この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
(注) この章の情報は、マルチシェルフ システムの発送の前にファシリティ管理者およびファシリティ担当者によく検討してもらい、必要に応じて十分時間をかけ、システムの設置に合わせて設置場所を変更できるようにしてください。
この章では、Cisco CRS-1 マルチシェルフ システムを設置するための設置場所のファシリティをプランニングに役立つ考慮事項について説明します。この章の内容は次のとおりです。
• 「通路のスペースおよびメンテナンス アクセスのフロア プラン」
• 「騒音制御」
マルチシェルフ システムを構成するラインカード シャーシとファブリック カード シャーシは、複数の木箱とパレットを使用して発送されます。詳細な情報は、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 16-Slot Line Card Chassis Unpacking, Moving, and Securing Guide 』および『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 16-Slot Fabric Card Chassis Unpacking, Moving, and Securing Guide 』に記載されています。システム コンポーネントの輸送と受け取りのプランニングをする場合、次の点を考慮してください。
• マルチシェルフ システムの輸送には、15 個以上の木箱とパレットを使用することがあります。荷降し場所または設置場所に、システム コンポーネントの開梱ができるだけのスペースがあることを確認してください。
設置前にシステム コンポーネントを保管する場合は、コンポーネントを保管できるだけの広い場所があることを確認してください。設置の準備ができるまで、輸送用の箱のまま保管してください。
• 荷降し場所または設置場所でシャーシ コンポーネントを輸送用の箱から開梱するか検討します。次の点を考慮してください。
–荷降し場所から設置場所への廊下や通路は、クレートのままシャーシやコンポーネントを運搬できるだけの幅があるか確認します。
–荷降し場所で開梱を予定している場合、機材が濡れないように、予定の場所が乾いていることを確認します。さらに、シャーシ コンポーネントと輸送用の箱を置けるだけの広さがあるかどうかを確認します。
–設置場所にシャーシを運搬するためにシスコ提供の台車を使用する場合、台車を取り付けるためシャーシを開梱をする必要があります。
–通路の幅が狭い場合、荷降し場所でコンポーネントの開梱をします。
–シャーシ コンポーネントを開梱できるだけのスペースが設置場所にあるか検討します。ない場合は、荷降し場所でシステム コンポーネントの開梱ができるか確認します。
–次の項(「設置場所への運搬」)の内容を検討して、設置場所に移動する前にコンポーネントの開梱を行うかどうかを決定します。
• システム コンポーネントを設置室に移動するのに十分な人員がいるか確認します。シャーシの運搬は 2 人以上で、斜面がある場合は 4 人以上で作業することを推奨します。
• マルチシェルフ システムを設置および配線する設置作業の日に十分な人員がいるか確認します。
• 輸送用の箱のサイズ、重量、および内容については、ファブリックおよびラインカード シャーシのサイト プランニング ガイド(マニュアルのリストは「 はじめに」に記載)を参照してください。
荷降し場所から設置場所までの経路をプランニングをする場合、次の点を考慮してください。
• システム コンポーネントを設置場所に移動するために、台車、パレット ジャッキ、フォークリフトを使用するか検討します。使用する場合の考慮事項は、次のとおりです。
–運搬用具はシャーシの転倒防止機能を備えている必要があります。たとえば、格納式保護脚車輪や保護ストラップを備えた安全台車が使用できます。
–輸送用の箱に収めてパレットに搭載したまま、シャーシを運搬することを推奨します。
–運搬用具は、シャーシと輸送用の箱の重量に耐えられるものでなければなりません(下記参照)。
• シスコ提供の台車を使用して設置場所までシャーシを運搬するか検討します。使用する場合の考慮事項は、次のとおりです。
–台車は、平面上でシャーシを運搬する場合に最適です。階段を上ってシャーシを運搬したり、カーブを曲がったり、10 度を超える傾斜を登ったり、1.5 インチ(3.8 cm)以上の突起(ドアのしきいなど)を越えたりするようには設計されていません。
–台車はシャーシが空の場合に限って使用します。台車を取り付ける前に、シャーシからすべてのコンポーネント(電源シェルフ、電源モジュール、ファン トレイ、カード、およびその他のモジュール)を取り外します。
–カード スロットにインピーダンス キャリアを取り付け、運搬および設置時にシャーシが歪まないように支えます。キャリアを取り付けていない状態でシャーシを運搬しないでください。
–台車の組み立ておよび使用についての詳細な情報は、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 16-Slot Line Card Chassis Unpacking, Moving, and Securing Guide 』または『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 16-Slot Fabric Card Chassis Unpacking, Moving, and Securing Guide 』に記載されています。
(注) シャーシを動かす際には、なるべく 180 度構成で台車を使用してください。180 度構成の場合、運搬用台車には、50 インチ(101.6 cm)のスペースが必要です。90 度構成の場合、運搬用台車には 24 インチ(61 cm)のスペースが必要です。シャーシが転倒しないように、細心の注意が必要です。
• 運搬経路を調べ、床と貨物用エレベータがシャーシ、運搬用具、および運搬作業人員の重量に耐えられるかどうかを確認します。
輸送用の箱に収めてパレットに搭載されたシャーシ(運搬用具の重量は含まない)
• 1032 ポンド(468 kg) ― ラインカード シャーシ
• 873 ポンド(396 kg) ― ファブリック カード シャーシ
箱から取り出して台車に搭載した状態のシャーシ(各台車パーツ重量は 125 ポンド [57 kg])
• 1145 ポンド(519 kg) ― ラインカード シャーシ
• 955 ポンド(433.2 kg) ― ファブリック カード シャーシ
• 設置場所は荷降し場所と異なる階にあるか確認します。階が異なる場合、システム コンポーネントの運搬に使用できる貨物用エレベーターがあるか確認します。
–貨物用エレベータはシャーシ、運搬作業人員、および運搬用具の重量に耐えられるか確認します。
–エレベーターの高さや幅は、システム コンポーネントに対して十分あるか確認します(輸送用の箱がある場合とない場合)。
• 通路や出入口の幅や高さは、シャーシ コンポーネント対して十分あるか確認します(輸送用の箱がある場合とない場合)。運搬用具に対しても、十分なスペースがあるか確認します。
• 運搬経路に傾斜面があるか確認します。ある場合、傾斜面は次の基準以下でなければなりません。
–1:12(12 インチ [30 cm] あたり 1 インチ [2.5 cm] の勾配)
–任意の移動あたり最大上りは 30 インチ(76.2 cm)
–最大傾斜角度は 10 度。ただし、2 フィート(0.61 m)を超えない移動に対して 1:6 を超えない勾配の傾斜面を除きます。
• 運搬経路に障害物がないこと(通路に垂れ下がったケーブル、床の上の品物など)を確認します。
• 曲がり角は、システム コンポーネントに対して十分な幅があるか確認します(輸送用の箱がある場合とない場合)。
(注) 荷降し場所から設置場所への経路図を作成すると便利です。図には、関係のある場所をすべて記録します。
ここでは、マルチシェルフ システムの一般的な設置環境の要件について説明します。これらの要件の詳細については、ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシのサイト プランニング ガイドを参照してください。
マルチシェルフ システムの設置場所のファシリティをプランニングする場合、考慮事項は次のとおりです。
• 設置場所の床には、マルチシェルフ システムのすべてのラインカード シャーシとファブリック カード シャーシの重量を支える強度があるか確認します。または、負荷に耐えられるように補強する必要があるか確認します。
• 設置場所の通路には、シャーシを移動したり、シャーシのコンポーネントにアクセスしたりできるだけの幅があるか確認します。装置ラックの列の間に最低 50 インチ(127 cm)のスペースが必要です。このスペースがれば、シャーシ(外装と台車は未搭載)を方向転換させることができます。台車を取り付けた場合は、シャーシを方向転換させるのに約 60 インチ(152.4 cm)のスペースが必要です。
通路が狭い場合、90度構成の運搬用台車を使用してシャーシを移動します。台車を使用する手順については、シャーシのインストレーション ガイドを参照してください。
• 設置場所の発電装置は、設置場所で稼働するすべてのマルチシェルフ システム シャーシや他の機器に、十分な電力を供給できるか確認します。各シャーシに接地点があるか確認します。
–別々の独立した AC または DC 電源が 2 つあるか確認します(2N の電源冗長構成の場合)。電源は、ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシのサイト プランニング ガイドに記載されているすべての要件を満たしているか確認します。
–ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシは電源の近くに配置でき、電源コンセントに容易に届くか確認します。シャーシを電源の近くに配置できない場合は、適切な定格で、各入力電源からシャーシに到達するだけの長さの電源ケーブルが必要です。
–マルチシェルフ システム用の Fuse Access Panel (FAP; ヒューズ アクセス パネル)があるか確認します。マルチシェルフ システムの各シャーシ用に、FAP 上に接続点が必要です。
• 設置場所で稼働中のマルチシェルフ システムおよび他のすべての機器に対して、設置場所で十分な冷却が行えるか確認します。
• マルチシェルフ システムのケーブル配線のプランニングをしたか確認します(電源、シャーシ相互接続、システム管理、ユーザ インターフェイス ケーブルなど)。ケーブルのたるみ(余分なケーブル)を処理する方法を決定したか確認します。「マルチシェルフ システムのケーブル配線」を参照してください。
• マルチシェルフ システムを構成するすべてのシステム コンポーネントが揃っており、それぞれ要件が満たされているか確認します。要件のリストについては、「マルチシェルフ システムのコンポーネント」を参照してください。
• Cisco Catalyst 6509 スイッチ(装備している場合)を持ち上げて、装置ラックにボルトで固定する間、所定の位置に支えておくシザー リフトや類似のリフトがあるか確認します。
マルチシェルフ システムのフロア プランには、ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシを設置場所に設置できるだけのスペースを含め、十分なエアーフローを確保する必要があります。また、メンテナンス(たとえば、ファン トレイや電源モジュール、ケーブル、エアー フィルタの取り外し)のためにシャーシ コンポーネントに対して作業を行うのに十分なスペースを用意する必要があります。図4-1 に、一般的なフロア プランを示します。
(注) Cisco Catalyst 6509 スイッチ(装備している場合)を設置する場合、スイッチを設置する装置ラックの前面に、設置作業の人員と、ボルトで固定する間スイッチを支えておくシザー リフト(または類似のリフト)が収まるだけのスペースがあることを確認してください。
設置場所は、シャーシの設置およびメンテナンス作業のために、前後にスペースが必要です。
• コンポーネントの保守点検およびシステムのエアーフローに 36 インチ(91.4 cm)
• シャーシ設置に 50 インチ(127 cm)。このスペースがあれば、通路でシャーシを方向転換させることもできます(台車のない場合または 90 度構成で台車に搭載した場合)。
• 60 インチ(152.4 cm) ― シャーシの方向転換(180 度構成で台車に搭載した場合)
(注) 十分なエアーフローを可能にするために、シャーシおよび電源モジュールの吸気口および排気口の部分に最低 6 インチ(15.2 cm)のスペースを確保してください。
ファブリックとラインカード シャーシ間の光接続は、マルチシェルフ システムの重要な部分です。このシステムの光コンポーネント、コネクタ(またはソケット)、またはケーブルのいずれかの光ファイバに汚れが付くと、リンク障害の原因になります。ここでは、汚れの付着の可能性を小さくするための光ファイバの取り扱い方法について説明します。
• 光コネクタにケーブルを接続する準備ができるまで、光ケーブルとコネクタのダスト カバーはそのままにしてください。たとえば、シャーシ間にケーブルを配線する際、ダスト カバーはファブリック ケーブルに付けたままにしておきます。光ファイバ ケーブルまたはコネクタからダスト カバーを取り外していた場合には、使用する前にケーブルとコネクタの光ファイバを清掃してください。
• 使用しない場合、ダスト カバーを光ケーブルおよびコネクタに再度取り付けます。
• コネクタにケーブルを接続する準備ができたら、光ケーブルと対応する光コネクタからダスト カバーを 1 つずつ取り外します。コネクタにケーブルを接続しないうちに、ケーブルまたはコネクタのグループからすべてのカバーを取り外さないでください。そうしないと、光ファイバが汚れることがあります。
(注) 光ケーブルまたはコネクタから取り外したダスト カバーは、必ず清潔な場所に保管してください。ケーブルをコネクタから抜いた場合、ダスト カバーを再度取り付けます。
• 各ファブリック カード シャーシの Optical Interface Module(OIM; 光インターフェイス モジュール)には、S2 ファブリック カードを接続する High-density Backplane Mounted Trunk (HBMT; 高密度バックプレーン マウント トランク)コネクタにダスト カバーが付いています。シャーシに OIM を取り付ける前に、HBMT コネクタのダスト カバーを取り外してください。コネクタには、光ファイバを汚れから保護するために、ばね付きドアが付いています。
• コネクタを使用する準備ができるまで、ダスト カバーはファブリック カードの光ファイバ コネクタに付けたままにしておいてください。また、各コネクタを使用する準備ができたら、1つずつダスト カバーを取り外します。
–(ラインカード シャーシの)S13 ファブリック カードでは、コネクタにファブリック ケーブルを差し込む準備ができるまで、光ファイバ コネクタにダスト カバーを付けたままにしておきます。
–(ファブリック カード シャーシの)S2 ファブリック カードでは、OIM にファブリック カードを差し込む準備ができるまで、光ファイバ コネクタにダスト カバーを付けたままにしておきます。
マルチシェルフ システムでは大きなファンの騒音が発生することがあります。ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシには、ファン速度制御などの騒音低減機構が組み込まれています。騒音が人に悪影響を及ぼすような環境にマルチシェルフ システムを設置する場合は、他の騒音低減策を試みてください。手軽な騒音低減策として、気泡パネルを取り付けて、周辺を騒音から遮断する方法もあります。
シスコまたは代理店では、プランニングから電源投入まで、完全な設置サービスを提供しています。シスコ(または代理店)の設置サービスについては、購入された代理店にご相談ください。
ルーティング システムの設置後、テストと認証が必要です。テスト、認証、および保証については、購入された代理店にご相談ください。