マルチリンク フラグメンテーションでは、大きなデータグラムが多数の小さなパケット フラグメントにフラグメント化(「細切れに」)され、マルチリンク ヘッダーがパケット フラグメントに追加され、パケット フラグメントが別々にネットワーク ピアに転送されます。
インターリーブがイネーブルになっている場合、パケット フラグメントは十分に小さく、それを転送するのに要する時間は、リアルタイム(時間に敏感な)データ パケットを転送するための時間バジェットを超えません。リアルタイム データ パケットは大きなデータグラムのフラグメントの間にインターリーブされます。
マルチリンクが別のデータ パケット フラグメントまたはフレームを受信側のネットワーク ピアに送信する準備をするたびに、マルチリンクはまずリアルタイム(時間に敏感な)パケットが送信キューに到着しているかどうかを確認します。到着している場合、優先順位が高いパケットが最初に送信されてから、大きなデータグラムの次のフラグメントが送信されます。
プライオリティ パケットが受信ネットワーク リンクに到着するまでの時間遅延は、ネットワーク リンクレベルでの通常のシリアル化遅延に従います。つまり、プライオリティ パケットを送信する前に、すでに送信済みの他のデータを終了しておく必要があります。長いデータグラムを小さいフラグメントに分割し、フラグメント間に新しく到着したプライオリティ
フレームがないかをチェックすることにより、プライオリティ フレームの遅延は、大きなデータグラム全体の送信時間ではなく、前回キューに入れられたフラグメントの送信に要する時間のみになります。
そのため、プライオリティ パケットのストリームへの挿入の応答性は、フラグメントの最大サイズで決まります。フラグメント サイズは、ppp multilink fragment delay コマンドでフラグメント遅延を調整することにより調整できます。
正しい転送と再構成(後で実行されます)順序を保証するため、パケットをキューから取り出した後で送信準備をするときに、マルチリンク ヘッダーが大きなデータグラムのフラグメントに追加されます。
次の図は、マルチリンクによってパケットのフラグメント化とインターリーブが行われるようすを単純化したものです。
上記の図では、IP 音声パケットと大きなデータグラムの両方が 1 つのネットワーク リンクからインターフェイスに到着しています。実際のネットワークには複数のリンクが存在することがあります。IP 音声パケットと大きなデータグラムは、それらの分類に従ってキューに入れられます。大きなデータグラムはフラグメント化されます(IP
音声パケットはフラグメント化されません)。IP 音声パケットは、マルチリンク ヘッダーが追加される大きなデータグラムのフラグメント間でインターリーブされます。
キューから取り出して送信されるパケット
大きなデータグラムをキューから取り出し、メンバー リンクで領域が使用可能になると、マルチリンクは元の大きなデータグラムからフラグメントを 1 つ取り、そのリンク上でフラグメントを送信します。マルチリンクが完全にデータグラム フラグメントを送信する前に
IP 音声パケット(または他のリアルタイム パケット)が送信キューに到着した場合、次にリンクでパケットの送信が可能になると、マルチリンクは優先順位の高いパケットをキューから取り出して送信します。大きなデータグラムの別のフラグメントの代わりに、優先順位の高いパケットが送信されます。