この章では、Cisco IOS ソフトウェア Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を使用し、Radio Access Network-Optimization(RAN-O; 無線アクセス ネットワーク最適化)ソリューションにおいて Cisco MWR 2941-DC モバイル ワイヤレス エッジ ルータを設定する方法について説明しています。この章の内容は次のとおりです。
• 「設定手順」
• 「Cisco MWR 2941-DC ルータのモニタリングおよび管理」
設定例については、 付録 A「設定例」 を参照してください。
追加の設定については、Cisco IOS コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンス マニュアルを参照してください。これらのマニュアルは、ルータに付属している Documentation DVD、Cisco.com にあるオンライン版、または単独で発注できる印刷物として入手できます。
(注) 「Cisco IOS ソフトウェア機能」 を省略し、シスコ製ルータを設定したことがない場合、2 章に戻って章の内容をお読みください。2 章には、ルータを正しく設定するために必要となる重要な情報が含まれています。
RAN-O ソリューションにおいて Cisco MWR 2941-DC ルータを実装するには、ルータに Cisco IOS Release 12.4(19)MR2 以降をインストールする必要があります。Cisco IOS ソフトウェアのバージョンを確認するには、show version コマンドを使用します。
show version コマンドを使用することにより、システム ハードウェアのコンフィギュレーション、ソフトウェア バージョン、コンフィギュレーション ファイルの名前とソース、およびブート イメージが表示されます。
手順の概要 では、RAN-O ソリューションにおける Cisco MWR 2941-DC ルータの推奨される主要な設定手順について説明します。これらの手順には、主要な手順または作業の中に付随する手順または作業があります。
(注) Cisco MWR 2941-DC ルータおよび Cisco T1/E1 インターフェイス カードのインストレーションを完了してから、設定を行ってください(詳細については、「関連資料」を参照してください)。
Cisco MWR 2941-DC ルータの設定手順は、シスコ製ルータの設定にすでに精通していることを前提としています。また、ご使用のネットワーク設定およびシスコ製ルータの設定で使用されるコマンドライン インターフェイス(CLI)にも精通していることを前提としています。
(注) 正しい CLI の構文および形式については、付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC ルータを設定するには、次の作業を行います。
7. 「VLAN の設定」
10. 「疑似回線の設定」
11. 「マルチリンク PPP(MLPPP)バックホールの設定」
12. 「Global System for Mobile Communications(GSM)-Abis リンクの設定」
13. 「マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)の設定」
14. 「マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)の設定」
16. 「BFD の設定」
17. 「レイヤ 3 バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)の設定」
18. 「Quality of Service(QoS)の設定」
19. 「衛星通信のサポートの設定」
21. 「変更した設定の保存」
まずホスト名を設定してから、暗号化パスワードを設定します。ホスト名を設定することにより、複数のシスコ製ルータを互いに区別できるようになります。暗号化パスワードを設定することにより、不正な設定変更を防止できるようになります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
ホスト名を設定し、暗号化パスワードを設定するには、次のステップに従います。
パスワード プロンプトが表示されます。パスワードを入力します。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 2 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
グローバル コンフィギュレーション モードを開始すると、プロンプトが Router(config)
に変わります。
Router(config)#
ステップ 3 ルータの名前を意味のある名前に変更します。
Router
にホスト名を入力します。
Router(config)# hostname Router
Router(config)#
ステップ 4 イネーブル シークレット パスワードを入力します。このパスワードにより、特権 EXEC モードにアクセスできます。EXEC プロンプト(
Router>
)で enable と入力する場合、イネーブル シークレット パスワードを入力してコンフィギュレーション モードにアクセスする必要があります。シークレット パスワードを入力します。
Router(config)# enable secret secret password
ステップ 5 グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
Router(config)# exit
ホスト名とパスワードを正しく設定したことを確認するには、次のステップに従います。
ステップ 1 show config コマンドを入力します。
ステップ 2 コマンド出力の上部の近くに表示されるホスト名と暗号化パスワードを確認します。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、新しいイネーブル パスワードを使用して再び開始を試みます。
Cisco MWR 2941-DC のギガビット イーサネット(GE)インターフェイスを設定するには、次の作業を行います。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
(注) ここで説明するスパニング ツリー関連のコマンドはオプションです。
GE インターフェイスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 設定するポート アダプタのタイプとインターフェイスの場所を指定します。
slot は常に 0 です。port はポートの番号(0 または 1)です。
ステップ 2 インターフェイス タイプを設定するには、 switchport mode コマンドを使用します。
ステップ 3 ルート ブリッジの位置に関して 2 つのブリッジが競合する場合、インターフェイスにプライオリティを指定するには、 spanning tree port-priority コマンドを使用します。
ステップ 4 インターフェイス上の STP のパス コストを計算するには、 spanning-tree cost コマンドを使用します。
ステップ 5 端末に接続するインターフェイスの場合、リンクアップが発生すると、 spanning-tree portfast コマンドを使用して、スパニング ツリーのフォワーディング状態に直接移動するようインターフェイスを設定できます。
ステップ 6 ルータの Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)をイネーブルにするには、 cdp enable コマンドを使用します。
Cisco MWR 2941-DC ルータの Gigabit Ethernet(GE; ギガビット イーサネット)ポートは、全二重または半二重モード、100 Mbps または 1000 Mbps(1 Gbps)での動作が可能です。Cisco MWR 2941-DC ルータには、ルータが接続の反対側の対応するインターフェイスと速度とデュプレックス モードのネゴシエーションを行えるようにするオートネゴシエーション機能があります。
オートネゴシエーションは、速度と伝送モードのデフォルト設定です。
インターフェイス速度とデュプレックス モードを設定する際には、次のガイドラインに従います。
• 回線の両端でオートネゴシエーションがサポートされている場合、デフォルトのオートネゴシエーション設定の使用を強く推奨します。
• オートネゴシエーションが速度またはデュプレックス モードのいずれかでオンになっている場合、速度とデュプレックス モードの両方でオートネゴシエーションが行われます。
• 1 つのインターフェイスがオートネゴシエーションをサポートし、反対側のインターフェイスがサポートしていない場合、両方のインターフェイスでデュプレックス モードと速度を設定します。サポートされている側でオートネゴシエーションを使用すると、デュプレックス モード設定は半二重に設定されます。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
速度とデュプレックス動作を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
GE インターフェイスを設定したら、次の手順に従って no shutdown コマンドを使用してイネーブルにします。
次のコマンドを使用してバックアップ スイッチ インターフェイスを作成できます。
このコマンドの詳細については、「switchport backup」を参照してください。
GE インターフェイスでの VLAN の作成方法の手順については、「VLAN の設定」を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC には、内蔵のレイヤ 2 ギガビット イーサネット スイッチがあり、レイヤ 2 インターフェイスで HWIC をサポートします。Cisco MWR 2941-DC でレイヤ 2 インターフェイスを設定するには、次の作業を行います。
• 範囲マクロの定義
interface-range コマンドを使用すると、複数のインターフェイスを同時に設定できます。インターフェイス範囲を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 3 interface-range コマンドを使用して、設定するインターフェイスの範囲を選択します。VLAN と物理インターフェイスの両方を含む範囲を指定できます。
(注) オープン時警告により、interface-range コマンドを service-policy コマンドと共に使用できません。service-policy をインターフェイス範囲に適用するには、各インターフェイスを個別に設定します。
範囲マクロを使用すると、Cisco MWR 2941-DC 上でインターフェイスの範囲を定義する名前を作成できます。インターフェイス範囲マクロを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 3 interface-range コマンドを使用してマクロを定義します。
show running-configuration コマンドを使用すると、interface-range マクロの設定を確認できます。
インターフェイス速度とデュプレックス モードを設定する際には、次のガイドラインに注意してください。
• 速度とデュプレックスのコマンドは、ファスト イーサネット インターフェイスにしか適用されません。内蔵のギガビット イーサネット ポートには適用されません。
• 回線の両端でオートネゴシエーションがサポートされている場合、デフォルトのオートネゴシエーション設定を強く推奨します。
• 1 つのインターフェイスがオートネゴシエーションをサポートし、反対側のインターフェイスがサポートしていない場合、両方のインターフェイスでデュプレックス モードと速度を設定します。サポートされている側で自動設定を使用しないでください。
• 回線の両端で、どちらもハードセットまたはどちらもオートネゴシエーションにするなど、同じ設定にする必要があります。一致していない設定はサポートされていません。
レイヤ 2 インターフェイスの速度を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 4 インターフェイス速度を指定します。10 Mbps、100 Mbps、またはオートネゴシエーションへのインターフェイスを設定できます。
レイヤ 2 インターフェイスのデュプレックス モードを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 4 duplex コマンドを使用して、トラフィックを全二重または半二重で送信する、またはデュプレックス設定のオートネゴシエーションが行われるようにインターフェイスを設定します。
show interfaces コマンドを使用すると、デュプレックス設定を確認できます。
(注) 10/100 Mbps イーサネット インターフェイスでポート速度を自動に設定すると、インターフェイスは速度とデュプレックスの設定のオートネゴシエーションを行います。オートネゴシエーションに設定されたインターフェイスのデュプレックス モードは変更できません。
インターフェイスの機能を思い出すために役立つ説明を追加できます。この説明は、 show configuration 、 show running-config 、および show interfaces コマンドの出力に表示されます。
ステップ 4 description コマンドを使用してインターフェイスに説明を割り当てます。
インターフェイスをレイヤ 2 トランクとして設定するには、次のステップに従います。
ステップ 5 switchport mode trunk コマンドを使用して、インターフェイスをレイヤ 2 トランクとして設定します。
ステップ 6 802.1Q トランクを設定している場合は、ネイティブ VLAN を指定します。それ以外の場合は、次のステップに進みます。
ステップ 7 switchport trunk allowed vlan コマンドを使用してトランクで許可されている VLAN のリストを設定します。 add 、 except 、 none 、または remove キーワードを使用して、指定された VLAN に対して実行する処理を指定します。
(注) デフォルトではすべての VLAN が許可されています。どのデフォルト VLAN もトランクから削除できません。
show running-configuration コマンドを使用すると、レイヤ 2 トランクの設定を確認できます。
ファスト イーサネット インターフェイスをレイヤ 2 アクセスとして設定するには、次のステップに従います。
ステップ 5 switchport mode access コマンドを使用して、インターフェイスをレイヤ 2 アクセスとして設定します。
switchport access vlan コマンドを使用して、アクセス ポートのアクセス VLAN を指定します。
show running-config interface コマンドと show interfaces コマンドを使用して、レイヤ 2 アクセスの設定を確認できます。
HWIC-D-9ESW カード上のスタッキングを設定する方法については、スタッキングの設定を参照してください。HWIC-D-9ESW カードのその他の機能を設定する方法については、「レイヤ 2 インターフェイスの設定」を参照してください。
スタッキングによって、2 つのスイッチ モジュールを 1 つのスイッチとして動作させることができます。HWIC-D-9ESW カードのスタッキングを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 HWIC-D-9ESW カードのファスト イーサネット ポート 8 のコンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 no shutdown コマンドを使用してインターフェイスをアクティブな状態にします。
ステップ 3 switchport stacking-partner コマンドを使用して、HWIC-D-9ESW カードのファスト イーサネット ポートがスタッキング パートナーとして使用するギガビット イーサネット ポートを指定します。
ステップ 4 exit コマンドを入力して、ファスト イーサネット インターフェイス設定を終了します。
ステップ 5 スタッキング パートナーとして使用するギガビット イーサネット ポートのコンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 6 no shutdown コマンドを使用してインターフェイスをアクティブな状態にします。
(注) ファスト イーサネット ポートをスタッキング パートナーとして設定すると、対応するギガビット イーサネット インターフェイスが自動的にスタッキング パートナーとして設定されます。
ステップ 7 クロスオーバー イーサネット ケーブルを HWIC-D-9ESW カードのファスト イーサネット ポート 8 からスタッキング パートナーとして使用するギガビット イーサネット ポートに接続します。
(注) 詳細については、『Cisco MWR 2941-DC Mobile Wireless Edge Router Hardware Installation Guide』を参照してください。
HWIC-D-9ESW カードのインターフェイスはレイヤ 3 イーサネット インターフェイスです。HWIC-D-9ESW のインターフェイスを設定するには、次のステップに従います。
(注) HWIC-1GE-SFP はレイヤ 3 経路選択済みポートとしてしか機能しません。レイヤ 2 スイッチとしては機能しません。インターフェイスのパフォーマンスはホスト プロセッサの制限に影響されます。
ステップ 2 configure terminal と入力して、コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 設定するインターフェイスのスロットとポートを指定します。HWIC-1GE-SFP はルータ内のスロット 1 または 2 を使用できます。
ステップ 4 ip address コマンドを使用して、IP アドレスとサブネット マスクをインターフェイスに割り当てます。
ステップ 5 speed コマンドを使用して、インターフェイス速度を設定します。
ステップ 6 no shutdown コマンドを使用してインターフェイスをイネーブルにします。
Cisco MWR 2941-DC ルータはすべての VLAN 機能をサポートします。次に、VLAN の設定方法について説明します。
HWIC-D-9ESW スイッチでは VLAN を最高 15 まで作成できます。VLAN インスタンスを追加するには、次のステップに従います。
ステップ 2 configure terminal と入力して、コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 vlan コマンドを使用して、新しいイーサネット VLAN を追加します。
ステップ 4 VLAN コンフィギュレーション モードを終了します。
VLAN コンフィギュレーション モードで show コマンドを使用するか、EXEC モードで show vlan-switch コマンドを使用すると、VLAN 設定を確認できます。
VLAN をデータベースから削除するには、次のステップに従います。
(注) イーサネット VLAN 1、FDDI、トークン リング VLAN 1002 から 1005 は削除できません。
ステップ 2 vlan database コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 no vlan コマンドを使用して、イーサネット VLAN をデータベースから削除します。
ステップ 4 VLAN コンフィギュレーション モードを終了します。
EXEC モードで show vlan-switch brief コマンドを使用すると、VLAN がスイッチから削除されていることを確認できます。
ここでは、EtherSwitch HWIC で VLAN Trunking Protocol(VTP; VLAN トランキング プロトコル)を設定する手順を説明します。次の作業を行います。
スイッチが VTP サーバ モードの場合、VLAN 設定を変更して、ネットワーク全体に広げることができます。スイッチを VTP サーバとして設定するには、次のステップに従います。
ステップ 2 vlan database コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 vtp server コマンドを使用して、スイッチを VTP サーバとして設定します。
ステップ 4 vtp domain コマンドを使用して、32 文字までの VTP ドメイン名を定義します。
ステップ 5 VTP ドメインのパスワードを指定するには、 vtp password コマンドを使用します。8 から 64 文字の長さのパスワードを指定できます。このステップは
オプションです。
ステップ 6 VLAN コンフィギュレーション モードを終了します。
スイッチが VTP クライアント モードの場合、スイッチで VLAN 設定は変更できません。クライアント スイッチは管理ドメインの VTP サーバから VTP の更新を受け取り、それに従って設定を変更します。VTP クライアントを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 2 vlan database コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 vtp client コマンドを使用して、スイッチを VTP クライアントとして設定します。
ステップ 4 VLAN コンフィギュレーション モードを終了します。
スイッチで VTP を VTP 透過モードに設定して、ディセーブルにできます。VTP 透過モードでは、スイッチは VTP の更新を送信することも、他のスイッチから受信した VTP の更新に反応することもありません。スイッチの VTP をディセーブルにするには、次のステップに従います。
ステップ 2 vlan database コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3 vtp transparent コマンドを使用して、スイッチを VTP 透過モードに設定します。
ステップ 4 VLAN コンフィギュレーション モードを終了します。
(注) show vtp status コマンドを使用して、スイッチの VTP の状態を確認できます。
Cisco MWR 2941-DC は、次のネットワーク クロッキング タイプをサポートしています。
• Precision Time Protocol(PTP):IEEE 1588-2008 標準に基づいたクロッキングとクロック復元。Cisco MWR 2941-DC ルータは、別の PTP 対応のデバイスからクロッキングを受信したり、PTP 対応のデバイスにクロッキングを提供できます。PTP クロッキングを設定するには、PTP クロッキングの設定を参照してください。PTP の冗長性をイネーブルにするには、PTP の冗長性の設定の手順も完了する必要があります。
• 疑似回線ベースのクロッキング:Cisco MWR 2941-DC ルータは、疑似回線または仮想疑似回線インターフェイスを使用してクロッキングを使用できます。疑似回線ベースのクロッキングは Adaptive Clock Recovery(ACR; アダプティブ クロック リカバリ)もサポートするので、Cisco MWR 2941-DC はパケット ストリームのヘッダーからクロッキングを復元できます。疑似回線ベースのクロッキングを設定するには、アダプティブ クロック リカバリを使用した疑似回線ベースのクロッキングの設定を参照してください。
• 同期イーサネット:ネットワークはイーサネットを介して周波数と時刻情報を転送できます。同期イーサネットを設定するには、グローバル ネットワーク クロックの設定で説明している network-clock-select コマンドを使用します。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、HWIC-D-9ESW カードおよび HWIC-1GE-SFP カードでクロッキングやタイミングをサポートしません。
(注) Cisco MWR 2941-DC では、PTP と PWE ベースのクロッキングを同時に使用できません。
ここでは、Cisco MWR 2941-DC で PTP ベースのクロッキングを設定する方法を説明します。PTP コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC の内蔵ギガビット イーサネット インターフェイスでサポートされているのは、PTP トラフィックだけです。
(注) ここで説明する設定は一例です。ネットワークのクロッキング設計に基づいて適切な PTP 設定を決定する必要があります。
ステップ 1 次のコマンドを入力し、グローバル PTP を設定します。
a. ptp mode コマンドを使用して、PTP モードを指定します。
b. ptp priority1 コマンドを使用して、クロックのプリファレンス レベルを設定します。スレーブ デバイスはマスター クロックの選択時に priority1 値を使用します。
c. ptp priority2 コマンドを使用して、クロックのセカンダリ プリファレンス レベルを設定します。スレーブ デバイスはマスター クロックの選択時に priority2 値を使用します。
d. ptp domain コマンドを使用して、ルータ が使用する PTP ドメイン番号を指定します。PTP ドメインを使用すると、1 つのネットワーク上で、複数の独立した PTP クロッキング サブドメインを使用できます。
(注) PTP の冗長性を使用するには、「PTP の冗長性の設定」の手順も完了する必要があります。
表 4-1 に Cisco MWR 2941-DC で使用できる PTP モード コマンドをまとめています。
(注) PTP の冗長性を使用するには、「PTP の冗長性の設定」の手順も完了する必要があります。
次の例は、これらのコマンドを使用して 6 つの PTP モードそれぞれを設定する方法を示しています。Cisco MWR 2941-DC で設定する PTP モードに基づいた該当するセクションを使用します。
• PTP マルチキャスト マスター モード:マスター PTP クロックとして動作するように Cisco MWR 2941-DC を設定します。マルチキャストは、ルータが PTP メッセージを PTP マルチキャスト グループをリッスンするすべてのスレーブに送信するよう指定します。
• PTP マルチキャスト スレーブ モード:マルチキャスト モードで PTP マスター デバイスからクロッキングを受信するよう Cisco MWR 2941-DC を設定します。
(注) マルチキャスト モードで不要なマルチキャスト トラフィックをなくすように、ptp delay-req unicast コマンドを使用して、ユニキャスト PTP Delay_Req メッセージを送信するよう Cisco MWR 2941-DC を設定できます。このコマンドの詳細については、付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」を参照してください。
• PTP ユニキャスト マスター モード:マスター PTP クロックとして動作すように Cisco MWR 2941-DC を設定します。ユニキャストは、ルータが PTP メッセージを単一のスレーブ ホストに送信するよう指定します。
• PTP ユニキャスト スレーブ モード:単一の PTP マスター デバイスからクロッキングを受信するよう Cisco MWR 2941-DC を設定します。
• PTP ユニキャスト マスター モード(ネゴシエーションはイネーブル):クロッキングを単一の PTP スレーブ デバイスに送信するよう Cisco MWR 2941-DC を設定します。ルータはスレーブ デバイスがマスター クロック デバイスとネゴシエーションを行えるようにします。ルータが PTP ユニキャスト マスター モードである場合、128 までの PTP クロック宛先デバイスを指定できます。
(注) ルータをネゴシエーションで PTP マスター ユニキャスト モードに設定すると、ルータ が PTP スレーブ デバイスの IP アドレスを指定するためにネゴシエーションを行うため、PTP クロックの宛先は指定しません。
(注) トラフィックのレートと使用可能な帯域幅に基づいてマスター クロックに割り当てる宛先デバイスの数を決定することをお勧めします。
• PTP ユニキャスト スレーブ モード(ネゴシエーションはイネーブル):PTP マスター デバイスからクロッキングを受信するよう Cisco MWR 2941-DC を設定します。ルータは 128 までの PTP マスター デバイス間でネゴシエーションを行います。
(注) PTP の VLAN インターフェイスは 1 つしか設定できません。
network-clock-select コマンドを使用して、ネットワーク全体のクロック選択を設定します。
• PTP マスター モード用にルータを設定した場合は、Synchronous Ethernet(SyncE; 同期イーサネット)、ビット、E1、T1、または SHDSL インターフェイス パラメータと共に network-clock-select コマンドを使用して、外部クロック ソースを 1 つまたは複数設定します。
(注) SHDSL 接続の場合、サブインターフェイス番号は Cisco MWR 2941-DC がクロッキングを受信するために使用するワイヤを示しています。
• PTP スレーブ モード用にルータを設定した場合は、次のコマンドを入力します。
network-clock-select コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
(注) スレーブ モードで推奨される最小の network-clock-select hold-timeout 値は、900 秒または 15 分です。
Cisco MWR 2941-DC は次のアダプティブ クロック リカバリ モードをサポートしています。
• インバンド マスター モード:Cisco MWR 2941-DC は、パケット ストリームのヘッダーを使用して、スレーブ デバイスにクロッキングを提供します。このクロッキング モードを設定するには、インバンド マスター モードの設定を参照してください。
• インバンド スレーブ モード:Cisco MWR 2941-DC は、パケット ストリームからのヘッダーを使用して、マスター クロックからクロッキングを受信します。このクロッキング モードを設定するには、インバンド スレーブ モードの設定を参照してください。
• アウトオブバンド スレーブ モード:Cisco MWR 2941-DC は、タイミング用の専用パケットを使用して、マスター クロックからクロッキングを受信します。このクロッキング モードを設定するには、アウトオブバンド スレーブ モードの設定を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、現在アウトオブバンド マスター モードをサポートしていません。
ステップ 1 インバンド ACR マスター モードを設定するには、Structure-agnostic TDM over Packet(SAToP)または Circuit Emulation Service(CES; 回線エミュレーション サービス)を設定する必要があります。
ステップ 4 Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)を設定します。
ステップ 5 Circuit Emulation(CEM; 回線エミュレーション)インターフェイスを設定します。
ステップ 6 SyncE、ビット、または E1 インターフェイスまたは T1 インターフェイス パラメータを使用して、外部クロック ソースを 1 つまたは複数設定します。
ステップ 1 インバンド ACR スレーブ モードを設定するには、Structure-agnostic TDM over Packet(SAToP)または回線エミュレーション サービス(CES)を設定する必要があります。
ステップ 2 次のコマンドを入力して、ループバック インターフェイスを設定します。
ステップ 3 次のコマンドを入力して、VLAN インターフェイスを設定します。
ステップ 4 次のコマンドを入力して、MPLS を設定します。
ステップ 5 次のコマンドを入力して、CEM インターフェイスを設定します。
ステップ 6 次のコマンドを入力して、回線エミュレーション(CEM)インターフェイスを使用し、アダプティブ クロック リカバリを設定します。
ステップ 7 次のコマンドを入力して、ネットワーク クロックを設定します。
(注) アウトオブバンド クロッキングを設定する場合、エッジ ルータ(Cisco 7600 シリーズ ルータなど)がアウトオブバンド クロッキングの設定に適合していることを確認します。
ステップ 1 次のコマンドを入力して、スレーブ モードでクロック リカバリを設定します。
ステップ 2 次のコマンドを入力して、ループバック インターフェイスを設定します。
ステップ 3 次のコマンドを入力して、VLAN インターフェイスを設定します。
ステップ 4 次のコマンドを入力して、MPLS を設定します。
ステップ 5
Router(config)# mpls ldp router-id Loopback0 force
ステップ 6 次のコマンドを入力して、CEM インターフェイスを設定します。
(注) Cisco MWR 2941-DC でサポートされるのは、ペイロード サイズ 486(1 秒あたり 625 パケット)または 243(1 秒あたり 1250 パケット)だけです。この値は、ペイロード サイズにだけ影響し、パケット サイズは変更しません。パケット サイズはペイロード値に関係なく一定です。
ステップ 7 次のコマンドを入力して、ネットワーク クロックを設定します。
Cisco MWR 2941-DC は、Cisco MWR 2941-DC が外部 PTP クライアントと 1 つまたは複数のマルチキャスト PTP マスター クロック間の PTP トラフィックのマルチキャスト ルータとして機能することを許可することで、PTP の冗長性をサポートします。Cisco MWR 2941-DC で PTP の冗長性を設定するには、次のステップに従います。
(注) Open Shortest Path First(OSPF)や Intermediate System to Intermediate System(IS-IS)などの特別な IP ルーティング プロトコルは、プロトコル タイプに基づいて認識され、PPC ホストに転送されます。これは、これらのプロトコルの基本的なルーティング要件であり、PTP の冗長性には関係ありません。
ステップ 1 ip multicast-routing コマンドを使用して、マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
ステップ 2 次のコマンドを入力して、PTP クライアントの VLAN を設定します。
ステップ 3 ip pim コマンドを使用して、VLAN インターフェイス上の Protocol Independent Multicast(PIM)をイネーブルにします。sparse(希薄)モード、dense(稠密)モード、または sparse-dense(希薄-稠密)モードを使用するようにインターフェイスを指定できます。 ip pim コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
ステップ 4 次のコマンドを入力して、最初のマルチキャスト PTP クロック ソースの VLAN を設定します。
ステップ 5 ip pim コマンドを使用して、VLAN インターフェイス上の Protocol Independent Multicast(PIM)をイネーブルにします。sparse(希薄)モード、dense(稠密)モード、または sparse-dense(希薄-稠密)モードを使用するようにインターフェイスを指定できます。 ip pim コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
ステップ 6 次のコマンドを入力して、2 番目のマルチキャスト PTP クロック ソースの VLAN を設定します。
ステップ 7 ip pim コマンドを使用して、VLAN インターフェイス上の Protocol Independent Multicast(PIM)をイネーブルにします。sparse(希薄)モード、dense(稠密)モード、または sparse-dense(希薄-稠密)モードを使用するようにインターフェイスを指定できます。 ip pim コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
ステップ 8 次のコマンドを入力して、PTP クライアントに接続するギガビット イーサネット インターフェイスを設定します。
ステップ 9 次のコマンドを入力して、マルチキャスト PTP クロック ソースに接続する最初のギガビット イーサネット インターフェイスを設定します。
ステップ 10 次のコマンドを入力して、マルチキャスト PTP クロック ソースに接続する2 番目のギガビット イーサネット インターフェイスを設定します。
ステップ 11 exit コマンドを使用して、ギガビット イーサネット インターフェイスを終了します。
ステップ 12 マルチキャスト グループの PIM Rendezvous Point(RP; ランデブー ポイント)を静的に設定する必要のある場合は、グローバル コンフィギュレーション モードで ip pim rp-address コマンドを使用します。
ステップ 13 access-list コマンドを使用して、ルータの PTP マルチキャスト アドレスからの PTP トラフィックを許可するアクセス リスト エントリを作成します。
ステップ 14 exit コマンドを使用して、コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 15 show ip mroute コマンドを使用して、設定を確認します。
マルチキャスト/PTP の冗長性の設定例を表示するには、 付録 A「設定例」 を参照してください。
• show network-clocks:ネットワーク クロックの情報を表示します。
• show controller:クロッキング情報を含むコントローラの状態を表示します。
• show ptp clock:ptp クロック情報を表示します。
• show ptp foreign-master-record:PTP 外部マスター レコードを表示します。
• show ptp parent:PTP ペアレント プロパティを表示します。
• show ptp port:PTP ポート プロパティを表示します。
• show ptp time-property:PTP クロック タイム プロパティを表示します。
• show interface virtual-cem 0/24:CEM インターフェイスのステータスを表示します。
• show cem circuit:CEM 回路の情報を表示します。
• show platform hardware:Cisco MWR 2941-DC 上のハードウェア デバイスのステータスを表示します。
次に、Cisco MWR 2941-DC 上での Digital Subscriber Line(DSL; デジタル加入者線)バックホール接続の設定方法について説明します。
ステップ 2 スロットとポート番号を使用して、設定する Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)インターフェイスを指定します。
ステップ 3 Asynchronous Digital Subscriber Line (ADSL; 非対称デジタル加入者線) ATM インターフェイスに IP アドレスを割り当てます。
ステップ 4 pvc コマンドを使用して、ATM Permanent Virtual Circuit(PVC; 相手先固定接続)を定義し、Virtual Channel Identifier/Virtual Path Identifier(VCI/VPI; 仮想チャネル識別子/仮想パス識別子)を指定します。このコマンドは、ATM Virtual Circuit(VC; 仮想回線)コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 IP 接続をイネーブルにし、ATM VC のポイントツーポイント IP アドレスを作成します。このステップはオプションです。
ステップ 6 リアルタイム Variable Bit Rate(VBR; 可変ビット レート)トラフィック シェーピングの PVC を設定します。このステップはオプションです。
(注) デフォルトのトラフィック シェーピング タイプは、Universal Broadband Router(UBR; ユニバーサル ブロードバンド ルータ)です。
ステップ 7 ATM Adaptation Layer(AAL; ATM アダプテーション レイヤ)とカプセル化タイプを設定します。このステップはオプションです。次の AAL タイプを使用できます。
• Cisco PPP over AAL5 用 aal5ciscoppp
• AAL5+LLC/SNAP 用 aal5snap(デフォルト)
ステップ 8 ATM VC コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 9 次の動作モードのいずれかで動作するように、ADSL インターフェイスを設定します。
• ansi-dmt:T1.413 向け ANSI フル レート モード(ITU G dmt Issue 1)
• itu-dmt:ITU フル レート モード(ITU G dmt Issue 1)
• splitterless:ITU g.992.2 向け G.lite モード
ステップ 10 ATM インターフェイスをアクティブ化します。
ステップ 11 ATM インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 12 グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。
ADSL バックホールを使用した疑似回線の設定方法については、「疑似回線の設定」を参照してください。
SHDSL バックホールを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 SHDSL コントローラを設定するには、次のステップに従います。HWIC-4SHDSL 用に複数の DSL コントローラを設定できます。
a. controller コマンドを使用して、DSL コントローラ コンフィギュレーション モードを開始します。コントローラ タイプと設定する DSL インターフェイスのスロットとポートを指定します。
b. termination コマンドを使用して、CPE または CO モードでルータを設定します。
c. dsl-group コマンドを使用して、DSL ペアをグループに結合します。HWIC-4SHDSL カード上のポートを 1 ペアまたは 2 ペアの DSL グループに結合できます。Inverse Multiplexing over ATM(IMA; ATM の逆多重化)グループまたは Multi-pair(M-pair; マルチペア)オペレーション グループを使用して、データ行を結合できます。たとえば、HWIC-4SHDSL カードで IMA または M-pair グループを使用して 4 行のデータを 1 行または 2 行に結合できます。
次に、M-pair を使用して DSL 行を結合する例を示します。
次に、IMA を使用して DSL 行を結合する例を示します。
d. shdsl annex コマンドを使用して、DSL グループの G.991.2 標準を定義します。次のアネックス タイプを指定できます。
(注) IMA を使用して DSL 行を結合している場合は、Annex A または Annex B しか使用できません。M-pair グループを使用している場合は、Annex A、B、F、または G だけを使用できます。shdsl annex コマンドの詳細については、付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」を参照してください。
e. shdsl rate コマンドを使用して、DSL コントローラのライン レートを定義します。ライン レートまたは自動を指定できます。
shdsl rate コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
ステップ 2 ATM インターフェイスを設定するには、次のステップに従います。HWIC-4SHDSL 用に複数の ATM インターフェイスを設定できます。
b. ATM インターフェイスの IP アドレスを設定します。
c. load-interval コマンドを使用して、負荷統計情報を計算するために使用する時間の長さを指定します。load-interval の設定を変更すると、ダイヤル バックアップ インターフェイスの使用を含め、トラフィック バーストに対するインターフェイスの対応方法が変わります。
load-interval コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
d. no atm ilmi-keepalive コマンドを使用して、Interim Local Management Interface(ILMI; 暫定ローカル管理インターフェイス)のキープアライブをディセーブルにします。
e. mpls ip コマンドを使用して、ATM インターフェイス上で MPLS をイネーブルにします。
f. pvc コマンドを使用して、PVC を定義し、VCI/VPI を指定します。
g. protocol ip コマンドを使用して、IP 接続をイネーブルにし、仮想回線のポイントツーポイント IP アドレスを作成します。
h. cbr コマンドを使用して、PVC の ATM 固定ビット レートを定義します。
i. vc-hold-queue コマンドを使用して、ATM アダプタ上で仮想回線(VC)ごとに保有するキューを設定します。
ステップ 3 ATM IMA インターフェイスでは、複数の低速物理リンクを使用して高速 ATM 接続を 1 つ作成できます。ATM/IMA インターフェイスを設定するには、次のステップに従います。
a. 設定する ATM/IMA インターフェイスを指定します。
b. ATM/IMA インターフェイスの IP アドレスを指定します。
c. no atm ilmi-keepalive コマンドを使用して、Interim Local Management Interface(ILMI; 暫定ローカル管理インターフェイス)のキープアライブをディセーブルにします。
d. pvc コマンドを使用して、PVC を定義し、VCI/VPI を指定します。
e. protocol ip コマンドを使用して、IP 接続をイネーブルにし、仮想回線のポイントツーポイント IP アドレスを作成します。
f. encapsulation コマンドを使用して、PVC のカプセル化タイプを指定します。次の AAL タイプを使用できます。
• aal5ciscoppp for Cisco PPP over AAL5
• aal5snap for AAL5+LLC/SNAP(デフォルト)
SHDSL バックホールを使用した疑似回線の設定方法については、「疑似回線の設定」を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC は、LLC(論理リンク制御副層)ブリッジを使用する Digital Subscriber Line Access Multiplexer(DSLAM; デジタル加入者線アクセス マルチプレクサ)に接続する DSL インターフェイスの Integrated Routing and Bridging をサポートします。Integrated Routing and Bridging では、経路選択済みインターフェイスとブリッジ グループ間で特定のプロトコルにルーティングできます。
Cisco MWR 2941-DC には、ブリッジングに次の制限があります。
• Cisco MWR 2941-DC では、現在、スイッチ ポートへのブリッジングをサポートしていません。
• Cisco MWR 2941-DC では、現在、BVI インターフェイスで直接 MPLS を実行できません。
(注) Cisco MWR 2941-DC では BVI インターフェイスで直接 MPLS を実行できないため、BVI インターフェイスで疑似回線トラフィックを送信するには、Generic Routing Encapsulation(GRE)トンネルを使用することをお勧めします。
ブリッジ仮想インターフェイスを作成するには、次のステップに従います。
ステップ 1 bridge protocol コマンドを使用して、ブリッジのスパニング ツリー プロトコルを指定します。ブリッジ グループの設定時には、IEEE プロトコルを使用することをお勧めします。
ステップ 2 ブリッジングに使用する ATM または ATM IMA インターフェイスを指定します。
ステップ 3 bridge-group コマンドを使用して、インターフェイスをブリッジ グループに割り当てます。
(注) DSL の ATM または ATM IMA インターフェイスを設定する方法については、デジタル加入者線(DSL)バックホールの設定を参照してください。
ステップ 4 ATM または ATM IMA インターフェイスを終了します。
ステップ 5 bridge irb コマンドを使用して、Integrated Routing and Bridging をイネーブルにします。
ステップ 6 interface bvi コマンドを使用して、ブリッジ仮想インターフェイスを設定します。
ステップ 7 IP アドレスとサブネット マスクで BVI インターフェイスを設定します。
ステップ 8 load-interval コマンドを使用して、負荷統計情報を計算するために使用する時間の長さを指定します。
max-reserved-bandwidth を使用して、Class-Based Weighted Fair Queueing(CBWFQ; クラスベース WFQ)または Resource Reservation Protocol(RSVP; リソース予約プロトコル)で使用できるインターフェイス帯域幅を指定します。
ステップ 10 bridge route コマンドを使用して、ルーティング プロトコルを指定し、ブリッジ グループ上でルーティングをイネーブルにします。
ブリッジングの設定の詳細については、『 Cisco IOS Bridging and IBM Networking Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
次に、Cisco MWR 2941-DC 上での ATM CoS の設定について説明します。
• Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)の設定
• 非リアルタイム Variable Bit Rate(VBR; 可変ビット レート)の設定
ATM サービス クラスについては、『 Cisco IOS Asynchronous Transfer Mode Configuration Guide, Release 12.4T 』または『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide, Release 12.4T 』 を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、IOS Release 12.4T のマニュアルに掲載されているすべてのコマンドをサポートしているわけではありません。
Cisco MWR 2941-DC で UBR CoS を設定するには、次のステップに従います。UBR は、ATM PVC、Switched Virtual Circuit(SVC; 相手先選択接続)、VC クラス、または VC バンドル メンバーに適用できます。
ステップ 3 ubr+ コマンドを使用して UBR CoS をイネーブルにします。Peak Cell Rate(PCR; ピーク セル レート)と Maximum Guaranteed Cell Rate(MCR; 最大保証セル レート)も指定できます。出力 PCR と MCR を指定する必要があります。入力 PCR と MCR はオプションです。
ubr+ コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC で非リアルタイム VBR CoS を設定するには、次のステップに従います。非リアルタイム VBR は、ATM PVC、SVC、VC クラス、または VC バンドル メンバーに適用できます。
ステップ 1 非リアルタイム VBR を使用する ATM または ATM IMA インターフェイスを開始します。
ステップ 3 vbr-nrt コマンドを使用して、非リアルタイム VBR CoS を指定します。ピーク セル レート(PCR)、最大保証セル レート(MCR)、最大バースト セル サイズも指定できます。出力 PCR、MCR、最大バースト セル サイズを指定する必要があります。入力 PCR、MCR、最大バースト セル サイズはオプションです。
vbr-nrt コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC でリアルタイム VBR CoS を設定するには、次のステップに従います。リアルタイム VBR は、ATM PVC、SVC、VC クラス、または VC バンドル メンバーに適用できます。
ステップ 1 リアルタイム VBR を使用する ATM または ATM IMA インターフェイスを開始します。
ステップ 3 vbr-rt コマンドを使用して、リアルタイム VBR CoS を指定します。接続のバースト レート、Peak Information Rate(PIR; 最大情報レート)、Average Information Rate(AIR; 平均情報レート)も指定できます。
vbr-rt コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
ここでは、Cisco MWR 2941-DC で疑似回線を設定する方法を説明します。疑似回線の概要については、「Cisco Pseudowire Emulation Edge-to-Edge(PWE3)」を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC は、SAToP、Circuit Emulation Service over Packet-Switched Network(CESoPSN)、および ATM over MPLS を使用した疑似回線接続をサポートしています。次に、Cisco MWR 2941-DC 上での疑似回線接続の設定方法について説明します。
• Structure-Agnostic TDM over Packet(SAToP)の設定
• Circuit Emulation Service over Packet-Switched Network(CESoPSN)の設定
• ATM over MPLS を使用したサービス転送の設定
• Ethernet over MPLS を使用したサービス転送の設定
各コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。疑似回線設定の例については、 付録 A「設定例」 を参照してください。
疑似回線クラスでは、複数の疑似回線接続に単一の設定テンプレートを作成できます。疑似回線クラスはあらゆる疑似回線タイプに適用できます。疑似回線クラスを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 次のコマンドを入力して、疑似回線クラスを作成します。
b. pseudowire-class コマンドを使用して、新しい疑似回線クラスを作成します。
c. encapsulation コマンドを使用して、カプセル化タイプを設定します。ATM over MPLS には MPLS カプセル化を使用します。
d. mpls experimental コマンドを使用して、疑似回線パケットに使用する MPLS ラベル内の 3 ビット EXP フィールドを指定します。
(注) mpls experimental コマンドの詳細については、付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」を参照してください。
e. 疑似回線クラス内でトラフィックが使用できるパスが複数ある場合は、 preferred-path コマンドを使用して推奨パスを指定します。
(注) このコマンドは MPLS 疑似回線だけに適用されます。
ステップ 2 ATM IMA インターフェイスで疑似回線クラスへの参照を作成するには、次のステップに従います。
a. 新しい疑似回線クラスを使用する疑似回線インターフェイスを指定します。この例では、ATM IMA インターフェイスを示しています。
Router(config)# interface atm0/ima0
b. xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして ATM 疑似回線を作成します。 pw-class パラメータを使用して、ATM 疑似回線インターフェイスが使用する疑似回線クラスを指定します。
(注) カプセル化 mpls パラメータを pw-class パラメータと共に使用できません。
(注) xconnect が使用できるかどうかは、設定している疑似回線のタイプによって異なります。
CEM クラスでは、複数の CEM 疑似回線に単一の設定テンプレートを作成できます。CEM クラスを設定するには、次のステップに従います。
(注) ATM over MPLS のような他の疑似回線タイプに CEM クラスは適用できません。
ステップ 1 CEM クラスを作成するには、次のステップに従います。
b. class cem コマンドを使用して、新しい CEM クラスを作成します。
c. CEM クラスに共通の設定コマンドを入力します。この例は、サンプル レート、ペイロード サイズ、デジッタ バッファ、アイドル パターンを指定します。
ステップ 2 CEM インターフェイスで CEM クラスへの参照を作成するには、次のステップに従います。
a. 次のコマンドを入力して、新しい CEM クラスを使用する CEM インターフェイスを設定します。
(注) xconnect が使用できるかどうかは、設定している疑似回線のタイプによって異なります。
b. exit コマンドを使用して、CEM インターフェイスを終了します。
CESoPSN と ATM over MPLS Pseudowire(PW; 疑似回線)と共に GRE トンネリングを使用できます。CESoPSN、ATM over MPLS、または Ethernet over MPLS PW で GRE トンネリングを設定するには、次のステップに従います。
(注) MPLS の設定の詳細については、「マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)の設定」を参照してください。
ステップ 1 次のコマンドを使用して、ループバック インターフェイスを作成します。
ステップ 2 トンネル インターフェイスを設定するには、次のステップを完了します。
b. トンネル インターフェイスに IP アドレスを割り当てます。
c. tunnel mode コマンドを使用して、GRE カプセル化を使用するようトンネルを設定します。
d. mpls ip コマンドを使用して、MPLS スイッチングをイネーブルにします。
e. tunnel source コマンドを使用して、トンネル インターフェイスの送信元アドレスまたはインターフェイスを指定します。
f. tunnel destination コマンドを使用して、トンネルの送信先 IP アドレスを指定します。
ステップ 3 ループバック インターフェイスからトンネル インターフェイスへのルートを作成します。
(注) ip route コマンドを使用して、トンネル インターフェイスへのルートを作成している場合は、トンネルの IP アドレスではなく、トンネル インターフェイスの名前を入力します。
ステップ 4 mpls ldp router-id コマンドを force パラメータと共に使用して MPLS IP アドレスをループバック インターフェイス アドレスに変更します。
ステップ 5 xconnect コマンドを使用して、CEM または ATM インターフェイスをループバック インターフェイスにバインドします。
GRE トンネリングを使用した設定例については、 付録 A「設定例」 を参照してください。MPLS の設定の詳細については、『 Cisco IOS Multiprotocol Label Switching Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
次のコマンドを使用して、GRE トンネル設定を確認できます。
• show platform hardware winpath gre-tunnel
バックアップ ピアによって、プライマリ疑似回線(PW)の接続が切断した場合に冗長 PW 接続を使用できます。プライマリ PW がダウンすると、Cisco MWR 2941-DC はトラフィックをバックアップ PW に迂回させます。バックアップ ピアを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 backup peer コマンドを使用して、バックアップ ピアのアドレスと VC を定義します。
ステップ 2 backup delay コマンドを使用して、ルータが疑似回線トラフィックをバックアップ ピア VC に切り替える前の遅延を指定します。
• enable-delay :プライマリ PW からバックアップ PW に切り替わるまでの時間。
• disable-delay :バックアップ PW から復旧したプライマリ PW に切り替わるまでの時間。
• never :バックアップ PW からプライマリ PW への切り替えをディセーブルにします。
Cisco MWR 2941-DC で SAToP を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 controller コマンドを使用して、T1 または E1 インターフェイスを設定します。
ステップ 2 cem-group コマンドを使用して、T1 または E1 回路上のチャネルを回線エミュレーション(CEM)チャネルに割り当てます。この例は、 unframed パラメータを使用して、すべての T1 タイムスロットを CEM チャネルに割り当てます。
ステップ 3 次のコマンドを入力して、CEM グループを定義します。
ステップ 4 xconnect コマンドを使用して、接続回線を CEM インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、CEM 回路 304 をリモート ピア 30.30.2.304 にバインドして疑似回線を作成します。
Cisco MWR 2941-DC で CESoPSN を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 controller コマンドを使用して、E1 または T1 コントローラにアクセスします。
ステップ 2 mode コマンドを使用して、非同期転送モード(ATM)または Channel-Associated Signaling(CAS; 個別線信号方式)モードでコントローラを設定します。
ステップ 3 cem-group コマンドを使用して、T1 または E1 回路上のチャネルを回線エミュレーション(CEM)チャネルに割り当てます。この例は、 timeslots パラメータを使用して、特定のタイムスロットを CEM チャネルに割り当てます。
ステップ 4 exit コマンドを使用して、コントローラ設定を終了します。
ステップ 5 次のコマンドを使用して、CEM チャネルを定義します。
ステップ 6 xconnect コマンドを使用して、接続回線を CEM インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、CEM 回路 305 をリモート ピア 30.30.30.2 にバインドして疑似回線を作成します。
ステップ 7 exit コマンドを使用して、CEM インターフェイスを終了します。
ATM over MPLS 疑似回線を使用して、MPLS ネットワークで ATM トラフィックをカプセル化して、転送できます。このサービスでは、既存の MPLS ネットワークで ATM サービスを配信できます。
次に、ATM over MPLS を使用してサービスの転送を設定する方法について説明します。
• ATM over MPLS 疑似回線インターフェイスの設定
• オプション設定
(注) ATM over MPLS の設定例については、「ATM over MPLS の設定」を参照してください。
ステップ 1 card type コマンドを入力して、E1 または T1 インターフェイス上で IMA を設定します。
ステップ 2 IMA をイネーブルにするコントローラ インターフェイスを指定します。
ステップ 4 ATM IMA バックホールを設定する場合は、 ima-group コマンドを使用して、インターフェイスを IMA グループに割り当てます。T1 接続に対しては、 no-scrambling-payload を使用して ATM-IMA セル ペイロード スクランブルをディセーブルにします。E1 接続に対しては、 scrambling-payload パラメータを使用して ATM-IMA セル ペイロード スクランブルをイネーブルにします。
次のコマンドを使用して、インターフェイスを IMA グループ 0 に割り当て、ペイロード スクランブリングをイネーブルにします。
Router(config-controller)# ima-group 0
scrambling-payload
(注) IMA グループの設定の詳細については、ATM IMA の設定を参照してください。バックホール接続の設定方法の詳細については、マルチリンク PPP(MLPPP)バックホールの設定を参照してください。
ATM IMA バックホールを使用したい場合は、次のステップに従って IMA インターフェイスを設定します。
ステップ 1 IMA インターフェイス グループのスロットの場所とポートを指定します。
Router(config-controller)# interface ATMslot/IMAgroup-number
• slot :ATM IMA ポート アダプタのスロットの場所を指定します。
• group-number :IMA グループのグループ番号を指定します。
たとえば、次のコマンドは、スロット番号を 0、グループ番号を 0 として指定します。
Router(config-controller)# interface atm0/ima0
(注) IMA インターフェイスの IMA グループ ID を明示的に設定するには、オプションの ima group-id コマンドを使用できます。2 つの異なる IMA インターフェイスに同じ IMA グループ ID は設定できません。このため、IMA インターフェイスにすでに設定されている、システムが選択したデフォルト ID で IMA グループ ID を設定すると、ユーザが設定した IMA グループ ID を有効な IMA グループ ID にするために、システムが IMA インターフェイスを切り替えます。同時にシステムは元の IMA インターフェイスを切り替え、別の IMA グループ ID を選択します。
ステップ 2 物理レイヤ インターフェイスの IP アドレス設定をディセーブルにします。
ステップ 4 暫定ローカル管理インターフェイス(ILMI)キープアライブ パラメータをディセーブルにします。
IMA グループの設定の詳細については、ATM IMA の設定を参照してください。
ネットワークの必要性に応じて ATM over MPLS を複数のモードで設定できます。ネットワークの必要性に応じて適切なセクションを使用してください。
• N 対 1 の VCC セル トランスポート疑似回線の設定:複数の Virtual Channel Connections(VCC; 仮想チャネル接続)を単一の疑似回線にマッピングします。
• N 対 1 の VPC セル トランスポートの設定:複数の Virtual Path Connections(VPC; 仮想パス接続)を単一の疑似回線にマッピングします。
• ATM AAL5 SDU VCC トランスポートの設定:単一の ATM PVC を別の ATM PVC にマッピングします。
• 1 対 1 VCC セル モードの設定:単一の VCC を単一の疑似回線にマッピングします。
• ポート モード疑似回線の設定:1 つの物理ポートを単一の疑似回線接続にマッピングします。
N 対 1 の VCC セル トランスポート疑似回線は、1 つまたは複数の ATM 仮想チャネル接続(VCC)を単一の疑似回線にマッピングします。N 対 1 の疑似回線を設定するには、次のステップに従います。
次の手順に従って、N 対 1 の VCC セル トランスポート疑似回線を設定できます。
単一の PVC を ATM over MPLS の疑似回線にマッピングするには、PVC レベルで xconnect コマンドを適用します。この設定タイプは AAL0 カプセル化だけを使用します。単一の PVC を ATM over MPLS の疑似回線にマッピングするには、次のステップに従います。
Router(config)# interface atm0/ima0
c. encapsulation コマンドを使用して、PVC のカプセル化タイプを定義します。
d. xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、PVC 40 をリモート ピア 1.1.1.1 にバインドして疑似回線を作成します。
e. end コマンドを使用して、コンフィギュレーション モードを終了します。
複数の PVC を単一の ATM over MPLS の疑似回線にマッピングするには、サブインターフェイス レベルで xconnect コマンドを適用します。この設定では、疑似回線が接続される BTS ごとなど、疑似回線を論理的にグループ化することができます。複数の PVC を ATM over MPLS の疑似回線にマッピングするには、次のステップに従います。
(注) N 対 1 のサブインターフェイス疑似回線で複数の PVC を設定するには、すべての PVC で AAL0 カプセル化を使用する必要があります。
(注) N 対 1 の疑似回線を設定する場合は、ignore-vpi-vci パラメータを使用することもできます。このパラメータを設定すると、Cisco MWR 2941-DC では、PW パケットの VPI/VCI 値が無視され、ローカルに設定された(接続側の)PVC の VPI/VCI 値を使用して出力 ATM セル ヘッダーが書き換えられます。xconnect コマンドと ignore-vpi-vci パラメータの詳細については、付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」を参照してください。
Router(config)# interface atm0/ima0
b. 次のコマンドを入力して、ATM IMA マルチポイント サブインターフェイスを作成します。
c. xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、ATM 回路 100 をリモート ピア 1.1.1.1 にバインドして疑似回線を作成します。
d. exit コマンドを使用して、xconnect サブインターフェイスを終了します。
e. pvc コマンドを使用して、PVC を疑似回線にマッピングします。
f. encapsulation コマンドを使用して、PVC のカプセル化タイプを定義します。
g. 必要に応じて、追加の PVC を定義します。各 PVC の説明を入れることをお勧めします。
N 対 1 の VPC セル トランスポート疑似回線は、1 つまたは複数の ATM 仮想パス接続(VPC)を単一の疑似回線にマッピングします。設定は 1 対 1 の VPC セル モードに似ていますが、この転送方法は N 対 1 の VPC 疑似回線プロトコルと RFC 4717 および 4446 で定義されたフォーマットを使用します。N 対 1 の VPC 疑似回線を設定するには、次のステップに従います。
Router(config)# interface atm0/ima0
ステップ 2 atm pvp コマンドを使用して、PVP を疑似回線にマッピングします。
ステップ 3 xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、ATM 回路 305 をリモート ピア 30.30.30.2 にバインドして疑似回線を作成します。
ステップ 4 end コマンドを使用して、コンフィギュレーション モードを終了します。
ATM AAL5 SDU VCC トランスポート疑似回線は、単一の ATM PVC を別の ATM PVC にマッピングします。ATM AAL5 SDU VCC トランスポート疑似回線を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 ATM IMA インターフェイスを設定します。
ステップ 2 pvc コマンドを使用して、PVC を設定し、VCI/VPI を指定します。
ステップ 3 encapsulation コマンドを使用して、PVC カプセル化タイプを AAL5 に設定します。
(注) このトランスポート タイプには、AAL5 カプセル化を使用する必要があります。
ステップ 4 xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、ATM 回路 125 をリモート ピア 25.25.25.25 にバインドして疑似回線を作成します。
VCC の 1 対 1 疑似回線では、単一の ATM VCC を単一の疑似回線にマッピングできます。このトランスポート タイプには、AAL0 カプセル化を使用する必要があります。1 対 1 疑似回線を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 ATM IMA インターフェイスを設定します。
ステップ 2 pvc コマンドを使用して、PVC を設定し、VCI/VPI を指定します。
ステップ 3 encapsulation コマンドを使用して、PVC カプセル化タイプを AAL0 に設定します。
(注) このトランスポート タイプには、AAL0 カプセル化を使用する必要があります。
ステップ 4 xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、ATM 回路 125 をリモート ピア 25.25.25.25 にバインドして疑似回線を作成します。
ポート モード疑似回線では、ATM インターフェイス全体を単一の疑似回線接続にマッピングできます。ポート モード疑似回線を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 2 xconnect コマンドを使用して、接続回線を ATM IMA インターフェイスにバインドして疑似回線を作成します。この例は、ATM 回路 200 をリモート ピア 25.25.25.25 にバインドして疑似回線を作成します。
セル パッキングでは、複数の ATM セルを単一の MPLS パケットにパッキングして、ATM から MPLS の変換の効率を上げることができます。セル パッキングを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 atm mcpt-timers コマンドを使用し、ATM インターフェイスで 3 つの Maximum Cell Packing Timeout(MCPT; 最大セル パッキング タイムアウト)タイマーを定義します。3 つの独立した MCPT タイマーはパケットを転送する前の待機時間を指定します。
ステップ 2 cell-packing コマンドを使用して、PW セル パック内のセルの最大数と Cisco MWR 2941-DC が使用するセル パッキング タイマーを指定します。この例は、パックごとに 20 のセルと 3 番目の MCPT タイマーを指定します。
PVC マッピングでは、PVC を複数のセル サイト ルータから単一の集約ノード上の同等の PVC にマッピングできます。
(注) PVC マッピングは、N 対 1 セル モードとポート モードにだけ適用されます。2 つの PVC 間で 2 つの Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)上の異なる VPI/VCI 値を使用して疑似回線を設定して、AAL 5SDU モードと VCC 1 対 1 モードで同様の効果を実現できます。
次の例は、 pw-pvc コマンドを使用して、ローカル PVC 0/11 および 0/12 をリモート PVC 0/11 および 0/12 にマッピングする方法を示しています。
Ethernet over MPLS PW を使用して、既存の MPLS ネットワークを経由してイーサネット トラフィックを転送できます。Ethernet over MPLS PW の概要については、「Ethernet over MPLS を使用したサービスの転送」を参照してください。
(注) EoMPLS は、HWIC-D-9ESW カードではサポートされていません。
VLAN モードの Ethernet over MPLS PW では、Cisco MWR 2941-DC 上の既存の VLAN ID に基づいて接続を作成できます。
ステップ 1 疑似回線にバインドする VLAN インターフェイスを作成します。
ステップ 2 接続回線へのイーサネット ポート インターフェイスに xconnect コマンドを使用して、疑似回線を作成します。この例では、Virtual Circuit(VC; 仮想回線)101 を使用して、PW を特定します。リモート VLAN が同じ VC で設定されていることを確認します。
ステップ 3 ギガビット イーサネット インターフェイスを VLAN に追加します。
ステップ 4 リモート ルータ上の対応する設定を同じ VCID 値で作成します。この設定は、VCID 101 を使用します。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、EoMPLS PW 上の VLAN の書き換えをサポートしています。2 つのネットワークが異なる VLAN ID を使用している場合、ルータはローカル ネットワークに適した VLAN 番号を使用して、PW パケットを書き換えます。
(注) Cisco MWR 2941-DC 上での VLAN の設定の詳細については、「ギガビット イーサネット インターフェイスの設定」を参照してください。
下記の手順に従って、ルータとインターフェイスをイネーブル化してカード タイプを指定し、カード タイプの基本的な設定を行います。また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
カード タイプを選択して設定するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
グローバル コンフィギュレーション モードを開始すると、プロンプトが Router(config)
に変わります。
(注) 使用できるコンフィギュレーション コマンドのリストを表示するには、コンフィギュレーション モードにおいて、プロンプトで ? を入力するか、または Help キーを押します。
たとえば、次のコマンドは、最初の HWIC スロットで T1/E HWIC を E1 カードとして設定する方法を示しています。
コマンドが初めて使用される場合、設定はすぐに有効になります。カード タイプの以降の変更は、reload コマンドを入力するか、またはルータを再起動しないかぎり、有効になりません。
(注) 装着されたカードの設定を card type コマンドを使用して変更する場合、最初に no card type {e1 | t1} スロット サブスロット コマンドを入力する必要があります。次に、新しい設定情報に関して、card type {e1 | t1} slot subslot コマンドを入力します。
基本的な E1 コントローラ設定を行います。設定には、E1 コントローラの指定、クロック ソースの入力、チャネル グループの指定、シリアル インターフェイスの設定、Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)カプセル化の設定、およびキープアライブ パケットのイネーブル化が含まれます。また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
E1 コントローラを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 設定するコントローラを指定します。コントローラ E1 0/0 は HWIC スロット 0 の T1/E1 HWIC カードにマッピングされます。
Router(config)# controller e1 slot/port
たとえば、次のコマンドは、E1 コントローラをスロット 0 の T1/E1 HWIC カードの 1 番目のポートとして指定する方法を示しています。
controller e1 0/0
コントローラ コンフィギュレーション モードを開始すると、プロンプトが Router(config-controller) に変わります。
ステップ 4 mode コマンドを使用して、非同期転送モード(ATM)または個別線信号方式(CAS)モードでコントローラを設定します。
Router(config-controller)# clock source {line | internal} [bits]
• bits:イネーブルにされたBuilding Integrated Timing Supply(BITS; ビル内統合タイミング供給源)クロッキング
たとえば、次のコマンドは、E1 コントローラにクロック ソースを設定する方法を示しています。
controller
)# clock source line
(注) clock source コマンドを使用し、装着されたカードの設定を変更するには、最初に no clock source コマンドを入力する必要があります。次に、新しい設定情報に関して、clock source コマンドを入力します。
ステップ 6 マッピングするチャネル グループとタイムスロットを指定します。チャネル グループを設定すると、シリアル インターフェイスが自動的に作成されます。
channel-group channel-no timeslots timeslot-list speed {64}
• channel-no :チャネル グループを識別するための ID 番号。有効値の範囲は 0 ~ 30 です。
• timeslot-list:このチャネル グループに含めるタイムスロット(DS0)。有効なタイムスロットは 1 ~ 31 です。
たとえば、次のコマンドは、E1 コントローラにチャネル グループとタイム スロットを設定します。
channel-group 0 timeslots 1-31 speed 64
(注) channel-group channel-no timeslots timeslot-list {64} コマンドを使用し、装着されたカードの設定を変更するには、最初に no channel-group channel-no timeslots timeslot-list speed {64} コマンドを入力する必要があります。次に、新しい設定情報に関して、channel-groupchannel-no timeslots timeslot-list {64} コマンドを入力します。
ステップ 7 コントローラ コンフィギュレーション モードを終了します。
exit
ステップ 8 シリアル インターフェイスを設定します。E1 スロット、ポート番号、およびチャネル グループを指定します。
interface serial slot/port:channel
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始すると、プロンプトが Router(config-if) に変わります。
(注) 使用できるコンフィギュレーション コマンドのリストを表示するには、コンフィギュレーション モードにおいて、プロンプトで ? を入力するか、または Help キーを押します。
ステップ 9 PPP カプセル化を設定するには、次のコマンドを入力します。
Router(config-if)# encapsulation ppp
ステップ 10 インターフェイス上のキープアライブ パケットをイネーブルにし、インターフェイスがダウンする前に応答なしでキープアライブ パケットを送信する回数を指定します。
ステップ 11 インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。
Router(config-if)# exit
下記の指示に従い、基本的な T1 コントローラ設定を行います。設定には、T1 コントローラの指定、フレーミング タイプの指定、ライン コード形式の指定、マッピングするチャネル グループとタイム スロットの指定、ケーブル長の設定、シリアル インターフェイスの設定、PPP カプセル化の設定、およびキープアライブ パケットのイネーブル化が含まれます。また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
T1 インターフェイスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 設定するコントローラを指定します。コントローラ T1 0/0 は HWIC スロット 0 の T1/E1 HWIC カードにマッピングされます。
Router(config)# controller t1 slot/port
ステップ 4 mode コマンドを使用して、非同期転送モード(ATM)または個別線信号方式(CAS)モードでコントローラを設定します。
ステップ 5 マッピングするチャネル グループとタイムスロットを指定します。チャネル グループを設定すると、シリアル インターフェイスが自動的に作成されます。
(注) チャネル グループのデフォルトの速度は 56 です。
ステップ 7 コントローラ コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 8 シリアル インターフェイスを設定します。T1 スロット(常に 0)、ポート番号、およびチャネル グループを指定します。
ステップ 9 次のコマンドを入力し、PPP カプセル化を設定します。
ステップ 10 インターフェイス上のキープアライブ パケットをイネーブルにし、インターフェイスがダウンする前に応答なしでキープアライブ パケットを送信する回数を指定します。
ステップ 11 グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
逆多重化により、複数の低速物理リンクで 1 つの高速データ ストリームを送受信する機能が提供されます。IMA では、ATM セルの発信ストリームが分割されるため、完全な ATM セルがラウンドロビン方式で一連の ATM リンクに送信されます。Cisco MWR 2941-DC で ATM IMA を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 card type コマンドを使用して、E1 または T1 インターフェイスのスロットとポート番号を指定します。
ステップ 2 IMA をイネーブルにするコントローラ インターフェイスを指定します。
ステップ 4 ima-group コマンドを使用して、インターフェイスを IMA グループに割り当て、scrambling-payload パラメータを設定し、ATM セル ペイロード フレームをランダム化します。このコマンドは、インターフェイスを IMA グループ 0 に割り当てます。
Router(config-controller)# ima-group 0
scrambling-payload
(注) このコマンドは、ATM0/IMAx インターフェイスを自動的に作成します。
ステップ 5 別のメンバー リンクを追加するには、ステップ 1からステップ 4を繰り返します。
ステップ 6 exit と入力して、コントローラ インターフェイスを終了します。
ステップ 7 IMA インターフェイス グループのスロットの場所とポートを指定します。
Router(config-if)# interface ATMslot/IMA<group-number>
• slot :ATM IMA ポート アダプタのスロットの場所を指定します。
• group-number :IMA グループのグループ番号を指定します。
たとえば、次のコマンドは、スロット番号を 0、グループ番号を 0 として指定します。
Router(config-if)# interface atm0/ima0
(注) IMA インターフェイスの IMA グループ ID を明示的に設定するには、オプションの ima group-id コマンドを使用できます。2 つの異なる IMA インターフェイスに同じ IMA グループ ID は設定できません。このため、IMA インターフェイスにすでに設定されている、システムが選択したデフォルト ID で IMA グループ ID を設定すると、ユーザが設定した IMA グループ ID を有効な IMA グループ ID にするために、システムが IMA インターフェイスを切り替えます。同時にシステムは元の IMA インターフェイスを切り替え、別の IMA グループ ID を選択します。
ステップ 8 物理レイヤ インターフェイスの IP アドレス設定をディセーブルにします。
ステップ 10 ILMI キープアライブ パラメータをディセーブルにします。
(注) 上記の設定には、2 つのメンバー リンク(atm0/0 および atm 0/0/1)を持つ 1 つの IMA ショートホールがあります。
マルチリンク インターフェイスは、Multilink PPP(MLP; マルチリンク PPP)バンドルを代表する仮想インターフェイスです。マルチリンク インターフェイスはバンドルされたリンクの設定を調整し、集約リンクのための単一のオブジェクトを提示します。ただし、集約される個々の PPP リンクも設定する必要があります。したがって、複数のシリアル インターフェイスで MLP をイネーブルにするには、最初にマルチリンク インターフェイスを設定し、次に各シリアル インターフェイスを設定して同じマルチリンク インターフェイスに追加する必要があります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
Cisco MWR 2941-DC ルータは、マルチリンク インターフェイスを通して、最大 16 個の E1 または T1 接続をサポートすることができます。範囲は E1/T1 それぞれの 12 バンドルから 16 E1/T1 バンドルを含む単一のバンドルです。
マルチリンク バックホール インターフェイスを設定するには、次の作業を行います。
• 「プロトコル フィールド圧縮(PFC)とアドレスおよび制御フィールド圧縮(ACFC)の設定」
マルチリンク バンドルを作成するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 マルチリンク バンドルを作成し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
たとえば、次のコマンドは、マルチリンク バンドル 5 を作成します。
interface multilink5
マルチリンク バンドルを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
(注) 使用できるコンフィギュレーション コマンドのリストを表示するには、コンフィギュレーション モードにおいて、プロンプトで ? を入力するか、または Help キーを押します。
ステップ 2 マルチリンク インターフェイスに IP アドレスを割り当てます。
• subnet mask:IP アドレスのネットワーク マスク
たとえば、次のコマンドは、IP アドレスとサブネット マスクを作成します。
ip address 10.10.10.2 255.255.255.0
Protocol-Field-Compression(PFC; プロトコル フィールド圧縮)と Address-and-Control-Field-Compression(ACFC; アドレスおよび制御フィールド圧縮)は、RFC 1661 および 1662 で定義された PPP 圧縮方法です。PFC では、PPP プロトコル フィールドを圧縮できます。ACFC では、PPP データ リンク レイヤ アドレスおよびコントロール フィールドを圧縮できます。
下記の指示に従い、PPP ネゴシエーションの間に、PFC と ACFC の処理を行うよう設定します。デフォルトでは、PFC と ACFC の処理はイネーブルではありません。
(注) Cisco MWR 2941-DC ルータで推奨される PFC と ACFC の処理は、acfc local request、acfc remote apply、pfc local request、および pfc remote apply です。
PPP ネゴシエーション間の PFC の処理を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 ルータが発信設定要求で PFC を処理する方法を設定するには、次のコマンドを入力します。
• request :PFC オプションは発信設定要求に含まれます。
• forbid :PFC オプションは発信設定要求で送信されず、リモート ピアからの PFC オプションを追加する要求は受け入れられません。
たとえば、次のコマンドは、ルータが PFC を管理する方法を作成する手順を示しています。
ppp pfc local request
ステップ 2 リモート ピアから受信した設定要求でルータが PFC オプションを管理する方法を設定するには、次のコマンドを入力します。
• apply :PFC オプションは受け入れられ、リモート ピアに送信されるフレームで ACFC を行うことができます。
• reject :PFC オプションは明示的に無視されます。
• ignore :PFC オプションは受け入れられますが、リモート ピアに送信されるフレームで ACFC が行われません。
たとえば、次のコマンドにより、PFC オプションが受け入れられるようになります。
ppp pfc remote apply
PPP ネゴシエーション間の ACFC の処理を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 ルータが発信設定要求で ACFC を処理する方法を設定するには、次のコマンドを入力します。
• request :ACFC オプションは発信設定要求に含まれます。
• forbid :ACFC オプションは発信設定要求で送信されず、リモート ピアからの ACFC オプションを追加する要求は受け入れられません。
たとえば、次のコマンドは、ルータが ACFC を処理する方法を作成します。
ppp acfc local request
ステップ 2 リモート ピアから受信した設定要求でルータが ACFC オプションを処理する方法を設定するには、次のコマンドを入力します。
• apply :ACFC オプションは受け入れられ、リモート ピアに送信されるフレームで ACFC を行うことができます。
• reject :ACFC オプションは明示的に無視されます。
• ignore :ACFC オプションは受け入れられますが、リモート ピアに送信されるフレームで ACFC が行われません。
たとえば、次のコマンドにより、ACFC オプションが受け入れられるようになります。
ppp acfc remote apply
マルチリンクをイネーブルにし、マルチリンク インターフェイスを識別するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
(注) アクティブの場合に MLPPP バンドルのパラメータを変更すると、Cisco MWR 2941-DC がバンドル接続の再ネゴシエーションを行うまで変更は有効になりません。
ステップ 2 マルチリンク インターフェイスの識別番号を指定します。
たとえば、次のコマンドは、ネゴシエートできるマルチリンク インターフェイスを 5 に制限(識別)します。
ppp multilink group 5
ステップ 3 インターフェイス上のキープアライブ パケットをイネーブルにし、インターフェイスがダウンする前に応答なしでキープアライブ パケットを送信する回数を指定します。
• period :(任意)0 より大きい整数値(秒)。デフォルトは 10 です。
• retries :(任意)インターフェイスをダウンさせるまでに応答なしでデバイスがキープアライブ パケットを送信し続ける回数を指定します。1 より大きく 255 より小さい整数値。省略した場合、以前に設定されていた値が使用されます。以前に指定されていた値がない場合は、デフォルト値の 5 が使用されます。
たとえば、次のコマンドは、ネゴシエートできるマルチリンク インターフェイスを 5 に制限(識別)する方法を示しています。
keepalive 1 5
デフォルトで Cisco MWR 2941-DC は distributed MLPPP(dMLPPP; 分散 MLPPP)および distributed IP Header Compression(dIPHC; 分散 IP ヘッダー圧縮)の処理をネットワーク プロセッサにオフロードし、パフォーマンスを改善します。ただし、Cisco MWR 2941-DC にはオフロードされたバンドル上でサポートしない dMLPPP 設定があります。Cisco MWR 2941-DC は、オフロードされた dMLPPP バンドル上で次のオプションをサポートしません。
• ppp multilink fragment maximum
• ppp timeout multilink lost-fragment
(注) バンドルにこれらのオプションを使用する必要がある場合は、シスコのサポートにご連絡ください。
MLPPP と IPHC のオフロードの詳細については、「マルチリンク PPP(MLPPP)最適化機能」を参照してください。
MLPPP バンドルでは、次を含むその他のさまざまな設定を行えます。
MLPPP の設定の詳細については、『 Cisco IOS Dial Technologies Configuration Guide, Release 12.4T』を参照してください。
dIPHC の設定の詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
(注) RFC 2507 で指定されているように、Cisco MWR 2941-DC は非 Transmission Control Protocol(TCP)パケットだけを圧縮します。TCP や IP パケットは圧縮しません。RFC 2507 で指定されているように、大半のトラフィックが非 TCP トラフィックにならないかぎり、マルチリンク接続では圧縮をディセーブルにすることをお勧めします。
RTP ヘッダー圧縮をイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
• ietf-format:(任意)Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)形式のヘッダー圧縮が使用されることを示します。
• periodic-refresh:(任意)圧縮された IP ヘッダーが定期的にリフレッシュされることを示します。
たとえば、次のコマンドは、RTP および UDP ヘッダー圧縮で IP ID を抑制することにより、IETF 形式での RTP ヘッダー圧縮をイネーブルにします。
ip rtp header-compression ietf-format periodic-refresh
(注) 次に、Cisco MWR 2941-DC ルータの Cisco T1/E1 HWIC カードに E1 を設定する例を示します。
下記の指示に従い、ルータ プロンプトで次の Cisco IOS コマンドを入力することにより、Cisco MWR 2941-DC ルータにある Cisco T1/E1 HWIC カードに、基本的な Global System for Mobile Communications(GSM)-Abis の設定を行います(Cisco MWR 2941-DC ルータのスロットおよびポートの番号の詳細については、「Cisco MWR 2941-DC ルータ インターフェイスの番号付けについて」 を参照してください)。また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
GSM-Abis のアトリビュートを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 T1 または E1 HWIC カードのカード タイプを設定します。
• subslot:HWIC インターフェイス カード(HWIC スロット)ポート番号
次のコマンドは、HWIC スロット 0 にあるカードを E1 として設定します。
コマンドが初めて使用される場合、設定はすぐに有効になります。カード タイプの以降の変更は、reload コマンドを入力するか、またはルータを再起動しないかぎり、有効になりません。
ステップ 2 コントローラ コンフィギュレーション モードを開始することにより、設定したいコントローラを指定します。コントローラ E1 0/0 は HWIC スロット 0 にある E1 HWIC カードにマッピングされます。
(注) インターフェイス番号の詳細については、「Cisco MWR 2941-DC ルータ インターフェイスの番号付けについて」 を参照してください。
Router(config)# controller e1 slot/port
• slot :T1 または E1 HWIC が装着された HWIC スロット
• port:T1 または E1 HWIC が使用しているシリアル ポートの番号
たとえば、次のコマンドは、E1 コントローラを HWIC スロット 0 の E1 HWIC カードとして指定します。
controller e1 0/2
ステップ 3 クロッキング ソースを入力します。クロッキングの詳細については、「クロッキングとタイミングの設定」を参照してください。
Router(config-controller)# clock source {line | internal}
たとえば、次のコマンドは、E1 コントローラにクロック ソースを設定します。
clock source internal
(注) clock source コマンドを使用し、装着されたカードの設定を変更するには、最初に no clock source コマンドを入力する必要があります。次に、新しい設定情報に関して、clock source コマンドを入力します。
ステップ 4 マッピングするチャネル グループとタイムスロットを指定します。チャネル グループを設定すると、シリアル インターフェイスが自動的に作成されます。
(注) E1 または T1 インターフェイスのチャネル グループを 1 つだけ作成できます。
channel-group channel-no timeslots timeslot-list speed {64}
• channel-no :チャネル グループを識別するための ID 番号。有効値の範囲は 0 ~ 30 です。
• timeslot-list:このチャネル グループに含めるタイムスロット(DS0)。有効なタイムスロットは 1 ~ 31 で、連続している必要があります。
たとえば、次のコマンドは、E1 コントローラにチャネル グループとタイム スロットを設定します。
channel-group 0 timeslots 1-31 speed 64
(注) channel-group channel-no timeslots timeslot-list {64} コマンドを使用し、装着されたカードの設定を変更するには、最初に no channel-group channel-no timeslots timeslot-list speed {64} コマンドを入力する必要があります。次に、新しい設定情報に関して、channel-group channel-no timeslots timeslot-list {64} コマンドを入力します。
ステップ 5 グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
Router(config-controller)# exit
ステップ 6 GSM-Abis インターフェイスを設定するには、最初にインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始することにより、設定したいシリアル インターフェイスを指定します。
Router(config)# interface serial slot/port:channel-group
• channel-group :チャネル グループ コントローラ コンフィギュレーション コマンドにより定義された E1 チャネル グループ番号
たとえば、次のコマンドは、HWIC-2、ポート 0 のシリアル インターフェイスをイネーブルにします。
interface serial 0/2:0
(注) 使用できるコンフィギュレーション コマンドのリストを表示するには、コンフィギュレーション モードにおいて、プロンプトで ? を入力するか、または Help キーを押します。
ステップ 7 次のコマンドを入力し、インターフェイス コンフィギュレーション モードで GSM-Abis インターフェイスのカプセル化を設定します。
たとえば、次のコマンドは、GSM-Abis インターフェイス レイヤでのカプセル化をイネーブルにします。
encapsulation gsm-abis
ステップ 8 IP/UDP バックホール接続を確立するために必要なローカル パラメータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで、IP/UDP バックホール接続を確立したい IP アドレスおよびポートを含む次のコマンドを入力します。
• ip-address:確立したいエントリの IP アドレス
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis local パラメータをポート 5502 にある 10.10.10.2 の IP アドレスに設定します。
gsm-abis local 10.10.10.2 5502
ステップ 9 IP/UDP バックホール接続を確立するために必要なリモート パラメータを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで、IP/UDP バックホール接続を確立したい IP アドレスおよびポートを含む次のコマンドを入力します。
• ip-address:確立したいエントリの IP アドレス
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis remote パラメータをポート 5502 にある 10.10.10.1 の IP アドレスに設定します。
gsm-abis remote 10.10.10.1 5502
ステップ 10 インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。
疑似回線などのいくつかのテクノロジーではパケット転送に MPLS を使用します。MPLS の設定方法の詳細については、『 Cisco IOS Multiprotocol Label Switching Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、Release 12.4T のマニュアルに掲載されているすべてのコマンドをサポートしているわけではありません。
Cisco MWR 2941-DC は、次のルーティング プロトコルをサポートしています。
• OSPF:IP ネットワーク用に特別に設計された Interior Gateway Protocol(IGP)。IP サブネット化および外部から得たルーティング情報のタギングをサポートします。また、OSPF は、パケットの送受信時にパケット認証が可能で、IP マルチキャストを使用します。
• IS-IS:異なるドメインにあるルータの通信方法を規定する Open System Interconnection(OSI; オープン システム インターコネクション)プロトコル。
• Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル):独立したルーティング ポリシーを保持する個別のルーティング ドメイン(オートノマス システム)間でループのないルーティングを提供するように設計されたドメイン間ルーティング プロトコル。
OSPF、IS-IS、および BGP の設定の詳細については、『 Cisco IOS IP Routing Protocols Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、このマニュアルに記載している以外のルーティング プロトコルはサポートしていません。
Bidirectional Forwarding Detection(BFD; 双方向フォワーディング検出)は、2 つの隣接ルータ間の転送パス(インターフェイス、データ リンク、転送プレーンなど)の障害を、低オーバーヘッドによる短時間の方法で検出します。BFD は、インターフェイスおよびルーティング プロトコル レベルでイネーブルにする検出プロトコルです。シスコは、2 つのルータが BFD コントロール パケットをやり取りして、BFD ネイバー セッションをアクティブ化して、維持する BFD 非同期モードをサポートしています。BFD セッションを作成するには、両方のシステム(または BFD ピア)で BFD を設定する必要があります。インターフェイスと該当するルーティング プロトコルのルータ レベルの BFD をイネーブルにすると、BFD セッションが作成され、BFD タイマーがネゴシエートされ、ネゴシエートされた間隔で BFD ピアが BFD コントロール パケットを互いに送信し始めます。
次に、各ルーティング プロトコルの BFD の設定方法について説明します。
BFD の詳細については、『 Cisco IOS IP Routing Protocols Configuration Guide , Release 12.4T 』を参照してください。BFD の設定例については、 付録 A「設定例」 を参照してください。
単一のインターフェイスで OSPF の BFD を設定するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 interface コマンドを使用して設定するインターフェイスを指定します。
ステップ 5 ip ospf bfd コマンドを使用して OSPF の BFD をイネーブルにします。
ステップ 6 bfd interval コマンドを使用して BFD セッション パラメータを指定します。
ステップ 7 end コマンドを入力して、コンフィギュレーション モードを終了します。
(注) show bfd neighbors および show ip ospf コマンドを使用して、BFD と OSPF についてのトラブルシューティング情報を表示することもできます。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 router ospf process-id コマンドを使用して OSPF プロセスの設定を作成します。
ステップ 5 bfd all-interfaces コマンドを使用して、OSPF ルーティング プロセスに関連するすべてのインターフェイス上で BFD をグローバルにイネーブルにします。
ステップ 6 end コマンドを入力して、コンフィギュレーション モードを終了します。
(注) 関連するインターフェイスを設定する場合に、ip ospf bfd disable コマンドを使用して単一のインターフェイス上で BFD をディセーブルにできます。
BGP の BFD を設定するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 router bgp コマンドを使用して、BGP プロセスを指定し、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 neighbor コマンドを使用して、BFD フェールオーバーのサポートをイネーブルにします。
ステップ 6 end コマンドを入力して、コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 7 次のコマンドを使用して、BFD 設定を確認できます。
• show bfd neighbors [details] :BFD ネイバーがアクティブであることを確認し、BFD が登録したルーティング プロトコルを表示します。
• show ip bgp neighbor :ネイバーへの BGP および TCP の接続についての情報を表示します。
単一のインターフェイスで IS-IS の BFD を設定するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 interface コマンドを使用して、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 ip router isis コマンドを使用して、インターフェイス上での IPv4 ルーティングのサポートをイネーブルにします。
ステップ 6 isis bfd コマンドを使用して、インターフェイス上で BFD をイネーブルにします。
(注) show bfd neighbors および show clns interface コマンドを使用して、設定を確認できます。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 router isis コマンドを使用して、IS-IS プロセスを指定し、ルータ コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 bfd all-interfaces コマンドを使用して、IS-IS ルーティング プロセスに関連するすべてのインターフェイス上で BFD をグローバルにイネーブルにします。
ステップ 6 exit コマンドを入力して、インターフェイスを終了します。
ステップ 7 IS-IS ルーティング プロセスに関連する 1 つまたは複数のインターフェイスでインターフェイスごとに BFD をイネーブルにするには、次のステップを完了します。
a. interface コマンドを使用して、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
b. ip router isis コマンドを使用して、インターフェイス上での IPv4 ルーティングのサポートをイネーブルにします。
c. isis bfd コマンドを使用して、インターフェイス上で BFD をイネーブルにします。
ステップ 8 end コマンドを入力して、コンフィギュレーション モードを終了します。
(注) show bfd neighbors および show clns interface コマンドを使用して、設定を確認できます。
レイヤ 3 Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)では、ルーテッド環境で VPN を確立し、VPN の柔軟性と保守の簡便性を向上できます。レイヤ 3 VPN の設定方法の詳細については、『 Cisco IOS Multiprotocol Label Switching Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
次に、Cisco MWR 2941-DC ルータでサポートされる Quality of Service(QoS)機能を設定する方法について説明します。
• QoS の制限
• QoS 設定の例
• 分類の設定
• マーキングの設定
• 輻輳管理の設定
Cisco MWR 2941-DC は、物理インターフェイスとトラフィック タイプに基づいて異なる QoS をサポートします。次に、Cisco MWR 2941-DC での各 QoS 機能の制限について説明します。
• 統計情報の制限
• 伝達の制限
• 分類制限
• マーキング制限
• 輻輳管理の制限
• シェーピング制限
次は、Cisco MWR 2941-DC に適用される一般的な QoS の制限です。
• class-default クラス マップを含め、最大 32 のクラス マップを作成できます。
• 次の制限は、MLPPP インターフェイスに適用されます。
– 入力 MLPPP インターフェイスは QoS サービス ポリシーをサポートしません。
– MLPPP インターフェイスには出力 QoS サービス ポリシーを 1 つだけ適用できます。
– MLPPP インターフェイスに適用されるサービス ポリシーのクラス マップ内で最大 8 つの match ステートメントを作成できます。
– MLPPP インターフェイスのサービス ポリシーの任意の一面を適用または変更する場合は、シャットダウンして、インターフェイスを再度イネーブルにする必要があります。
– MLPPP インターフェイスに適用されるポリシー マップ内で最大 8 つのクラスを作成できます。これには、デフォルト クラスも含まれます。
– MLPPP インターフェイスに適用されるポリシー マップ内のプライオリティ クラスは 1 つだけです。
• 次の制限は、ギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。
– ギガビット イーサネット インターフェイスには最大 3 つの異なるサービス ポリシーを適用できます。
– 出力ギガビット イーサネット インターフェイスに適用される HQoS 親サービス ポリシーには、class-default クラスだけを使用できます。サービス ポリシーを適用するルータのシェーピングを設定する必要があります。
• ギガビット イーサネット インターフェイス上の入力サービス ポリシーは、クラス マップに基づいて、パケットの観点から統計情報をサポートします。フィルタに基づいた統計情報やバイトやレートの観点からの統計情報はサポートされていません。
Cisco MWR 2941-DC には、インターフェイス間で QoS 値を伝達する場合に次の制限があります。
• トラフィックがギガビット イーサネット インターフェイス経由で入力され、ギガビット イーサネット インターフェイス経由で出力される場合に、次の制限が適用されます。
– トラフィックがレイヤ 3 でルーティングされると、スイッチは CoS ビットを QoS グループ値にマッピングします。QoS グループは L3 ネットワーク プロセッサ経由で伝達されません。
– トラフィックがレイヤ 2 で切り替えられると、QoS グループがスイッチによって伝達されます。
• トラフィックがその他のインターフェイス タイプ(ホスト生成、MLPPP、または HWIC)経由で入力され、ギガビット イーサネット インターフェイス経由で出力される場合に、次の制限が適用されます。
– Precedence bit 値は CoS ビットに伝達されます。CoS ビット値は 1:1 で QoS グループ値にマッピングされます。
Cisco MWR 2941-DC での伝達制限の原因となる QoS 設定の例については、「QoS 設定の例」を参照してください。
(注) 各インターフェイス カードの QoS 制限の詳細については、Cisco インターフェイス カードのマニュアルを参照してください。
表 4-2 にインターフェイス タイプに基づいてトラフィックを分類するために使用できる値をまとめています。この値は、 match コマンドで使用できるパラメータです。
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Cisco MWR 2941-DC で分類を設定する場合に、次の制限も適用されます。
• 次の制限は入力ギガビット イーサネット インターフェイス QoS ポリシーに適用されます。
– 最大 4 つの VLAN と共に match vlan コマンドを使用できます。
– 最大 4 つの Differentiated Service Code Point(DSCP)値と共に match dscp コマンドを使用できます。
– 単一のクラス マップで同じ match ステートメントを何度も使用できません。たとえば、2 つの match vlan コマンドを 1 つのクラス マップに追加できません。
– 1 つのクラス マップで match cos および match dscp コマンドを同時に使用できません。
• 次の制限は出力ギガビット イーサネット インターフェイス QoS ポリシーに適用されます。
– クラス マップは qos-group に基づいた一致だけをサポートします。この制限は、class-default クラス マップには適用されません。
– 同じ qos-group 値に基づいて一致するポリシー マップは 2 つ作成できません。
表 4-3 にインターフェイス タイプに基づいてトラフィックをマークするために使用できる値をまとめています。この値は、 set コマンドで使用できるパラメータです。
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次に、Cisco MWR 2941-DC の輻輳管理の制限について説明します。
• キューイング制限
Cisco MWR 2941-DC は、輻輳管理にClass-based fair weighted queuing(CBFQ)を使用します。 表 4-4 にインターフェイス タイプに基づいて CBFQ を使用した場合に適用できるキューイング コマンドをまとめています。
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Cisco MWR 2941-DC 上で輻輳管理のレート リミットを使用できます。 表 4-5 にインターフェイス タイプに基づいて police コマンドで使用できるレート リミット パラメータをまとめています。表では、次の用語を使用しています。
• レート:Committed Information Rate(CIR; 認定情報レート)または Peak Information Rate(PIR; 最大情報レート)のようなネットワーク トラフィックの速度。
• 処理:conform-action、exceed-action、または violate-action など、トラフィックがレートを超えた場合に定義された処理
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表 4-6 にインターフェイス タイプに基づいてトラフィックをマークするために使用できる値をまとめています。この値は、 shape コマンドで使用できるパラメータです。
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次の制限は Cisco MWR 2941-DC 上の QoS シェーピングにも適用されます。
• 次の制限は、入力ギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。
– 階層型ポリシー マップを使用し、親ポリシー マップにシェーピングを適用していないかぎり、class-default クラスにシェーピングは適用できません。
– 階層型ポリシー マップを使用している場合、親ポリシー マップだけに class-default クラスを適用できます。
次の設定は、ハードウェア制限のある QoS を適用する方法を示しています。Cisco MWR 2941-DC は、次のようにインターフェイス間のトラフィックを処理します。
• ギガビット イーサネット 0/2 インターフェイスとギガビット イーサネット 0/0 インターフェイス間を通過するレイヤ 2 トラフィックの場合、出力キューは in-qos ポリシー マップで割り当てられた QoS グループによって決まります。
• ギガビット イーサネット 0/2 インターフェイスとギガビット イーサネット 0/0 インターフェイス間を通過するレイヤ 3 トラフィックの場合、出力キューは in-qos ポリシー マップで割り当てられた QoS 値に基づいて決まります(CoS 値は 1:1 で QoS グループ値にマッピングされます)。
• 他のインターフェイス間を通過するトラフィックの場合、出力キューは IP DSCP ビットの CS フィールド(上位 3 ビット)に基づいて決まります。これらのビットは、1:1 で QoS グループ値にマッピングされる CoS ビットにコピーされます。
その他の QoS の設定例を表示するには、 付録 A「設定例」 を参照してください。
ネットワーク トラフィックを分類することで、特定の基準に一致するトラフィックかどうかに基づいて、パケットをトラフィック クラスにまとめることができます。ネットワーク トラフィックの分類は、多くの QoS 機能をネットワークでイネーブルにするための基本となります。
クラス マップを使用して、ネットワーク トラフィックの各クラスに QoS 機能を適用するためにクラスを定義できます。クラス マップを作成するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 class-map コマンドを使用して、新しいクラス マップを定義し、クラス マップ コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 match コマンドを使用して、クラス マップの一致基準を指定します。CoS、DSCP、MPLS Exp、または QoS グループ値を含むさまざまな一致基準を定義できます。
ポリシー マップを使用すると、トラフィックの分類に基づいて QoS 機能をネットワーク トラフィックに適用できます。既存のクラス マップを使用するポリシー マップを作成し、設定するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 policy-map コマンドを使用して、新しいポリシー マップを定義し、ポリシー マップ コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 class コマンドを使用して、ポリシーが適用されるトラフィック クラスを指定します。このコマンドによって、policy-map クラス コンフィギュレーション モードを開始します。このモードでは、トラフィック クラスの処理を定義できます。
bandwidth コマンドを使用して、ポリシー マップに接続するトラフィック クラスに割り当てられる帯域幅を指定します。kbps 単位での帯域幅の容量、帯域幅の割合、または帯域幅の絶対容量を定義できます。このステップはオプションです。
(注) ギガビット イーサネット インターフェイスは、割合または残りの割合として定義された帯域幅だけをサポートします。
(注) show policy-map コマンドを使用すると、設定を確認できます。
ポリシー マップを作成した後、インターフェイスに接続する必要があります。ポリシー マップは、インターフェイスの入力または出力の方向に接続できます。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 ポリシー マップを適用するインターフェイスを指定します。
ステップ 5 service-policy コマンドを使用して、ポリシー マップをインターフェイスに接続します。 input および output パラメータは、ルータがポリシー マップを適用する方向を指定します。
(注) show policy map インターフェイス コマンドを使用すると、設定を確認できます。
分類の設定の詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
ネットワーク トラフィックのマーキングで、定義されたトラフィック クラスのパケットのアトリビュートを設定または変更できます。トラフィック分類のマーキングを使用して、さまざまな QoS 機能をネットワークに設定できます。
Cisco MWR 2941-DC マーキングでは、次のパケット アトリビュートを修正できます。
• Differentiated Service Code Point(DSCP)値
IP Precedence、DSCP、または CoS 値のマーキングを設定する方法については、次を参照してください。
• ネットワーク トラフィックのマーキングのためのクラス マップの作成
• QoS 機能をネットワーク トラフィックに適用するためのポリシー マップの作成
MPLS Exp ビット マーキングの設定方法については、疑似回線を使用した MPLS Exp ビット マーキングの設定を参照してください。
クラス マップを使用して、ネットワーク トラフィックの各クラスに QoS 機能を適用するためにクラスを定義できます。ネットワーク トラフィックをマークするためにトラフィック クラスを定義するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 class-map コマンドを使用して、新しいクラス マップを定義し、クラス マップ コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 match コマンドを使用して、クラス マップの一致基準を指定します。CoS、DSCP、MPLS Exp、または QoS グループ値を含むさまざまな一致基準を定義できます。
ポリシー マップを使用すると、トラフィックの分類に基づいて適切な QoS 機能をネットワーク トラフィックに適用できます。次に、クラス マップまたはテーブル マップを使用するためにポリシー マップを作成し、設定する方法について説明します。
次の制限は、QoS 機能をネットワーク トラフィックに適用する場合に適用されます。
• set qos-group コマンドを含むポリシー マップは、出力トラフィック ポリシーとしてしか接続できません。
• set cos コマンドを含むポリシー マップは、入力トラフィック ポリシーとしてしか接続できません。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 policy-map コマンドを使用して、ポリシー マップを定義し、ポリシー マップ コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5 class コマンドを使用して、ポリシーを作成するトラフィック クラスを指定し、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードを開始します。 class-default パラメータを使用してデフォルト クラスを定義することもできます。
ステップ 6 表 7 に記載された set コマンドの 1 つを使用して、QoS の処理タイプを定義します。
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(注) show policy-map または show policy-map policy-map class class-name コマンドを使用して設定を確認できます。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 ポリシー マップを適用するインターフェイスを指定します。
ステップ 5 service-policy コマンドを使用して、ポリシー マップをインターフェイスに接続します。 input および output パラメータは、ルータがポリシー マップを適用する方向を指定します。
(注) show policy map インターフェイス コマンドを使用すると、設定を確認できます。
mpls experimental コマンドを使用して、ATM over MPLS 疑似回線インターフェイスで MPLS Exp ビット マーキングを設定することもできます。疑似回線インターフェイスを使用して MPLS Exp ビット マーキングを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 MPLS Exp 値を設定する疑似回線クラスを作成するには、次のステップに従います。
c. mpls experimental コマンドを使用して、MPLS Exp ビット値を指定します。
d. exit コマンドを使用して、pseudowire-class インターフェイスを終了します。
ステップ 2 疑似回線クラスを疑似回線に適用するには、次のステップを完了します。
d. xconnect コマンドと pw-class パラメータを使用して、疑似回線クラスで定義した設定を使用する疑似回線を作成します。
マーキングの設定の詳細については、『 Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、IOS Release 12.4T のマニュアルに掲載されているすべてのコマンドをサポートしているわけではありません。
Low Latency Queuing(LLQ; 低遅延キューイング)を使用すると、割合としてインターフェイスまたは PVC に割り当てる帯域幅の割合を定義できます。プライオリティまたは非プライオリティ トラフィック クラスの割合を定義できます。LLQ を設定するには、次のステップに従います。
イネーブル モードを開始すると、プロンプトが Router
に変わります。
ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 4 policy-map コマンドを使用して、ポリシー マップを定義します。
ステップ 5 class コマンドを使用して、ポリシー マップが適用されるトラフィックを定義するクラス マップを参照します。
ステップ 6 priority コマンドを使用して、ポリシー マップに割り当てるトラフィック クラスに割り当てられるプライオリティの割合を指定します。 burst パラメータを使用して、ネットワークを設定すると、トラフィックの一時バーストを受け入れられます。
ステップ 7 bandwidth コマンドを使用して、ポリシー マップ内のトラフィック クラスに使用できる帯域幅を指定します。帯域幅は kbps 単位または、帯域幅の割合で指定できます。
(注) show policy-map、show policy-map policy-map class class-name、または show policy-map interface コマンドを使用して設定を確認できます。
Cisco MWR 2941-DC は輻輳管理に Class-Based Weighted Fair Queuing(CBFQ)をサポートしています。CBWFQ を設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 クラス マップには、クラスに属しているかを判断するためにパケットをチェックするための一致基準が含まれます。1 つまたは複数のポリシー マップで参照される基準を定義するためにクラス マップを使用できます。クラス マップを設定するには、次のステップを完了します。
a. class-map コマンドを使用して、クラス マップを作成します。
b. match コマンドを使用して、クラス マップの一致基準を指定します。CoS、DSCP、MPLS Exp、または QoS グループ値を含むさまざまな一致基準を定義できます。
c. exit コマンドを使用して、クラス マップ設定を終了します。
ステップ 2 ポリシー マップを設定してインターフェイスに接続するには、次のステップを完了します。
(注) Cisco MWR 2941-DC は queue-limit コマンドや random-detect コマンドをサポートしていません。
a. policy-map コマンドを使用して、ポリシー マップを定義します。
b. class コマンドを使用して、ポリシー マップが適用されるトラフィックを定義するクラス マップを参照します。
c. bandwidth コマンドを使用して、トラフィック クラスに割り当てられる帯域幅を指定します。
d. exit コマンドを使用して、ポリシー マップ クラス コンフィギュレーションを終了します。
e. exit コマンドを使用して、ポリシー マップ コンフィギュレーションを終了します。
f. ポリシー マップを適用するインターフェイスの設定を開始します。
g. service-policy コマンドを使用して、サービス ポリシーをインターフェイスに適用します。
Cisco MWR 2941-DC は、クラスベースのトラフィック シェーピングをサポートします。クラスベースのトラフィック シェーピングを設定するには、次のステップに従います。
クラスベースのトラフィック シェーピングは、階層型ポリシー マップ構造を使用して設定されます。プライマリ レベル(親)のポリシー マップでトラフィック シェーピングをイネーブルにし、セカンダリ レベル(子)のポリシー マップでキューイングやポリシングなどのその他の QoS 機能をイネーブルにします。
トラフィック シェーピングの親ポリシー マップを設定するには、次のステップに従います。
ステップ 1 policy-map コマンドを使用して、シェーピングを設定するポリシー マップを指定し、policy-map コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 class コマンドを使用して、ポリシー マップが適用されるトラフィック クラスを指定します。
ステップ 3 shape コマンドを使用して、トラフィック シェーピングに使用するアルゴリズムと比率を定義します。
ステップ 4 service-policy コマンドを使用して、ポリシー マップをクラス マップに接続します。
(注) show policy-map コマンドを使用すると、設定を確認できます。
シェーピングの設定の詳細については、『 Regulating Packet Flow on a Per-Class Basis---Using Class-Based Traffic Shaping 』を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、IOS Release 12.4T のマニュアルに掲載されているすべてのコマンドをサポートしているわけではありません。
トラフィック シェーピングの子ポリシー マップを作成するには、次のステップに従います。
ステップ 1 policy-map コマンドを使用して、シェーピングを設定するポリシー マップを指定し、policy-map コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 2 class コマンドを使用して、ポリシー マップが適用されるトラフィック クラスを指定します。
ステップ 3 bandwidth コマンドを使用して、ポリシー マップに割り当てられる帯域幅を指定します。kbps 単位での帯域幅、帯域幅の相対的な割合、帯域幅の絶対容量を指定できます。
シェーピングの設定の詳細については、『 Regulating Packet Flow on a Per-Class Basis---Using Class-Based Traffic Shaping 』を参照してください。
(注) Cisco MWR 2941-DC は、IOS Release 12.4T のマニュアルに掲載されているすべてのコマンドをサポートしているわけではありません。
Cisco MWR 2941-DC は、スイッチ ポートの信頼モードと非信頼モードをサポートしています。スイッチ ポートはデフォルトで非信頼モードで設定されます。信頼モードでイーサネット スイッチ ポートを設定する場合は、グローバル コマンド switch l2trust を使用してすべてのイーサネット ポートを信頼モードに設定します。
switch l2trust コマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください。
衛星通信を使用する場合の RAN-O ネットワークの設定をサポートするには、設定可能なジッタ バッファと反復サブレートの調整可能な再送信タイマーを実装し、ネットワークの遅延と衛星信号の減衰を克服する必要があります。
下記の指示に従い、Cisco MWR 2941-DC ルータの Cisco T1/E1 HWIC カードに、衛星通信のサポートを含む GSM-Abis の設定を行います。また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
衛星通信のサポートを含む GSM-Abis のアトリビュートを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 前の手順の説明に従い、ステップ 1 ~ 10 を行います(「Global System for Mobile Communications(GSM)-Abis リンクの設定」 を参照)。
ステップ 2 ジッタ バッファを設定するには、ジッタ バッファの値を含めて、次のコマンドを入力します。
• ms:ジッタ バッファの値の範囲(ミリ秒)。デフォルトは 4 ms です。
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis jitter バッファを 10 ms に設定します。
gsm-abis jitter 10
ステップ 3 調整可能な再送信タイマーを設定するには、再送信するまでの値(ミリ秒)を含めて、次のコマンドを入力します。
• value :遅延サンプルであり、20 ms 間隔で 100 ~ 5100 ms の範囲にある再送信の値です。たとえば、値が 5 の場合、時間の量(ms)は 20 ms の 5 倍として計算され、再送信時間としての合計は 100 ms になります。
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis retransmit タイマーを 5 の値、つまり 100 ms に設定します。
gsm-abis retransmit 5
ローカル Cisco MWR 2941-DC ルータは、送信ジッタ バッファ レベルを測定することにより、バックホールでの輻輳を検出します。送信ジッタ バッファが縮小した場合、バックホール パケットが送信ジッタ バッファを満たすほど速く到達しないことを意味し、輻輳を示します。リモート ルータがこれらのタイムスロットの抑制を停止する輻輳緩和検出レベルを設定する必要があります。
下記の指示に従って、ルータ プロンプトで次の Cisco IOS コマンドを入力することにより、Cisco MWR 2941-DC ルータにグレースフル デグラデーションを設定します。
また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
グレースフル デグラデーションを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
ステップ 1 前の手順の説明に従い、ステップ 1 ~ 10 を行います(「Global System for Mobile Communications(GSM)-Abis リンクの設定」 を参照)。
ステップ 2 輻輳が検出されたときに輻輳表示信号を送信するように送信ジッタ バッファを監視する輻輳検出アルゴリズムを設定するには、次のコマンドを入力します。
ステップ 3 輻輳緩和検出レベルを設定するには、次のコマンドを入力します。
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis congestion abate 検出レベルを 250 ms の値に設定します。
gsm-abis congestion abate 250
(注) 緩和検出レベルは、連続して輻輳緩和されている状態(つまり、輻輳の検出なし)を x ミリ秒で定義します。
ステップ 4 リモート ルータが輻輳を軽減する試みにおいてクリティカルと定義されないすべてのタイムスロットを抑制し始める輻輳開始検出レベルを設定するには、次のコマンドを入力します。
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis congestion onset 検出レベルを 100 ms の値に設定します。
gsm-abis congestion onset 100
(注) 開始検出レベルは、連続して輻輳が検出された状態を x ミリ秒で定義します。
ステップ 5 輻輳開始中に抑制から除外されるクリティカルなタイムスロットを定義するには、次のコマンドを入力します。
• timeslot-range:輻輳の発生時に抑制から除外されるタイム スロットの値または値の範囲を指定します。範囲を示すには、ハイフンを使用します。
たとえば、次のコマンドは、gsm-abis congestion critical タイムスロット範囲を 1 ~ 10 に設定します。
gsm-abis congestion critical 1-10
(注) これらは、BSC と BTS の間で交換されるシグナリングおよび制御情報を含むタイムスロットです。
BTS とセントラル オフィス間の T1 および E1 リンクのノイズによって、モバイル ユーザの音声品質が許容できない程度にまで低下する場合があります。マルチリンク バンドルの各リンクの品質を監視するために、Cisco MWR 2941-DC ルータ上に Link Noise Monitor(LNM; リンク ノイズ モニタ)を設定できます。
LNM は、ユーザが定義したしきい値と時間に基づいて、バンドルからノイズの多いリンクを検出し、警告し、削除します。さらに、LNM はリンクの品質が向上するとオペレータに通知し、リンクが削除されるとリンク サービスを復元します。
リンクでノイズを検出するために、LNM は Bit Error Rate(BER; ビット誤り率)を構成する次の 2 種類のエラーを監視し、エラーの数をユーザが定義したしきい値と比較します。
• Line Code Violation(LCV; ライン コード違反):Bi-Polar Violation(BPV; 極性違反)または Excessive Zeroes(EXZ; 過剰ゼロ)エラーが発生しています。
• Path Code Violation(PCV; パス コード違反):一般的に 1 つまたは複数の LCV または論理エラーが原因である Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長検査)エラーがタイム スロットで発生しています。
• リンク警告:リンクのノイズ レベルがユーザが定義したしきい値を超えた場合に警告を発し、ノイズ レベルがユーザが定義した 2 番目のしきい値を下回るまで改善するとオペレータに通知します。
• リンク削除:リンクのノイズ レベルがユーザが定義したしきい値を超えた場合にエラーを発してサービスからリンクを削除し、リンクを復元して、ノイズ レベルがユーザが定義した 2 番目のしきい値を下回るまで改善すると通知します。
(注) マルチリンク バンドルの最後のアクティブ リンクのノイズ レベルがリンク削除のしきい値を超えた場合、警告を発しますが、リンクはサービスから削除されません。この場合、最後のアクティブ リンクをサービスから削除するべきかどうかを判断するために、標準の T1 エラー比率が使用されます。
LNM 機能を設定するには、監視するバンドルの T1 または E1 リンクそれぞれのコントローラ コンフィギュレーション モードから span コマンドを発行します。リンクで LNM をディセーブルにするには、リンクのコントローラ コンフィギュレーション モードからコマンドの no バージョンを発行します。
span { warn | remove } [ { [ lcv value [ pcv value ]] [ duration seconds ] } set | clear ]
• warn :リンク上でリンク警告モニタリングをイネーブルにします。
• remove :リンク上でリンク削除モニタリングをイネーブルにします。
• lcv value :しきい値(1 秒あたりのビット エラー単位)。 set キーワードが指定されている場合に設定された時間この値を超えると条件(警告またはリンクの削除)が作成され、 clear キーワードが指定されている場合に設定された時間この値を下回ると条件がクリアされます。
– リンク警告モニタリングの場合、デフォルトは 15 です。
– リンク削除モニタリングの場合、デフォルトは 154 です。
– リンク警告モニタリングの場合、デフォルトは 20 です。
– リンク削除モニタリングの場合、デフォルトは 205 です。
• pcv value :1 秒あたりのエラー内のタイムスロット数。ユーザによって指定されていない場合、この値は一般的なノイズによるエラーと一致するガウス分布に基づいて LCV しきい値から計算されます。
– リンク警告モニタリングの場合、デフォルトは 15 です。
– リンク削除モニタリングの場合、デフォルトは 145 です。
– リンク警告モニタリングの場合、デフォルトは 20 です。
– リンク削除モニタリングの場合、デフォルトは 205 です。
• duration seconds :条件を作成する場合にしきい値を超える、または条件をクリアする場合にしきい値を下回る秒数。有効値の範囲は 1 ~ 600 です。デフォルトは 10 です。
lcv キーワードで指定した場合、LCV しきい値の後に時間を設定する必要があります。たとえば、 span warn lcv 55 duration 20 で正しくコマンドを発行できます。 span warn duration 20 lcv 55 では正しくありません。
• warn キーワードと remove キーワードがその他のオプションなしに指定されている場合、LCV と PCV のしきい値と時間のデフォルトが条件の設定( set )とクリア( clear )に使用されます。
• span コマンドが(条件を指定するためのパラメータと LNM タイプを定義する) set キーワードを指定して発行されており、コマンドが(条件をクリアするためのパラメータを定義する) clear キーワードを指定して再発行されていない場合、またはその逆の場合、しきい値と時間に指定された値が両方に使用されます。
• span コマンドが set キーワードまたは clear キーワードを指定せずに発行された場合、 set がデフォルトとなります。
• set キーワードと clear キーワードは、しきい値および/または時間が指定されている場合にしか指定できません。
• ( pcv キーワードと値を使用して)PCV しきい値が設定されていない場合、しきい値はほとんどのノイズ環境を代表するガウス確率分布を使用して計算されます。
• 障害通知に次の SYSLOG メッセージが追加されています。
• - %LNM-2- REMIMPROVE:Interface <Serial IF>, noise improved below threshold <int>, duration <int>
Cisco MWR 2941-DC ルータの設定を終了した後、ルータの設定が失われないようにするために、変更した設定を Nonvolatile Random-Access Memory(NVRAM; 不揮発性 RAM)に格納して保存し、入力した設定によりルータが起動するようにする必要があります。
ステップ 1 グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。
ヒント exit を入力する(以前使用された任意のモードに戻る)代わりに、任意のモードで Ctrl+Z キー押して、すぐにイネーブル モード(Router#
)に戻ることができます。
ステップ 2 リセット、電源の再投入、または停電時に設定が失われないようにするため、変更した設定を NVRAM に保存します。
Router# copy running-config startup-config
次に、Cisco MWR 2941-DC のモニタリングおよび管理の方法について説明します。
• Cisco Mobile Wireless Transport Manager(MWTM)の使用
• Cisco MWR 2941-DC ルータのモニタリングのための show コマンド
• Cisco Networking Services(CNS)の設定
Cisco Mobile Wireless Transport Manager(MWTM)などのシスコのネットワーク管理アプリケーションを使用し、Cisco MWR 2941-DC ルータのモニタリングおよび管理を行うことができます。このネットワーク管理ツールにより、RAN-O ソリューションにモニタリングおよび管理機能が提供されます。Cisco MWTM はモバイル事業者の要素管理の要件に対処し、障害、設定、およびトラブルシューティングの機能を提供します。Cisco MWTM は次の主要な機能を提供します。
Cisco MWTM は、Cisco Info Center などの Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)ベースのモニタリング システムと統合されます。さらに、Cisco MWTM は、データベースからエクスポートまたは直接アクセスできる大量のパフォーマンス データを収集します。その後、このデータはパフォーマンス レポーティング アプリケーションにより使用できるようになります。MWTM の詳細については、 http://www.cisco.com/en/US/products/ps6472/tsd_products_support_series_home.html を参照してください。
下記の指示に従い、SNMP サポートの設定を行います。設定には、コミュニティ アクセスのセットアップ、各トラップ ホストに対するメッセージ キューの確立、ルータでの SNMP トラップ送信のイネーブル化、アラームに対する SNMP トラップのイネーブル化、および特定の環境に対する SNMP トラップのイネーブル化が含まれます。また、システム設定の要件およびインターフェイスでルーティングする予定のプロトコルに応じて、他のコンフィギュレーション コマンドを入力しなければならない場合もあります。
(注) 現在 Cisco MWR 2941-DC でサポートされている Management Information Base(MIB; 管理情報ベース)については、『Release Notes for Cisco MWR 2941-DC Mobile Wireless Edge Router for Cisco IOS Release 12.4(20)MR』を参照してください。
(注) 次の手順では、特に注意事項がないかぎり、各ステップ後に Return キーを押します。Router# プロンプトで disable を入力することにより、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
Cisco MWR 2941-DC で SNMP を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のステップに従います。
• string :パスワードのような機能を果たし、SNMP プロトコルに対するアクセスを許可するコミュニティ ストリング
• view view-name :(任意)以前に定義されたビューの名前。ビューは、コミュニティで使用できるオブジェクトを定義します。
• ro:(任意)読み取り専用アクセスを指定します。許可された管理ステーションは、Management Information Base(MIB; 管理情報ベース)オブジェクトを取得することしかできません。
• rw:(任意)読み取りと書き込みアクセスを指定します。許可された管理ステーションは、MIB オブジェクトを取得し、修正することができます。
• number :(任意)コミュニティ ストリングを使用して SNMP エージェントに対するアクセスを得ることが許可されている IP アドレスのアクセス リストを指定する、1 ~ 99 の整数
たとえば、次のコマンドは、コミュニティ アクセス ストリングを読み取り専用アクセスを持つ xxxxx としてセットアップします。
snmp-server community xxxxx RO
ステップ 2 各トラップ ホストに対してメッセージ キューの長さを確立するには、snmp-server queue-length コマンドを使用します。
snmp-server queue-length length
• length:キューを空にするまでに保持できるトラップ イベントの数を指定する整数。
たとえば、次のコマンドは、トラップ イベントの数を 100 に確立します。
snmp-server queue-length 100
ステップ 3 ルータが SNMP トラップまたは情報(SNMP 通知)を送信できるようにするには、snmp-server enable traps コマンドを使用します。SNMP 通知をディセーブルにするには、このコマンドの no 形式を使用します。
snmp-server enable traps [notification-type] [notification-option]
• notification-type:snmp [authentication]:RFC 1157 SNMP 通知をイネーブルにします。authentication キーワードを使用しても、authentication キーワードを使用しない場合と同じ結果になることに注意してください。このコマンドのどちらの形式(snmp-server enable traps snmp および snmp-server enable traps snmp authentication)を使用しても、次の SNMP トラップがグローバルにイネーブルに(または、no 形式の使用によりディセーブルに)なります。
• notification-option:(任意)atm pvc [interval seconds] [fail-interval seconds]:オプションの interval seconds キーワードおよび引数の組み合わせにより、連続するトラップ間の最小期間を 1 ~ 3600 の範囲で指定します。PVC トラップの生成は、トラップ ストームを防止するために、通知間隔により抑制されます。その間隔が経過するまでトラップは送信されません。デフォルトの interval は 30 です。
オプションの fail-interval seconds キーワードおよび引数の組み合わせにより、障害タイム スタンプを保存するための最小期間を 0 ~ 3600 の範囲で指定します。デフォルトの fail-interval は 0 です。
envmon [voltage | shutdown | supply | fan | temperature]:envmon キーワードを使用すると、特定の環境の通知タイプをイネーブルにするか、または環境モニタ システムからのすべての通知タイプを受け入れることができます。オプションを指定しない場合、すべての環境通知がイネーブルになります。オプションは、次のキーワードのうち、1 つまたは複数を選択できます。voltage、shutdown、supply、fan、および temperature です。
isdn [call-information | isdn u-interface]:isdn キーワードを使用すると、call-information キーワードを指定して ISDN MIB サブシステムに対する SNMP ISDN コール情報通知をイネーブルにするか、または isdnu-interface キーワードを指定して ISDN U インターフェイス MIB サブシステムに対する SNMP ISDN U インターフェイス通知をイネーブルにすることができます。
repeater [health | reset]:repeater キーワードを使用すると、リピータ オプションを指定できます。オプションを指定しない場合、すべてのリピータ通知がイネーブルになります。オプションは、次のキーワードのうち、1 つまたは複数を選択できます。
– health:IETF リピータ ハブ MIB(RFC 1516)ヘルス通知をイネーブルにします。
– reset:IETF リピータ ハブ MIB(RFC 1516)リセット通知をイネーブルにします。
たとえば、次のコマンドは、SNMP リンクダウン、リンクアップ、コールドスタート、およびウォームスタートのトラップをイネーブルにします。
snmp-server enable traps snmp linkdown linkup coldstart warmstart
ステップ 4 すべての IP-RAN 通知に対して SNMP トラップをイネーブルにするには、次のように入力します。
snmp-server enable traps ipran
(注) すべての IP-RAN 通知に対して SNMP をイネーブルにするだけでなく、IP-RAN GSM アラーム、UMTS アラーム、およびバックホールの利用に関する一般的な情報に対しても、トラップをイネーブルにすることができます(これらの SNMP コマンドの使用方法の詳細については、付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 を参照してください)。
ステップ 5 特定の環境に対して SNMP トラップをイネーブルにするには、次のように入力します。
snmp-server enable traps envmon
ステップ 6 SNMP 通知操作の受信者を指定するには、snmp-server host コマンドを使用します。指定されたホストを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
snmp-server host host-addr [traps | informs] [version {1 | 2c | 3 [auth | noauth | priv]}]
community-string [udp-port port] [notification-type]
• host-addr:ホスト(対象受信者)の名前またはインターネット アドレス
• traps:(任意)このホストに SNMP トラップを送信します。これはデフォルトです。
• informs:(任意)このホストに SNMP 通知を送信します。
• version:(任意)トラップを送信するために使用する SNMP のバージョン。バージョン 3 は、priv キーワードによるパケット暗号化が可能であるため、最もセキュリティ保護レベルが高いモデルです。version キーワードを使用する場合、次のいずれかを指定する必要があります。
– 1:SNMPv1。このオプションは、通知と一緒に使用できません。
– 3:SNMPv3。次の 3 つのオプションのキーワードを version 3 キーワードの後ろに付けることができます。
-auth(任意)。Message Digest 5(MD5)および Secure Hash Algorithm(SHA)パケット認証をイネーブルにします。
-noauth(デフォルト)。noAuthNoPriv セキュリティ レベル。[auth | noauth | priv] キーワードの選択が指定されていない場合、これがデフォルトです。
-priv(任意)。Data Encryption Standard(DES; データ暗号規格)パケット暗号化("privacy" とも呼ばれる)をイネーブルにします。
• community-string:通知操作により送信されるパスワードのようなコミュニティ ストリング。このストリングは snmp-server host コマンドを単独で使用することにより設定できますが、snmp-server host コマンドを使用する前に、snmp-server community コマンドを使用してこのストリングを定義することを推奨します。
• udp-port port:使用するホストの UDP ポート。デフォルトは 162 です。
• notification-type:(任意)ホストに送信する通知のタイプ。タイプを指定しない場合、すべての通知が送信されます。通知タイプは、次のキーワードのうち、1 つまたは複数を選択できます。
– aaa_server:SNMP AAA サーバ トラップをイネーブルにします。
– atm:SNMP atm サーバ トラップをイネーブルにします。
– ccme:SNMP ccme トラップをイネーブルにします。
– cnpd:NBAR プロトコル ディスカバリ トラップをイネーブルにします。
– config:SNMP config トラップをイネーブルにします。
– config-copy:SNMP config-copy トラップをイネーブルにします。
– dial:SNMP ダイヤル制御トラップをイネーブルにします。
– dnis:SNMP DNIS トラップをイネーブルにします。
– ds0-busyout:ds0-busyout トラップをイネーブルにします。
– ds1:SNMP DS1 トラップをイネーブルにします。
– ds1-loopback:ds1-loopback トラップをイネーブルにします。
– ds3:SNMP DS3 トラップをイネーブルにします。
– dsp:SNMP dsp トラップをイネーブルにします。
– eigrp:SNMP EIGRP トラップをイネーブルにします。
– entity:SNMP エンティティ トラップをイネーブルにします。
– envmon:SNMP 環境モニタ トラップをイネーブルにします。
– flash:SNMP FLASH 通知をイネーブルにします。
– frame-relay:SNMP フレーム リレー トラップをイネーブルにします。
– hsrp:SNMP HSRP トラップをイネーブルにします。
– icsudsu:SNMP ICSUDSU トラップをイネーブルにします。
– ipmulticast:SNMP ipmulticast トラップをイネーブルにします。
– ipran:IP-RAN バックホール トラップをイネーブルにします。
– ipsla:SNMP IP SLA トラップをイネーブルにします。
– isdn:SNMP isdn トラップをイネーブルにします。
– 12tun:SNMP L2 トンネル プロトコル トラップをイネーブルにします。
– mpls:SNMP MPLS トラップをイネーブルにします。
– msdp:SNMP MSDP トラップをイネーブルにします。
– mvpn:マルチキャスト バーチャル プライベート ネットワーク トラップをイネーブルにします。
– pim:SNMP PIM トラップをイネーブルにします。
– pppoe:SNMP pppoe トラップをイネーブルにします。
– rsvp:RSVP フロー変更トラップをイネーブルにします。
– srst:SNMP srst トラップをイネーブルにします。
– syslog:SNMP Syslog トラップをイネーブルにします。
– tty:Transmission Control Protocol(TCP)接続トラップをイネーブルにします。
– voice:SNMP 音声トラップをイネーブルにします。
– vrrp:SNMP vrrp トラップをイネーブルにします。
– vtp:SNMP VTP トラップをイネーブルにします。
– xgcp:XGCP プロトコル トラップをイネーブルにします。
たとえば、次のコマンドは、10.20.30.40 のホスト アドレスを持つ SNMP 操作の受信者が SNMPv2C バージョンの SNMP を受信することを指定します。
snmp-server host 10.20.30.40 version 2c
ステップ 7 グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。
Cisco MWR 2941-DC のリモート ネットワーク管理をイネーブルにするには、次の手順に従います。
ステップ 1 特権 EXEC プロンプトで、次のコマンドを入力してコンフィギュレーション モードにアクセスします。
ステップ 2 コンフィギュレーション プロンプトで次のコマンドを入力し、各ネットワーク管理ワークステーションにホスト名を割り当てます。
ここで、hostname は運用および保守(O&M)ワークステーションに割り当てる名前で、ip_address はネットワーク管理ワークステーションのアドレスです。
ステップ 3 次のコマンドを入力し、O&M のループバック インターフェイスを作成します(詳細については、「ギガビット イーサネット インターフェイスの設定」 を参照してください)。
ステップ 4 インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 5 コンフィギュレーション プロンプトで次のコマンドを入力し、SNMP 通知操作の受信者を指定します。
ここで、hostname は、ステップ 2で ip host コマンドにより Cisco Info Center ワークステーションに割り当てられる名前です。
(注) この手順のステップ 5 ~ 8 の設定の詳細については、「マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)の設定」 を参照してください。
ステップ 6 次のコマンドを入力し、パブリックおよびプライベートの SNMP コミュニティ名を指定します。
ステップ 7 次のコマンドを入力し、SNMP トラップの送信をイネーブルにします。
ステップ 8 次のコマンドを入力し、SNMP トラップが発信されるループバック インターフェイスを指定します。
ここで、number は、ステップ 3 で O&M に設定したループバック インターフェイスの番号です。
ステップ 9 コンフィギュレーション プロンプトで Ctrl+Z キーを押して、コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 10 次のように、新しい設定を不揮発性メモリに書き込みます。
Cisco MWR 2941-DC ルータのモニタリングおよび保守を行うには、次のコマンドを使用します。
Cisco Networking Services(CNS)は、Cisco IOS ネットワーキング デバイスのリモート設定および一部のコマンドライン インターフェイス(CLI)コマンドのリモート実行を提供するサービスの一群です。Cisco MWR 2941-DC を使用場所に配置して電源を入れると、CNS により設定が自動でダウンロードされます。
(注) Cisco MWR 2941-DC で CNS がサポートされるのは、マザーボードのイーサネット インターフェイスだけです。他のインターフェイス タイプは CNS をサポートしません。
CNS をイネーブルにするにするには、次のアイテムが必要です。
• DHCP サーバ(スタンドアロンまたはキャリア エッジ ルータでイネーブル)
• TFTP サーバ(スタンドアロンまたはキャリア エッジ ルータでイネーブル)
• Cisco Configuration Engine を実行しているサーバ(旧称:CNS-CE サーバ)
(注) これらのデバイスは内蔵のイーサネット インターフェイスに接続されている必要があります。Ethernet HWIC およびイーサネット以外のインターフェイスによる CNS 接続はサポートされていません。
次に、Cisco MWR 2941-DC 上での CNS の設定方法について説明します。
• プロセスの概要
• Cisco Configuration Engine の設定
• 設定の確認
次に、Cisco MWR 2941-DC のゼロタッチ展開およびイメージ ダウンロード中に実行されるステップの概要について説明します。
次のイベント シーケンスは、CNS 対応の Cisco MWR 2941-DC が起動し、設定を受信すると実行されます。
1. Cisco MWR 2941-DC が起動し、DHCP 検出メッセージを送信します。
2. DHCP サーバが DHCP のオファーに応答します。
3. Cisco MWR 2941-DC が DHCP 要求を送信します。
4. DHCP サーバが TFTP のオプション 150 に応答します。
5. Cisco MWR 2941-DC が TFTP 経由で network-confg ファイルを要求します。
6. TFTP サーバが Cisco MWR 2941-DC に network-config ファイルを送信します。
7. Cisco MWR 2941-DC が HTTP 要求を CNS-CE サーバに送信します。
次のイベントは、CNS 対応の Cisco MWR 2941-DC が新しいイメージをダウンロードすると実行されます。
1. CNS-CE サーバが Cisco MWR 2941-DC からコンポーネント(ディスク/フラッシュ情報)を要求します。
2. Cisco MWR 2941-DC がコンポーネントを送信します。
4. Cisco MWR 2941-DC が TFTP イメージ要求を送信します。
5. Cisco MWR 2941-DC が TFTP サーバからイメージをダウンロードします。
Cisco MWR 2941-DC はゼロタッチ展開に DHCP サーバを必要とします。DHCP サーバは一般的にキャリア エッジ ルータ上で実装されます。次の設定例を使用して、エッジ ルータ上で DHCP サーバをイネーブルにできます。
TFTP サーバは、Cisco MWR 2941-DC が起動に使用する設定を保存する必要があります。次の設定例は、設定サービスのポート 80 と CNS サーバ IP アドレスとして 30.30.1.20 を指定します。
この設定で使用するコマンドの詳細については、 付録 B「Cisco MWR 2941-DCルータ コマンド リファレンス」 および http://www.cisco.com/en/US/products/sw/netmgtsw/ps4617/tsd_products_support_series_home.html の『 Cisco Configuration Engine Installation & Configuration Guide 』 を参照してください。
Cisco MWR 2941-DC はゼロタッチ展開に TFTP サーバを必要とします。TFTP サーバは一般的にキャリア エッジ ルータ上で実装されます。次のグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、エッジ ルータ上で Cisco MWR 2941-DC ルータに設定を送信できる TFTP サーバをイネーブルにできます。
Cisco Configuration Engine(旧称:Cisco CNS Configuration Engine)では、Cisco MWR 2941-DC を含む Cisco デバイス上の設定と IOS ソフトウェア イメージをリモートで管理できます。
Cisco MWR 2941-DC がブートストラップ設定をダウンロードし、Cisco Configuration Engine サーバに接続すると、サーバを使用してすべての設定をルータにダウンロードできます。また、CNS-CE サーバを使用して次の作業を完了することもできます。
• 設定テンプレートの管理:CNS-CE サーバは設定テンプレートを保存して、管理できます。
• 新しいイメージのダウンロード:CNS-CE サーバを使用して新しい IOS イメージを Cisco MWR 2941-DC ルータにロードできます。
• 新しい設定のロード:CNS-CE サーバを使用して新しい設定ファイルを Cisco MWR 2941-DC ルータにロードできます。
• ID のイネーブル化:一意の CNS エージェント ID を使用して、CNS-CE サーバと通信する前にホスト デバイスの ID を確認できます。
• 認証のイネーブル化:通信ハンドシェイクの一部として 2941 ルータから一意のパスワードを必要とするよう CNS-CE サーバを設定できます。
• 暗号化のイネーブル化:CNS エージェント デバイス(Cisco MWR 2941-DC ルータ)と CNS-CE サーバ間の HTTP セッションの Secure Socket Layer(SSL)暗号化をイネーブルにできます。
CNS-CE サーバの使用方法については、 http://www.cisco.com/en/US/products/sw/netmgtsw/ps4617/tsd_products_support_series_home.html の『 Cisco Configuration Engine Installation & Configuration Guide 』を参照してください。