システム要件

このセクションでは、Cisco Container Platform の導入に必要な要件について説明します。

次の項目について説明します。

サポートされているバージョンの一覧

Cisco Container Platform ではさまざまなソフトウェアコンポーネントおよびハードウェアコンポーネントが使用されています。次の表に、各コンポーネントの検証済みバージョンの情報を示します。


コンポーネント	検証済みバージョン
Kubernetes	1.11 1.12
vSphere	vSphere 6.0 (u2) 以降 vSphere 6.5
HyperFlex ソフトウェア	3.0(1b) 以降 3.5
ACI	3.2(4e)

ソフトウェア要件

次のソフトウェアアプリケーションが導入環境にインストールされていることを確認します。

VMware vCenter サーバ 6.5
VMware クライアント統合プラグイン
vSphere Flash クライアント

ハードウェア要件

VMware EVC モードを有効にする場合は、CPU の RDRAND 命令セットが使用できるように、Ivy Bridge 以降のマイクロアーキテクチャを使用する必要があります。
Cisco Container Platform 1.3.0 以降では、CPU の RDRAND 命令セットが使用できるように、ハイパーバイザホストで Ivy Bridge（UCS C220 M4）以降のマイクロアーキテクチャを搭載した CPU を実行する必要があります。
Cisco Container Platform コントロールプレーン VM では、各マスターノードおよびワーカーノードで、2 つの vCPU、8 GB のメモリ、40 GB の HDD が必要です。
Cisco Container Platform テナントクラスタ VM では、各マスターノードおよびワーカーノードで、2 つの vCPU、16 GB のメモリ、40 GB の HDD が必要です。テナントクラスタの新規導入時に、vCPU とメモリの設定を変更できます。

リソース管理の要件

以降のトピックでは、必要となるリソース管理の要件について説明します。

クラスタでの DRS および HA の有効化

（注）

HA および DRS を有効にした VMware クラスタを設定する場合は、Enterprise Plus ライセンスを使用する必要があります。サポートされている VMware のバージョンの詳細については、サポートされているバージョンの一覧を参照してください。

次の理由から、vCenter で DRS および HA を有効にする必要があります。

DRS では、リソース使用率が vSphere サーバ全体にわたって継続的に監視され、サーバの VM のインテリジェントなロードバランスが行われます。
HA は、仮想マシンで実行されているアプリケーションに対して、低コストの使いやすい高可用性を提供します。

手順

ステップ 1	vSphere Web クライアントで、Cisco Container Platform を展開するホストまたはクラスタに移動します。
ステップ 2	[Configure] タブをクリックします。
ステップ 3	[Services] で、[vSphere DRS] をクリックし、[Edit] をクリックします。
ステップ 4	[Edit Cluster Settings] ウィンドウの右側のペインで、[Turn ON vSphere DRS] チェックボックスをオンにし、[OK] をクリックします。
ステップ 5	[Services] で、[vSphere Availability] をクリックし、[Edit] をクリックします。
ステップ 6	[Edit Cluster Settings] ウィンドウの右側のペインで、[Turn ON vSphere HA] チェックボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

NTP サービスの有効化

vSphere 環境内の各ホストで時間同期サービスを有効にする必要があります。このサービスを無効にした場合、ホスト間でのタイミングの違いによるエラーが原因で Cisco Container Platform のインストールが失敗することがあります。

手順

ステップ 1

vSphere Web クライアントで、Cisco Container Platform を展開するホストまたはクラスタに移動します。

ステップ 2

[Configure] タブをクリックします。

ステップ 3

左ペインで、[System] を展開し、[Time Configuration] をクリックします。

ステップ 4

右ペインで、[Edit] をクリックします。

ステップ 5

[Edit Time Configuration] ウィンドウで、[Turn ON vSphere DRS] チェックボックスをオンにし、[OK] をクリックします。

（注）

NTP サービスを有効にするには各ホストから DNS にアクセスできるようにする必要があります。

ネットワーク要件

以降のトピックでは、必要となるネットワークの要件について説明します。

Cisco Container Platform VM 導入のためのポートグループのプロビジョニング

Cisco Container Platform では、vSphere Standard Switch （VSS）または Distributed Virtual Switch（DVS）のどちらかのポートグループに接続する VM が作成されます。HyperFlex インストーラは、インストール時に定義されるネットワーク用に、vSphere に VSS スイッチを作成します。VM のトラフィックを管理するため、VSS または DVS のスイッチを作成する必要があります。

以降のトピックでは、VSS または DVS の設定について説明します。

vSphere 標準スイッチの設定

手順

ステップ 1	vSphere Web クライアントで、Cisco Container Platform を展開するホストまたはクラスタに移動します。
ステップ 2	[Configure] タブをクリックします。
ステップ 3	[Networking] を展開し、[Virtual switches] を選択します。
ステップ 4	[Add host networking] をクリックします。
ステップ 5	新しい標準スイッチを使用する対象の接続タイプとして [Virtual Machine Port Group for a Standard Switch] を選択し、[Next] をクリックします。
ステップ 6	[New standard switch] を選択し、[Next] をクリックします。
ステップ 7	物理ネットワークアダプタを新しい標準スイッチに追加します。
ステップ 8	[Assigned adapters] で、[Add adapters] をクリックします。
ステップ 9	リストから、1 つまたは複数の物理ネットワークアダプタを選択します。
ステップ 10	[Failover order group] ドロップダウンリストで、[Active] または [Standby] のフェールオーバーリストから選択します。
ステップ 11	スループットの向上と冗長性を得るには、[Active] リストで少なくとも 2 つの物理ネットワークアダプタを設定します。
ステップ 12	[OK] をクリックします。
ステップ 13	次のように、アダプタまたはポートグループの接続設定を入力します。ネットワークラベルまたはポートグループを入力するか、または生成されるラベルをそのまま使用します。ポートグループで VLAN 処理を設定するための VLAN ID を設定します。
ステップ 14	[Ready to Complete] 画面で、[OK] をクリックします。

分散仮想スイッチの設定

手順

ステップ 1	[Navigation] ペインで、DVS スイッチをクリックします。
ステップ 2	右ペインで、[Hosts] タブをクリックします。
ステップ 3	[Actions] アイコンをクリックし、[Add and Manage Hosts] ラジオボタンをクリックします。 [Add and Manage Hosts] ウィザードが表示されます。
ステップ 4	[Select tasks] 画面で、[Add Hosts] ラジオボタンをクリックし、[Next] をクリックします。
ステップ 5	[Select hosts] 画面で、[Add Hosts] アイコンをクリックします。
ステップ 6	[Select new hosts] 画面で、追加するホストの横にあるチェックボックスをオンにし、[OK] をクリックします。
ステップ 7	[Select network adapter tasks] 画面で [Next] をクリックします。
ステップ 8	[Manage physical network adapters] 画面で、設定するネットワークスイッチをクリックし、[Assign] アップリンクをクリックします。
ステップ 9	すべてのネットワークについてステップ 8 を繰り返し、[Next] をクリックします。
ステップ 10	[Manage VMKernel network adapters] 画面で、[Next] をクリックします。
ステップ 11	[Analyze impact] 画面で、[Next] をクリックします。
ステップ 12	[Ready to complete] 画面で、[Finish] をクリックします。

DHCP サーバの設定

Cisco Container Platform には DHCP サーバの存在が必要です。Cisco Container Platform のインストーラ VM とアップグレード VM は、プライマリインターフェイス IP アドレスを DHCP サーバから取得します。DHCP サーバの設定を済ませておく必要があります。

DHCP サーバで NTP サービスの場所を提供していない場合は、インストーラ UI の [Control Plane Settings] > [Advanced Settings] で、NTP アドレスを入力します。

静的割り当て用 IP アドレスの予約

Cisco Container Platform では、すべてのクラスタノードと「CCP コントロールプレーンマスターノード VIP」で静的 IP アドレスが使用されています。これにより、一貫した IP アドレスがワーカーノードに提供されます。加えて、各 Kubernetes クラスタで NGINX 入力用の外部 IP アドレスとして VIP が使用されています。これらの VIP は IP プールを使用して設定されます。静的 IP アドレスは DHCP サーバと同じサブネットから割り当てられ、これらの IP アドレスが DHCP プールの一部ではないことを確認する必要があります。

静的 IP アドレスと DHCP IP アドレスの要件

次の表は、Cisco Container Platform コンポーネントの静的 IP アドレスと DHCP IP アドレスの要件をまとめたものです。

コンポーネント

静的 IP

DHCP IP

インストーラ VM

テナントクラスタ

3 + アプリケーションで必要なロードバランサ VIP の数 + 作業者の数

コントロールプレーンと Cisco Container Platform Web インターフェイス

（注）

Kubernetes マスター VIP 用の IP が 1 つ、入力 LoadBalancer 用の IP が 1 つ、マスターノードとワーカーノードごとに IP が 1 つずつ必要です。

次のことを確認する必要があります。

ネットワークで VMware vCenter サーバへのルーティングと VMware vCenter サーバからのルーティングが可能であること。
- Cisco Container Platform コントロールプレーンのインストール時に、クライアントのインストールマシンからネットワークへのルーティングが可能であること。
- ネットワークで Cisco Container Platform VM インスタンスどうしの間の通信が可能であること。プライベート LAN は使用しないでください。
デフォルトでは、Cisco Container Platform コントロールプレーンの VXLAN ネットワークは 192.168.0.0/16 ネットワークを使用します。すでにこの空間に IP アドレスをルーティングしている場合は、別の RFC1918 範囲を VXLAN ネットワーク用に割り当てる必要があります。必ずしも完全な /16 にする必要はありません。Cisco Container Platform コントロールプレーンの場合は /22 ネットワークが適切です。

HyperFlex 統合の要件

（注）

このセクションの内容は HyperFlex 環境を使用する場合にのみ適用されます。VMware を UCS で実行する場合は必要ありません。

Cisco Container Platform は、必要な HyperFlex ソフトウェアバージョンによってサポートされているすべてのハードウェア構成でサポートされています。HyperFlex ハードウェア構成の詳細については、UCS HyperFlex の製品マニュアルを参照してください。

以降のトピックでは、必要となる HyperFlex 統合の要件について説明します。

共有データストアの設定

HyperFlex をインストールした後、共有データストアを設定する必要があります。データストアからは、クラスタ内の NFS、iSCSI、FC などのホストにアクセスできる必要があります。

データストアは次の目的で必要になります。

永続ボリュームストレージのプロビジョニング
Cisco Container Platform テナントベース VM の導入

手順

ステップ 1

VMware vCenter SSO 管理者クレデンシャルを使用して、「HX Connect UI」にログインします。

HyperFlex のインストールと HyperFlex Connect UI へのアクセスの詳細については、最新の HperFlex マニュアルを参照してください。

ステップ 2

左ペインで、[Manage] > [Datastores] をクリックします。

ステップ 3

次のステップを実行し、Kubernetes の永続ボリュームストレージをプロビジョニングして Cisco Container Platform テナントベース VM を導入するためのデータストアを作成します。

右ペインで、[Create Datastore] をクリックします。

[Name] フィールドに「ds1」と入力し、データストアのサイズとブロックサイズを入力します。

（注）

[1TB] のサイズと [8K] のブロックサイズを使用することをお勧めします。

[Create Datastore] をクリックします。

新しく作成したデータストアは vCenter で使用できます。

HyperFlex iSCSI 通信のためのリンクローカルネットワークの設定

FlexVolume プラグインには、各 VM 間で Kubernetes を実行するホスト専用リンクと、ESX ホスト上の Internet Small Computer System Interface（iSCSI）ターゲットが必要です。

HyperFlex 3.5 以降の場合

手順

ステップ 1

「HX Connect UI」にログインします。

ステップ 2

[Settings] > [Integrations] > [Kubernetes] を選択します。

ステップ 3

[Enable All Node] をクリックし、[KUBERNETES STORAGE PROVISIONING] オプションが有効になるまで待ちます。

HyperFlex インフラストラクチャの設定と Cisco Container Platform での使用準備には、Kubernetes 永続ボリュームのサポートを使用します。

HyperFlex 3.0.x の場合

手順

ステップ 1	HyperFlex 3.0 プラットフォームインストーラ VM への SSH セッション、またはいずれかの HyperFlex コントローラ VM へのSSH セッションを開き、ルートユーザとしてログインします。
ステップ 2	次の手順を実行して、add_vswitch.py スクリプトを実行するときに入力する必要のある vCenter の詳細を取得します。次のコマンドを実行して、vCenter データセンター名と vCenter クラスタ名を取得します。 `stcli cluster info \| grep -i vcenter` 次のコマンドを実行して、vCenter の IP アドレスの到達可能性を検証します。 `ping <vcenter URL>`
ステップ 3	次のロケーションに移動します。 /usr/share/springpath/storfs-misc/hx-scripts/
ステップ 4	add_vswitch.py スクリプトを実行します。 `python add_vswitch.py --vcenter-ip <vCenter IP address>` メッセージが表示されたら、ステップ 2 の出力から取得した vCenter の資格情報、データセンター名、およびクラスタ名を指定します。 HyperFlex インフラストラクチャの設定と Cisco Container Platform での使用準備には、Kubernetes 永続ボリュームのサポートを使用します。

ACI 統合の要件

Cisco ACI では、アプリケーションをエンドポイントグループ（EPG）にグループ化し、EPG のポリシーを定義して、ACI ファブリックにネットワークポリシーを導入することができます。ポリシーの適用は、ACI ファブリックのスパインとリーフのアーキテクチャを使用して実装されます。

次の図は、Cisco Container Platform の ACI 統合ネットワークトポロジを構成するコンポーネントを示しています。

図 2. Cisco Container Platform の ACI 統合ネットワークトポロジ

このネットワークトポロジの主なコンポーネントは次のとおりです。

「ACI ファブリック」には、2 つのスパインノード、2 つのリーフノード、および 3 つの APIC コントローラが含まれています。ネットワーク要件に応じて、スパインノード、リーフノード、および APIC コントローラの数を選択することができます。
「HyperFlex ファブリックインターコネクト（FI）」には、ESXi ホストと ACI リーフスイッチ間を接続する 2 つのファブリックインターコネクトスイッチが含まれています。
「ESXi ホスト」には、UCS C220 M4 などの UCS サーバが含まれています。
「ASR ルータ」が外部のインターネットアクセス用として ACI ボーダーリーフに接続されています。

APIC コントローラの要件

ACI を使用する場合は、APIC コントローラで次の設定を済ませていることを確認します。

インフラ VLAN に 4094 以外のポート番号を割り当てる（4094 は HyperFlex ファブリックインターコネクトのプロビジョニング用に予約されているため）
共通テナントを作成する
共通テナントで Virtual Route Forwarder（VRF）を作成する
L3OUT を少なくとも 1 つ作成する
ACI テナントの物理ドメイン用の Access Entity Profile（AEP）を作成する
L3OUT 用の AEP を作成する
vSphere に接続する Virtual Machine Manager（VMM）ドメインを作成する

APIC コントローラの設定の詳細については、最新の ACI マニュアルを参照してください。

HyperFlex FI の要件

HyperFlex FI で次の設定を済ませていることを確認します。

QoS の設定

左ペインで、[LAN] をクリックします。

右ペインで、[QoS] タブをクリックし、QoS を設定します。

（注）

[MTU] の設定を使用して、vNIC テンプレートの QoS ポリシーに関連付けられている優先順位を設定する必要があります。

テナントの VLAN が許可されていることの確認

Cisco Container Platform のコントロールプレーンと管理ノードのネットワーキングを設定すると、vSphere 上の HyperFlex クラスタにアクセスして Cisco Container Platform をインストールできるようになります。テナントクラスタを作成すると、そのたびに、共通のテナントクラスタに格納されている ACI の構成要素（L3OUT、VRF、AEP など）が再利用されます。

ACI 導入でのテナントクラスタ

ACI 導入では、各テナントクラスタに独自のルーティング可能なサブネットを持たせる必要があります。ノード VLAN、ポッドサブネット、およびマルチキャストサブネット範囲がクラスタ間で重なり合わないようにする必要があります。Cisco Container Platform では、VLAN とサブネットが重なり合わないことが保証されます。

他の CNI とは異なり、ACI テナントクラスタでは 2 つの VLAN サブインターフェイスが必要です。1 つはノード VLAN 用で、もう 1 つはインフラ VLAN 用です。次の図に示すように、Cisco Container Platform によって一意のノード VLAN ID が割り当てられます。クラスタの作成時に、クラスタの一意のインフラ VLAN ID を割り当てる必要があります。

テナントクラスタの作成の詳細については、『Cisco Container Platform User Guide』の「Creating Kubernetes Clusters」の項を参照してください。

ACI および CNI プラグインの詳細については、Cisco ACI および Kubernetes 統合に関する最新のドキュメントを参照してください。

Cisco Container Platform 3.0.0 インストールガイド

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Cisco Container Platform 3.0.0 インストールガイド

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