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この章では、Cisco ONS 15454 SDH に実装されている Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)について説明します。
SNMP のセットアップの詳細については、『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。
SNMP は、ONS 15454 SDH ネットワーク装置によるシステム間、またはネットワーク外の他の装置との管理情報の交換を可能にするアプリケーション レイヤの通信プロトコルです。SNMP によって、ネットワーク管理者はネットワーク パフォーマンスの管理、ネットワークの問題の検出と解決、およびネットワーク拡張の計画を行うことができます。ノードあたり最大 10 の SNMP トラップ宛先と 5 つの同時 CTC ユーザ セッションを利用できます。
ONS 15454 SDH では SNMP を使用して Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)に非同期のイベント通知を行います。ONS SNMP の実装では、標準の Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術標準化委員会)MIB(管理情報ベース)を使用して、電気、SDH、およびイーサネット技術の一般的な読み取り専用管理のために、ノード レベルのインベントリ、障害、およびパフォーマンス管理情報を伝達します。SNMP により、HP OpenView Network Node Manager(NNM)や Open Systems Interconnection(OSI; 開放型システム間相互接続)NetExpert といった汎用の SNMP マネージャを利用して限定的な管理機能を実現できます。
Cisco ONS 15454 SDH は、SNMP バージョン 1(SNMPv1)と SNMP バージョン 2c(SNMPv2c)をサポートしています。これらのバージョンはいずれも多くの機能を共有していますが、SNMPv2c はプロトコル動作が追加され、64 ビット パフォーマンス モニタリングをサポートします。この章では、両方のバージョンについて説明し、ONS 15454 SDH の SNMP 設定パラメータを説明します。
(注) CiscoV2 ディレクトリの CERENT-MSDWDM-MIB.mib、CERENT-FC-MIB.mib、および
CERENT-GENERIC-PM-MIB.mib は、64 ビットのパフォーマンス モニタリング カウンタをサポートします。CiscoV1 ディレクトリの SNMPv1 MIB は 64 ビットの PM カウントを含んでいませんが、対応する 64 ビット カウンタのより低いワード値とより高いワード値をサポートしています。CiscoV1 および CiscoV2 ディレクトリのその他の MIB ファイルは、内容は同一で、形式だけが異なります。
図16-1 に、SNMP で管理されるネットワークの基本的なレイアウトを示します。
SNMP で管理されるネットワークは、一般に、管理システム、エージェント、および管理対象装置で構成されます。
HP OpenView などの管理システムは、モニタリング アプリケーションを実行し、管理対象装置を制御します。管理システムは、管理プロセスのほとんどを実行し、ネットワーク管理に使用されるメモリ リソースの大部分を提供します。ネットワークを管理する管理システムは、1 つの場合もあれば複数の場合もあります。図16-2 に、ネットワーク管理者、SNMP エージェント、および管理対象装置の関係を示します。
各管理対象装置に常駐するエージェント(SNMP など)は、ローカルの管理情報データ(ソフトウェア トラップに捕捉されるパフォーマンス情報またはイベントおよびエラー情報など)を、管理システムで読み取り可能な形式に変換します。図16-3 に、データをネットワーク管理ソフトウェアに転送する SNMP エージェントの get-request 動作を示します。
図16-3 データを MIB から収集してトラップをマネージャに送信するエージェント
SNMP エージェントは、装置パラメータとネットワーク データのリポジトリである MIB(管理情報ベース)から、またはエラーや変更などのトラップからデータを取り込みます。
管理対象要素には、ルータ、アクセス サーバ、スイッチ、ブリッジ、ハブ、コンピュータ ホスト、またはネットワーク要素(ONS 15454 SDH など)があり、SNMP エージェントを介してアクセスされます。管理対象装置は管理情報を収集および保存し、SNMP を介して、それらの情報を同じプロトコル互換性のある他の管理システムで利用できるようにします。
SNMP 要求はすべてサードパーティ製アプリケーションから発生するため、外部インターフェイスの要件は、サードパーティ製の SNMP クライアント アプリケーションが
etherStatsHighCapacityTable、etherHistoryHighCapacityTable、または mediaIndependentTable の RFC 3273 SNMP MIB 変数をアップロードできることだけです。
ONS 15454 SDH は、SNMPv1 および SNMPv2c のトラップと get 要求をサポートします。SNMP MIB では、アラーム、トラップ、およびステータスを定義します。SNMP を介して、NMS アプリケーションは、サポート対象の MIB を使用して、イーサネット スイッチや SDH マルチプレクサなどの機能エンティティからのデータを管理エージェントに問い合わせます。
(注) CiscoV1 ディレクトリと CiscoV2 ディレクトリにある ONS 15454 SDH MIB ファイルは、64 ビット パフォーマンス モニタリング機能の違いを除いて、内容的にほぼ同じです。CiscoV2 ディレクトリには、CERENT-MSDWDM-MIB.mib、CERENT-FC-MIB.mib、および CERENT-GENERIC-PM-MIB.mib という 64 ビット パフォーマンス モニタリング カウンタを備えた 3 つの MIB が含まれています。CiscoV1 ディレクトリには 64 ビット カウンタは含まれていませんが、64 ビット カウンタで使用されるより低いワード値とより高いワード値がサポートされます。これら 2 つのディレクトリは、フォーマットがいくらか異なっています。
ONS 15454 SDH SNMP エージェントは、SNMP メッセージを使用して SNMP 管理アプリケーションとやり取りします。 表16-1 に、それらのメッセージを示します。
16.6.1 の項で、ONS 15454 SDH で実装される IETF 標準 MIB とそれらのコンパイル順序を示します。 16.6.2 の項では、ONS 15454 SDH 独自の MIB とそれらのコンパイル順序を示します。 16.6.3 の項では、ネットワークに含まれる任意の Network Element(NE; ネットワーク要素)のモニタに使用できる汎用スレッシュホールドとパフォーマンス モニタリング MIB について説明します。
表16-2 に、ONS 15454 SDH SNMP エージェントに実装される IETF 標準 MIB を示します。
まず、表16-2 の MIB をコンパイルします。次に、表16-3 の MIB をコンパイルしてください。
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Management of TCP/IP-based Internets: MIB-II |
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Definitions of Managed Objects for Bridges |
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Definitions of Managed Objects for the Ethernet-like Interface Types |
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Textual Conventions for MIB Modules Using Performance History Based on 15 Minute Intervals |
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Definitions of Managed Objects for the DS1, E1, DS2 and E2 Interface Types |
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Definitions of Managed Objects for the SONET/SDH Interface Type |
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Definitions of Managed Objects for Bridges with Traffic Classes, Multicast Filtering and Virtual LAN Extensions |
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リモート モニタリング装置の実装を管理するための MIB モジュールで、RFC 2819 と RFC 1513 で規定されているオリジナルの RMON MIB、および RFC 2021 で規定されている RMON-2 MIB を増加させます。 |
各 ONS システムには、適用可能な独自の MIB を収録したソフトウェア CD が付属しています。 表16-3 に、ONS 15454 SDH 用の独自の MIB を示します。
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(注) 独自の MIB を正しくコンパイルできない場合は、Technical Support Website(http://www.cisco.com/techsupport)にログインするか、Cisco TAC([800] 553-2447)までご連絡ください。
(注) SNMP で波長が不明であることが示されているときは、対応するカード(MXP_2.5G_10E、
TXP_MR_10E、MXP_2.5G_10G、TXP_MR_10G、TXP_MR_2.5G、または TXPP_MR_2.5G)が最初に調整可能な波長で動作することを意味します。
CERENT-GENERIC-PM-MIB という MIB により、Network Management Station(NMS; ネットワーク管理ステーション)は、単一の汎用 MIB を使用して各種インターフェイスのスレッシュホールドとパフォーマンス モニタリング データにアクセスできます。この MIB は、特定の種類のインターフェイスに結び付けられていないという意味で汎用です。この MIB オブジェクトを使用すると、近端および遠端の各種のモニタとサポートされている任意の間隔で、スレッシュホールド値、現在の Performance Monitoring(PM; パフォーマンス モニタリング)カウント、および PM 履歴統計情報を取得できます。
ONS 15454 SDH システムに以前から存在する MIB は、これらのカウントの一部を提供します。たとえば、SDH インターフェイスの 15 分ごとの現在の PM カウントと PM 履歴統計情報は、SONET-MIB を使用して入手できます。DS-1 および DS-3 のカウントと統計情報は、それぞれ DS1/E1-MIB と DS-3/E3 MIB から入手できます。汎用 MIB は、これらのタイプの情報を提供し、スレッシュホールド値と 1 日間の統計情報も取得します。さらに、この MIB は、光および Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)のスレッシュホールドとパフォーマンス モニタリング情報をサポートしています。
CERENT-GENERIC-PM-MIB は、次の 3 つのテーブルで構成されます。
• cerentGenericPmThresholdTable
• cerentGenericPmStatsCurrentTable
• cerentGenericPmStatsIntervalTable
cerentGenericPmThresholdTable は、モニタ タイプのスレッシュホールド値を取得するために使用されます。これは、インターフェイス インデックス(cerentGenericPmThresholdIndex)、モニタ タイプ(cerentGenericPmThresholdMonType)、場所(cerentGenericPmThresholdLocation)、および期間(cerentGenericPmThresholdPeriod)に基づいて索引付けされます。cerentGenericPmThresholdMonType の構文は type cerentMonitorType であり、CERENT-TC.mib で定義されます。
cerentGenericPmThresholdLocation の構文は type cerentLocation であり、CERENT-TC.mib で定義されます。cerentGenericPmThresholdPeriod の構文は type cerentPeriod であり、CERENT-TC.mib で定義されます。
スレッシュホールド値は、64 ビット形式と 32 ビット形式で提供できます(64 ビット カウンタの詳細については、HC-RMON-MIB のサポートを参照)。
cerentGenericPmThresholdHCValue の 64 ビット値は、SNMPv2 をサポートするエージェントで使用できます。2 つの 32 ビット値(cerentGenericPmThresholdValue と
cerentGenericPmThresholdOverFlowValue)は、SNMPv1 だけをサポートする NMS で使用できます。 表16-4 に、cerentGenericPmThresholdTable でコンパイルされるオブジェクトを示します。
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MIB 内の 2 番めのテーブル cerentGenericPmStatsCurrentTable は、モニタ タイプの現在の PM 値をコンパイルします。このテーブルは、インターフェイス インデックス
(cerentGenericPmStatsCurrentIndex)、モニタ タイプ(cerentGenericPmStatsCurrentMonType)、場所(cerentGenericPmStatsCurrentLocation)、および期間(cerentGenericPmStatsCurrentPeriod)に基づいて索引付けされます。cerentGenericPmStatsCurrentIndex の構文は type cerentLocation であり、
CERENT-TC.mib で定義されます。cerentGenericPmStatsCurrentMonType の構文は type cerentMonitor であり、CERENT-TC.mib で定義されます。cerentGenericPmStatsCurrentPeriod の構文は type cerentPeriod であり、CERENT-TC.mib で定義されます。
cerentGenericPmStatsCurrentTable は、cerentGenericPmStatsCurrentValid オブジェクトを使用して現在の PM 値を有効にし、有効なインターバルの数を cerentGenericPmStatsCurrentValidIntervals オブジェクトで PM 履歴統計情報に登録します。
PM 値は、64 ビット形式と 32 ビット形式で提供されます。cerentGenericPmStatsCurrentHCValue の 64 ビット値は、SNMPv2 をサポートするエージェントで使用できます。2 つの 32 ビット値(cerentGenericPmStatsCurrentValue と cerentGenericPmStatsCurrentOverFlowValue)は、SNMPv1 だけをサポートする NMS で使用できます。 表16-5 に、cerentGenericPmStatsCurrentTable を示します。
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MIB の 3 番めのテーブル cerentGenericPmStatsIntervalTable は、モニタ タイプの履歴 PM 値を取得します。このテーブルは、インターフェイス インデックス、モニタ タイプ、場所、期間、およびインターバル数に基づいて索引付けされます。cerentGenericPmStatsIntervalValid オブジェクト内で現在の PM 値を確認します。
このテーブルは、インターフェイス インデックス(cerentGenericPmStatsIntervalIndex)、モニタ タイプ(cerentGenericPMStatsIntervalMonType)、場所(cerentGenericPmStatsIntervalLocation)、および期間(cerentGenericPmStatsIntervalPeriod)に基づいて索引付けされます。
cerentGenericPmStatsIntervalIndex の構文は type cerentLocation であり、CERENT-TC.mib で定義されます。cerentGenericPmStatsIntervalMonType の構文は type cerentMonitor であり、CERENT-TC.mib で定義されます。cerentGernicPmStatsIntervalPeriod の構文は type cerentPeriod であり、CERENT-TC.mib で定義されます。
このテーブルは、64 ビット形式と 32 ビット形式で履歴 PM 値を提供します。
cerentGenericPmStatsIntervalHCValue テーブルに含まれる 64 ビット値は、SNMPv2 エージェントで使用できます。2 つの 32 ビット値(cerentGenericPmStatsIntervalValue と
cerentGenericPmStatsIntervalOverFlowValue)は、SNMPv1 NMS で使用できます。
表16-6 に、cerentGenericPmStatsIntervalTable を示します。
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ONS 15454 SDH は、raise や clear など、すべてのアラームやイベントを SNMP トラップとして生成します。これらには、次の情報が含まれます。
• 生成したエンティティ(スロットまたはポート、Synchronous Transport Signal[STS; 同期転送信号]と Virtual Tributary[VT; 仮想トリビュタリ]、Bidirectional Line Switched Ring[BLSR; 双方向ライン スイッチ型リング]、Spanning Tree Protocol[STP; スパンニング ツリー プロトコル]など)に関する情報によって、各イベントを一意に識別するオブジェクト ID
• アラームの重大度とサービスへの影響(クリティカル、メジャー、マイナー、イベント、およびサービスに影響あり、サービスに影響なし)
ONS 15454 SDH は、 表16-7 に示す汎用 IETF トラップをサポートしています。
各 SNMP トラップには、MIB テーブルを生成するために使用される変数バインディングが含まれます。表16-8 に、ONS 15454 SDH トラップと変数バインディングを示します。各グループ(たとえば、グループ A)について、そのグループ内のすべてのトラップがそのすべての変数バインディングと関連付けられています。
コミュニティ名は SNMP トラップの宛先のグループ化に使用されます。すべての ONS 15454 SDH トラップの宛先は、Cisco Transport Controller(CTC)で SNMP コミュニティの一部としてプロビジョニングできます。コミュニティ名がトラップに割り当てられると、ONS 15454 SDH は、そのコミュニティ名が CTC でプロビジョニングされたものと一致する場合、その要求を有効として処理します。この場合、エージェント管理のすべての MIB 変数がその要求に対してアクセス可能になります。コミュニティ名がプロビジョニングされたリストと一致しない場合、SNMP はその要求を廃棄します。
SNMP および NMS アプリケーションは、従来、ネットワークの内部や外部からのセキュリティ リスクを隔離するために使用されるファイアウォールを通過することはできませんでした。CTC では、Network Operations Center(NOC; ネットワーク オペレーション センター)が、ファイアウォールにインストールされた SNMP プロキシ要素を使用し、ファイアウォールを越えて Remote Monitoring(RMON)の統計情報や自律メッセージのようなパフォーマンス モニタリング データにアクセスできます。
アプリケーションレベルのプロキシは、SNMP Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)を NMS と NE 間で伝送することにより、NMS と NE 間で要求や応答を可能にし、NE の自律メッセージを NMS に転送します。プロキシ エージェントは、NOC でのプロビジョニングや NE での追加的なプロビジョニングをほとんど必要としません。
ファイアウォール プロキシは、Gateway Network Element-End Network Element(GNE-ENE; ゲートウェイ ネットワーク要素/終端ネットワーク要素)トポロジーで、単一の NE ゲートウェイを通じて多数の NE で使用することが想定されています。最大 64 の SNMP 要求(get、getnext、getbulk など)が、1 つまたは複数のファイアウォールの内側で常にサポートされます。プロキシは、HP-OpenView などの一般的な NMS と相互運用できます。
セキュリティ上の理由から、SNMP プロキシ機能は、受信および送信を行うすべての NE で動作可能にする必要があります。この手順については、『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。
ONS 15454 SDH には RMON が組み込まれているため、ネットワーク オペレータはイーサネット カードのパフォーマンスとイベントをモニタリングできます。RMON スレッシュホールドは、ユーザが CTC でプロビジョニングできます。手順については、『 Cisco ONS 15454 SDH Procedure Guide 』を参照してください。ただし、RMON の動作は一般の CTC ユーザには確認できません。
ONS 15454 SDH システムの RMON は、IETF 標準 MIB RFC 2819 に基づいており、標準 MIB の 5 つのグループ(Ethernet Statistics、History Control、Ethernet History、Alarm、Event)を含んでいます。
ONS 15454 SDH DCC は、イーサネットとは互換性のない IP プロトコル上で実装されます。システムは、DCC(PPP [ポイントツーポイント プロトコル] を実行)経由で収集された HDLC 統計情報を使用して、イーサネット装置の History および Statistics テーブルを構築します。RMON DCC(IP およびイーサネット用)は、リモート DCC 接続の健全性をモニタリングします。
RMON DCC には、DCC インターフェイス用に 2 つの MIB が含まれています。それらは次のとおりです。
• cMediaIndependentTable -- 標準、rfc3273。統計情報のレポートに使用される HC-RMON MIB の独自拡張
mediaIndependentTable の行を作成するための SetRequest PDU は、1 回の操作で 1 行をアクティブ化にするために必要なすべての値、および createRequest (2) へのステータス変数の割り当てを含む必要があります。エントリ作成のための SetRequest PDU では、すべてのオブジェクト ID(OID)のインスタンス値が 0 であることが必要です。つまり、すべての OID がタイプ OID.0 である必要があります。
1 つの行を作成するには、SetRequest PDU に次のものが含まれることが必要です。
• mediaIndependentDataSource とその適切な値
• mediaIndependentOwner とその適切な値
• createRequest (2) の値を持つ mediaIndependentStatus
SetRequest PDU が上記のルールに基づいて有効である場合、mediaIndependentTable に 1 行が作成されます。行が作成されると、SNMP エージェントは mediaIndependentIndex の値を決定します。この値は順次には割り当てられず、連番にはなりません。イーサネット インターフェイスが追加または削除されると、この値は変化します。新たに作成された行は、valid (1) の mediaIndependentTable 値を持ちます。
行がすでに存在する場合、あるいは SetRequest PDU の値が不備または無効である場合、SNMP エージェントはエラー コードを返します。
(注) mediaIndependentTable のエントリは、SNMP エージェントが再起動された場合は維持されません。
SetRequest PDU に invalid (4) の値を持つ mediaIndependentStatus が含まれている場合は、mediaIndependentTable から 1 行が削除されます。削除する行は、varbind の OID インスタンス値によって特定されます。必要に応じて、テーブル内で削除された行を再作成できます。
cMediaIndependentHistoryControlTable での SNMP 行の作成と削除は、MediaIndependentTable と同じプロセスで行われます。異なるのは変数だけです。
1 つの行を作成するには、SetRequest PDU に次のものが含まれることが必要です。
• cMediaIndependentHistoryControlDataSource とその適切な値
• cMediaIndependentHistoryControlOwner とその適切な値
• createRequest (2) の値を持つ cMediaIndependentHistoryControlStatus
ONS 15454 SDH では、High-Capacity Remote Monitoring Information Base(HC-RMON-MIB または RFC 3273)の実装により、既存の RMON テーブルの 64 ビット サポートが可能です。このサポートは、etherStatsHighCapacityTable と etherHistoryHighCapacityTable で提供されます。
テーブル mediaIndependentTable とオブジェクト hcRMONCapabilities も、このサポートのために追加されています。これらすべての要素に対して、RFC 3273 をサポートするすべてのサードパーティ製 SNMP クライアントがアクセスできます。
イーサネット統計グループには、etherStatsTable という 1 つのテーブルに、各サブネットワークのモニタリングされる基本統計情報が含まれます。
このテーブルの行を作成するための SetRequest PDU は、1 つの単一セット操作で 1 行をアクティブ化にするために必要なすべての値、および createRequest に割り当てられるステータス変数を含む必要があります。SetRequest PDU オブジェクト ID(OID)のすべてのエントリには、0 のインスタンス値(タイプ OID)が設定されている必要があります。
1 つの行を作成するには、SetRequest PDU に次のものが含まれることが必要です。
• etherStatsDataSource とその適切な値
• etherStatsOwner とその適切な値(値のサイズは 32 文字に制限)
• createRequest (2) の値を持つ etherStatsStatus
SetRequest PDU が上記のルールに基づいて有効である場合、etherStatsTable に 1 行が作成されます。行が作成されると、SNMP エージェントは etherStatsIndex の値を決定します。この値は順次には割り当てられず、連番にはなりません。イーサネット インターフェイスが追加または削除されると、この値は変化します。新たに作成された行は、valid (1) の etherStatsStatus 値を持ちます。
etherStatsTable の行がすでに存在する場合、あるいは SetRequest PDU の値が不備または無効である場合、SNMP エージェントはエラー コードを返します。
(注) EtherStatsTable のエントリは、SNMP エージェントが再起動された場合は維持されません。
etherStatsMulticastPkts および etherStatsBroadcastPkts 列に対する Get 要求と GetNext 要求は、これらの変数が ONS 15454 SDH イーサネット カードでサポートされていないため、値 0 を返します。
etherStatsTable の行を削除するには、SetRequest PDU に、「invalid」(4) の etherStatsStatus 値が含まれる必要があります。OID ではその行に削除のマークを付けます。削除された行は、必要に応じて再作成できます。
イーサネット統計グループには、etherStatsHighCapacityTable に 64 ビットの統計情報が含まれます。これは、HC-RMON-MIB の 64 ビット RMON サポートを提供します。etherStatsHighCapacityTable は、64 ビット形式のパフォーマンス モニタリング データ用に 16 個の新しい列を追加し、etherStatsTable を拡張したものです。etherStatsTable と etherStatsHighCapacityTable には、どちらかのテーブルで行が作成または削除されるときに 1 対 1 の関係があります。
履歴制御グループは、historyControlTable の 1 つまたは複数のモニタ インターフェイスのサンプリング機能を定義します。このテーブルの値は、RFC 2819 で規定されているとおり、historyControlTable と etherHistoryTable から導出されます。
RMON は、4 つの可能な間隔のいずれかでサンプリングされます。各間隔(期間)には、特定の履歴の値(バケットとも呼ばれる)が含まれます。表16-9 は 4 つのサンプリング期間、および対応するバケット数を示しています。
historyControlTable の最大行サイズは、カード上のポートの数とサンプリング期間の数を掛け合わせて決まります。たとえば、ONS 15454 SDH E100 カードには 24 個のポートがあり、期間の数を掛けると、テーブルの可能な行数は 96 になります。E1000 カードには 14 個のポートがあり、期間の数 4 を掛けると、テーブルの可能な行数は 56 になります。
(historyControlValue 変数) |
(historyControl 変数) |
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SetRequest PDU は、1 回の操作で historyControlTable の行をアクティブ化できる必要があります。そのため、この PDU はすべての必要な値が含まれ、ステータス変数値 2(createRequest)を持つ必要があります。SetRequest PDU のすべての OID は、エントリ作成のためにタイプ OID.0 であることが必要です。
historyControlTable 用の SetRequest PDU を作成するには、次の値が必要です。
• historyControlDataSource とその適切な値
• historyControlBucketsRequested とその適切な値
• historyControlInterval とその適切な値
• createRequest (2) の値を持つ historyControlStatus
historyControlBucketsRequested の OID 値は、各サンプリング期間で使用できるバケット数が historyControlInterval の値に基づいて表16-9 のように固定されているため無視されます。
historyControlInterval の値は、4 つの可能な選択肢から変更できません。別の値を使用した場合、SNMP エージェントは、設定されたバケットから最も近い小さい方の期間を選択します。たとえば、設定された要求が 25 分間隔を指定している場合、これは 15 分(32 バケット)の変数と 60 分(24 バケット)の変数の間に入ります。SNMP エージェントは、低い方の近い値を自動的に選択します。この場合、15 分、32 バケットになります。
SetRequest PDU が有効であれば、historyControlTable に 1 行が作成されます。その行がすでに存在する場合、あるいは SetRequest PDU の値が無効または不備である場合、SNMP エージェントは行を作成せず、エラー コードを返します。
このテーブルから行を削除するには、SetRequest PDU に、4(invalid)の historyControlStatus 値が含まれる必要があります。削除された行は再作成できます。
ONS 15454 SDHは、RFC 2819 の定義に基づいて etherHistoryTable を実装しています。グループは historyControlTable の境界内で作成され、その設計には RFC からの逸脱はありません。
HC-RMON-MIB の 64 ビット イーサネット履歴は、etherHistoryHighCapacityTable に実装されています。これは、etherHistoryTable を拡張したものです。etherHistoryHighCapacityTable では、64 ビットのパフォーマンス モニタリング データ用に、4 つの列が追加されています。これら 2 つのテーブルは 1 対 1 の関係を持っています。一方のテーブルで行を追加または削除すると、もう一方のテーブルに同じ変更が加えられます。
アラーム グループは alarmTable で構成されます。このテーブルでは、サンプリングされた値を定期的に設定済みのスレッシュホールドと比較し、スレッシュホールドを超過した場合はイベントを発生します。このグループには、この項で説明するイベント グループが実装されている必要があります。
NMS は alarmTable を使用して、ネットワークのパフォーマンス アラームのスレッシュホールドを決定し、プロビジョニングします。
alarmTable に行を作成するには、SetRequest PDU によって 1 つの単一セット操作で行を作成できる必要があります。SetRequest PDU のすべての OID は、エントリ作成のためにタイプ OID.0 であることが必要です。このテーブルの最大行数は 256 です。
alarmTable 用の SetRequest PDU を作成するには、次の値が必要です。
• createRequest (2) の値を持つ alarmStatus
SetRequest PDU が有効であれば、historyControlTable に 1 行が作成されます。その行がすでに存在する場合、あるいは SetRequest PDU の値が無効または不備である場合、SNMP エージェントは行を作成せず、エラー コードを返します。
SetRequest PDU では、必須の値のほか、次の制約事項が満たされる必要があります。
• alarmOwner は長さ 32 文字の文字列である。
• alarmRisingEventIndex は常に値 1 をとる。
• alarmFallingEventIndex は常に値 2 をとる。
• alarmStatus は、SET でサポートされている createRequest (2) と invalid (4) の 2 つの値だけをとる。
• AlarmVariable はタイプ OID.ifIndex で、ifIndex はこのアラームが作成されるインターフェイスを提供します。OID は、表16-10でサポートされている OID の 1 つです。
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このテーブルから行を削除するには、SetRequest PDU に、4(invalid)の alarmStatus 値が含まれる必要があります。削除された行は再作成できます。このテーブルのエントリは、SNMP エージェントが再起動された場合は維持されません。
イベント グループは、イベントの生成と通知を制御します。イベント グループは、生成されるイベントの読み取り専用リストである eventTable、およびロギングされるイベントを記述する書き込み可能データ セットである logTable の 2 つのテーブルで構成されます。ONS 15454 SDH は、RFC 2819 で規定されているとおり、logTable を実装しています。
eventTable は読み取り専用で、プロビジョニングできません。このテーブルには、アラーム発生用の 1 つの行とアラーム解除用のもう 1 つの行が含まれます。このテーブルには、次の制約事項があります。
• eventType は常に log-and-trap (4) である。
• eventCommunity 値は常に長さ 0 の文字列であり、このイベントによって、すべてのプロビジョニングされた宛先にトラップが送信されることを示す。
logTable は、厳密に RFC 2819 の規定どおりに実装されています。logTable は、コントローラ カードでローカルにキャッシュされるデータに基づいています。コントローラ カードの保護切り替えがあると、既存の logTable はクリアされ、新しいテーブルが新しいアクティブ コントローラ カードで開始されます。このテーブルには、アラーム コントローラにより提供される数の行が含まれます。