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ここでは、Cisco ONS 15454 Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)Optical Channel(OCH; 光チャネル)回線のタイプと、ONS 15454 でプロビジョニングできる仮想パッチコードについて説明します。回線タイプには、OCH Client Connection(OCHCC; 光チャネル クライアント接続)、OCH トレール、および OCH Network Connection(OCHNC; 光チャネル ネットワーク接続)があります。仮想パッチコードには、内部パッチコードとプロビジョニング可能な(外部)パッチコード(PPC)があります。
(注) 特に指定のないかぎり、[ONS 15454] は ANSI と ETSI の両方のシェルフ アセンブリを意味します。
ONS 15454 DWDM 光回線は、3 つの OCH 回線(OCHNC、OCHCC、および OCH トレール)を通してエンドツーエンド接続を提供します。
OCHNC は、波長選択スイッチ、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、およびアド/ドロップ カード上にあるポートを通して、指定された C 帯域または L 帯域の波長に基づいて 2 つの光ノード間の接続を確立します( 表11-1 参照)。
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OCHCC 回線は、OCHNC を拡張し、クライアント カードからクライアント カードまでのエンドツーエンド光接続を作成します。OCHCC は OCH トレールにより転送されます。OCH トレール回線は、送信元クライアント カードのトランク ポートから宛先クライアント カードのトランク ポートまでの光接続を作成します。各 OCH トレールは、1 つまたは複数の OCHNC に関連付けられます。図11-1 に、OCHCC、OCH トレール、および OHCNC の関係と光フローを示します。
各 OCHCC 回線は、トランスポンダ(TXP)、マックスポンダ(MXP)、GE_XP、10GE_XP、または ITU-T 回線カード上のペアのクライアント ポートまたはトランク ポートに関連付けられます。各 OCH トレールは、TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、または ITU-T 回線カード上のペアのトランク ポートに関連付けられます。OCH トレール ポートは、自動的に OCHCC に関連付けられます。OCHCC が 2 枚の TXP、MXP、GE_XP、または 10GE_XP カード間に作成された場合、次の 2 つのポートは、回線の両端にある OCHCC に属します。
• 1 つのクライアント ポート(OCHCC のエンドポイント)
• 1 つのトランク ポート(OCH トレールのエンドポイント)
OCHCC が 2 枚の TXPP または MXPP カード間に作成された場合、次の 3 つのポートは、両端にある OCHCC に属します。
• 1 つのクライアント ポート(OCHCC のエンドポイント)
• 2 つのトランク ポート(OCH トレールのエンドポイント)
OCHCC が 2 枚の ITU-T 回線カード間に作成された場合、1 つのトランク ポートのみが両端にある OCHCC に属します。 表11-2 に、OCHCC および OCH トレールのエンドポイントになるポートを示します。
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OCHCC、OCH トレール、および OCHNC は、3 つの異なる光レイヤで使用されます。各 OCH 回線には、独自の管理状態およびサービス状態があります。OCHCC では、クライアント カード ポートの管理状態に対して行うことができる変更に関する追加の制約事項があります。
OCHCC のサービス状態は、OCHCC のサービス状態と OCH トレールのサービス状態を合わせたものです。OCHCC 回線を作成する場合、OCHCC レイヤと OCH トレール レイヤの両方に、送信元および宛先ポートの状態を含む初期の状態を指定できます。OCHCC の回線および接続の ANSI/ETSI 管理状態は、次のとおりです。
• IS,AINS/Unlocked,AutomaticInService
OCHCC のサービス状態と送信元および宛先ポートの状態は、個別に変更できます。すべてのトラフィック状態におけるクライアント カード ポートの状態を手動で修正できます。OCHCC 回線を OOS,DSBLD/Locked,disabled 状態に設定しても、OCHCC クライアント カード ポートにはまったく影響がありません。
OCH トレールは、OCHCC を作成すると自動的に作成されます。OCH トレールは、OCH-10G カード と DWDM 経由レイヤ 2 モードでプロビジョニングされる GE_XP および 10GE_XP 間で個別に作成できます。OCH トレールの ANSI/ETSI 管理状態には、次の状態があります。
• IS,AINS/Unlocked,automaticInService
OCH トレールの回線状態は、Edit Circuit ウィンドウから修正できます。OCH トレールを OOS,DSBLD/Locked,disabled に配置すると、状態が次のように変更されます。
• OCH トレールのポートの状態が OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更されます。
• OCHNC の状態が OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更されます。
OCH トレールの状態を IS,AINS/Unlocked,automaticInService に変更すると、状態が次のように変更されます。
• OCH トレールのトランク ポートの状態が IS/Unlocked に変更されます。
• OCHNC の状態が IS,AINS/Unlocked,automaticInService に変更されます。
OCH トレールのサービス状態は、OCHCC トランク ポートの状態と OCHNC(該当する場合)の状態を合わせたものです。OCH トレールの状態が IS/Unlocked であるときにクライアント カードのトランク ポートを OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更すると、OCH トレールの状態は
OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更され、そのステータスは Partial に変更されます。
OCHNC 回線の状態は、OCHCC 回線の状態とはリンクしていません。OCHNC 回線レイヤの管理状態は、次のとおりです。
• IS,AINS/Unlocked,AutomaticInService
OCHNC を作成する場合、対象の OCHNC 回線の状態を IS/Unlocked または OOS,DSBLD/Locked,disabled に設定できます。OCHNC の送信元および宛先ポートが OOS,MT/Locked,maintenance の場合でも、OCHNC を作成できます。OCHNC 回線の状態は、ポート メンテナンス状態が削除されるまで OOS-AU,AINS/Unlocked-disabled,automaticInService です。メンテナンスまたはレーザー遮断中は、次の動作が発生します。
• OCHCC 回線でのユーザ メンテナンス アクティビティ(たとえば、Optical Transport Section[OTS; 光転送セクション]ポートを OOS,DSBLD/Locked,disabled に変更する)のために、OCHNC またはそのエンド ポートが AINS/AutomaticInService 状態に移行した場合、Cisco Transport Controller(CTC)は、TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、または ITU-T 回線カード トランク ポートでの Loss Of Service(LOS; サービスの損失)アラームを抑制し、トレール信号障害状態を発生させます。ただし、回線カード トランク ポートのアラームは変更されません。
• TXP クライアントまたはトランク ポートが OOS,DSBLD/Locked,disabled 状態(たとえば、レーザーがオフになっている)に設定され、OCH トランク および OCH フィルタ ポートが同じノードにある場合、OCH フィルタ LOS アラームは、トレール信号障害状態により降格されます。
OCHCC はクライアント カード エンド ポートに関連付けられています。したがって、次のポート パラメータは、OCHCC を伝送するときには変更できません。
• forward error correction(FEC; 前方誤り訂正)
サービス タイプ、サービス サイズ、および OCHNC 波長など、ある特定の OCHCC パラメータは、OCHCC を削除して再作成することによってのみ修正できます。OCHCC に MXP エンド ポートがある場合、OCHCC に割り当てられていないクライアント ポートのサービスとパラメータを修正できます。イーサネット フレーム サイズおよび距離延長など、一部のクライアント ポート パラメータは OCHCC の一部ではないため、ポートの状態により制限されていない場合に修正できます。管理状態およびサービス状態の詳細については、 付録B「管理状態およびサービス状態」 を参照してください。
OCHCC を作成するには、クライアント ポートの状態とこれらのパラメータを知っている必要があります。クライアント ポートの状態が IS/Unlocked の場合、OCHCC での OTN 回線パラメータ(ITU-T G.709)、FEC、Signal Fail Bit Error Rate(SF BER; 信号損失ビット エラー レート)、および Signal Degrade Bit Error Rate(SD BER; 信号劣化ビット エラー レート)がトランク ポートでプロビジョニングされるものと異なっていると、OCHCC の作成は失敗します。ポートの状態は、OCHCC を完了するために、OOS-DSLB/Locked,disabled に変更する必要があります。
OCHCC を削除する場合、管理状態を指定してクライアント カード ポートに適用できます。たとえば、OCHCC を削除したあとに、ポートを OOS,DSBLD/Locked,disabled 状態に配置することができます。MXP カードで発生して終了する OCHCC を削除する場合、MXP トランク ポートの状態は、トランク ポートがほかの OCHCC を伝送していない場合にのみ変更できます。
Optical Service Channel(OSC; 光サービス チャネル)、Generic Communications Channel(GCC; 汎用通信チャネル)、および Data Communications Channel(DCC; データ通信チャネル)は OCHCC によって管理されませんが、サービスまたは通信のチャネルを持つポートで OCHCC を作成または削除する場合、次の制約事項を考慮する必要があります。
• ポートにサービスまたは通信のチャネルがある場合の OCHCC の作成 ― OCHCC パラメータが GCC/DCC/GCC と互換性がない場合、OCHCC の作成は失敗します。たとえば、ポートにより伝送される GCC でパラメータをイネーブルにする必要がある場合、OCHCC で ITU-T G.709 をディセーブルにできません。
• OCHCC のあるポートでのサービスまたは通信のチャネルの作成 ― GCC/DCC/GCC パラメータが OCHCC と互換性がない場合、OCHCC の作成は失敗します。
• サービスまたは通信のチャネルのあるポートでの OCHCC の削除 ― OSC/GCC/DCC が TXP、MXP、GE_XP、20GE_XP、または ITU-T 回線カードのクライアントまたはトランク ポートにある場合、OCHCC 回線を削除したあと、これらのポートを OOS,DSBLD/Locked,disabled 状態に設定できません。
TXP、MXP、TXPP、MXPP、GE_XP、10GE_XP、および ADM-10G クライアント ポートと DWDM フィルタ ポートは、異なるノードまたは同じシングルシェルフ ノードかマルチシェルフ ノードに配置できます。ITU-T 回線カード トランク ポートと対応する DWDM フィルタ ポートは、通常は異なるノードに配置されます。
OCHCC のプロビジョニングでは、クライアント カード トランク ポートと DWDM フィルタ ポート間に仮想パッチコードが必要です。物理的なレイアウトにより、これは内部パッチコードまたはプロビジョニング可能な(外部)パッチコード(PPC)になります。両方のパッチコード タイプが双方向です。ただし、各方向はそれぞれ別のパッチコードとして管理されます。
内部パッチコードは、シングルシェルフまたはマルチシェルフのいずれかのモードで、DWDM シェルフの両側の間に仮想リンクを提供します。これらは Provisioning > WDM-ANS > Internal Patchcords タブ(図11-2)で表示して管理します。
Internal Patchcords タブの Default Patchcords ボタンをクリックすると、CTC が内部パッチコードを自動的に計算します。ただし、一部の内部パッチコードは、シェルフ内に装着されるカードのタイプやシェルフ内のカードの位置のために計算できません。これらの内部パッチコードは、手動で作成する必要があります。たとえば、光バイパス回線に関連する内部パッチコードは、手動でプロビジョニングする必要があります。内部パッチコードを手動で作成する場合、内部パッチコード作成ウィザードで、次のいずれかの内部パッチコード タイプを選択します。
• OCH-Trunk to OCH-Filter ― 内部パッチコードを TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、または ITU-T 回線カードのトランク ポートと OCH フィルタ カード(波長選択スイッチ、マルチプレクサ、または デマルチプレクサ)間に作成します。
• OTS/OCH to OTS/OCH ― 内部パッチコードを 2 つの OTS OCH ポート間に作成します。
(注) OTS-to-OTS PPC がノード間に作成された場合、ノードのセキュリティ モードがイネーブルになっていると PPC はもはや機能しません(『Cisco ONS 15454 DWDM Procedure Guide』の [DLP-G264 Enable Node Security Mode] タスクを参照)。これは、セキュリティ モードがイネーブルの場合、DCN 拡張機能がもはや LAN インターフェイスを使用して内部ネットワークを拡張できないからです(このコンフィギュレーション モードではネットワークが隔離されるため)。このため、OTS-to-OTS PPC でのトポロジ検出がもはや動作しません。
表11-3 に、内部パッチコードの OCH トランク、OCH フィルタ、および OTS/OCH ポートを示します。
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OSC-RX 1 |
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ネットワーク ビューの Provisioning > Provisionable Patchcord (PPC) タブ(図11-3)、またはノード ビュー(シングルシェルフ モード)またはマルチシェルフ ビュー(マルチシェルフ モード)の Provisioning > Comm Channel > PPC タブから、PPC を作成して管理します。
図11-3 ネットワーク ビューの Provisionable Patchcords タブ
PPC は、TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、ADM-10G、または ITU-T 回線カードが OCH フィルタ ポートとは異なるノードに装着されている場合に必要です。PPC は、OSC 接続を持たないシェルフ間で OTS-to-OTS リンクを作成するために使用することもできます。PPC はルーティング可能であり、Open Shortest Path First(OSPF)によるネットワーク トポロジ検出に使用できます。GCC および DCC は、PPC の作成には不要です。PPC を作成する場合、PPC 作成ウィザードで、次のいずれかの PPC タイプを選択します。
•OCH-Trunk to OCH-Trunk ― PPC を TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、ADM_10G、または ITU-T 回線カードの 2 つの OCH トランク ポート間に作成します。
•OTS to OTS ― PPC を 2 つの OTS ポート間に作成します。このオプションでは、OSCM または OSC-CSM カードが装着されていないために OSC 接続を持たないノード間に
Data Communications Network(DCN; データ通信ネットワーク)を確立します。開始側と終了側を選択後、CTC は OTS ポートを選択します。
•OCH-Trunk to OCH-Filter ― PPC を TXP、MXP、GE_XP、10GE_XP、ADM-10G、または ITU-T 回線カードの OCH トランク ポートとマルチプレクサ、デマルチプレクサ、または波長選択スイッチ カードの OCH フィルタ ポート間に作成します。
表11-4 に、PPC OCH トランク、OCH フィルタ、および OTS ポートを示します。
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COM RX 2 |
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COM RX 3 COM TX 4 |
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COM TX 5 |
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OCH トランクと OCH フィルタ間の PPC では、次のルールと条件が適用されます。
• GCC および DCC リンクは、PPC の作成には不要です。
• PPC は、事前プロビジョニングされたカードまたは物理的に装着されたカードで作成できます。
• OCH トランクおよび OCH フィルタ ポートは、同じ波長にある必要があります。CTC は、PPC のプロビジョニング中に、ポートの波長互換性を自動的にチェックします。
• OC-48/STM-16 および OC-192/STM-64 ITU-T 回線カードの場合、波長互換性チェックは、カードが装着されている場合にのみ行われます。このチェックは事前プロビジョニングされたカードでは行われません。
• ほかのすべての事前プロビジョニングされたカードでは、カードが最初の調整可能な波長に設定されている場合、波長互換性チェックは行われません。波長は、PPC の作成時に選択したアド/ドロップ ポートに応じて、ポートに自動的にプロビジョニングされます。
OCH トランクと OCH トランク間の PPC では、次のルールと条件が適用されます。
• パッチコードは、事前プロビジョニングされたカードまたは物理的に装着されたカードで作成できます。
• ポートがある場合、トランク間の接続には互換性のある波長が必要です。ポートの波長互換性を保証するために、パッチコードのプロビジョニング中に自動的にチェックが行われます。