セルラー IPv6 アドレス
IPv6 アドレスは、x:x:x:x:x:x:x:x のようにコロン(:)で区切られた一連の 16 ビットの 16 進フィールドで表されます。次に、同じ IPv6 アドレスの例を 2 つ示します。
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2001:CDBA:0000:0000:0000:0000:3257:9652
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2001:CDBA::3257:9652(ゼロは省略可能)
IPv6 アドレスには通常、連続する 16 進数のゼロのフィールドが含まれています。IPv6 アドレスの先頭、中間、または末尾にある連続した 16 進数のゼロのフィールドを圧縮するために、2 つのコロン(::)が使用されることがあります(このコロンは連続した 16 進数のゼロのフィールドを表します)。次の表に、圧縮された IPv6 アドレスの形式を示します。
IPv6 アドレス プレフィックスは、ipv6-prefix/prefix-length の形式で、アドレス空間全体のビット連続ブロックを表すために使用できます。ipv6-prefix は、RFC 2373 に記載された形式で指定する必要があります。この形式では、アドレスは、16 進数値を 16 ビット単位でコロンで区切って指定します。プレフィックス長は、アドレスの高次の連続ビットのうち、何個がプレフィックス(アドレスのネットワーク部分)を構成しているかを指定する 10 進数値です。たとえば、2001:cdba::3257:9652 /64 は有効な IPv6 プレフィックスです。
IPv6 ユニキャスト ルーティング
IPv6 ユニキャスト アドレスは、単一ノード上の単一インターフェイスの識別子です。ユニキャスト アドレスに送信されたパケットは、そのアドレスが示すインターフェイスに配信されます。
IR1101 は、次のアドレス タイプをサポートしています。
リンクローカル アドレス
リンクローカル アドレスは、リンクローカル プレフィックス FE80::/10(1111 1110 10)と変更された EUI-64 形式のインターフェイス識別子を使用するすべてのインターフェイスを自動的に設定できる IPv6 ユニキャスト アドレスです。IPv6 アドレスが有効になっている場合、リンクローカル アドレスはセルラーイ ンターフェイスで自動的に設定されます。
データ コールが確立されると、セルラー インターフェイスのリンクローカル アドレスは、ホストによって生成されたリンクローカル アドレス(リンクローカル プレフィックス FF80::/10 (1111 1110 10) と USB ハードウェア アドレスから自動生成されたインターフェイス識別子で構成)で更新されます。次の図は、以下のリンク ローカル アドレスの構造を示しています。
グローバル アドレス
セルラー IPv6 アドレスの設定
セルラー IPv6 アドレスを設定するには、次の手順を実行します。
手順
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
configure terminal 例:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ipv6 unicast-routing 例:
|
ルータでグローバルに IPv6 ルーティングを有効にします。 |
ステップ 3 |
interface cellular <slot/port/interface> 例:
|
セルラー インターフェイスを指定します。IR1101 のプライマリ セルラー インターフェイスは 0/1/0 となっています。 |
ステップ 4 |
description <text> 例:
|
必要に応じて、セルラー インターフェイスの説明を提供します。 |
ステップ 5 |
ipv6 address <options> 例:
|
このインターフェイスの IP アドレスが動的に取得されるように設定します。 |
ステップ 6 |
load-interval <seconds> 例:
|
(任意)負荷統計情報の計算に使用されるデータを取る時間の長さを指定します。 |
ステップ 7 |
dialer in-band 例:
|
DDR を有効にし、インバンドダイヤリングを使用するよう、指定したシリアルインターフェイスを設定します。 |
ステップ 8 |
dialer idle-timeout <seconds> 例:
|
ダイヤラのアイドル タイムアウト期間を指定します。 |
ステップ 9 |
dialer watch-group <group number> 例:
|
指定したインターフェイスが属するダイヤラ アクセス グループの番号を指定します。 |
ステップ 10 |
ipv6 enable 例:
|
IPv6 を有効にします。 |
ステップ 11 |
pulse time <seconds> 例:
|
パルス時間の定義 |
ステップ 12 |
ip virtual-reassembly 例:
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Virtual Fragment Reassembly(VFR)を有効にします(デフォルトは「in」のみ)。 |
ステップ 13 |
no shutdown 例:
|
インターフェイスのシャットダウンを解除します。 |
ステップ 14 |
exit 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーションを終了します。 |
ステップ 15 |
access-list 1 permit any 例:
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関係するトラフィックを定義します。 |
ステップ 16 |
dialer watch-list 1 <ipaddress> < mask> 例:
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ウォッチリストの IP およびマスクを定義します。 |
ステップ 17 |
dialer watch-list 1 delay route-check initial 60 例:
|
ルート チェックの遅延を定義します。 |
ステップ 18 |
dialer watch-list 1 delay connect 1 例:
|
接続の遅延を定義します。 |
ステップ 19 |
dialer-list 1 protocol ip permit 例:
|
プロトコルによって、またはプロトコルと以前に定義したアクセス リストの組み合わせによって、ダイヤルするためのダイヤルオンデマンド ルーティング(DDR)ダイヤラ リストを定義します。 |
ステップ 20 |
dialer-list 1 protocol ipv6 permit 例:
|
ダイヤラー リストで IPv6 を許可します。 |
ステップ 21 |
ipv6 route <destination ipv6 prefix> / <destination mask> {forwarding router address | interface | other options} 例:
|
ルートを定義します。 |
ステップ 22 |
end 例:
|
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
例
次の例は、セルラー IPv6 の設定を示しています。
lte sim data-profile 1 attach-profile 1 slot 0
lte sim data-profile 1 attach-profile 1 slot 1
lte interface 0 64 1111:2222:3333:0001
lte gps mode standalone
lte modem dm-log size 2
lte modem dm-log filesize 1
lte modem dm-log rotation
lte modem link-recovery disable
!
!
interface Loopback0
ip address 1.1.1.1 255.255.255.255
!
!
interface Cellular0/1/0
description Cell-to-CMW
ip address negotiated
load-interval 30
dialer in-band
dialer idle-timeout 0
dialer watch-group 1
ipv6 enable
pulse-time 1
ip virtual-reassembly
!
interface Cellular0/1/1
no ip address
shutdown
!
…
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Cellular0/1/0
ipv6 route ::/0 Cellular0/1/0
…
!
access-list 1 permit any
dialer watch-list 1 ip 5.6.7.8 255.255.255.255
dialer watch-list 1 delay route-check initial 60
dialer watch-list 1 delay connect 1
dialer-list 1 protocol ip permit
dialer-list 1 protocol ipv6 permit
!