この付録では、Cisco 12404 インターネット ルータの技術仕様およびルータの再梱包手順を示します。
• 「MBus」
表A-1 に、Cisco 12404 インターネット ルータのシステム レベルでの要件を示します。
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4 スロット |
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スロット× 5、OC192 ピッチ スロット× 3、RP スロット× 1、CSF スロット× 1 を備えたカード ケージ× 1 |
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1 スロットあたり 10 Gbps の全二重スイッチング容量 これには RP スロットも含まれます。各スロットは現在および今後のすべての Engine 0、Engine 1、Engine 2、Engine 3、Engine 4 ベースのラインカードに対応します。 具体的なインターフェイスとしては、OC192c、QOC48c、10GE、10x1GE、3xGE、1xGE、8xFEおよびその他の10GiGカードが含まれます。 このスイッチング容量は 4 つの 10GiG 対応スロット(RP を含む)をすべて処理するために必須です。したがって総スイッチング容量は 80 Gbps 全二重になります。 |
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110 V AC 電源、3 つの OC192c /10GE 対応ラインカードおよび 1 つの 10G 対応 RP に対応可能 |
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冗長およびロード シェアリング AC PEM(電源入力モジュール)、または冗長およびロード シェアリング DC PEM と DC Power Distrbution Unit(PDU; 配電ユニット) |
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1 システムあたり最大 2 つの RP をサポート |
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1.シャーシの適切なエアーフローを保ち、Electromagnetic Compatibility(EMC; 電磁適合性)を確保するため、幅の狭いカード フィラー パネルを使用する必要があります。 |
表A-2 に Cisco 12404 インターネット ルータの物理仕様を、表A-3に環境仕様を示します。
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32 ~ 104°F(0 ~ 40°C)動作時 |
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0 ~ 10,000 フィート(0 ~ 3,050 m)動作時 |
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5 ~ 500 Hz、0.5 g(0.1 oct/min 2 )動作時 |
警告 他の機器からの排気が Cisco 12404 インターネット ルータの吸気口に直接入り込むと、過熱状態を引き起こすことがあります。ルータを設置する場合は、他の機器から排出された熱気が直接入り込まないよう注意してください。
Cisco 12404 ルータに AC PEM を搭載して使用する設置場所では、次の注意事項に従ってください。
• Power Factor Corrector(PFC; 力率補正器)により、PEM は北米では 100 ~ 120 VAC、15 A、その他の国では 185 ~ 264 VAC、10 A の AC 電源からの AC 電源電圧を受け入れることができます。
• AC PEM 電源コードの長さは、すべて 14 フィート(4.3 m)にしてください。
図A-1に、各タイプの AC 入力電源プラグを示します。
各 Cisco 12404 インターネット ルータには、メイン システム(ルート)プロセッサが 1 つ搭載されています。Route Processor(RP; ルート プロセッサ)はネットワーク ルーティング プロトコルを処理し、アップデートをラインカードの Cisco Express Forwarding(CEF)テーブルに配信します。RP は、診断、コンソールのサポート、ラインカード モニタなど、一般的なメンテナンス機能も実行します。
Cisco 12404 インターネット ルータでは、次の 2 つのタイプの RP を使用できます。
ここでは、GRP(図A-2)の概要と、Cisco 12404 インターネット ルータにおけるメイン システム プロセッサとしての GRP の動作について説明します。
• 起動時に搭載したすべてのラインカードに Cisco IOS ソフトウェアをロード
• その他の外部装置(モデムなど)を接続するための補助ポートを提供
• Telnet 動作のための IEEE 802.3、10/100 Mbps(メガビット/秒)イーサネット ポートを提供
• ルーティング テーブルの作成および各ラインカードへの配布
GRP は、CSF または Maintenance Bus(MBus; メンテナンス バス)を通じて各ラインカードと通信します。CSF 接続は、ルーティング テーブルの配布およびラインカードと GRP 間におけるパケット送信のための主要なデータ パスです。
MBus 接続は、GRP がシステム ブートストラップ イメージをダウンロードしたり、診断情報を収集またはロードしたり、システム内部での一般的なメンテナンス動作を実行するときに使用します。GRP は Cisco 12404 インターネット ルータのカード ケージ内の任意のスロットに搭載できます。ルータは、デフォルト構成では 20 MB のフラッシュ メモリを搭載して出荷されます。
表A-4に、GRP のメモリ コンポーネントを示します。
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64 3 ~ 256 MB |
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512 KB(固定) 4 |
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512 KB(固定) 5 |
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フラッシュ メモリ(SIMM) 6 |
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20 MB 7 |
最大 2 つの PCMCIA ベースのフラッシュ メモリ カードに Cisco IOS ソフトウェア イメージおよびその他のユーザ定義ファイルを保管 |
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Cisco 12404 ルータ上で稼働する Cisco IOS ソフトウェア イメージは、GRP 上に SIMM の形式で搭載されているフラッシュ メモリ、および GRP 前面にある 2 つの PCMCIA スロットに差し込む最大 2 つの(PCMCIA)カード( フラッシュ メモリ カード )に保管されます。フラッシュ メモリに Cisco IOS イメージを保管することにより、アップグレードされた Cisco IOS イメージをリモートでダウンロードおよび起動したり、GRP のフラッシュ メモリに保存されたソフトウェア イメージを起動したりすることができます。
Cisco 12404 ルータは、大部分の Cisco IOS ソフトウェア アップグレードのシステム ソフトウェア ダウンロードをサポートします。そのため、新しい Cisco IOS イメージをリモートでダウンロード、保管、および起動することができます。図A-2を参照してください。
GRP 上の EDO DRAM には、ルーティング テーブル、プロトコル、およびネットワーク アカウンティング アプリケーションを保管します。DRAM はさらに、Cisco IOS ソフトウェアを実行します。デフォルトの GRP DRAM 構成は 64 MB の EDO DRAM です。これは、ユーザ側で DRAM をアップグレードすることにより最大 256 MB まで拡張できます。Cisco IOS ソフトウェアは、GRP DRAM の内部で実行されます。 表A-5 に、DRAM の構成およびアップグレード方法を示します。
総容量 |
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64 MB 8 |
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SRAM はセカンダリ CPU キャッシュ メモリを提供します。標準の GRP 構成は 512 KB です。SRAM の主な機能はラインカードとの間で送受信されるルーティング テーブル更新情報の準備領域として動作することです。SRAM はユーザ側でアップグレードまたは構成することは できません 。
システム コンフィギュレーション、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値、および環境モニタのログは、512 KB の NVRAM に保管されます。NVRAM 内の情報は、内蔵のリチウム電池によって最低 5 年間は維持されます。NVRAM はユーザ側でアップグレードまたは構成することは できません 。
コンフィギュレーションを保存しなかった場合、取り外した GRP 上の NVRAM 内のコンフィギュレーション全体が失われるので、コンフィギュレーション全体を手動で再入力しなければなりません。
GRPを一時的に取り外す場合には、この手順は不要です。ルータに GRP を再び搭載するまでの間、リチウム電池によってメモリ内のコンフィギュレーションが維持されるからです。
オンボードおよび PCMCIA カード ベースのフラッシュ メモリにより、複数の Cisco IOS ソフトウェア イメージおよびマイクロコード イメージをリモートでロードして保管することができます。新しいイメージをネットワーク経由で、またはローカル サーバからダウンロードしたあと、その新しいイメージをフラッシュ メモリに追加したり、既存のファイルと置き換えたりすることができます。ルータの起動は、手動で行うこともできますし、保管している任意のイメージを使用して自動的に行うこともできます。フラッシュ メモリは TFTP サーバとしての役割も果たし、保管しているイメージから他のサーバをリモートで起動させたり、他のサーバのフラッシュ メモリにイメージをコピーしたりできます。
GRP には PCMCIA スロットが 2 つあります。どちらのスロットにもフラッシュ メモリ カードまたは入出力(I/O)デバイスを搭載できます。ただし、+5 VDC のデバイスでなければなりません。
表A-6 では、GRP で使用されているシステム ステータス Light Emitting Diodes(LED; 発光ダイオード)のタイプについて説明します。
GRP 上の 2 つの非同期シリアル ポート(コンソール ポートおよび補助ポート)を使用して、外付けの装置を接続し、システムをモニタおよび管理することができます。
コンソール ポートは EIA/TIA(米国電子工業会/米国電気通信工業会)-232 レセプタクル(RS-232 メス)であり、コンソール端末を接続するためのData
Circuit-terminating Equipment(DCE; データ回線終端装置)インターフェイスを提供します。
(注) EIA/TIA-232 は、EIA/TIA によって標準規格として承認される以前は、RS-232 推奨規格と呼ばれていました。
補助ポートは、EIA/TIA-232 プラグ(オス)であり、Data Terminal Equipment(DTE; データ端末装置)インターフェイスを提供します。補助ポートはフロー制御をサポートし、このポートを使用して、Telnet による管理作業のため、モデム、Channel Service Unit(CSU; チャネル サービス ユニット)、またはその他のオプション機器を接続できます。
GRP には、次のどちらかのポート接続タイプを使用するイーサネット ポートが 1 つあります。
• RJ-45 レセプタクル ― 8 ピンの Media-Dependent Interface(MDI; メディア依存型インターフェイス)RJ-45 レセプタクル。IEEE 802.3 10BASE-T(10 Mbps)または IEEE 802.3u 100BASE-TX(100 Mbps)イーサネット接続に使用します。
• MII レセプタクル ― 40 ピンの Media-Independent Interface(MII; メディア独立型インターフェイス)レセプタクル。より柔軟なイーサネット接続が可能です。この標準 40 ピン レセプタクルのピン割り当ては、IEEE 802.3u 規格に定められています。
(注) GRP 上の RJ-45 レセプタクルおよび MII レセプタクルは、イーサネット インターフェイスの 2 つの物理接続オプションを表しています。したがって、使用できるのは MDI RJ-45 接続または MII 接続のいずれか一方であり、両方を同時に使用することはできません。
ここでは、PRP(図A-3)の概要と、Cisco 12404 ルータにおけるメイン システム プロセッサとしての PRP の動作について説明します。
• 起動時に搭載したすべてのラインカードに Cisco IOS ソフトウェアをロード
• その他の外部装置(モデムなど)を接続するための補助ポートを提供
• Telnet 動作のための IEEE 802.3、10/100 Mbps(メガビット/秒)イーサネット ポートを提供
• ルーティング テーブルの作成および各ラインカードへの配布
• Cisco 12404 ルータの一般的なシステム メンテナンス機能を提供
PRP は、CSF または MBus を通じて各ラインカードと通信します。CSF 接続は、ルーティング テーブルの配布およびラインカードと PRP 間におけるパケット送信のための主要なデータ パスです。
MBus 接続は、PRP がシステム ブートストラップ イメージをダウンロードしたり、診断情報を収集またはロードしたり、システム内部での一般的なメンテナンス動作を実行するときに使用します。PRP は Cisco 12404 ルータのカード ケージ内の任意のスロットに搭載できます。ルータは、デフォルト構成では 20 MB のフラッシュ メモリを搭載して出荷されます。
表A-7に、PRP のメモリ コンポーネントを示します。
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SDRAM 9 |
メイン Cisco IOS ソフトウェア機能のための 512 MB または 1 GB DIMM(必要な SDRAM に基づく) |
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SRAM 10 |
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NVRAM 11 |
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64 MB SIMM 12 |
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20 MB 13 |
最大 2 つの PCMCIA ベースのフラッシュ メモリ カードに Cisco IOS ソフトウェア イメージおよびその他のユーザ定義ファイルを保管 |
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Cisco 12404 ルータ上で稼働する Cisco IOS ソフトウェア イメージは、PRP 上に SIMM の形式で搭載されているフラッシュ メモリ、および PRP 前面にある 2 つの PCMCIA スロットに差し込む最大 2 つの(PCMCIA)カード( フラッシュ メモリ カード )に保管されます。フラッシュ メモリに Cisco IOS イメージを保管することにより、アップグレードされた Cisco IOS イメージをリモートでダウンロードおよび起動したり、PRP のフラッシュ メモリに保存されたソフトウェア イメージを起動したりすることができます。
Cisco 12404 ルータは、大部分の Cisco IOS ソフトウェア アップグレードのシステム ソフトウェア ダウンロードをサポートします。そのため、新しい Cisco IOS イメージをリモートでダウンロード、保管、および起動することができます。図A-3を参照してください。
PRP 上の SDRAM には、ルーティング テーブル、プロトコル、およびネットワーク アカウンティング アプリケーションを保管します。SDRAM はさらに、Cisco IOS ソフトウェアを実行します。デフォルトの PRP 構成には、512 MB の Error Checking and Correction(ECC)SDRAM が含まれます。512 MB および 1 GB の DIMM アップグレードが可能です。異なるサイズのメモリを混在させることはできません。2 つの DIMM を搭載する場合は、メモリ サイズを同じにする必要があります。表A-8に、サポートされているメモリ構成を示します。
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512 MB 14 |
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MEM-PRP-512= 15 |
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1.5 GB 16 |
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14.出荷時のデフォルト構成は、512 MB DIMM× 1 です。 |
SRAM はセカンダリ CPU キャッシュ メモリを提供します。標準の PRP 構成は 2 MB です。SRAM の主な機能はラインカードとの間で送受信されるルーティング テーブル更新情報の準備領域として動作することです。SRAM はユーザ側でアップグレードまたは構成することは できません 。
システム コンフィギュレーション、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値、および環境モニタのログは、2 MB の NVRAM に保管されます。NVRAM 内の情報は、内蔵のリチウム電池によって最低 5 年間は維持されます。NVRAM はユーザ側でアップグレードまたは構成することは できません 。
コンフィギュレーションを保存しなかった場合、取り外した PRP 上の NVRAM 内のコンフィギュレーション全体が失われるので、コンフィギュレーション全体を手動で再入力しなければなりません。
PRP を一時的に取り外す場合には、この手順は不要です。ルータに PRP を再び搭載するまでの間、リチウム電池によってメモリ内のコンフィギュレーションが維持されるからです。
オンボードおよび PCMCIA カード ベースのフラッシュ メモリにより、複数の Cisco IOS ソフトウェア イメージおよびマイクロコード イメージをリモートでロードして保管することができます。新しいイメージをネットワーク経由で、またはローカル サーバからダウンロードしたあと、その新しいイメージをフラッシュ メモリに追加したり、既存のファイルと置き換えたりすることができます。ルータの起動は、手動で行うこともできますし、保管している任意のイメージを使用して自動的に行うこともできます。フラッシュ メモリは TFTP サーバとしての役割も果たし、保管しているイメージから他のサーバをリモートで起動させたり、他のサーバのフラッシュ メモリにイメージをコピーしたりできます。
表A-9 に、サポートされているフラッシュ ディスクのサイズとシスコの製品番号を示します。
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64 MB 18 |
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17.標準 Type I および Type II リニア フラッシュ メモリ カードもサポートされています。ただし、これらの容量はご使用の構成要件を満たさない場合があります。 |
PRP には PCMCIA スロットが 2 つあります。どちらのスロットにもフラッシュ メモリ カードまたは入出力(I/O)デバイスを搭載できます。ただし、+5 VDC のデバイスでなければなりません。
表A-10 では、PRP で使用されているシステム ステータス LED のタイプについて、説明します。
PRP には、コンソール ポートと補助ポートの 2 つの非同期シリアル ポートが装備されています。これらのポートを使用して、外部シリアル装置を接続し、システムをモニタおよび管理することができます。両方のポートで、RJ-45 レセプタクルが使用されます。
コンソール ポートは、コンソール端末を接続するための DCE インターフェイスを提供します。補助ポートは、DTE インターフェイスを提供し、フロー制御をサポートします。通常、補助ポートは Telnet 管理作業のため、モデム、CSU、またはその他のオプション機器を接続する場合に使用します。
PRP には 2 つのイーサネット ポートが装備されています。どちらのポートでも、IEEE 802.3 10BASE-T(10 Mbps)または IEEE 802.3u 100BASE-TX(100 Mbps)接続用の 8 ピン RJ-45 レセプタクルを使用します。
(注) イーサネット ポートの伝送速度はデフォルトで自動検知されますが、ユーザが設定することもできます。
Cisco 12404 ルータは、発注内容に基づき、さまざまなネットワーク メディア タイプを提供する最大 3 つのラインカードを搭載した状態で出荷されます。ラインカードはラインカード ケージのスロット 0 ~ 3 に搭載され、相互間の通信のほか、CSF を介して RP と通信します(図A-4)。各ラインカードには、ネットワーク インターフェイス ケーブルを整理するための水平ケーブル管理ブラケットを取り付けます。
(注) スロット 0(ゼロ)は、FABRIC ALARM のラベルの付いたスロットの 1 つ上のスロットです。
図A-4 RP とラインカードのスロット番号および CSF の位置
Cisco 12404 ルータに搭載されたラインカードは、活性挿抜対応です。したがって、Cisco 12404 ルータの電源をオンにしたままラインカードの取り外しおよび取り付けを行うことができます。
OK/FAIL LED ペアは、アラーム MBus およびファブリック MBus のステータスを表します。グリーンに点灯する場合は、MBus モジュールは正常に動作しています。FAIL LED は、MBus 自体または MBus 電源モジュールにエラーが検出されたことを意味します。
CSF およびアラーム カードは、PEM をモニタします。 表A-11 にアラーム定義を示します。
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電源モジュールの出力電圧レベルを計測するため、MBus コントローラに 0 ~ 4.096 V の電圧モニタ信号が提供されます。 |
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電源モジュールの出力電流レベルを計測するため、MBus コントローラに 0 ~ 4.096 V の電流モニタ信号が提供されます。 |
このコネクタは、標準 DB-9 コネクタです。リレー インターフェイスは最大で定格 2 A、60 V または 50 VA(いずれか大きい方)です。
CSF 回路は、ラインカードおよび RP に対し、同期化した速度で相互接続を提供します(図A-5)。CSF 回路はクロック スケジューラおよびスイッチ ファブリック機能を備えており、シャーシ下部のスロットに装着されたカードに搭載されています。CSF カードのスイッチング容量は、40 Gbps です。
CSF カードは、システム全体で使用するクロックおよびセル タイム同期信号を生成および配信します。生成されたシステム クロックはバックプレーンを通じてシステムに配信され、ローカル クロック機能の基準になります。
システム クロックは、ラインカード間のデータ転送、または CSF 経由での RP とラインカードとの間のデータ転送を同期化します。システム クロック信号は、すべてのラインカードおよび RP に送信されます。
スケジューラは、ラインカードから CSF へのアクセス要求を処理します。スケジューラはラインカードから CSF へのアクセス要求を受信すると、そのラインカードに CSF へのアクセスを認める時期を決定します。
Cisco 12404 ルータ シャーシには、1100 W の活性挿抜ホットスワップ対応 PEM を 2 台搭載できます。各ユニットは -54.5 VDC で最大 1100 W の電力を提供します。ルータ PEM はホットスワップ対応です。EMI 規格に適合するには、ルータに PEM を 2 台搭載する必要があります。
設置場所の DC 電源からシャーシの DC PDU まで、DC 電源コードが必要です。DC 電源コードの各線は、4 American Wire Gauge(AWG)の撚り線ワイヤです。
Cisco 12404 ルータの PEM の取り扱いおよび交換手順については、FRU として出荷される各 AC PEM、DC PEM、または DC PDU に付属のコンフィギュレーション ノートを参照してください。
AC PEM は、奥行きが 6.60 インチ(16.76 cm)、幅が 14.30 インチ(36.32 cm)、高さが 3.50 インチ(8.89 cm)、重量が 11.0 ポンド(5.0 kg)です(図A-6)。
ルータは、客先仕様内容に従った構成で出荷されます。AC PEM を 1 台指定した場合は、AC PEM が 2 台出荷されます。
PFC により、PEM は北米では 100 ~ 120 VAC、15 A、その他の国では 185 ~ 264 VAC、10 A の AC 電源からの AC 電源電圧を受け入れることができます。
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AC PEM と AC 電源を接続する、14 フィート(4.3 m)の AC 電源コードが付属しています。
DC PEM および DC PDU は、奥行きが 6.60 インチ(16.76 cm)、幅が 14.30 インチ(36.32 cm)、高さが 3.50 インチ(8.89 cm)、重量が 14.0 ポンド(6.35 kg)の、2 つの部分からなるユニットです。図A-7を参照してください。
PFC により、PEM は北米では 100 ~ 120 VAC、15 A、その他の国では 185 ~ 264 VAC、10 A の AC 電源からの DC 電源電圧を受け入れることができます。
(注) 完全な冗長性を得るため、DC PDU ごとに個別の電源に接続してください。さらに、停電に備えて UPS を使用してください。
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各 DC PDU は、6 つのネジ式端子を使用して、個別に DC 電源に接続する必要があります。端子のうち、2 つはマイナス用(DC 電源)、2 つはプラス用(DC 電源戻り)、2 つはアース用です。DC 電源コードの各線は、4 AWG の撚り線ワイヤです。PEM には、-48 ~ -60 VDC で動作する専用の 45 A の DC 電源から、DC 電源電圧が供給されます。
警告 ルータの電源をオフにし、すべてのコードを取り外してから、DC PDU を接続する必要があります。DC PDU は、ホットスワップに対応していない FRU です。
Cisco 12404 ルータには、ファン トレイが 1 つ搭載されています(図A-8)。ファン トレイ アセンブリは、シャーシ背面に向かって右側にあります。ファン トレイ アセンブリは、側面から側面へ冷気を送ってカード ケージを通過させる事により、内部コンポーネントの動作温度を適切な範囲に維持します。
ファン トレイ アセンブリは、7 つのファン、および 2 つのファン コントローラ カードが格納された板金製ラックです。
警告 十分な換気を行うため、シャーシの吸気口および排気口の前にはそれぞれ 6 インチ(15.24 cm)のすき間を確保してください。他の機器からの排気がルータの吸気口に直接入り込むと、過熱状態を引き起こすことがあります。
ファンは、シャーシの反対側にあるエアー フィルタを通して室内の空気を取り込みます。図A-9を参照してください。ファンはカード ケージに空気を通したあと、シャーシの反対側にある排気口から排出します。
適切なエアーフローを保ち、RP およびラインカード ケージの内部が過熱状態にならないように、Cisco 12404 ルータの前面、背面、および側面を塞がないようにする必要があります。各面とも、それぞれ最低 6 インチ(15.2 cm)のすき間を確保することを推奨します。
RP およびラインカード ケージ内の気温が上昇すると、過熱による機器の損傷を防ぐため、システム環境モニタ機能によってすべての内部電源がシャットダウンされます。
ファン トレイ アセンブリ内のファンのいずれかが故障したことをシステムが検知すると、コンソール画面に警告メッセージが表示されます。複数のファンが故障すると、機器の損傷を防ぐためシステムがシャットダウンされます。
Cisco 12404 ルータには、メンテナンス可能なエアー フィルタが 1 つあります。エアー フィルタは、シャーシの背面に向かって左側にある縦型の細いスロットに格納されています。
エアー フィルタを取り付けない状態で Cisco 12404 ルータを稼働させてはなりません。エアー フィルタの点検および清掃は、月に 1 度ずつ(埃の多い環境では、それ以上の頻度で)行ってください。エアー フィルタの清掃および交換方法については、第 5 章の「エアー フィルタの清掃および交換」を参照してください。FRU として出荷されるエアー フィルタには、エアー フィルタ交換手順書『 Cisco 12404 Internet Router Air Filter Replacement Instructions 』(Text Part Number: 78-13621-01)が添付されています。図A-10に、エアー フィルタの位置を示します。
図A-10 Cisco 12404 インターネット ルータのエアー フィルタの位置
Cisco 12404 インターネット ルータのシャーシ ケーブル マネージャ システムは、システムに接続された各種インターフェイス ケーブルを整理し、ケーブルが極端に曲がったり外れたりするのを防ぎます(インターフェイス ケーブルが極端に曲がっていると、パフォーマンスの低下を引き起こすことがあります)。図A-11を参照してください。
Cisco 12404 インターネット ルータの MBus および MBus モジュールは、システムのあらゆるメンテナンス機能を管理します。
MBus は、2 つの個別のバスで構成され(MBus の冗長性を提供)、すべてのラインカード、RP、CSF カード、電源モジュール、およびファン トレイをすべてリンクします。各コンポーネントには、そのコンポーネントが MBus 経由で通信するための MBus モジュールが組み込まれています。各コンポーネントの MBus モジュールは、電源モジュールから +5 VDC を直接給電され、起動および停止の制御、デバイスの検出、コードのダウンロード、診断、および環境モニタまたはアラーム機能を実行します。
オンボード EPROM およびマスター RP から受信したコマンドに基づいて、各 MBus モジュールは搭載されているコンポーネントの DC-DC コンバータを直接制御します。各 MBus モジュールは、電源モジュールから +5 VDC を直接給電されています。Cisco 12404 インターネット ルータの電源を投入すると、すべての MBus モジュールがただちに起動します。RP および CSF の MBus モジュールは、DC-DC コンバータを即時に起動し、該当するカードを起動します。ラインカードの MBus モジュールは、マスター RP からコマンドを受信した時点で、ラインカードを起動します。
• デバイスの検出 ― RP は、MBus を使用してシステム コンフィギュレーションを判別できます。RP から MBus を通じて、搭載されているすべての装置にアイデンティティを示すよう要求するメッセージが送信されます。各装置からの応答によって、スロット番号、カードおよびコンポーネントのタイプといった情報が提供されます。
• コードのダウンロード ― RP から MBus を通じて、ラインカードのオペレーティング ソフトウェアの一部をラインカードにダウンロードできます。MBus による通信は、CSF と比べると低速なので、ラインカードが CSF にアクセスできる程度のコード部分だけをダウンロードすると、ダウンロード プロセスが完了します。
• 診断 ― RP からテスト対象のカードへ、診断用のソフトウェア イメージがダウンロードされます。
• 環境モニタおよびアラーム ― 各コンポーネントの MBus モジュールは、次のようにしてコンポーネントの環境をモニタします。
–ラインカードおよび RP の温度は、各カードに 2 台ずつ搭載された温度センサーによってモニタされます。MBus モジュールは、+2.5、+3.3、および +5 VDC の DC-DC コンバータ用の電圧調整をソフトウェアで行います。
–CSF カードの温度は、各カードに搭載された 2 台の温度センサーでモニタされます。MBus モジュールは、+2.5、+3.3、および +5 VDC の DC-DC コンバータ用の電圧調整をソフトウェアで行います。
–環境モニタ機能には、電圧のモニタ、温度のモニタ、ファン トレイ アセンブリ、およびファン トレイの各ファンの回転チェックが含まれます。