ブランク フィラーの取り外し(Cisco 12008およびCisco 12012ルータのみ)
ブランク フィラーの取り付け(Cisco 12008およびCisco 12012ルータのみ)
ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り外し
ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り付け
4-Port ATM ISE Line Cardパワー バジェット
ライン カードのインストレーションの確認およびトラブルシューティング
ライン カード インターフェイスの設定およびトラブルシューティング
Cisco IOS Software Release 12.0(22)S以上を使用したライン カードの診断
製品番号:4OC12X/ATM-IR-SC=、4OC12X/ATM-MM-SC=、4OC3X/ATM-IR-SC=、4OC3X/ATM-MM-SC=
Customer Order Number: DOC-J-7815325=
このハードウェア インストレーション コンフィギュレーション ノートでは、Cisco 12000シリーズ ルータ上での4-Port Asynchronous Transfer Mode(ATM;非同期転送モード)IP Services Engine(ISE)Line Cardの取り付けおよび設定の手順について説明します。このカードでは、OC-12c/STM-4cまたはOC-3c/STM-1cのどちらかのインターフェイスを使用できます。
このインストレーション コンフィギュレーション ノートで説明する内容は、次のとおりです。
• 「重要事項」
• 「製品概要」
• 「ライン カードのインストレーションの確認およびトラブルシューティング」
• 「関連資料」
Cisco 12000シリーズ ルータのハードウェアのインストレーションおよび設定の詳細については、ご使用のルータのインストレーション コンフィギュレーション ガイドを参照してください。このガイドには、ルータ スイッチ ファブリックの概要、ルータ スイッチ ファブリックによるライン カードの動作への影響、ライン カード スロットの配置、およびその他の要件が記載されています。
ATM Line Cardは、すべてのCisco 12000シリーズ ルータ上でサポートされます。
(注) Cisco 12008ルータおよびCisco 12012ルータの場合、ATM Line Cardの取り付けの手順が、このシリーズの他のルータでの手順とわずかに異なります。取り付けの説明に示されている相違点に注意してください。
ソフトウェアのコンフィギュレーションの詳細については、実装されているCisco IOSリリースのCisco IOSソフトウェア コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスを参照してください。また、追加情報については、Cisco IOSソフトウェア リリース ノートを参照してください。
表 1 に、ATM Line Cardと互換性のあるCisco IOSリリースおよび他のソフトウェア コンポーネントを示します。
show version コマンドおよび show hardware コマンドを使用すると、現在ロードされ、実行されているシステム ソフトウェアのバージョンなど、ルータの現在のハードウェア コンフィギュレーションが表示されます。
show コマンドの詳細については、実装されているCisco IOSリリースの『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide 』および『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference 』 、および「showコマンドによるステータスの確認」 を参照してください。
ソフトウェアとの互換性のために、ATM Line Cardには特定のハードウェア リビジョン番号が付いています。この番号は、カードのコンポーネント側に貼付されているラベルに記載されています。また、show diags slot-number コマンドを使用すると、ハードウェア リビジョン番号を確認できます。
4-Port OC-12c/STM-4c ATM ISE Line Cardのハードウェア リビジョン番号は、次のとおりです。
• シングルモード、Intermediate Reach(IR;中距離):800-20368-01
• マルチモード、Short Reach(SR;短距離):800-20757-01
4-Port OC-3c/STM-1c ATM ISE Line Cardのハードウェア リビジョン番号は、次のとおりです。
(注) 上記以上のハードウェア リビジョン番号は、すべてサポートされます。これらは、最小要件のリビジョン番号です。
このマニュアルでは、ATM Line Cardの取り付けおよび設定の基本的な手順について説明しています。ソフトウェアおよびATMの設定の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
• 『Cisco 12000 Series Router Installation and Configuration Guides』
• 『Cisco 12000 Series Internet Router Configuration Guide for Cisco IOS Release 12.0S』
• 『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』
• 『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference』
• 『Cisco IOS Release 12.0S Release Notes for Cisco 12000 Series Routers』
• 『4-Port ATM ISE Line Card Feature Module』
• 『Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco 12000 Series Routers』
これらのマニュアルの入手方法については、「マニュアルの入手方法」を参照してください。
ATM Line Cardは、Cisco 12000シリーズ ルータにトラフィックのキューイング、シェーピング、および輻輳管理の拡張機能を含む、ISEまたはEngine 3の機能を提供します。さらに、4-Port OC-12c/STM-4c ATM ISE Line Cardでは566万セル/秒、4-Port OC-3c/STM-1c ATM ISE Line Cardでは141万セル/秒の全二重モード持続スループットをサポートします。
また、4-Port ATM ISE Line Cardは、MDRR、WRED、およびバックプレッシャ輻輳回避メカニズムの統合により、ACL、ExACL、CAR、NetFlow、およびマルチキャストなど、一連の高性能エッジ パケット処理機能を備えています。このライン カードを搭載することで、Cisco 12000シリーズ ルータに、より高度なレイヤ3処理機能および広帯域ATM機能を実装できます。
また、Cisco IOS 12.0(27)S実装のATM Line Cardは、VC、VP、およびインターフェイス上でのセル リレーおよびセル パッキングによるレイヤ2 AToMトンネリング、ATMトラフィック シェーピングとポリシング、および同一インターフェイス上でのレイヤ2/レイヤ3の同時設定をサポートしています。
このライン カードは、2つの基板で構成されています。Engine 3チップ セットとファブリック インターフェイスを含む汎用ISEマザーボードと、4つのOC-12c/STM-4cインターフェイスを備えたPhysical Layer Interface Module(PLIM;物理レイヤ インターフェイス モジュール)特定カードです。
図1に、4-Port ATM ISE Line Cardの前面図を示します。
インストレーションの作業を開始する前に、ここで説明する重要事項を確認してください。
このマニュアルに記載されている作業を行う前に、人身事故または機器の損傷を防ぐために、ここで説明する安全に関する注意事項を確認してください。
次に、作業者の安全を確保し、機器を保護するための注意事項を示します。注意事項には、すべての危険が考慮されているわけではありません。常に、注意を怠らないでください。
(注) ライン カードの取り付け、設定、またはメンテナンスを行う前に、ルータに付属の『Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco 12000 Series Internet Router』(Text Part Number: 78-4347-xx)に記載されている安全上の警告を確認してください。
• 取り付け作業中および取り付け完了後は、周辺を清潔に保ち、埃がたまらないようにしてください。レーザー機器に埃やごみが入らないように注意してください。
• ライン カードを取り扱う際には、ゆったりした服や装身具など、ルータに引っ掛かる可能性のあるものは身につけないでください。
ESD(静電気放電)により、装置や電子回路が損傷を受けることがあります(静電破壊)。静電破壊は電子部品の取り扱いが不適切な場合に発生し、故障または間欠的な障害をもたらします。EMI(電磁波干渉)シールドは、ライン カードの統合部品です。ネットワーク機器またはそのコンポーネントを取り扱うときは、常に、静電気防止用ストラップを着用してください。
ESDによる損傷を防ぐために、次の注意事項に従ってください。
• 静電気防止用リスト ストラップまたはアンクル ストラップを肌に密着させて着用してください。接続コードの装置側を、ルータのESD接続ソケットまたはシャーシの塗装されていない金属面に接続します。
• ATM Line Cardを取り扱うときは、非脱落型ネジ、ハンドル、イジェクト レバー、またはライン カードの金属製フレームだけを持ち、基板またはコネクタ ピンには手を触れないようにしてください。
• 取り外したATM Line Cardは、基板側を上向きにして、静電気防止用シートに置くか、静電気防止用袋に収めます。コンポーネントを返却する場合は、取り外した後、ただちに静電気防止用袋に入れてください。
• ATM Line Cardと衣服が接触しないように注意してください。リスト ストラップは身体の静電気から基板を保護するだけです。衣服の静電気が、静電破壊の原因になることがあります。
ATM Line Cardの取り付けおよび取り外しの作業を行うには、次の工具および機器が必要です。
• ATM Line Cardを別のルータまたはスイッチに接続するためのインターフェイス ケーブル
ケーブルの詳細については、「光ファイバ ネットワーク用インターフェイス ケーブル」を参照してください。
ここでは、ライン カードの取り外しおよび取り付けの手順について説明します。内容は次のとおりです。
• 「ブランク フィラーの取り外し(Cisco 12008およびCisco 12012ルータのみ)」
• 「ブランク フィラーの取り付け(Cisco 12008およびCisco 12012ルータのみ)」
(注) Cisco 12008ルータおよびCisco 12012ルータでのATM Line Cardの取り付けおよび取り外しの手順は、他のCisco 12000シリーズ ルータの手順と異なります。ご使用のルータ シャーシに適合する手順を参照してください。
ライン カードの取り外しおよび取り付けを行うときの注意事項は、次のとおりです。
• ライン カードはOnline Insertion and Removal(OIR;ホットスワップ)対応なので、ルータを稼働したままで取り外しおよび取り付けができます。OIRは、ネットワーク上のユーザには何ら影響を及ぼしません。すべてのルーティング情報が保持され、セッションが中断されることはありません。
(注) OIRでは、ソフトウェアの作業または電源のリセットは不要ですが、ライン カードを取り外す前に、任意にshutdownコマンドを使用することもできます。
• ライン カードを再び取り付けると、必要なソフトウェアがRoute Processor(RP;ルート プロセッサ)から自動的にダウンロードされます。その後、現在の設定と一致し、かつ管理上のアップとして設定されていたインターフェイスだけがオンラインになります。その他のインターフェイスはすべて、 configure コマンドで設定する必要があります。
• ライン カードには、バックプレーン コネクタからカードを解放するための2つのイジェクト レバーが付いています。ライン カードをバックプレーン コネクタから取り外すとき、およびライン カードをバックプレーン コネクタに装着するときは、これらのレバーを使用してください。イジェクト レバーにより、カード コネクタがバックプレーンにかみ合い、固定されます。
• Cisco 12008ルータまたはCisco 12012ルータにATM Line Cardを取り付ける場合には、2つのスロットが必要です。ライン カードを取り付ける前に、2つのスロットのうち右側のスロットにブランク フィラー(部品番号:4OC12X/ATM-BLANK)を取り付ける必要があります。詳細については、「ブランク フィラーの取り付け(Cisco 12008およびCisco 12012ルータのみ)」を参照してください。
ライン カードの設定情報については、「ライン カード インターフェイスの設定およびトラブルシューティング」を参照してください。
障害のあるライン カードを交換する場合には、既存のライン カードを取り外した後、同じスロットに新しいライン カードを取り付けます。ライン カードを取り外す手順は、次のとおりです(図2を参照)。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップを使用説明書に従って装着します。
ステップ 2 ポートからすべてのインターフェイス ケーブルを取り外します。ライン カード上のポートへの現在のケーブル接続を書き留めておいてください。
ステップ 3 ライン カードから、ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットを取り外します。
ステップ 4 ドライバを使用して、ライン カード前面プレートの両端にある非脱落型ネジを緩めます(図2aを参照)。
ステップ 5 両側のイジェクト レバーを外側に同時に開き、バックプレーン コネクタからライン カードを外します(図2bを参照)。
ステップ 6 イジェクト レバーを持ち、ライン カードをスロットの途中まで引き出します。
ステップ 7 ライン カードのフレームを持ち、片手でライン カードの底面を支えながら、ライン カードをスロットからゆっくり引き出します(図2cを参照)。ライン カードのプリント基板、コンポーネント、またはコネクタ ピンに触れないように注意してください。
ステップ 8 取り外したライン カードは静電気防止用マットの上に置きます。返却する場合には、ライン カードをただちに静電気防止用袋に保管してください。
ステップ 9 ライン カード スロットを空にしておく場合は、シャーシに埃が入らないように、また、ライン カード コンパートメント内のエアフローを適切に保持するために、ライン カード ブランク(製品番号 MAS-GSR-BLANK)を取り付けます。非脱落型ネジを締め、ライン カード ブランクをシャーシに固定します。
(注) Cisco 12008ルータまたはCisco 12012ルータの場合には、ATM Line Cardに付属のブランク フィラーを同時に取り外す必要があります。「ブランク フィラーの取り外し(Cisco 12008およびCisco 12012ルータのみ)」を参照してください。
(注) ATM Line Cardを取り外すときは、ライン カードの重さが約13.2ポンド(6 kg)であることに注意してください。
ATM Line Cardは、Cisco 12008ルータおよびCisco 12012ルータのライン カード スロットの幅より広いので、ライン カードを取り付けるには2つのスロットを使用する必要があります。2つめのスロットの未使用スペースには、ブランク フィラー(部品番号:4OC12X/ATM-BLANK)を取り付けます。ライン カードの通気を適切に保ち、シャーシおよびライン カードを損傷から保護するためです。
ブランク フィラーは、ATM Line Cardを取り外した後で、取り外します。
ステップ 1 ドライバを使用して、ブランク フィラーの前面プレートの両端にある非脱落型ネジを緩めます。
ステップ 2 片手でブランク フィラーの前面プレートを持ち、もう一方の手でブランク フィラー の底面を支えながら、ブランク フィラーをスロットからまっすぐ引き出します。
ブランク フィラーを取り外す手順は、これで完了です。取り外したスロットに、別のライン カードを取り付けることができます。
ATM Line Cardは、Cisco 12008ルータおよびCisco 12012ルータのライン カード スロットの幅より広いので、2つのライン カード スロットのスペースを使用します。2つめのスロットの未使用スペースには、ブランク フィラーを取り付けます。ライン カードの通気を適切に保ち、シャーシおよびライン カードを損傷から保護するためです。
ATM Line Cardは、Cisco 12008またはCisco 12012ルータの任意の連続する2スロットに取り付けることができます。ブランク フィラーは、ライン カードを取り付ける2スロットのうち、右側のスロットに取り付けます。
ステップ 1 ライン カードの取り付け先となる連続する2つの空きスロットを選び、ライン カード用の光ファイバ インターフェイス ケーブルが、ライン カード ポートと外部機器を接続するのに十分な長さであることを確認します。
ステップ 2 片手でブランク フィラーの前面プレートを持ち、もう一方の手でブランク フィラー の底面を支えながら、ATM Line Cardを取り付ける2スロットのうち、右側のスロットに差し込みます(図3を参照)。
ステップ 3 ブランク フィラーをスロット内にゆっくり挿入し、ブランク フィラーの上部と下部の縁を、カード ケージ スロットの枠内に確実に収めます。
ステップ 4 ATM Line Cardに適切なEMI保護と通気を提供するために、ドライバを使用して、ブランク フィラーの前面プレートの両端にある非脱落型ネジを締めます。EMI規格に適合させるには、これらのネジを締める必要があります(図4を参照)。
ATM Line Card用のスペースを十分に確保するために、ライン カードを取り付ける 前に 、ブランク フィラー の非脱落型ネジを締めてください。
ライン カードは、ほとんどの使用可能なライン カード スロットに取り付けて、バックプレーンに直接接続できます。新しいライン カードを取り付けるには、まず、使用するスロットからライン カード ブランクを取り外す必要があります。
(注) ライン カード スロットのタイプ、スロット幅、およびスロットの位置については、ご使用のルータのインストレーション コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
(注) Cisco 12008ルータおよびCisco12012ルータの場合、ATM Line Cardは2つのライン カード スロットを使用します。ATM Line Cardを取り付ける前に、連続する2スロットのうち右側のスロットにブランク フィラーを取り付ける必要があります。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップを使用説明書に従って装着します。
ステップ 2 ライン カードを取り付けるライン カード スロットを選び、ライン カードのインターフェイス ケーブルが、ライン カードと外部機器を接続できるだけの長さであることを確認します。
Cisco 12008ルータまたはCisco 12012ルータにライン カードを搭載する場合には、ブランク フィラーの左側のスロットにライン カードを取り付ける必要があります(図6を参照)。
ステップ 3 片手でライン カードの前面プレート(またはハンドル)を持ち、もう一方の手でカード フレームの底面を支えながら、カード ケージのスロットの位置にカードを合わせます。ライン カードのプリント基板、コンポーネント、またはコネクタ ピンに触れないように注意してください。
ステップ 4 イジェクト レバーがカード ケージの縁に触れるまで、ライン カードをスロットに慎重に差し込みます。イジェクト レバーのフックがカード ケージの縁にかみ合ったら、そこで 止めます 。フックがかみ合わない場合は、もう一度ライン カードを差し込んで、イジェクト レバーのフックが完全にかみ合うようにします(図5を参照)。
ステップ 5 両方のイジェクト レバーを同時に内側に戻し、ライン カードの前面プレートに対してレバーが垂直になるようにします。これにより、カードがバックプレーンに固定されます。
ステップ 6 3/16インチのマイナス ドライバを使用して、ライン カード前面プレートの両端にある非脱落型ネジを締めます。これにより、適切なEMI保護が確保され、ライン カードがバックプレーンから部分的に外れるのを防ぐことができます。
Cisco 12008ルータまたはCisco 12012ルータにATM Line Cardおよびブランク フィラーの両方を取り付けると、図6のようになります。
図6 ブランク フィラーを取り付けた 4-Port ATM ISE Line Card
ステップ 7 ケーブル マネジメント ブラケットを取り付けます。
(注) ケーブル マネジメント ブラケットの取り付けについては、「ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り付け」を参照してください。
インターフェイス ケーブルの接続については、「ケーブル接続および仕様」を参照してください。
(注) ここでは各種ライン カードの図を使用していますが、ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り付け手順は、どのライン カードの場合でも同じです。
Cisco 12000シリーズ ルータには、ルータに接続するインターフェイス ケーブルを整理し、ケーブルが作業の妨げになったり、極端に曲がったりするのを防ぐケーブル マネジメント システムが含まれています。
ケーブル マネジメント システムは、次の2つのコンポーネントで構成されています。
1. シャーシに取り付けるケーブル マネジメント トレイ。ケーブル マネジメント トレイについては、ご使用のCisco 12000シリーズ ルータのインストレーション コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
2. ライン カードに取り付けるケーブル マネジメント ブラケット。
ここでは、ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットについて説明します。図7にシングルポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケット、図8にマルチポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットを示します。
図7 シングルポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケット
図8 マルチポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケット
(注) スペアのライン カードは、ケーブル マネジメント ブラケットが取り付けられていない状態で出荷されます。このような場合は、ライン カードをルータに取り付ける前に、ライン カードにケーブル マネジメント ブラケットを取り付けてください。
ここでは、ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り外しおよび取り付けの手順について説明します。
• 「ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り外し」
• 「ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り付け」
ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットを取り外す手順は、次のとおりです。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップまたはアンクル ストラップを使用説明書に従って装着します。
ステップ 2 各ライン カード上のポートに現在接続されているインターフェイス ケーブルを書き留めておいてください。
ステップ 3 ライン カードの一番下のポートのインターフェイス ケーブルから順番に、ライン カードのインターフェイスからケーブルを取り外します。
(注) ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットからインターフェイス ケーブルを取り外す必要はありません。新しいライン カードを取り付けるまで、(ケーブル付きの)ブラケットをシャーシのケーブル マネジメント トレイまたはブラケットに保管しておくことができます。
ステップ 4 マルチポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの場合、上方のケーブル スタンドオフ側にあるマジックテープからインターフェイス ケーブルを取り外します(図9を参照)。
シングルポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの場合、ケーブル クリップからインターフェイス ケーブルを注意深く取り外します(図10を参照)。ケーブルが折れ曲がらないように注意してください。
ステップ 5 他のすべてのインターフェイス ケーブルについてステップ 3~ステップ 4を繰り返し、ステップ 6に進みます。
ステップ 6 マルチポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの場合、ケーブル マネジメント ブラケットの両側にある非脱落型ネジを緩め、ブラケットをライン カードから取り外します。
シングルポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの場合、ケーブル マネジメント ブラケットの非脱落型ネジを緩め、ブラケットをライン カードから取り外します。
図9 マルチポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り付けおよび取り外し(4-Port OC-48c/STM-16c DPT Line Card)
図10 シングルポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの取り付けおよび取り外し(1-Port OC-192c/STM-64c DPT Line Card)
ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットを取り付ける手順は、次のとおりです。
ステップ 1 静電気防止用リスト ストラップまたはアンクル ストラップを使用説明書に従って装着します。
ステップ 2 次の手順で、ライン カードにライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットを取り付けます。
a. ライン カードの前面プレート上に、ケーブル マネジメント ブラケットの位置を合わせます。
b. 非脱落型ネジを取り付けて締め、ブラケットをライン カードに固定します。
c. ライン カードの一番下のポートから順番に、各インターフェイス ケーブルを該当するポートに接続します。
ステップ 3 マルチポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの場合、付属のマジックテープでケーブルを注意深く巻きます(図9を参照)。
シングルポート ライン カード用ケーブル マネジメント ブラケットの場合、インターフェイス ケーブルをケーブル クリップに丁寧に押し込みます(図10を参照)。ケーブルが折れ曲がらないように注意してください。
ここでは、ATM Line Cardの仕様について説明します。
• 「4-Port ATM ISE Line Cardパワー バジェット」
• 「光ファイバ ネットワーク用インターフェイス ケーブル」
ATM Line Cardは、シングルモードとマルチモードの両方の光ファイバ ケーブルを使用します。信号の到達可能距離は、マルチモード光ファイバよりもシングルモード光ファイバの方が長くなります。敷設の最大距離は、光ファイバ伝送路の光損失量によって決まります。標準最大距離に近い光伝送が必要な場合には、Optical Time-Domain Reflectometer(OTDR;オプティカル タイム ドメイン反射率計)を使用して、パワー ロスを測定してください。
表2 および 表3 に、ATM Line Cardの定格パワーを示します。
ATM Line Cardには、SCタイプ光ファイバ インターフェイス コネクタが付いています。Cisco 12000シリーズ ルータのATM Line Cardの光ファイバ インターフェイスを別のルータまたはスイッチに接続するには、状況に応じて、マルチモードまたはシングルモードの光ファイバ インターフェイス ケーブルを使用します。一般的に、マルチモード ケーブルはグレーまたはオレンジ、シングルモード ケーブルはイエローです。
(注) シングルモードおよびマルチモードの光ファイバ ケーブルは、別途必要です。ケーブルのプラグには、ダスト カバーが取り付けられていることがあります。ライン カードのポートにケーブルを接続する前に、ダスト カバーを取り外してください。
1つのデュプレックスSCタイプ コネクタ(図11を参照)または2つのシンプレックスSCタイプ コネクタ(図12を参照)のどちらかを使用します。
1本のデュプレックス光ファイバ ケーブルまたは2本のシンプレックス光ファイバ ケーブルを使用して、ライン カードの各ポートをライン カードの接続先デバイスに接続します。送信側(TX)と受信側(RX)の接続関係に注意してください(図13を参照)。
(注) ポートの送信側(TX)と受信側(RX)のレセプタクルの位置に注意してください。レセプタクルの位置は、Cisco 12000シリーズ ルータの各ライン カードによって異なります。
ここでは、ライン カードのインストレーションを確認し、トラブルシューティングを行う手順について説明します。
• 「英数字LED」
一般的なライン カードのブート プロセスでは、次の処理が実行されます。
1. ライン カードのMaintenance Bus(MBus;メンテナンス バス)モジュールに電力が供給され、MBusソフトウェアの実行が開始されます。
2. ライン カードのMBusモジュールは、搭載されているカードのタイプを判別し、内部チェックを実行し、RPからCisco IOSソフトウェアを受け入れられるようにします。
3. RPがライン カードを起動し、ライン カードにCisco IOSソフトウェアをロードします。
ライン カードが正常に動作していることを確認するには、次の動作チェックを行います。
• ライン カードのブート プロセス中に、ライン カードのLEDディスプレイを見て、カードが通常の初期化シーケンスを実行しているかどうかを確認します。シーケンスはIOS RUNで終了するはずです。
• ライン カードのステータスLEDを調べ、ACTIVE LEDが点灯していることを確認します。ACTIVE LEDが点灯しない場合には、関連インターフェイスがシャットダウンされていないかどうかを確認します。
どちらかの条件が満たされていない場合は、「ライン カードの高度なトラブルシューティング」を参照し、問題を特定してください。
ATM Line Cardには、ライン カードの動作ステータスをモニタするために、次の2タイプのLEDが付いています(図14を参照)。
• ステータスLED ― ライン カードの各ポートの横にある3つのLEDです。
• LEDディスプレイ ― それぞれ4桁の英数字が表示される2つのLEDです。
図14 4-Port ATM ISE Line CardのLED
ATM Line Cardの各ポートの横には、次の3つのグリーンのポート ステータスLEDがあります。
表 4 に、各LEDの意味を示します。
ライン カードのステータスLEDは、ライン カードのインターフェイスを設定するまで(またはシャットダウンされているインターフェイスをオンにするまで)、点灯しないことがあります。各インターフェイスの正常な動作を確認するには、ライン カードの設定手順を完了する必要があります(ライン カード インターフェイスの設定およびトラブルシューティングを参照)。
ATM Line Cardの前面プレートの端のイジェクト レバー付近に、2つの4桁の英数字LEDディスプレイが付いています。ここには、カードのステータスを示す一連のメッセージが表示されます。通常、RPがカードを認識して起動するまでは、これらのLEDには何も表示されません( 表 5 を参照)。
(注) 一部のメッセージは瞬間的にしか表示されないので、読み取れないことがあります。また、ライン カードによっては、表 5および表 6に示すメッセージの一部が表示されないことがあります。
ライン カードが起動すると、 表 5 に示すような一連のメッセージが表示されます。
1.表 5に示すLEDシーケンスは瞬間的に表示されるので読み取れないことがあります。この表で、起動時のライン カードの動作内容を把握してください。 |
表 6 に、ライン カードの英数字LEDディスプレイに表示されるその他のメッセージを示します。
ライン カードのACTIVE LEDまたは英数字LEDディスプレイが点灯しない場合、ライン カードの取り付けに問題があるか、またはハードウェア障害が発生しています。次の手順で、ライン カードが正しく取り付けられているかどうかを確認してください。
ステップ 1 ライン カードのACTIVE LEDは点灯しないが、英数字LEDディスプレイが動作中状態を示している場合は、初期化シーケンスがIOS RUNで終了しているかどうかを確認します。IOS RUNで終了している場合には、インターフェイスがシャットダウンされていないかどうかを確認します。IOS RUNで終了していない場合には、ACTIVE LEDの回路障害が考えられます。サービス担当者に連絡して、サポートを依頼してください。
ステップ 2 ライン カードのACTIVE LEDが点灯しない場合、または英数字LEDディスプレイがIOS RUNを表示していない場合は、次の手順で、ルータの接続を確認してください。
a. ライン カードのボード コネクタがバックプレーンに完全に装着されているかどうかを確認します。非脱落型ネジを緩め、両方のイジェクト レバーを内側に押して、レバーが両方ともライン カードの前面プレートに対して垂直になるようにします。非脱落型ネジを締めます。
b. すべての電源コードおよびデータ ケーブルが両端とも正しく接続されているかどうかを確認します。
c. カード上のすべてのメモリ モジュールがそれぞれのソケットに正しく装着され、固定されているかどうかを確認します。
ライン カードの再初期化が完了すると、ライン カードのACTIVE LEDが点灯するはずです。ACTIVE LEDが点灯すれば、インストレーションは完了しています。ACTIVE LEDが点灯しない場合は、次のステップに進んでください。
ステップ 3 それでもACTIVE LEDが点灯しない場合は、ATM Line Cardを取り外し、空いている別のライン カード スロットに取り付けます。
• ライン カードを新しいスロットに取り付けてACTIVE LEDが点灯した場合は、元のライン カード スロットのバックプレーン ポートに障害があると考えられます。
• ACTIVE LEDと英数字LEDディスプレイが点灯しない場合は、インストレーションを中止します。サービス担当者に機器が故障していることを連絡し、指示を受けてください。
ステップ 4 ライン カードの初期化時にコンソール端末にエラー メッセージが表示された場合は、該当するリファレンス マニュアルでエラー メッセージの意味を確認してください。その他、解決できない問題が生じたときは、サービス担当者に連絡し、サポートを依頼してください。
トラブルシューティングおよび診断プログラムについては、ご使用のCisco 12000シリーズ ルータに付属のインストレーション コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
ここでは、ATM Line Cardの設定およびトラブルシューティングの手順について説明します。
• 「初期設定」
• 「Cisco IOS Software Release 12.0(22)S以上を使用したライン カードの診断」
show running-config コマンドを使用して、現在のポートのコンフィギュレーション情報を表示します。新しく取り付けたATM Line Cardの起動時には、インターフェイスがシャットダウンされています。インターフェイスをイネーブルにするには、コンフィギュレーション モードで no shutdown コマンドを入力する必要があります。他のコンフィギュレーション コマンドを使用せずにATM Line Cardを(シャットダウン状態から)イネーブルに変更した場合、 表 7 に示すデフォルトのインターフェイス コンフィギュレーション ファイルのパラメータが使用されます。
ATM Line Cardのインターフェイスに no shutdown コマンドを入力する場合、またはインターフェイスの設定を変更する場合には、 configure イネーブルEXECコマンドを使用してコンフィギュレーション モードを開始する必要があります。
新しいATM Line Cardが正しく取り付けられていることを確認したら、 configure コマンドを使用して、新しいインターフェイスを設定します。インターフェイスのIPアドレスなど、必要な情報を調べておいてください。
ここでは、インターフェイスをイネーブルにして、IPルーティングを指定するという基本的なコンフィギュレーションの手順について説明します。ルータの設定要件に応じて、他のコンフィギュレーション サブコマンドの入力が必要になることがあります。
(コンフィギュレーション サブコマンドおよび使用できる設定オプションについては、Cisco IOSソフトウェア リリースの要件に記載されている適切なソフトウェアのマニュアルを参照してください。)
Cisco 12000シリーズ ルータのインターフェイス アドレスは、ライン カードのスロット番号とインターフェイス番号を使用し、 スロット/ポート の形式で指定します。各ATM Line Cardには4つのATMインターフェイスがあり、ポート番号は0~3です。したがって、ライン カード スロット2に搭載されているATM Line CardのATMインターフェイスのスロット/ポート アドレスは、 2/0~2/3になります。
configure コマンドを使用する前に、 enable コマンドで、EXECコマンド インタープリタのイネーブル レベルを開始する必要があります。パスワードが設定されている場合、パスワードの入力を要求するプロンプトが表示されます。
ATM Line Cardを設定する手順は、次のとおりです。特に明記しないかぎり、各ステップの最後に Return キーを押してください。
ステップ 1 show version コマンドを入力して、ルータがカードを認識しているかどうかを確認します。
ステップ 2 show interface コマンドを入力して、各ポートのステータスを確認します。
ステップ 3 configure terminal コマンドを入力してコンフィギュレーション モードを開始し、コンフィギュレーション サブコマンドの入力元としてコンソール端末を指定します。
ステップ 4 プロンプトに、 type ( atm )および slot/port (ライン カード スロット番号/ポート番号)を指定して interface コマンドを入力し、新しく設定するATMインターフェイスを指定します。
たとえば、インターフェイス プロセッサ スロット1に搭載されているATM Line Card のポート3を設定するには、 interface atm コマンドを次のように入力します。
ステップ 5 次のように、 ip address コンフィギュレーション サブコマンドを入力して、インターフェイスにIPアドレスとサブネット マスクを割り当てます。
ステップ 6 次のように、Permanent Virtual Circuit(PVC;相手先固定接続)を設定します。
(注) トラフィックを正常に伝送するには、リンクの両端に同じ番号のPVCを設定する必要があります。
ステップ 7 no shutdown コマンドを入力して、シャットダウン ステートをアップに変更し、インターフェイスをイネーブルにします。
no shutdown コマンドを入力すると、ATM Line Cardに enable コマンドが渡され、Segmentation and Reassembly(SAR)処理が開始されます。また、ライン カードが受信した最新のコンフィギュレーション コマンドに基づいて、ライン カードが自動設定されます。
ステップ 8 設定を完了するために必要な他のコンフィギュレーション サブコマンドを入力します。
ステップ 9 すべてのコンフィギュレーション サブコマンドを入力して設定が完了してから、 Ctrl-Z ( Ctrl キーを押しながら Z キーを押す)を入力して、コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 10 copy running-config startup-config コマンドを入力して、新しいコンフィギュレーションをメモリに保存します。
設定の完了後、 show コマンドを使用すると、設定を確認できます。 show コマンドについては、「showコマンドによるステータスの確認」を参照してください。
各Cisco 12000シリーズ ルータ ライン カードは、コンフィギュレーション、トラフィック、エラーなどに関する情報を保持しています。これらの情報は、 show コマンドを使用して表示できます。ここでは、各種の show コマンドの説明と例を示します。
ルータのハードウェア構成(搭載されている各タイプのライン カード数)、Cisco IOSソフトウェア リリース、コンフィギュレーション ファイルの名前と保管場所、およびブート イメージを表示するには、 show version コマンドを使用します。
Cisco 12000シリーズ ルータに搭載されているハードウェア モジュールの情報を表示するには、 show gsr コマンドを使用します。次に、 show gsr コマンドを使用して、ルータのスロット2に搭載されているATM Line Cardの情報を表示する例を示します。
ルータのインターフェイス情報を表示するには、 show interfaces コマンド、 show interfaces pos slot/port コマンド、および show interfaces atm slot/port コマンドを使用します。次に、 show interfaces atm slot/port コマンドを使用して、ルータのスロット2に搭載されたATM Line Cardのポート0の情報を表示する例を示します。
ATMネットワークおよび接続している仮想回線の現在のステータスを表示するには、次のATMの show コマンドを使用します。
• ATM Line Cardのインターフェイスについて、現在のATM固有情報を表示するには、 show atm interface atm コマンドを使用します。
• 現在のATM統計情報を表示するには、 show atm traffic コマンドを使用します。
• 現在のATM PVCを表示するには、 show atm pvc コマンドまたは show atm vc コマンドを使用します。
次に、PVCの一般的なATMコンフィギュレーションの例を示します。
その他のコンフィギュレーション例については、「重要事項」に記載されている適切なCisco IOSソフトウェアのコンフィギュレーション マニュアルを参照してください。
ここでは、ライン カードに障害が発生した場合の高度なトラブルシューティングについて説明します。このトラブルシューティング方法は、障害がハードウェアに関連したものかどうかを判別するときに役立ちます。ソフトウェア関連の障害については、ハードウェア障害と誤解されやすいものだけを示しています。
(注) ここでの説明は、ユーザがCisco IOSソフトウェア コマンドの使用方法を熟知していることを前提としています。
ここでの説明を理解し、トラブルシューティングの手順に従うことによって、ライン カード上の問題を把握できます。最初に、発生しているライン カード障害またはコンソール エラーの原因を判別します。どのカードに障害が発生しているのかを調べるには、次のコマンドの出力結果を収集する必要があります。
これらのshowコマンドの出力に加えて、次の情報も収集する必要があります。
• コンソール ログおよびSyslogの情報 ― 複数の現象が発生している場合は、この情報が非常に重要です。ルータがSyslogサーバにログを送信するように設定されている場合は、発生している現象について、何らかの情報が得られることがあります。コンソール ログについては、ロギングがイネーブルになっているルータ コンソール ポートに直接接続するのが最良です。
• その他のデータ ― show tech-supportコマンドには、show version、show running-config、show stacksなど、多数の異なるコマンドが統合されています。Cisco TACが問題解決のために作業を行う場合、この情報が必要になります。
(注) show tech-supportのデータは、再起動または電源再投入を行う前に収集する必要があります。再起動または電源再投入を行うと、問題に関する全情報が失われることがあります。
(注) これらのコマンドの出力は、使用しているライン カードによって多少異なりますが、基本的な情報は同じです。
このshow context slot 2の出力例では、下線が付いているSIG=の値によって、発生している障害の種類がわかります。ライン カードの障害のうち、発生頻度の高いものは次の3種類です。
上記の例では、software forced crash(ソフトウェア強制クラッシュ)の例外条件によってライン カードに障害が発生し、システムが再起動しています。原因を判断して必要な出力結果を収集した上で、Bug Toolkitを使用して、ご使用のCisco IOSソフトウェア リリースに警告がないかどうかを調べます(Bug Toolkitを利用できるのは、Cisco.comの登録ユーザに限られます)。
問題の原因がログに記録されているシステム エラーなのか実際の故障なのかを判断したら、ライン カードの現在のステータスを調べて、障害から回復しているかどうかを確認する必要があります。各ライン カードのステータスを調べるには、ライン カードの前面にある英数字LEDを確認するか、show ledコマンドを使用します。
(注) 英数字LEDの値は、前後が逆になることもあります。たとえば、IOS RUNはRUN IOSと表示される場合もあります。
ライン カードの英数字LEDにIOS RUN以外のメッセージが表示された場合、またはRPがアクティブなマスター/プライマリでもスレーブ/セカンダリでもない場合には、何らかの問題によってライン カードのロードが正常に完了していません。ライン カードを交換する前に、次の手順で問題の修正を試みてください。
ステップ 1 グローバル コンフィギュレーション コマンドのmicrocode reload slotコマンドを使用して、マイクロコードをリロードします。
ステップ 2 hw-module slot reloadコマンドを使用して、ライン カードをリロードします。これによりライン カードがリセットされ、Cisco IOSソフトウェアのダウンロードが試行される前に、MBusおよびファブリック ダウンローダ ソフトウェア モジュールがダウンロードされます。
ステップ 3 ライン カードを手動でリセットします。これにより、MBusまたはスイッチング ファブリックの接続不良による問題を解消できます。
ライン カードまたはセカンダリRPが、スイッチ ファブリック上でプライマリRPから送信されたファブリックping要求に応答しなかった場合、ファブリックpingエラーが発生します。このエラーは、確認すべき問題が発生していることを示しています。次のエラー メッセージが表示されます。
この問題に関する詳細は、Cisco.comに提供されている『Troubleshooting Fabric Ping Timeouts and Failures on the Cisco 12000 Series Internet Router』を参照してください。
ライン カードに関連したエラー メッセージが表示された場合、Error Message Decoder Tool(Cisco.com)を使用すると、そのエラー メッセージの意味を調べることができます。ハードウェアの問題を示すエラー メッセージもあれば、Cisco IOSソフトウェアの問題、またはルータの別の部分のハードウェアの問題を示すメッセージもあります。ただし、この資料に、すべてのエラー メッセージが収録されているわけではありません。
(注) Cisco Express Forwarding(CEF)およびInter Process-Communication(IPC)に関連する一部のメッセージは、Cisco.comの『Troubleshooting CEF-Related Error Messages』に解説されています。
ライン カードが起動せず、Field Programmable Gate Array(FPGA)イメージの問題を示すエラー メッセージが表示された場合(またはライン カードの英数字LEDディスプレイがIOS STRTの状態で停止している場合)には、diagコマンドの update-fpga オプションを使用してFPGAイメージをアップグレードする必要があります。
(注) diagコマンドおよびupdate-fpgaオプションの詳細は、『Field Diagnostics for the Cisco 12000 Series Internet Router』を参照してください。
Cisco IOSイメージが起動すると、ルータ上で互換性のあるFPGAイメージが実行されているかどうかが確認されます。FPGAイメージのメジャー バージョン番号は、Ciso IOSイメージが予期した番号と同じでなければなりません。FPGAイメージのマイナ バージョン番号は、Cisco IOSイメージが予期したマイナ バージョン番号か、それ以上でなければなりません。たとえば、Cisco IOSイメージが予期したFPGAイメージの最小要件が03.02である場合、ライン カード ブートフラッシュのFPGAイメージのメジャー バージョン番号が03で、マイナ バージョン番号が02以上であるかどうかが確認されます。
次に、FPGAの問題を示しているエラー メッセージの例を示します。
エラー メッセージ No FPGA image available for slot0. Please run field diagnostics image on slot0 to upgrade the FPGA image.説明 現在、ライン カードのブートフラッシュに有効なFPGAイメージが含まれていません。ライン カードのブートフラッシュに有効なFPGAイメージをロードする必要があります。
エラー メッセージ FPGA image not appropriate or corrupted for slot0. Please run field diagnostics on slot0 to upgrade the FPGA image.説明 ライン カードのブートフラッシュに現在ロードされているFPGAイメージが、ルータで実行しているCisco IOSソフトウェア リリースと互換性がないか、または破壊されています。適正なバージョンのFPGAイメージにアップグレードしてください。
(注) ライン カードのブートフラッシュとRPのブートフラッシュを混同しないように注意してください。FPGAイメージは、ライン カードのブートフラッシュだけにロードします。
(注) この診断の出力は、使用しているライン カードによって多少異なりますが、基本的な情報は同じです。
ライン カード フィールド診断ソフトウェアは、Cisco 12000シリーズ ルータに搭載されたライン カードに障害が発生しているかどうかを判別します。Cisco IOS Software Release 12.0(22)Sより前のリリースでは、フィールド診断ソフトウェアがCisco IOSソフトウェアに組み込まれていました。Cisco IOS Software Release 12.0(22)S以上では、このソフトウェアがメイン イメージに組み込まれていないので、IOS Upgrade Plannerを使用してCisco.comからダウンロードする必要があります。
この変更を行ったのは、20 MBフラッシュ メモリ カードを使用しているユーザに対応するためです。これにより、フィールド診断ソフトウェアを独立したイメージとして保管し、メンテナンスできるようになりました。イメージの名前は、次のとおりです。
c12k-fdiagsbflc-mz-xxx-xx.s(xxx-xxはバージョン番号)
ライン カードのフィールド診断ソフトウェアをロードするには、このイメージが別個のフラッシュ メモリ カード、フラッシュ ディスク、またはTFTPブート サーバに保管されている必要があります。最新バージョンはCisco.comからいつでも入手できます。RPとファブリックの診断ソフトウェアは、現在もCisco IOSソフトウェアのメイン イメージに組み込まれています。
診断テストの実行中は、ライン カードが正常に動作しないので、トラフィックを転送することはできません。診断テストは、ライン カードの複雑さによって5~20分を要します。このコマンドは、verboseキーワードを指定しないで実行すると、省略された出力メッセージが表示されます。TACの支援を受ける場合には、具体的な問題の識別に役立つので、verboseモードを指定してください。次に、verboseモードを指定しなかった場合の診断テストの出力例を示します。
診断テストが正常に終了すると、ライン カードは自動的にリロードします。テストでエラーが生じた場合、ライン カードは自動的にはリロードしません。ライン カードを手動でリロードするには、hw-module slot slot reloadコマンドを使用します。
フィールド診断の結果はライン カード上のElectrically Erasable Programmable Read-Only Memory(EEPROM;電気的消去再書き込み可能ROM)に保存されます。diag slot previousコマンドを使用すると、そのライン カードで実行された最後の診断テストの結果が表示されます。
ライン カードが故障していなくても、他の問題によって診断テストに失敗することもあります。交換したライン カードが診断テストに失敗した場合には、TACの支援を受けて、この出力を検討してください。
ここでは、適合規格および安全に関する注意事項について説明します。
各国語で記述された安全上の警告および適合規格の全リストについては、『Regulatory Compliance and Safety Information for Cisco 12000 Series Routers』(Text Part Number: 78-4347-xx)を参照してください。
この装置はテスト済みであり、FCCルールPart 15に規定された仕様のクラスAデジタル装置の制限に適合していることが確認済みです。これらの制限は、商業環境で装置を使用したときに、干渉を防止する適切な保護を規定しています。この装置は、無線周波エネルギーを生成、使用、または放射する可能性があり、この装置のマニュアルに記載された指示に従って設置および使用しなかった場合、ラジオおよびテレビの受信障害が起こることがあります。住宅地でこの装置を使用すると、干渉を引き起こす可能性があります。その場合には、ユーザ側の負担で干渉防止措置を講じる必要があります。
シスコシステムズの書面による許可なしに装置を改造すると、装置がクラスAのデジタル装置に対するFCC要件に適合しなくなることがあります。その場合、装置を使用するユーザの権利がFCC規制により制限されることがあり、ラジオまたはテレビの通信に対するいかなる干渉もユーザ側の負担で矯正するように求められることがあります。
装置の電源を切ることによって、この装置が干渉の原因であるかどうかを判断できます。干渉がなくなれば、シスコシステムズの装置またはその周辺機器が干渉の原因になっていると考えられます。装置がラジオまたはテレビ受信に干渉する場合には、次の方法で干渉が起きないようにしてください。
• 干渉がなくなるまで、テレビまたはラジオのアンテナの向きを変えます。
• テレビまたはラジオの左右どちらかの側に装置を移動させます。
• テレビまたはラジオから離れたところに装置を移動させます。
• テレビまたはラジオとは別の回路にあるコンセントに装置を接続します(装置とテレビまたはラジオがそれぞれ別個のブレーカーまたはヒューズで制御されるようにします)。
この装置は、ITE/TTE装置として使用した場合に、EN55022クラスBおよびEN55024の標準規格に適合します。また、電気通信事業施設およびその他の屋内施設といった設置環境におけるTelecommunications Network Equipment(TNE)に関するEN300386に適合します。
警告 この装置は、情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI)の規格に基づくクラスB情報技術装置です。この装置は、家庭環境で使用することを目的としていますが、この装置がラジオやテレビジョン受信機に近接して使用されると、受信障害を引き起こすことがあります。取扱説明書に従って正しい取り扱いをしてください。
シスコの製品マニュアルおよびその他の資料は、Cisco.comから入手することができます。また、シスコは、さまざまな方法でテクニカル サポートおよびその他のテクニカル リソースを提供しています。ここでは、シスコ製品に関する技術情報を入手する方法について説明します。
WWW上の次のURLから、シスコ製品の最新資料を入手することができます。
http://www.cisco.com/univercd/home/home.htm
シスコのWebサイトには、次のURLからアクセスしてください。
http://www.cisco.com
http://www.cisco.com/jp
マニュアルの発注方法については、次のURLにアクセスしてください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/es_inpck/pdi.htm
• Cisco.com(Cisco Direct Customers)に登録されている場合、Networking Products MarketPlaceからシスコ製品のマニュアルを発注できます。次のURLにアクセスしてください。
Technical Assistance Center(TAC)では、シスコシステムズとサービス契約を結んでいるお客様、パートナー、リセラー、販売店を対象として、評価の高い24時間体制のテクニカル サポート サービスをオンラインおよび電話で提供しています。Cisco.comでは、技術支援のオンライン窓口として、TAC Webサイトを提供しています。シスコと有効なサービス契約を結んでいない場合には、製品を購入された代理店へお問い合わせください。
TAC Webサイトは、マニュアルやツールをオンラインで提供し、シスコの製品およびテクノロジーに関する技術的問題のトラブルシューティングおよび解決を支援します。TAC Webサイトは1年中いつでも利用することができます。TAC Webサイトへは、次のURLからアクセスしてください。
TAC Webサイト上のツールにアクセスする際は、いずれもCisco.comのログインIDおよびパスワードが必要です。サービス契約が有効で、ログインIDまたはパスワードを取得していない場合は、次のURLで登録手続きを行ってください。
Japan TAC Webサイトでは、利用頻度の高いTAC Webサイト(http://www.cisco.com/tac)のドキュメントを日本語で提供しています。Japan TAC Webサイトには、次のURLからアクセスしてください。
http://www.cisco.com/jp/go/tac
サポート契約を結んでいない方は、「ゲスト」としてご登録いただくだけで、Japan TAC Webサイトのドキュメントにアクセスできます。
Japan TAC Webサイトにアクセスするには、Cisco.comのログインIDとパスワードが必要です。ログインIDとパスワードを取得していない場合は、次のURLにアクセスして登録手続きを行ってください。
オンラインTAC Case Openツールでは、P3およびP4の問題について最も迅速にテクニカル サポートを受けられます(P3およびP4の問題とは、ネットワークの障害が軽微である場合、あるいは製品情報が必要な場合です)。状況をご説明いただくと、TAC Case Openツールはすみやかな問題解決に役立つリソースを自動的に推奨します。これらの推奨リソースを使用しても問題が解決しない場合は、TACの技術者が対応します。オンラインTAC Case Openツールへは、次のURLからアクセスしてください。
http://www.cisco.com/tac/caseopen
問題がP1またはP2(運用中のネットワークがダウンした場合、あるいは重大な障害が発生した場合)であるか、インターネットにアクセスできない場合は、電話でTACにご連絡ください。P1およびP2の問題にはTACの技術者がただちに対応し、業務を円滑に運営できるよう支援します。
電話でテクニカル サポートを受ける際は、次の番号のいずれかをご使用ください。
アジア太平洋:+61 2 8446 7411(オーストラリア:1 800 805 227)
EMEA:+32 2 704 55 55
米国:1 800 553-2447
すべての問題を標準形式で報告するために、問題のプライオリティを定義しました。
プライオリティ1(P1) ― ネットワークがダウンし、業務に致命的な損害が発生する場合。24時間体制であらゆる手段を使用して問題の解決にあたります。
プライオリティ2(P2) ― ネットワークのパフォーマンスが著しく低下、またはシスコ製品のパフォーマンス低下により業務に重大な影響がある場合。通常の業務時間内にフルタイムで問題の解決にあたります。
プライオリティ3(P3) ― ネットワークのパフォーマンスが低下しているが、ほとんどの業務運用が機能している場合。通常の業務時間内にサービスの復旧を行います。
プライオリティ4(P4) ― シスコ製品の機能、インストレーション、基本的なコンフィギュレーションについて、情報または支援が必要で、業務への影響がほとんどまたは全くない場合。
シスコの製品、テクノロジー、およびネットワーク ソリューションに関する情報について、さまざまな資料をオンラインおよび印刷物で入手することができます。
• Cisco Marketplaceでは、シスコ関連の書籍、リファレンス ガイド、およびロゴ製品を幅広く提供しています。Cisco Marketplaceをご利用になるには、次のURLからアクセスしてください。
http://www.cisco.com/go/marketplace/
• 『 Cisco Product Catalog 』には、シスコシステムズが提供するネットワーキング製品のほか、発注方法やカスタマー サポート サービスについての情報が記載されています。『Cisco Product Catalog』には、次のURLからアクセスしてください。
http://cisco.com/univercd/cc/td/doc/pcat/
• Cisco Press では、ネットワーキング、トレーニング、および認定に関する出版物を幅広く発行しています。初心者から上級者まで、さまざまな読者向けの出版物があります。Cisco Pressの最新の出版情報などについては、次のURLからアクセスしてください。
• 『 Packet 』は、シスコシステムズが発行する季刊誌で、業界の専門家向けにネットワーク分野の最新動向、テクノロジーの進展、およびシスコの製品やソリューションに関する情報を提供し、ネットワークへの投資を最大限に活用するのに役立ちます。ネットワークの配置やトラブルシューティングのヒント、設定例、お客様の事例研究、チュートリアル、教育や認定に関する情報、および多数の詳細なオンライン リソースを紹介しています。『Packet』には、次のURLからアクセスしてください。
• 『 iQ Magazine 』は、シスコシステムズが発行する隔月刊誌で、ビジネス リーダーや経営幹部向けにネットワーク業界の最新情報を提供します。『iQ Magazine』には、次のURLからアクセスしてください。
http://www.cisco.com/go/iqmagazine
• 『 Internet Protocol Journal 』は、インターネットおよびイントラネットの設計、開発、運用を担当するエンジニア向けに、シスコシステムズが発行する季刊誌です。『Internet Protocol Journal』には、次のURLからアクセスしてください。
• トレーニング ― シスコシステムズは最高水準のネットワーク関連のトレーニングを実施しています。トレーニングの最新情報については、次のURLからアクセスしてください。