつつ、既存のネットワーク インフラストラクチャを維持しつつサービスを差別化できます。 MPLS アーキテクチャは柔軟性に優れているので、レイヤ 2 テクノロジーの任意の組み合わせで使用できます。 MPLS サポートは、すべてのレイヤ 3 プロトコルで提供され、現在のネットワークで一般的に提供されているスケーリングよりも優れたスケーリングを実現できます。
VRF IP ルーティング テーブルおよび VRF CEF テーブルに格納されているルーティング情報に基づき、MPLS を使用してパケットが宛先に転送されます。
PE ルータでは、CE ルータから学習した各カスタマー プレフィックスにラベルをバインドし、他の PE ルータにアドバタイズするプレフィックスのネットワーク到達可能性情報に、そのラベルを含めます。 PE ルータは、プロバイダー ネットワークを介して CE ルータから受信したパケットを転送するときに、宛先 PE ルータから学習したラベルを使用してパケットにラベルを付けます。 宛先 PE ルータは、ラベルの付いたパケットを受信すると、そのラベルをポップし、パケットを正しい CE ルータに誘導するために使用します。 プロバイダー バックボーン経由のラベル転送は、ダイナミック ラベル スイッチングまたはトラフィック エンジニアリング パスのいずれかに基づきます。 バックボーンを通過するカスタマー データ パケットが伝達するラベルには、2 つのレベルがあります。
従来のレイヤ 3 転送メカニズムでは、パケットがネットワークを通過すると、各ルータがレイヤ 3 ヘッダーからのパケットの転送に関するすべての情報を抽出します。 この情報は、パケットのネクスト ホップを決定するために、ルーティング テーブル検索のインデックスとして使用されます。
最も一般的なケースでは、ヘッダー内で関係するフィールドは宛先アドレス フィールドのみですが、場合によっては他のヘッダー フィールドも関係していることがあります。 その結果、ヘッダー分析は、パケットが通過する各ルータで個別に行う必要があります。 また、各ルータで複雑なテーブル検索も行う必要があります。
ラベル スイッチングでは、レイヤ 3 ヘッダーの分析は一度のみ行われます。 その後、レイヤ 3 ヘッダーは、ラベルという固定長の非構造化値にマップされます。
複数の異なるヘッダーで常に同じネクスト ホップが選択される場合は、これらのヘッダーを同じラベルにマッピングできます。 事実上、ラベルは、転送同等クラス(つまり、転送機能で区別できないが、異なる可能性があるパケットのセット)を表します。
最初のラベル選択は、レイヤ 3 パケット ヘッダーの内容だけに基づいている必要はありません。たとえば、後続ホップでの転送判断はルーティング ポリシーに基づくこともあります。
ラベルを割り当てると、短いラベル ヘッダーがレイヤ 3 パケットの前に追加されます。 このヘッダーは、パケットの一部としてネットワークを介して伝送されます。 ネットワーク内の各 MPLS ルータを介する後続ホップでは、ラベルはスワップされ、パケット ヘッダーで伝送されるラベルの MPLS 転送テーブル検索を使用して転送が判断されます。 そのため、ネットワークを介したパケットの送信中にパケット ヘッダーを再評価する必要はありません。 ラベルは構造化されていない固定長の値であるため、MPLS 転送テーブル検索プロセスは簡単かつ高速です。
ネットワーク内の各ラベル スイッチング ルータ(LSR)は、転送同等クラスを表すためにどのラベル値を使用するかについて独立したローカルな決定を行います。 このアソシエーションは、ラベル バインディングと呼ばれます。
(注) |
ラベル バインディングの配布は、レイヤ 2 VPN 疑似配線ではスタティックに行うことはできません。 |
各 LSR は、自身が行ったラベル バインディングをネイバーに通知します。 このように隣接ルータにラベル バインディングを認識させる処理は、次のプロトコルによって促進されます。
通常のルーテッド パスでの MPLS フォーワーディングをサポートします。
MPLS トラフィック エンジニアリングをサポートします。
MPLS バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)をサポートします。
ラベル付きパケットが LSR A から隣接する LSR B に送信される場合、単一の IP パケットによって伝送されるラベル値は、パケットの転送同等クラスを表すために LSR B によって割り当てられたラベル値です。 このため、IP パケットがネットワークを通過するにつれて、ラベル値は変更されます。
MFI コントロール プレーンは、ラベル配布プロトコル(LDP)やトラフィック エンジニアリング(TE)などの MPLS アプリケーションに、インターフェイスでの MPLS のイネーブル化とディセーブル化、ローカル ラベル割り当て、MPLS 書き換え設定(バックアップ リンクを含む)、MPLS ラベル テーブルの管理、およびインポジションおよびディスポジションを設定するためのその他の転送パス(たとえば、IP バージョン 4(IPv4))との相互関係を含むサービスを提供します。
MFI データ プレーンは、次のすべての形式で MPLS フォワーディングのソフトウェア実装を提供します。
MPLS 最大伝送単位(MTU)は、パケットを分割せずに、データ リンクで引き続き IP パケットの最大サイズを送信できることを示します。 さらに、MPLS ネットワーク内のデータ リンクには、ラベル付きパケットを除き固有の MTU があります。 すべての IPv4 パケットに 1 つ以上のラベルがあります。 これは、すべてのラベルで 4 バイトがパケットに追加されるため、ラベル付きパケットが IP パケットよりもわずかに大きいことを示しています。 そのため、n がラベルの数である場合、パケットにラベルを付けるときに、n X 4 バイトがパケットのサイズに追加されます。 MPLS MTU パラメータは、ラベル付きパケットに関係しています。
MPLS フォワーディングの実装に関連する詳細情報については、次の参考資料を参照してください。
関連項目 |
参照先 |
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MPLS フォワーディング コマンド |
『Cisco ASR 9000 Series Aggregation Services Routers MPLS Command Reference』の「MPLS Forwarding Commands on Cisco ASR 9000 Series Router」モジュール |
スタートアップ資料 |
『Cisco ASR 9000 Series Aggregation Services Routers Getting Started Guide』 |
標準 |
タイトル |
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この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。 |
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MIB |
MIB のリンク |
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— | Cisco IOS XR ソフトウェアを使用している MIB を特定してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用し、[Cisco Access Products] メニューからプラットフォームを選択します。http://cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml |
RFC |
タイトル |
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RFC 3031 |
『Multiprotocol Label Switching Architecture』 |
RFC 3443 |
『Time to Live (TTL) Processing in Multi-Protocol Label Switching (MPLS) Networks』 |
RFC 4105 |
『Requirements for Inter-Area MPLS Traffic Engineering』 |