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(注) この章の情報については、マルチシェルフ システムの設計担当者、ネットワーク管理者またはシステム管理者、およびネットワーク ファシリティ担当者が検討し、システム構成が業務用途に適合していることを確認する必要があります。検討は、マルチシェルフ システムの出荷前から始め、システムの設置前に(必要な場合)システム レイアウトとシステム構成を変更できるようにする必要があります。
この章では、Cisco CRS-1 マルチシェルフ システムの構成をプランニングする方法について説明します。各種のシステム フロア プランについて説明し、システム プランニングの参考になる情報を提供します。
• 「システム管理ネットワークのプランニング(Cat6509)」
• 「システム管理ネットワークのプランニング(22 ポート SCGE カード)」
• 「システム管理ケーブル(Cat6509 ベースのシステム)」
• 「システム管理ケーブル(22 ポート SCGE ベースのシステム)」
• 「ケーブル管理」
ここではマルチシェルフ システムの主要コンポーネントについて説明し、続いて各コンポーネントの要件を示します。
マルチシェルフ システムは、次の主要コンポーネントで構成されています。
• Fabric Card Chassis(FCC; ファブリック カード シャーシ)×1、2、または 4 ― 3 ステージの Benes スイッチ ファブリックのステージ 2 を構成する S2 スイッチ ファブリック カードが収容されています。2 つのシェルフ コントローラ(1 つはアクティブでもう 1 つはスタンバイ)が、ファブリック カードとその他のファブリック カード シャーシ コンポーネントを制御します。
• Line Card Chassis(LCC; ラインカード シャーシ)×2 ― マルチシェルフ システムの Modular Services Card (MSC; モジュラ サービス カード)と Physical Layer Interface Module (PLIM; 物理レイヤ インターフェイス モジュール)が収容されています。また、このシャーシには、スイッチ ファブリックのステージ 1 とステージ 3 を構成する S13 スイッチ ファブリック カードが収容されています(S13 カードは、ラインカード シャーシをスタンドアロン システムとして動作させる場合に使用する S123 ファブリック カードとラインカード シャーシを交換します)。
• Cisco Catalyst 6509 スイッチ(Cat6509 スイッチ)×1 または 2 ― マルチシェルフ システム用の制御ネットワークを提供します。冗長動作には 2 台の Cat6509 スイッチを使用することを強く推奨します。
• 22-Port Shelf Controller Gigabit Ethernet(22 ポート SCGE; 22 ポート シェルフ コントローラ ギガビット イーサネット)カード×1 または 2 を装備した ファブリック カード シャーシ ― マルチシェルフ システムの制御ネットワークと統合スイッチング機能を提供します。冗長動作を確保するために、2 台の 22 ポート SCGE を使用することを強く推奨します。
(注) ファブリック カード シャーシに 22 ポート SCGE カードを装備する場合は、Cisco Catalyst スイッチおよび 2 ポート SCGE カードを省きます。
• ケーブル アセンブリ ― シャーシ間およびシャーシと Cat6509 スイッチを接続します。
–ファブリック ケーブル ― ラインカード シャーシごとに 24 本のケーブル(8 つのファブリック プレーンごとにケーブル 3 本ずつ)。各ケーブルで、対応する S13 ファブリック カードに S2 ファブリック カードを接続します。
–ギガビット イーサネット ケーブル ― 各シャーシを両方の Cat6509 スイッチに接続するか、または 22 ポート SCGE カードに接続します。
–シリアル ケーブル(RJ-45) ― マルチシェルフ システムに搭載されている各 Route Processor(RP; ルート プロセッサ)、Distributed Route Processor(DRP; 分散ルート プロセッサ)、SCGE カード(2 ポートまたは 22 ポート)、および Cat6509 スイッチの Console ポートおよび AUX ポートごとに 1 本ずつのケーブル。AUX ポートは、トラブルシューティング時に TAC の技術者が使用します。
次のリストで、マルチシェルフ システムでサポートされるスイッチ ファブリック構成の種類を説明し、それぞれの構成に必要なスイッチ ファブリック コンポーネントの数と種類を示します。
• 1 ファブリック カード シャーシ システムに必要なコンポーネント
–S2 スイッチ ファブリック カード× 8(ファブリック カード シャーシに搭載)
–S13 ファブリック カード× 16 (各ラインカード シャーシに 8 枚)
–スイッチ ファブリック カード接続用ファブリック ケーブル× 48 (各ラインカード シャーシに 24 本)
–ギガビット イーサネット ケーブル× 12(各ラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシに 4 本)。これらの LC/SC ケーブルは、Cat6509 スイッチに接続します。
–ギガビット イーサネット ケーブル× 9(RP/SCGE ケーブル [LC/LC] × 8 およびメッシュ ケーブル× 1)
• 2 ファブリック カード シャーシ システムに必要なコンポーネント
–S2 スイッチ ファブリック カード× 8(2 つのファブリック カード シャーシに分配)
–S13 ファブリック カード× 16 (各ラインカード シャーシに 8 枚)
–シングル幅 OIM × 8(2 つのファブリック カード シャーシに分配)
–スイッチ ファブリック カード接続用ファブリック ケーブル× 48 (各ラインカード シャーシに 24 本)
–ギガビット イーサネット ケーブル× 16(各ラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシに 4 本、Cat6509 スイッチに接続)
–ギガビット イーサネット ケーブル× 14(RP/SCGE ケーブル [LC/LC] × 8 およびメッシュ ケーブル× 6)
• 4 ファブリック カード シャーシ システムに必要なコンポーネント
–S2 スイッチ ファブリック カード× 8(4 つのファブリック カード シャーシに分配)
–S13 ファブリック カード× 16(各ラインカード シャーシに 8 枚)
–シングル幅 OIM × 8(4 つのファブリック カード シャーシに分配)
–スイッチ ファブリック カード接続用ファブリック ケーブル× 48 (各ラインカード シャーシに 24 本)
–ギガビット イーサネット ケーブル× 24(各ラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシに 4 本、Cat6509 スイッチに接続)
–ギガビット イーサネット ケーブル× 36(RP/SCGE ケーブル [LC/LC] × 8 およびメッシュ ケーブル× 28)
Cisco Catalyst 6509 スイッチ(WS-C6509-NEB-A)は、マルチシェルフ システムの制御トラフィック用に制御ネットワークを提供します。Cat6509 スイッチはラインカード シャーシとファブリック カード シャーシに接続します。次のリストに、Cat6509 の要件を示します。
• マルチシェルフ システムは Cat6509 スイッチ 1 台で動作可能ですが、冗長性を確保するため 2 台の スイッチを使用することを強く推奨します。
(注) マルチシェルフ システムを 1 台の Cat6509 スイッチだけで動作させると、Cat6509 に障害が起こった場合、マルチシェルフ システムは制御ネットワークがない状態になります。
• 各 Cat6509 スイッチには、SUP720 スーパーバイザ コントローラ モジュールが必要であり、次のオペレーティング システム ソフトウェアを実行している必要があります。
• Cisco IOS Software Release 12.2(14r)S9 以上
• System Bootstrap(ROMMON) Version 1.3 以上
• BOOTLDR:s72033_rp Software(s72033_rp-PSV-M)、Version 12.2(17d)SXB7
• 各 Cat6509 スイッチをファブリック カード シャーシと両方のラインカード シャーシに接続するのに必要なケーブルの長さを確認します。
マルチシェルフ システムのシステム管理ネットワークに関連する考慮事項については、「システム管理ネットワークのプランニング(Cat6509)」を参照してください。
22 ポート SCGE カード(SC-GE-22=)は、マルチシェルフ システム用の制御ネットワークを提供します。22 ポート SCGE カードは、ラインカード シャーシの RP に接続します。次のリストに、22 ポート SCGE カードの要件を示します。
• マルチシェルフ システムは 1 枚の 22 ポート SCGE カードで動作可能ですが、冗長性を確保するため 2 枚のカードを使用することを強く推奨します。
(注) マルチシェルフ システムを 1 枚の 22 ポート SCGE カードだけで動作させると、カードに障害が起こった場合、マルチシェルフ システムは制御ネットワークがない状態になります。
• 各 22 ポート SCGE カードで次のオペレーティング システム ソフトウェアが動作している必要があります。
• Cisco IOS XR Software Release 3.4.1 以上
• System Bootstrap(ROMMON) Version 1.43 以上
• 各 22 ポート SCGE カードをラインカード シャーシの RP に接続するためのケーブルの長さを検討します。
マルチシェルフ システムのシステム管理ネットワークに関連する考慮事項については、「システム管理ネットワークのプランニング(22 ポート SCGE カード)」を参照してください。
(注) ファブリック カード シャーシに 22 ポート SCGE カードを装備する場合は、Cisco Catalyst スイッチおよび 2 ポート SCGE カードを省きます。
システム コンソールとは、マルチシェルフ システムの動作を設定するためのコマンドを入力するコンピュータまたは端末のことです。システム コンソールの要件のリストは、次のとおりです。
• 冗長システム管理操作には、2 台のシステム コンソールが必要です。
• 各 RP、SCGE カード(2 ポートまたは 22 ポート)、および Cat6509 スイッチ(搭載している場合)にコンソールを接続する必要があります。さらに、システムにオプションの DRP が組み込まれている場合は、DRP PLIM ごとに 2 つずつコンソール接続が必要です。DRP のプロセッサごとに 1 つずつです。
(注) コンソールのポートは、モデム制御やハードウェア フロー制御はサポートしていません。このポートには EIA/TIA-232 ストレート ケーブル(RJ-45 コネクタ)が必要です。
• RP および DRP(ラインカード シャーシ)、および SCGE カード(2 ポートまたは 22 ポート)には、TAC の技術者がトラブルシューティング時に使用する AUX ポートがあります。
ここでは、マルチシェルフ システムに使用するフロア プランを立てる場合の考慮事項について説明します。
最適のフロア プランというものはありませんが、設置場所とシステムのニーズに適したフロア プランなら適切です。たとえば、シャーシが互いに通路の反対側にあるものより、並列レイアウトが適しています。また、システムの可用性を重視する設置の場合は、別々の部屋にシャーシを設置する必要があります。
図3-1 に、考えられるマルチシェルフ システムフロア プランの例を示します。
図3-1 1 ファブリック カード シャーシ マルチシェルフ システムのフロア プラン
(注) 装置の列の間の通路には、ラインカード シャーシやファブリック カード シャーシを通路に引き出し、向きを変え、所定の位置に入れられるだけの幅が必要です。通路でシャーシの向きを変えるのに必要なスペースは、およそ次のとおりです。
50 インチ(127 cm) ― シャーシに外装とドアが装着されていない場合(運搬用台車なし)
60 インチ(152.4 cm) ― シャーシに運搬用台車を取り付けた場合
マルチシェルフ システムの設置場所を準備するときには、次に説明する考慮事項を含めて検討する必要があります。
• 装置の列の間の通路には、シャーシを所定の位置に移動させるためシスコ製台車を使用できるだけの幅があるか。ない場合、どのようにシャーシ移動をプランニングするか。台車には、次の通路スペースが必要です(運搬者の手のスペースは含まれていない)。
• 50 インチ(127 cm) ― 台車にシャーシを搭載し、180 度の構成で運搬する場合。これがシャーシ運搬時に優先すべき構成です。
• 24 インチ(61 cm) ― 台車にシャーシを搭載し、90 度の構成で運搬する場合。この構成でシャーシを運搬するときには、シャーシが倒れないように十分に注意してください。
• Cisco CRS-1 シャーシを運搬する前に、必ず次の作業を行う。
–電源シェルフとカードをシャーシから取り外します。ファン トレイは取り付けたままにできます。コンポーネントを取り付けたままシャーシを運搬 しないでください。 重量が非常にあります。
–カード スロットにインピーダンス キャリアを取り付けます。キャリアを取り付けていない状態でシャーシを運搬しないでください。
–シャーシを床の上で滑らせて移動するには、カーペット タイルが便利です。
• マルチシェルフ システム シャーシを収容するために、既存の装置を移動させる必要があるか確認してください。
• 床にボルトで固定された装置を移動させる必要があるか確認してください。ある場合は、ボルトを外して再設置用に保管してください。
装置を新しい場所に移動させる場合、必ず新しい場所の床にその装置の設置用に新しいボルト穴を開けてください。既存の Cisco CRS-1 シャーシを移動させる場合、シャーシの設置面積とシャーシ取り付けブラケット用に床に開ける穴のパターンを示した、アルミ板のテンプレート(CRS-LCC-DRILLTEMP)を利用できます。
• メンテナンスの場合(たとえば、コンポーネントの取り付けと取り外し、ケーブル配線作業など)には、必ずシャーシの前面および背面に十分なスペースを確保してください。
• ファブリック ケーブルの取り付け場所であるラインカード シャーシの MSC と S13(背面)側、およびファブリック カード シャーシの Optical Interface Module(OIM; 光インターフェイス モジュール)側に近づいて作業ができるようにしてください。
Cisco Catalyst 6509 スイッチに関する考慮事項
• 必ず、マルチシェルフ システムを構成する 2 台の Cisco Catalyst 6509 スイッチについてプランニングします。通常、Cat6509 は装置ラックに取り付けます。
–既存の装置ラックには、2 台の Cat6509 スイッチを取り付けるのに十分なスペースがあるか確認してください。ハイ アベイラビリティを考慮して、スイッチごとに異なるラックに設置する必要があります。空のラック スペースが不足している場合、新しいラックに設置する余地があるか確認してください。
–Cat6509 スイッチごとに異なる電源に接続し、それぞれ専用の Uninterruptible Power Supply(UPS; 無停電電源装置)を設置する必要があります。
–Cat6509 スイッチを別の部屋に設置する(ハイ アベイラビリティのため)場合、または設置する部屋に十分なスペースがない場合、両方のスイッチとすべてのマルチシェルフ システム シャーシの間は、328 フィート(100 m)以上離す必要があります。
(注) ファブリック カード シャーシが 22 ポート SCGE カードを装備している場合、Cisco Catalyst スイッチは不要です。
• システム インストレーションの重要な要素として、システムのケーブル配線を検討する必要があります。システムのケーブル配線をプランニングする際、考慮事項の詳細は、「マルチシェルフ システムのケーブル配線」を参照してください。
• シャーシを相互接続するファブリック ケーブルを検討します。たとえば、次のとおりです。
–最小曲げ半径を超えてファブリック ケーブルを曲げないでください。また、ケーブルを圧迫したり、ねじったりしないでください。時間が経つと破損の原因になります。ケーブル配線作業の考慮事項の詳細については、「ファブリック ケーブル」および「光ファイバの取り扱いと光接続の作成」を参照してください。
–ファブリック ケーブルは、シャーシ間にかかるだけの長さが必要ですが、ケーブルがたるむほど長くしないでください。
–ケーブルを接続する準備ができるまで、光ケーブルとコネクタのダスト カバーはそのままにします。たとえば、シャーシ間のファブリック ケーブルを配線する際、カバーはかぶせておきます。ケーブルをコネクタに接続する準備ができたときに、ダスト カバーを一度に 1 つずつ外します。
–ケーブルの長さを決定する場合、必ず、シャーシからケーブル トラフやケーブル ダクト(シャーシの上部または床の下の)までを含めてください。たとえば、ケーブルを高所に引く場合に、ケーブル トラフがシャーシの中心から 5 フィート(1.5 m)上であるときは、必ず、シャーシ間の距離に 10 フィート(3 m)を加算して必要なケーブルの長さを決定してください。
(注) ファブリック ケーブルはデュアル フレーム レート伝送で、汎用および LSZH(Low Smoke Zero Halogen)です。これらのケーブルは、室内の自由空間でラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間を接続するように作られています。ファブリック ケーブルは室内で配線する必要があります。ファブリック ケーブルは、天井裏、床下、または壁面を越えて配線することを想定していません。
通路の反対側に設置されたシャーシの場合、さらに次の考慮事項があります。
• すべてのマルチシェルフ システム シャーシと Cisco Catalyst 6509 スイッチ間にファブリック ケーブルとシステム ケーブルをどのように配線するか検討します。
–オーバーヘッド ケーブル ダクトを通るシャーシの上。この場合、すべてのケーブルのケーブル ダクトに十分なスペースを確保しておきます。
–天井タイルの上または高床の下。この場合、ケーブルを配線するために床タイルまたは天井タイルのどのタイルを取り外す必要があるかを調べます。ケーブルが邪魔(たとえば、通路に垂れ下がっている、床を這っているためつまずく可能性がある)にならないようにシャーシに近いタイルを選択します。
(注) ファブリック カード シャーシに 22 ポート SCGE カードを装備する場合は、Cisco Catalyst スイッチおよび 2 ポート SCGE カードを省きます。この場合も、22 ポート SCGE カードとラインカード シャーシに搭載された RP 間のケーブル配線を検討する必要があります。
• ケーブルのたるみは巻き芯に巻き取って、邪魔にならないようにオーバーヘッド ケーブル ダクトに取り付けるか、天井タイルの上か高床の下に格納できるか検討します。
(注) ファブリック ケーブルはデュアル フレーム レート伝送で、汎用および LSZH(Low Smoke Zero Halogen)です。これらのケーブルは、室内の自由空間でラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間を接続するように作られています。ファブリック ケーブルは室内で配線する必要があります。ファブリック ケーブルは、天井裏、床下、または壁面を越えて配線することを想定していません。
システムのハイ アベイラビリティを重視する場合、シャーシを設置場所にある別々の部屋に設置するのが適切です。その場合の考慮事項は、次のとおりです。
• すべてのシャーシおよび両方の Cisco Catalyst 6509 スイッチは 328 フィート(100 m)以内に配置する必要があります。このケーブル長が相互に接続できる最大長です。
–ラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシを別々の防火ゾーンまたは電源ゾーンに取り付ける必要があるか検討します。
–Cat6529 スイッチをラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシと同じ部屋に設置するのか、それとも異なる部屋に設置するのか確認してください。たとえば、Cat6509 スイッチを現場の運用室に設置し、システムラインカード シャーシまたはファブリック カード シャーシをコロケーション エリアに設置する場合。
–両方の Cat6509 スイッチを同じ部屋または別々の部屋のどちらに設置するか検討します。スイッチは、別々の電源または防火ゾーンに必要か確認してください。
(注) ファブリック カード シャーシに 22 ポート SCGE カードを装備する場合は、Cisco Catalyst スイッチおよび 2 ポート SCGE カードを省きます。
• ケーブル配線で何か考慮する事項があるか確認します。たとえば、ケーブルを別々のフロア間やファイアウォール近辺に配線する必要があるか、シングル ポイント障害の可能性を低減するために、システム ケーブルはサイトまで別々の経路をたどる必要があるか確認してください。
(注) ファブリック ケーブルはデュアル フレーム レート伝送で、汎用および LSZH(Low Smoke Zero Halogen)です。これらのケーブルは、室内の自由空間でラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間を接続するように作られています。ファブリック ケーブルは室内で配線する必要があります。ファブリック ケーブルは、天井裏、床下、または壁面を越えて配線することを想定していません。
マルチシェルフ システム スイッチ ファブリックは、次のラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシのスイッチ ファブリック カードで構成されます。
• ラインカード シャーシの S13 ファブリック カードは、スイッチ ファブリックのステージ 1 とステージ 3 を実装します。
• ファブリック カード シャーシの S2 ファブリック カードは、スイッチ ファブリックのステージ 2 を実装します。
スイッチ ファブリック内で接続するには、S13 と S2 のファブリック カード間をファブリック ケーブルで接続し、Cisco IOS XR ソフトウェア コマンドを発行して S2 ファブリック カードとラインカード シャーシの適切なプレーンを対応付けます。
図3-2 に、1 ファブリック カード シャーシ マルチシェルフ システムの光アレイ ケーブル配線のダイアグラムを示します。この構成では、次のようになっています。
• 各ファブリック カードは、8 プレーン スイッチ ファブリックの 1 つのプレーンを実装します。
• ファブリック カード シャーシには、スイッチ ファブリックの 8 プレーンすべてを含みます。
ケーブル配線手順については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Multishelf System Interconnection and Cabling Guide 』を参照してください。ケーブル配線をプランニングする際の考慮事項のリストについては、「ファブリック ケーブル」 を参照してください。
マルチシェルフ システムのスイッチ ファブリック 構成をプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
• ファブリック カード シャーシにファブリック カードを取り付ける方法について、「ハイ アベイラビリティのためのスイッチ ファブリック カードの配置」 を参照し、スイッチ ファブリック動作に対する二重障害電源異常の影響を低減する方法を確認してください。
• S2 と S13 のファブリック カードを相互接続するのに必要な、ファブリック ケーブルの数と長さを調べます。
• ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシのファブリック カード間にファブリック ケーブルをどのように配線するかを決定します。ケーブル配線を示す配線ダイアグラムを作成するのも有効です。
図3-2 に、ファブリック カード シャーシと 2 つのラインカード シャーシ間をファブリック ケーブルで接続する例を示します。この図では、1 つのプレーンのケーブル配線だけが示されていますが、他のファブリック プレーンにも、同じ方法でケーブル配線されます。また、表示されているのは、すべてのシャーシの上部カード ケージ だけです。通常の構成では、スイッチ ファブリック カードは下部カード ケージにも取り付けられています。
(注) 電源障害の場合にスイッチ ファブリックのハイ アベイラビリティを実現するには、「ハイ アベイラビリティのためのスイッチ ファブリック カードの配置」の注意事項に従ってファブリック カード シャーシにファブリック カードを取り付けるようにします。
図3-2 シングルモジュール スイッチ ファブリック プレーン
システム管理ネットワークは、マルチシェルフ システムの設定と管理に使用する制御トラフィックのパスを提供します。マルチシェルフ システムでは、2 種類の制御ネットワークを使用します。
• インバンド ― (制御ネットワーク)システムの各ラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシにケーブル配線された 1 台または 2 台の Cisco Catalyst 6509 スイッチ(WS-C6509-NEB-A)で構成されます(図3-3 を参照)。
• アウトオブバンド ― 各シャーシとシステム コンソール間のコンソール接続で構成されます。通常はターミナル サーバに接続します。
(注) 冗長性を確保するために、2 台の Cat6509 スイッチを設置することを推奨します。1 台だけの場合、スイッチ障害が発生すると、マルチシェルフ システムがインバンド制御ネットワークのない状態になります。
図3-3 マルチシェルフ システム制御ネットワーク(Cat6509)
マルチシェルフ システムの制御ネットワークをプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
–マルチシェルフ システムの各 RP とシェルフ コントローラ(SCGE)カードを両方の Cat6509 スイッチに接続する必要があります。
–論理ルータのヘッドになるオプションの DRP も、両方の Cat6509 スイッチに接続する必要があります。
–Cat6509 スイッチのケーブル配線手順については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Multishelf System Interconnection and Cabling Guide 』を参照してください。設定手順については、『 Cisco IOS XR Getting Started Guide 』を参照してください。
• (アウトオブバンド)コンソール制御ネットワークの場合の考慮事項
–RP、SCGE カード、および Cat6509 スイッチのそれぞれにコンソール接続が必要です。各 DRP PLIM はコンソール接続が 2 つずつ必要です(DRP のプロセッサごとに 1 つずつ)。
–コンソールのポートは、モデム制御やハードウェア フロー制御はサポートしていません。
–RP、DRP、および SCGE カードには、問題のトラブルシューティング時に TAC の技術者が使用する AUX ポートもあります。
–コンソールおよび AUX 接続には EIA/TIA-232 ストレート ケーブル(RJ-45 コネクタ)を使用してください。
システム管理ネットワークは、マルチシェルフ システムの設定と管理に使用する制御トラフィックのパスを提供します。マルチシェルフ システムでは、2 種類の制御ネットワークを使用します。
• インバンド ― (制御ネットワーク)ファブリック カード シャーシに搭載され、システムの各ラインカード シャーシにケーブル配線された 1 枚または 2 枚の 22 ポート SCGE カード(SC-GE-22=)で構成されます(図3-4 を参照)。
• アウトオブバンド ― 各シャーシとシステム コンソール間のコンソール接続で構成されます。通常はターミナル サーバに接続します。
(注) 冗長性を確保するために、各ファブリック カード シャーシに 22 ポート SCGE カードを 2 枚ずつ搭載することを推奨します。1 枚だけの場合、カード障害が発生すると、マルチシェルフ システムがインバンド制御ネットワークのない状態になります。
図3-4 マルチシェルフ システム制御ネットワーク(1 ファブリック カード シャーシ システムの例)
マルチシェルフ システムの制御ネットワークをプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
–マルチシェルフ システムの各 RP をファブリック カード シャーシ(複数可) の 22 ポート SCGE カードに接続する必要があります。
–論理ルータのヘッドになるオプションの DRP も、両方の 22 ポート SCGE カードに接続する必要があります。
–22 ポート SCGE カードのケーブル配線手順については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Multishelf System Interconnection and Cabling Guide 』を参照してください。
• (アウトオブバンド)コンソール制御ネットワークの場合の考慮事項
–各 RP および 22 ポート SCGE カードをコンソールに接続する必要があります。各 DRP PLIM はコンソール接続が 2 つずつ必要です(DRP のプロセッサごとに 1 つずつ)。
–コンソールのポートは、モデム制御やハードウェア フロー制御はサポートしていません。
–RP、DRP、および 22 ポート SCGE カードには、問題のトラブルシューティング時に TAC の技術者が使用する AUX ポートもあります。
–コンソールおよび AUX 接続には EIA/TIA-232 ストレート ケーブル(RJ-45 コネクタ)を使用してください。
サイト プランニング時の重要な考慮事項は、ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシを相互に、また、Cisco Catalyst 6509 スイッチに接続するケーブル配線についてです。マルチシェルフ システムのケーブル配線をプランニングする場合の考慮事項については、以降のすべての項を確認してください。
• 「電源コード」
• 「システム管理ケーブル(Cat6509 ベースのシステム)」
• 「ケーブル管理」
ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシのその他のケーブル配線要件については、そのシャーシのサイト プランニング ガイドを参照してください。システム ケーブルの取り付け方法については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Multishelf System Interconnection and Cabling Guide 』を参照してください。
システムを設置する前に、システム ケーブル(電源、光アレイ、システム管理、ユーザ インターフェイス)をマルチシェルフ システムのすべてのシャーシに配線する方法を決定する必要があります。マルチシェルフ システムのケーブル配線をプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
• 設置に際しては、慎重にしかも十分前もってケーブル配線のプランニングを行う。こうすることで、ケーブル配線を収容するための設置場所のファシリティを調整(必要な場合)できるだけの時間を確保できます。
• ケーブル配線の複雑さを最小限に抑え、ケーブルをできるかぎり短くします。こうすると、システムの設置、ケーブルの配線、事後のケーブル配線の追跡が容易になります。障害の原因とならないようにケーブルのたるみ(余分なケーブル)を最小限にするのにも役立ちます。
• マルチシェルフ システムのケーブル配線を示す図を作成します。このステップは省略できますが、このような図は大変有効です。
(注) ケーブルの設置と追跡を容易にするために、すべてのシステム ケーブルにラベルを付けることを強く推奨します。ケーブルの両端と配線のところどころでケーブルにラベルを付けるようにしてください。
• 配線を労働組合の技術者が行う場合、必ず、その作業手順と方法を配線工程の一部として考慮してください。
• システムの設置に先だち、ケーブル配線のプランニングに十分な時間を確保してください。たとえば、フル装備のマルチシェルフ システムの場合、ケーブル配線をプランニングするには最大で 2 日ほどの時間がかかります。
• シャーシまでのケーブルを、オーバーヘッド ケーブル ダクトまたは天井から下に配線するのか、それとも高床の下から上に行うのかを決定します。ファブリックおよびラインカード シャーシの全種類のケーブル(電源、光アレイ[ファブリック]、ユーザ インターフェイス、システム管理など)について検討してください。
(注) ファブリック ケーブルはデュアル フレーム レート伝送で、汎用および LSZH(Low Smoke Zero Halogen)です。これらのケーブルは、室内の自由空間でラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間を接続するように作られています。ファブリック ケーブルは室内で配線する必要があります。ファブリック ケーブルは、天井裏、床下、または壁面を越えて配線することを想定していません。
• ケーブルを高床の下または天井に配線する場合、ケーブルを配線するために取り外しが必要な床タイルまたは天井タイルはどれかを決定します。ケーブルが邪魔にならないようなシャーシに近いタイルを選択します。
• ケーブルをシャーシの前面か背面かどちらに接続するかを決定します。決定したら、シャーシのその側面に最も近いケーブル トラフまたはダクトにケーブルを配線します。たとえば、ユーザ インターフェイス ケーブルはラインカード シャーシの前面で PLIM に接続し、ファブリック ケーブルはシャーシの背面で S13 スイッチ ファブリック カードに接続します。
• オーバーヘッド ケーブル ダクトで、または高床の下でケーブルを配線する場合は、他のケーブルに影響を与えずに容易に取り外しや再配線ができるように、必ずケーブルをまとめ、整理してください。また、必ずすべてのケーブルに十分なスペースを確保してください。
• ケーブルのたるみ(余分なケーブル)が邪魔にならないように、その処理方法を決定します。たとえば、余分のケーブルが人が歩く通路に垂れ下がったり、つまずくような場所に積んでおかないようにします。
–ケーブルを巻いて束ね、オーバーヘッド ケーブル ダクトまたは天井に取り付けできるか検討します。
–余分なケーブルを天井タイルの上や高床の下に格納できるか検討します。
–シャーシのオーバーヘッド ケーブル ダクトやケーブル ブラケット、ケーブル トラフには、余分なケーブルを処理するだけのスペースがあるか確認してください。
• マルチシェルフ システムに必要なケーブルの数と種類があるかどうかを確認します。また、必ず、ケーブルの適切な長さを確認してください。シャーシとコンポーネント間の距離にかかるだけの長さが必要ですが、長くしすぎないでください。余分なケーブルをたるませることになります。
–各シャーシの電源コードおよびアース ケーブル。AC 電源を使用するシャーシは、電源コードが付属しています。DC 電源を使用するシャーシの場合は、市販の入力電源コードを使用してください。電源コードとアース ケーブルの詳細については、ファブリックおよびラインカード シャーシのサイト プランニング ガイドを参照してください。電源コード配線の考慮事項については、次の項(「電源コード」)を参照してください。
–S2 および S13 スイッチ ファブリック カードを相互接続するファブリック ケーブル(ラインカード シャーシごとに 24 本のケーブル)。ケーブル配線の考慮事項については、「ファブリック ケーブル」を参照してください。
–システム管理ケーブル。詳細については、「システム管理ケーブル(Cat6509 ベースのシステム)」または「システム管理ケーブル(22 ポート SCGE ベースのシステム)」を参照してください。
–すべてのラインカード シャーシのすべての PLIM 用のユーザ インターフェイス ケーブル。
• ユーザ インターフェイス ケーブルを接続するネットワーク アクセス ポイントから、ラインカード シャーシがどのくらい離れているか確認してください。
–アクセス ポイントがシャーシと同じ室内にあるか、また、ユーザ インターフェイス ケーブルは、設置場所の別のエリアから設置室に配線されるのか確認してください。
–インターフェイス ケーブルは、ネットワーク アクセス ポイントからシャーシに到達するだけの長さがあるか確認してください。
–シャーシのユーザ インターフェイス ケーブルをどのように管理するか、ケーブルの整理に使用できるケーブル管理ブラケットがシャーシにあるか、ケーブルが上(オーバーヘッド バス バー)または下(高床)のどちらから配線されているか確認してください。
• ケーブルは、別々の部屋の間を配線されるのか、またはその設置場所の他のエリアから設置室に配線されるのか、その場合、このようなケーブル配線をプランニングする場合の考慮事項があるか確認してください。たとえば、次のとおりです。
–ケーブル ルートに障害があるか(ケーブルが配線される近辺のファイアウォールなど)。
–ケーブルは高所の天井タイルを通して配線されるかどうか、その場合、アクセスするためにどの天井タイルを取り外す必要があるかを確認します。
–ケーブルは高床の下に配線されるかどうか、その場合、配線をプランニングして、アクセスするために取り外す必要のある床タイルを確認します。
• システムのハイ アベイラビリティに関するプランニングが必要な場合の考慮事項は、次のとおりです。
–シングル ポイント障害の可能性を低減するために、ケーブルは設置場所の別々のエリアに配線できるか確認してください。
–別々の部屋に設置する場合、各シャーシと Cat6509 スイッチの距離は 328 フィート(100 m)未満にする必要があります。
–冗長構成には、追加の PLIM ユーザ インターフェイス ケーブルが必要か確認してください。
• Electromagnetic Interference (EMI; 電磁波干渉)の考慮事項があるか。たとえば、電源コードをユーザ インターフェイス ケーブルと同じコンジットで配線し、それが干渉を起こす可能性があるか確認してください。
• シャーシでケーブルを管理する方法を検討してください(ケーブル管理 参照)。
マルチシェルフ システムの電源コードに関する考慮事項は、次のとおりです。
• 電源コードは、電源コンセントからシャーシに届く長さか確認してください。
–AC 電源を使用するシャーシには、13 フィート(4 m)の電源コードが付属しています。シャーシから電源コンセントまでの距離がそれより長い場合は、電源コンセントまたはシャーシのどちらかを移動させて、付属の電源コードで間に合うようにすることを推奨します。ケーブルの詳細については、ラインカード シャーシまたはファブリック カード シャーシのサイト プランニング ガイドに記載されている電源の項を参照してください。
–DC 入力電源コードはシャーシに付属していません。別途、市販のケーブルを用意してください。DC 入力電源コードの詳細については、ラインカード シャーシまたはファブリック カード シャーシのサイト プランニング ガイドに記載されている電源の項を参照してください。
• 電源コンセントに容易に手が届くようにします。コンセントが床下にある場合、コンセントに接続するには、どのタイルを取り外す必要があるか、あるいは、ドリルで穴を開けて電源コードを通すか確認してください。
–ケーブルはシャーシの上に配線するのか、それとも高床の下に配線するのかを検討します。
–シャーシに垂直ケーブル トラフィックとケーブル管理ブラケットが備わっているか確認してください。備わっている場合、それらを利用して電源コードを整理できます。
ファブリック ケーブルは、ファブリック カード シャーシの S2 スイッチ ファブリック カードをラインカード シャーシの S13 ファブリック カードに接続します。マルチシェルフ システムの各ラインカード シャーシは、24 本で一組のケーブル(マルチシェルフ システムとしては 48 本のケーブル)を必要とします。次のリストで、ファブリック ケーブルの作業を行う場合の考慮事項について説明します。
• 光接続は埃などによって、容易に汚染されます。光コンポーネントの汚染は、リンク障害やシステム障害を引き起こす可能性があります。したがって、光コンポーネントを清潔に保つことが重要です。光コンポーネントを取り扱う前や光接続を作成する前には、必ず、「光ファイバの取り扱いと光接続の作成」 を参照してください。また、光学コンポーネントを清潔に保つ方法について、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Fiber-Optic Cleaning Guide 』および『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Fiber-Optic Cleaning Kit Quick Start Guide 』も参照してください。
(注) ファブリック ケーブルには、ケーブルの両端をカバーする金属のダスト キャップがあります。ケーブルを S13 カードまたは OIM に差し込む準備ができるまで、ダスト キャップを外さないでください。また、ダスト キャップは、必ず清潔な場所に保管してください。ケーブルを再配線する場合、またはケーブルを使用しないときはダスト キャップを再度取り付けてください。
• システムの設置作業時に十分な時間を取り、システムのすべての光ファイバ ケーブル(ファブリック ケーブルなど)に光テストを行い、ケーブルが正常であることを確認してください。
ケーブルを接続する前に、すべての光ファイバ ケーブルに光テストを行います。ペン型のフラッシュライトを各光ファイバのケーブル コネクタに当て、ケーブルのもう一端でチェックし、各ファイバを通過した光が見えることを確認します。ケーブルのすべてのファイバが光れば、ケーブルは正常であり、接続ができます。たとえ 1 本のファイバでも光らない場合は、ケーブルは不良であり、交換が必要です。このテストにより、不良光ファイバ ケーブルがもとで起こる時間の浪費とネットワーク ケーブル配線作業の手間が省けます。
• どのラインカード シャーシにマルチシェルフ システムの Designated Shelf Controller (DSC; 指定シェルフ コントローラ)を搭載するかを決定します。マルチシェルフ システムのケーブル配線を行うときには、DSCラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間のケーブル配線を行ってから、他のラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間にケーブルを接続します。
DSC はマルチシェルフ システムのマスター RP として機能します。すべてのマルチシェルフ システム シャーシに対応する、システム全体の管理機能を制御します。最初は、ラック番号が最小(ラック番号 0)のラインカード シャーシに搭載されているアクティブ RP が DSC になります。
dsc コマンドを使用すると各ラインカード シャーシにラック番号を割り当てることができます。ラック番号を割り当てなかった場合、最初にブートされたシャーシのプライマリ RP が DSC の役割を果たします。
• ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間のファブリック ケーブルの配線方法を決定する場合、考慮事項は次のとおりです。
–既存のケーブル管理ブラケットまたはケーブル トラフに十分なスペースがあるか、または、シャーシ用にケーブル管理ブラケットを追加注文するか確認してください。
–ケーブルのたるみを巻き取り、オーバーヘッド ケーブル ダクトに取り付けることができるか確認してください。
–ファブリック ケーブルはデュアル フレーム レート伝送で、汎用および LSZH(Low Smoke Zero Halogen)です。これらのケーブルは、室内の自由空間でラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間を接続するように作られています。ファブリック ケーブルは室内で配線する必要があります。ファブリック ケーブルは、天井裏、床下、または壁面を越えて配線することを想定していません。
• システムの設置時に、ケーブル接続を確実に正しく接続できるように、ファブリック ケーブル配線図を作成することを検討します。
(注) ファブリック ケーブルの両端と配線のところどころで、ケーブルにラベルを付けることを強く推奨します。ラベルにより、ケーブルの取り付けと追跡が容易になります。
• オーバーヘッド配線用に、ケーブルのカラーを上向きに調整します(図3-6 を参照)。
• マジックテープを使用してケーブルをまとめ、シャーシに取り付け、きちんと整理してシャーシ コンポーネント、カード、および他のケーブルの邪魔にならないようにします(マジックテープはファブリック ケーブルのターン カラーに取り付けます。オプションとして利用できるケーブル管理ブラケットとともに提供されます。)。
• マルチシェルフ システムごとに 48 本のファブリック ケーブルが必要です。ケーブルにはラインカード シャーシとファブリック カード シャーシ間の距離をまかなえる長さが必要ですが、長すぎないようにしてください。余分なケーブルがたるむことになります。発注するケーブルの長さを決定する場合、マルチシェルフ システムの将来の拡張も考慮に入れる必要があります。
–32.8 フィート(10 m)(LCC/M-FC-FBR-10)
–65.6 フィート(20 m)(LCC/M-FC-FBR-20)
–98.4 フィート(30 m)(LCC/M-FC-FBR-30)
–197 フィート(60 m)(LCC/M-FC-FBR-60)
–328 フィート(100 m)(LCC/M-FC-FBR-100)
また、一組 24 本の 32.8 フィート(10 m)ケーブルを製品 ID CRS-MC-CAB-10 として入手できます。たとえば、48 本の 32.8 フィート(10 m)ケーブルを入手するには、製品 ID CRS-MC-CAB-10 を 2 つ発注するか、または製品 ID LCC/M-FC-FBR-10 を 48 本発注します。
(注) ケーブルの長さを決定する場合、必ず、シャーシからケーブル トラフやケーブル ダクト(シャーシの上部)までを含めてください。たとえば、ケーブルを高所に引く場合に、ケーブル トラフがシャーシの中心から 5 フィート(1.5 m)上であるときは、必ず、シャーシ間の距離に 10 フィート(3 m)を加算して必要なケーブルの長さを決定してください。
図3-5 に光ケーブルの曲げ半径を、図3-6 にファブリック ケーブルのターン カラーを示します。光ケーブルの曲げ半径はターン カラーの弧より小さくする必要があります。
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マルチシェルフ システムのシステム管理ケーブルをプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
• Cat6509 スイッチに接続する場合の考慮事項は、次のとおりです。
–シングル モード光ファイバ ケーブルを使用します。ケーブルに、各シャーシからスイッチ に到達するだけの長さがあることを確認してください。
–マルチシェルフ システムの各 RP とシェルフ コントローラ(SCGE)カードを両方の Cat6509 スイッチに接続する必要があります。
–論理ルータのヘッドになるオプションの DRP も、両方の Cat6509 スイッチに接続する必要があります。
• システム コンソール ケーブルに関する考慮事項は、次のとおりです。
–ストレート EIA/TIA-232 コンソール ケーブル(RJ-45 コネクタ)を使用します。
–RP、SCGE カード、および Cat6509 スイッチのそれぞれにコンソール接続が必要です。さらに、システムにオプションの DRP が組み込まれている場合は、コンソール接続が、各 DRP PLIM に 2 つ、DRP の各プロセッサに 1 つずつ必要です。
–RP、DRP(ラインカード シャーシ)、および SCGE カード(ファブリック カード シャーシ)には、トラブルシューティング時に TAC の技術者が使用する AUX ポートもあります。
マルチシェルフ システムのシステム管理ケーブルをプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
• 22 ポート SCGE カードに接続する場合の考慮事項は、次のとおりです。
–シングルモード LC/LC 光ファイバ ケーブルを使用します。各ラインカード シャーシおよびファブリック カード シャーシから届くだけのケーブル長であることを確認してください。
–マルチシェルフ システムの各 RP を 22 ポート SCGE カードに接続する必要があります。
–論理ルータのヘッドになるオプションの DRP も、両方の 22 ポート SCGE カードに接続する必要があります。
• システム コンソール ケーブルに関する考慮事項は、次のとおりです。
–ストレート EIA/TIA-232 コンソール ケーブル(RJ-45 コネクタ)を使用します。
–各 RP および 2 ポート SCGE カードをコンソールに接続する必要があります。さらに、システムにオプションの DRP が組み込まれている場合は、コンソール接続が、各 DRP PLIM に 2 つ、DRP の各プロセッサに 1 つずつ必要です。
–RP、DRP(ラインカード シャーシ)、および 22 ポート SCGE カード(ファブリック カード シャーシ)には、トラブルシューティング時に TAC の技術者が使用する AUX ポートもあります。
ラインカード シャーシごとに、PLIM インターフェイス ケーブルを別途ご用意ください。インターフェイスの種類や数はさまざまなので、設置前にケーブル配線をプランニングしてください。ケーブルの配線をプランニングする場合の考慮事項は、次のとおりです。
• インターフェイス接続の数と種類(OC-48/STM-16、OC-192/STM-64、OC-768/STM-256、10-Gigabit Ethernet)
サイト プランニングの一環として、シャーシにおけるケーブルとケーブル配線についてケーブル管理方法を決定します。たとえば、次のとおりです。
• ケーブルをシャーシに配線する際、上から(オーバーヘッド ケーブル ダクトを通して)にするか、下から(高床の下)にするかを検討します。また、各種のケーブルを異なる経路で配線するかどうかも検討します(たとえば、電源コードは下からで、ユーザ インターフェイス ケーブルは上から、など)。
• オーバーヘッド ケーブル ダクトを通してまたは高床の下でケーブルを配線する場合は、他のケーブルに影響を与えずに容易に取り外しや再配線ができるように、必ずケーブルをまとめて整理します。
• ケーブルのたるみ(余分なケーブル)が邪魔にならないように、その処理方法を決定します。たとえば、余分のケーブルが人が歩く通路に垂れ下がったり、つまずくような場所に積んでおかないようにします。
–ケーブルを巻いて束ね、オーバーヘッド ケーブル ダクトまたは天井に取り付けできるか検討します。
–余分なケーブルを天井タイルの上や高床の下に格納できるか検討します。
• シャーシのケーブルを管理するために、次のようなケーブル管理機能を使用することを検討します。
–ケーブルを整理して這わせるには、ケーブル管理ブラケットとケーブル トラフを使用します。水平および垂直ブラケットが使用可能で、シャーシの前面と背面に取り付けられます。
–ケーブル管理ブラケットにはマジックテープのストラップが付属しています。このストラップを使用してシステム ケーブルをまとめ、整理して束ねます。カード ハンドルのスロットにストラップを挿入し、シャーシの上または下にケーブルを這わせて整理しておくこともできます。
設置場所で専用のカスタム ケーブルが必要な場合があります。カスタム ケーブルのプランニングにシスコのサポートをご利用いただくこともできます。
システムの稼働中に、Cisco CRS-1 シングルシェルフ システムをマルチシェルフ システムにアップグレードできます。ホット アップグレードの手順により、サービスを中断せずにシステムをアップグレードできます。手順については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Multishelf System Upgrade and Conversion Guide 』を参照してください。
マルチシェルフ システムをハイ アベイラビリティ対応として設定するための作業は、次のとおりです(障害によってサービスが中断されないようにするうえで有効です)。
• 制御ネットワークが常時利用できるように、システムに Cisco Catalyst 6509スイッチが(装備されている場合)2 台組み込まれていることを確認します。さらに、次の条件を確認します。
–各 Cat6509 が別々の装置ラックに設置されていることが必要です。
–各 Cat6509 が別々の電源に接続されていることが必要です。
–Cat6509 スイッチの一方または両方を UPS に接続することが必要です。
–Cat6509 スイッチが別々の部屋に設置されている場合、スイッチ間の距離を 328 フィート(100 m)未満にすることが必要です。
• ファシリティを介してまたは設置場所で、別の経路で 2 つの電源のそれぞれから電源コードを配線することを検討します。
• ファブリック カード シャーシの適切なスロットに S2 スイッチ ファブリック カードを搭載し、電源障害によってスイッチのパフォーマンスが低下しないようにします。詳細については、「ハイ アベイラビリティのためのスイッチ ファブリック カードの配置」を参照してください。
• 特定のラインカード シャーシ スロットに PLIM を搭載して、あらゆるリンクが電源障害時に影響を受けないようにします。たとえば、異なるシャーシ スロットにある PLIM 全体でリンクをコアおよびエッジ ネットワークに分散すると、すべてのリンクが電源障害の影響を受けなくなります。詳細については、「ハイ アベイラビリティに対応するラインカード シャーシ負荷ゾーンおよびカードの配置」を参照してください。
• ユーザ インターフェイス ケーブルを別の経路で配線することを検討します。
• 冗長構成のラインカード シャーシを設置することを検討します。この場合、そのユーザ インターフェイス リンクがもう一方のラインカード シャーシのリンクをミラーリングします。こうすれば、一方のラインカード シャーシに障害が起こった場合でも、もう一方のラインカード シャーシでリンクが使用可能です。
マルチシェルフ システム シャーシの電源冗長機能、および電源障害時のサービス中断を回避するためにファブリックとラインカード シャーシにカードを取り付ける方法については、以降の項を参照してください。
ここでは、ラインカード シャーシとファブリック カード シャーシの電源冗長機能について説明します。各シャーシの電源の負荷ゾーンについて説明し、(電源障害によってあらゆるシステム動作が中断しないように)シャーシをハイ アベイラビリティ対応として設定する場合に、各シャーシにカードを取り付ける方法について説明します。
次の最初のいくつかの項では、すべてのシャーシに該当する情報を紹介します。その後の項では、特定の機能と各シャーシの考慮事項について説明します。
各シャーシの電源シェルフは、別々の独立した電源に接続します(2N 電源冗長構成)。両方の電源が使用可能な通常の動作状態の場合は、両方の電源シェルフと電源モジュールが一緒に動作してシャーシに電力を供給します。一方の電源で障害が発生した場合は、もう一方の電源がシャーシに電力を供給します。この 2N 電源冗長構成により、電源障害が起きてもシャーシは動作可能です。
また、 シャーシ負荷ゾーン は、シャーシ全体に配電し、シャーシ スロットに冗長電力を供給します。各負荷ゾーンは、電源モジュール セット(各電源シェルフから 1 モジュール)により電力が供給されます。電源モジュールの各セット(A0 と B0、A1 と B1、および A2 と B2)では、各電源モジュールはもう一方の電源モジュールのバックアップとみなされます。電源モジュールの各セットは、シャーシ負荷ゾーンの同じセットに電力を供給します。 いずれかの 電源モジュールに障害が発生した場合、他方がそれらのスロットに引き続き電力を供給します。
まれではあるものの、二重障害としての電源異常が起こると負荷ゾーンへの電力は失われます。 二重障害電源異常 は、電源モジュールとそのバックアップ モジュールの両方に障害が起こった場合に発生します。この障害によって、1 組のシャーシ スロット セットに対する すべての 電力が失われます。つまり、それらのスロットに格納されているコンポーネントまたはカードが電力を失い、障害の発生した電力モジュールが交換されるまで機能を停止します。
(注) 二重障害電源異常によるネットワーク接続の中断を回避するには、シャーシでの最適なカード配置を慎重に検討する必要があります。サービスの中断を回避するためのカードの取り付け方法については、「ハイ アベイラビリティのためのスイッチ ファブリック カードの配置」および「ハイ アベイラビリティに対応するファブリック シャーシ負荷ゾーンおよびカードの配置」を参照してください。
• 図3-7 および図3-8 に、AC 電源で動作するファブリック カード シャーシの前面(SFC 側)と背面(OIM 側)の負荷ゾーンを示します。
• 図3-9 および 図3-10 に、DC 電源で動作するファブリック カード シャーシの前面(SFC 側)と背面(OIM 側)の負荷ゾーンを示します。
• 図3-11 に、ラインカード シャーシの前面(PLIM 側)と背面(MSC 側)の負荷ゾーンを示します。
シングルシェルフ コントローラの障害はファブリック カード シャーシの全体の動作には影響を与えません。ただし、両方のシェルフ コントローラに障害が起こると、ファブリック カード シャーシはシャットダウンします。したがって、障害の発生したシェルフをただちに交換する必要があります。
2 ラインカード シャーシ構成では、8 つの S2 スイッチ ファブリック カードのそれぞれが 8 プレーン スイッチ ファブリックの 1 つのプレーンを実装します。最大のパフォーマンスを発揮するには、スイッチ ファブリックの 8 つのプレーンがすべて必要ですが、Cisco CRS-1 ルータは、1 つ以上のファブリック プレーンに障害が起きても、引き続き動作します。
• 1 つのファブリック プレーンで障害が起きただけでは、スイッチ ファブリックの転送能力は低下しません。
• さらにもう 1 つのファブリック プレーンで障害が発生すると、転送能力は低下しますが、システムは引き続き動作します。
• Cisco CRS-1 ルータを動作させるには、スイッチ ファブリックのうち少なくとも 2 つのプレーン(偶数プレーンと奇数プレーン)が常にアクティブでなければなりません。そうでなければ、スイッチ ファブリック障害が発生し、それによりシステム障害が引き起こされます。
(注) スイッチ ファブリックの障害はただちに修正することを推奨します。長時間 Cisco CRS-1 ルータ を性能が低下した状態で稼働させるのは好ましくありません。
2 台のラインカード シャーシを使用する構成では、各スイッチ ファブリック カードは、8 プレーン スイッチ ファブリックの 1 つのプレーンを実装します。シャーシ スロットの電源が切断されると、スイッチ ファブリックのそのプレーンは動作を停止します。Cisco CRS-1 ルータは、スイッチ ファブリックの 8 つのプレーンがすべて動作していなくても引き続き動作できますが、ファブリック カード シャーシにファブリック カードを取りける方法を慎重にプランニングすることによって、発生するパフォーマンス低下を軽減できます。
たとえば、AC 電源のシステムで、電源モジュール A0 と B0 の両方に障害が起こった場合、シャーシ スロット 0~8 と 12~20 は電源が切断され、それらのスロットに装着されているすべてのスイッチ ファブリック カードが動作を停止します。すべてのファブリック カードがスロット 0~8 またはスロット 12~20 に装着されている場合、A0 と B0 で障害が発生すると、アクティブまたは使用可能なスイッチ ファブリック プレーンがなくなるので、完全なシステム障害を引き起こします。
スイッチ ファブリック プレーンをシャーシ負荷ゾーンに分散することによって、二重障害電源異常でスイッチ ファブリックの接続が断たれる可能性があるシングル ポイント障害を回避することを推奨します。2 ファブリック カード シャーシおよび 4 ファブリック カード シャーシのマルチシェルフ システムでは、すべてのファブリック カード シャーシにファブリック プレーンを分散させることを推奨します。
(注) Cisco CRS-1 ルータを動作させるには、スイッチ ファブリックのうち少なくとも 2 つのプレーン(偶数プレーンと奇数プレーン)が常にアクティブでなければなりません。そうでなければ、スイッチ ファブリック障害が発生し、それによりシステム障害が引き起こされます。たとえば、プレーン 1 および 4 を保持するスロットを除くすべてのスイッチ ファブリック カード スロットで電源が切断された場合、転送能力は低下しますがシステムは引き続き動作します。ただし、2 と 4 以外のすべてのプレーンで電源が切断された場合は、奇数のアクティブ プレーンがないのでシステム障害が発生します。
二重障害電源異常によるサービスの中断を回避するには、次の事項を検討してファブリック カード シャーシにスイッチ ファブリック カードを取り付ける方法を決定してください。
• 1 つの負荷ゾーン(AC 電源で動作するシャーシのゾーン 1 や ゾーン 3 など)によって給電されるシャーシのスロットに、すべてのスイッチ ファブリック カードを取り付けないでください。代わりに、ファブリック カードを負荷ゾーンに分散して二重障害電源異常がスイッチ ファブリックのすべてのプレーンを停止させないようにします。
• 二重障害電源異常が発生した場合も、スイッチ ファブリックの奇数プレーンと偶数プレーンが引き続き動作するように、スイッチ ファブリックカードを シャーシ負荷ゾーンに分配します。
1 ファブリック カード シャーシ システムの場合、 表3-1 を参考にして、スイッチ ファブリック カードの配置を決定します。 表3-2 に、2 ファブリック カード シャーシ マルチシェルフ システムの場合の推奨スロットを示します。さらに 表3-3 に、4 ファブリック カード シャーシ システムの場合の推奨スロットを示します。
(注) 推奨カード配置に従うと、ラインカード シャーシの追加がサポートされるので(今後のリリースで可能)、将来的にマルチシェルフ システムの拡張が可能です。Cisco IOS XR Software Release 3.3.1 は、2 台のラインカード シャーシをサポートします。
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図3-7 および図3-8 に、AC 電源を使用するファブリック カード シャーシの前面(SFC 側)と背面(OIM 側)の電源負荷ゾーンを示します。
図3-7 ファブリック カード シャーシ電源負荷ゾーン:AC 電源シャーシ(SFC 側)
図3-8 ファブリック カード シャーシ電源負荷ゾーン:AC 電源シャーシ(OIM 側)
図3-9 および図3-10 に、DC 電源を使用するファブリック カード シャーシの前面(SFC 側)と背面(OIM 側)の電源負荷ゾーンを示します。
図3-9 ファブリック カード シャーシ電源負荷ゾーン:DC 電源シャーシ(SFC 側)
図3-10 ファブリック カード シャーシ電源負荷ゾーン:DC 電源シャーシ(OIM 側)
ここでは、ラインカード シャーシの電源負荷ゾーン、および二重障害電源異常でサービスが中断しないようにシャーシにカードを取り付ける方法について説明します。図3-11 に、シャーシの前面と背面の負荷ゾーンを示します。
ラインカード シャーシでの二重障害電源異常によるサービスの中断を回避するには、次の事項を検討して、シャーシに MSC と物理レイヤ インターフェイス モジュール(PLIM)を取り付ける方法を決定します。
• コア ネットワークへのリンクを含むカードは、シャーシの負荷ゾーンに分散させます。たとえば、すべてのコア側リンクがスロット 0~3 のカードにある場合、電源モジュール A0 と B0 の二重障害電源異常が発生すると、Cisco CRS-1 ルータがネットワークの他のコア ルータと通信できなくなります。
• また、ダウンストリーム(エッジ)デバイスへのリンクを含むカードをシャーシの負荷ゾーンに分散させます。たとえば、すべてのエッジ側リンクがスロット 12~15 のカードにある場合、電源モジュール A2 と B2 の二重障害電源異常が発生すると、すべてのダウンストリーム エッジ デバイスへの接続が断たれることになります。
• 負荷ゾーンの損失が Cisco CRS-1 ルータでシングル ポイント障害を引き起こさないようにカードをシャーシの負荷ゾーンに分散させます。たとえば、二重障害電源異常が発生した場合、特定のシステムへのリンクがすべて失われないようにします。
表3-4 に、シャーシでシングル ポイント 障害を回避するためにラインカード シャーシに PLIM を取り付ける方法について例を示します(この図はあくまでも例です。実際の構成とは異なる可能性があります)。
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1.任意のタイプの PLIM をカード スロットに挿入できます。これらのカード タイプは、使用可能な PLIM タイプの例として記載されています。 |
Cisco CRS-1 Distributed Route Processor (DRP; 分散ルート プロセッサ)とそのコンパニオン カード(DRP PLIM)は、Cisco CRS-1 ルータの拡張ルーティング機能を提供するために、ラインカード シャーシに取り付けられるオプションのコンポーネントです。DRP はどの MSC またはラインカード スロットにでも取り付けられ、DRP PLIM は対応する PLIM スロットに取り付けられます。
• DRP には、2 つの Symmetric Multiprocessor (SMP; 対称型マルチプロセッサ)が搭載され、それぞれがルーティング機能を実行します。プロセッサ中心のタスク(BGP スピーカや ISIS など)を RP から DRP にオフロードすると、Cisco CRS-1 ルータのルーティング パフォーマンスが向上します。
• DRP PLIM には、各 SMP に一組ずつ、RJ-45 ポート セット(コンソールおよび AUX)があります。コンソール ポートは、設定および管理ができるように、各 SMP をシステム管理コンソールに接続します。AUX ポートは、問題発生時のトラブルシューティング目的で TAC の技術者が使用します。DRP にはポートがありません。
(注) DRP のペアで冗長動作を設定できます。ただし、Cisco IOS XR ソフトウェアのリリース ノートを参照し、この機能がサポートされているかどうかを確認してください。