このドキュメントでは、Tier 1 外部ファイバ チャネル（FC）ストレージ アレイを HX ノードに接続する方法を詳しく説明します。外部 FC ストレージは、次のように、ファイバ チャネル エンドホスト モードとイーサネット エンドホスト モードで HX ノードに接続できます。

• ファブリック接続 FC ストレージ

• ファブリック接続 FCoE ストレージ

（注）	ファブリック インターコネクトへの直接接続および Cisco UCS ベースのゾーン分割はサポートされていません。

SAN 接続に関する設計上の考慮事項を次に示します。

• ノースバウンド ストレージの物理接続では、LAN 接続などの仮想ポート チャネル（vPC）がサポートされません。

• ポート チャネルまたはトランキングを利用して、複数のストレージ アップリンク ポートを結合して物理リンクの冗長性を確保することができます。

• ストレージ リソースの冗長性はストレージ自体で管理され、その方法はベンダーによって異なります。

• 外部ストレージを HX ドメインに直接接続すると、追加の処理によりファブリック インターコネクトの物理ポートの使用量が増加します。

• ストレージ リソースへのアクセスを提供するには、VSAN やゾーン分割などのソフトウェア設定が必要です。

• 外部ストレージ接続を利用する場合は、2 つのクラスタ間で LAN 接続ポリシーが異なる可能性があるため、ストレージに接続する各クラスタを独自のドメイン内に置くことが不可欠です。

WWPN プールを作成します。

WWPN プール [hx-b]を作成します。上記の手順に従ってください。

ファブリック インターコネクト B の vHBA テンプレートを作成します。

接続ポリシーは、ネットワーク内のサーバと SAN の間の接続およびネットワーク通信リソースを決定します。これらのポリシーは、プールを使用してサーバに MAC アドレス、WWN、および WWPN を割り当て、サーバがネットワークとの通信に使用する vNIC および vHBA を識別します。

（注）	これらの接続ポリシーは、サービス プロファイルおよびサービス プロファイル テンプレートに含まれるため、静的 ID を接続ポリシーで使用することはお勧めしません。接続ポリシーは、複数のサーバを設定するためにも使用できます。

HX ノード サービス プロファイル テンプレートに SAN 接続ポリシーを統合します。

これにより、この SPT に関連付けられているサービス プロファイルがユーザの確認をとってから HX ノードをリブートします。

iSCSI SAN はコンピュータ システム間またはホスト サーバ間でイーサネット接続を使用する、ハイパフォーマンスのストレージ サブシステムです。SAN のコンポーネントには、ストレージ トラフィックを転送するホスト サーバ、スイッチ、ルータ内の iSCSI ホスト バス アダプタ（HBA）またはネットワーク インターフェイス カード（NIC）、ケーブル、ストレージ プロセッサ、およびストレージ ディスク システムがあります。

iSCSI SAN は、クライアント/サーバ アーキテクチャを使用します。iSCSI イニシエータと呼ばれるクライアントは、ホスト上で稼働します。iSCSI イニシエータは iSCSI コマンドをサーバに対して発行します。これらのコマンドは、iSCSI プロトコルを使用してカプセル化した状態で送信されます。サーバは、iSCSI ターゲットと呼ばれます。iSCSI ターゲットはネットワーク上の物理ストレージ システムを表します。また、たとえば仮想マシンで稼働する iSCSI ターゲット エミュレータなどの iSCSI ターゲットを仮想 iSCSI SAN で提供することもできます。iSCSI ターゲットは必要な iSCSI データを送信して、イニシエータからのコマンドに応答します。

ストレージを検出し、そのストレージへのアクセスを制限するには、いくつかのメカニズムを使用できます。ストレージ アクセス制御ポリシーをサポートするように、ホストとインターネット SCSI（iSCSI）を設定する必要があります。

SAN と併せて ESXi を使用する際は、SAN 設定で問題が発生しないよう、以下の特定のガイドラインに従ってください。

• 各 LUN に配置する VMFS データストアは 1 つだけにしてください。LUN 上に複数の VMFS データストアを配置することは推奨されません。

• システムが設定するパス ポリシーは、それを変更することによってどのような影響があるかを理解していない限り、変更しないでください。

• 設定、アクセス制御、ストレージ、スイッチ、サーバ、iSCSI HBA 設定、ソフトウェアおよびファームウェアのバージョン、ストレージの配線計画を含め、すべての情報を文書化してください。

• 障害時に備えた計画を立てます。トポロジ マップの複数のコピーを作成します。各要素について、その要素で障害が発生した場合に SAN に与える影響を検討してください。

• 極めて重要な障害点を見逃さないよう、設計に記載されている各種のリンク、スイッチ、HBA、およびその他の要素のそれぞれをチェックするごとに線を引いて消します。

• スロットとバス速度に基づき、iSCSI HBA が ESXi ホストの正しいスロットに設置されていることを確認します。サーバで使用可能なバスの間で PCI バスの負荷を分散します。

• ESXi パフォーマンス グラフ、イーサネット スイッチ統計情報、およびストレージ パフォーマンス統計情報を含め、あらゆる可視の情報で、ストレージ ネットワーク内のさまざまなモニタ ポイントを十分に理解します。

• ホストが使用する VMFS データストアが配置されている LUN の ID を変更する際は注意してください。ID が変更されると、VMFS データストアで実行中の仮想マシンで障害が発生します。VMFS データストアで実行中の仮想マシンがないとしても、LUN の ID を変更した後は、ホスト上で再スキャンを行って ID をリセットする必要があります。再スキャンを使用する方法の詳細については、「Storage Refresh and Rescan Operations」を参照してください。

• iSCSI アダプタのデフォルト名を変更する必要がある場合は、使用する名前が世界レベルで一意であり、適切な形式になっていることを確認します。ストレージ アクセスに問題が発生しないよう、それぞれ異なるホスト上にあるアダプタであっても、決して複数のアダプタに同じ iSCSI 名前を割り当てないでください。

• iSCSI トラフィックとアップリンクがそれぞれに専用の vSwitch で隔離されるようにしてください。

外部ストレージの MAC プールを作成します。

すでに存在する MAC アドレスの重複を避けるために、デフォルトの MAC アドレスのブロックを変更します。各ブロックには、デフォルトで 100 個の MAC アドレスが含まれており、UCS システムごとに最大 100 の HX サーバを展開できます。トラブルシューティングを容易にするために、vNIC ごとに 1 つの MAC プールを使用することを推奨します。

（注）	8 桁目は A または B に設定します。「A」は、ファブリック インターコネクト A にピン接続された vNIC で設定されます。「B」は、ファブリック インターコネクト B にピン接続された vNIC で設定されます。

手順を繰り返して、ファブリック インターコネクト b に MAC プール hx-extstorage-b を作成します。

ファブリック インターコネクト B の vNIC テンプレートを作成します。

LAN 接続ポリシーを作成します。

接続ポリシーは、ネットワーク内のサーバと LAN の間の接続およびネットワーク通信リソースを決定します。このポリシーは、プールを使用して MAC アドレスをサーバに割り当て、サーバがネットワークとの通信に使用する vNIC を識別します。

（注）	これらの接続ポリシーは、サービス プロファイルおよびサービス プロファイル テンプレートに含まれるため、静的 ID を接続ポリシーで使用することはお勧めしません。接続ポリシーは、複数のサーバを設定するためにも使用できます。

これにより、この SPT に関連付けられているサービス プロファイルがユーザの確認をとってから HX ノードをリブートします。

ESXi に統合された NFS クライアントは、ネットワーク ファイル システム（NFS）プロトコルを使用して、NAS サーバ上にある指定の NFS ボリュームに TCP/IP でアクセスします。ESXi ホストにはボリュームをマウントすることができ、そのボリュームでストレージ ニーズに対応します。

ESXi は、ほとんどの NFS ボリュームで以下のストレージ機能をサポートします。

• vMotion および Storage vMotion

• ハイ アベイラビリティ（HA）

• 分散リソース スケジューラ（DRS）

NFS ストレージを使用する際は、設定、ネットワーク、NFS データストアに関する以下の注意事項に従ってください。

NFS ネットワークに関する注意事項

• ネットワーク接続を可能にするには、ホストに標準ネットワーク アダプタが必要です。

• ESXi はレイヤ 2 およびレイヤ 3 のネットワーク スイッチをサポートします。レイヤ 3 スイッチを使用する場合は、ESXi ホストと NFS ストレージ アレイをそれぞれ別のサブネットに配置して、ネットワーク スイッチでルーティング情報を処理する必要があります。

• NFS トラフィックとアップリンクがそれぞれに専用の vSwitch で隔離されるようにしてください。

• NFS ストレージには VMkernel ポート グループが必要です。新しい仮想スイッチ（vSwitch）上に、IP ストレージの VMkernel ポート グループを追加してください。vSwitch スイッチとしては、vSphere 標準スイッチ（VSS）または vSphere 分散スイッチ（VDS）を使用できます。

• 複数のポートで NFS トラフィックに対応する場合は、それに応じて適切に仮想スイッチと物理スイッチが設定されていることを確認します。詳細については、vSphere ネットワークに関するドキュメントを参照してください。

（注）	NFS ストレージの設定の詳細については、ストレージ ベンダーのドキュメントを参照してください。

ファイバ チャネル（FC）ゾーン分割によって、FC ファブリックを 1 つ以上のゾーンに区切ることができます。各ゾーンでは、VSAN で相互通信できる FC イニシエータと FC ターゲットのセットが定義されます。ゾーン分割により、ホストとストレージ デバイスまたはユーザ グループ間のアクセス制御を設定することができます。

Cisco UCS Managerは、スイッチベースのファイバ チャネル（FC）のゾーン分割とCisco UCS Manager ベースの FC ゾーン分割をサポートしています。同じCisco UCS ドメイン内ではゾーン分割タイプを組み合わせて設定できません。次のゾーン分割タイプのいずれかを使って Cisco UCS ドメインを設定できます。

• Cisco UCS Managerベースのファイバ チャネル ゾーン分割：この設定は、直接接続ストレージとローカル ゾーン分割の組み合わせです。ファイバ チャネルまたは FCoE のストレージは、ファブリック インターコネクトに直接接続され、ゾーン分割は、Cisco UCSローカル ゾーン分割を使用してCisco UCS Manager で実行されます。既存のファイバ チャネルまたは FCoE アップリンク接続を無効にする必要があります。Cisco UCSは、Cisco UCS ローカル ゾーン分割機能の使用と共存するアクティブなファイバ チャネルまたは FCoE アップリンク接続を現在サポートしていません。

• スイッチベースのファイバ チャネル ゾーン分割：この設定は、直接接続ストレージとアップリンク ゾーン分割の組み合わせです。ファイバ チャネルまたは FCoE のストレージはファブリック インターコネクトに直接接続され、ゾーン分割は、MDS または Nexus 5000 スイッチを介してCisco UCS ドメインの外部から実行されます。この設定は、Cisco UCS ドメインでのローカル ゾーン分割をサポートしません。スイッチベースのゾーン分割の場合、Cisco UCS ドメインはアップストリーム スイッチからゾーン分割の設定を継承します。

（注）	ゾーン分割は VSAN 単位で設定されます。ファブリック レベルでゾーン分割を有効にすることはできません。

1.    まだ完了してない場合は、Cisco UCS ドメイン内のファブリック インターコネクトの接続を、外部ファイバ チャネル スイッチ（MDS など）から切り離します。

2.    Cisco UCS ドメインにまだ外部ファイバ チャネル スイッチによって管理されたゾーンが含まれる場合は、これらのゾーンを削除するために、影響を受けたすべての VSAN で clear-unmanaged-fc-zone-all コマンドを実行します。


3.    ファイバ チャネル スイッチ モードの両方のファブリック インターコネクトでファイバ チャネル スイッチング モードを設定します。

4.    ファイバ チャネル ゾーンのトラフィック転送に必要なファイバ チャネルと FCoE ストレージ ポートを設定します。

標準的なダイレクト アタッチド ストレージ（DAS）システムは、ホスト バス アダプタ（HBA）を介してコンピュータに直接接続されているデータ ストレージ デバイスで構成されています。これら 2 つのポイント間にはネットワーク デバイス（スイッチやルータなど）がありません。DAS 接続に使用される主要なプロトコルは、ATA、SATA、eSATA、SCSI、SAS、USB、USB 3.0、IEEE 1394、およびファイバ チャネルです。

Cisco UCS Manager では、SAN スイッチでゾーン分割設定をプッシュしなくても DAS を使用できます。ここで説明されている DAS の構成では、ストレージ アレイ ポートとファブリック インターコネクトの間に物理ケーブルが接続済みであることが想定されています。

ファイバ チャネル スイッチング モードは、サーバとストレージ デバイス間のスイッチング装置としてファブリック インターコネクトがどのように動作するかを決定します。ファブリック インターコネクトは、次のファイバ チャネル スイッチング モードのいずれかで動作します。

エンドホスト モード

エンドホスト モードを使用すると、ファブリック インターコネクトは、仮想ホスト バス アダプタ（vHBA）を介して接続されているすべてのサーバ（ホスト）に代わって、接続されているファイバ チャネル ネットワークに対するエンド ホストとして動作することができます。この動作は、vHBA をファイバ チャネル ポート アダプタにピン接続することにより実現されます（動的なピン接続または固定のピン接続のいずれか）。これにより、ファイバ チャネル ポートはファブリックの残りの部分に対してサーバ ポート（N ポート）となります。エンドホスト モードの場合、ファブリック インターコネクトは、アップリンク ポートがトラフィックを相互に転送するのを拒否することでループを回避します。

エンドホスト モードは N ポート仮想化（NPV）モードと同義です。このモードは、デフォルトのファイバ チャネル スイッチング モードです。

（注）	エンドホスト モードを有効にした場合、vHBA がアップリンク ファイバ チャネル ポートに固定ピン接続されていて、このアップリンク ポートがダウンすると、システムはその vHBA をピン接続し直すことはできず、その vHBA はダウンしたままになります。

スイッチ モード

スイッチ モードは従来のファイバ チャネル スイッチング モードです。スイッチ モードを使用して、ファブリック インターコネクトをストレージ デバイスに直接接続することができます。ファイバ チャネル スイッチ モードの有効化は、SAN が存在しない（たとえば、ストレージに直接接続された 1 つのCisco UCS ドメイン）ポッド モデル、または SAN が存在する（アップストリーム MDS を使用）ポッド モデルで役に立ちます。スイッチ モードはデフォルトのファイバ チャネル スイッチング モードではありません。

（注）	ファイバ チャネル スイッチ モードでは、SAN ピン グループは不適切です。既存の SAN ピン グループはすべて無視されます。